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第 3章   読解過程 に依拠 した方略一覧表の作成

第 1節   補足方略の検討

2章

で分類 した枠組みの中 で 、方略が入 らなかった項 目は、

Hの

番 号 に当た ると ころで あ る。学習 の手 引きには、ほぼ評価 読 み に該 当す る方略が見 られなか った ことか ら、対応す る方略 を検 討 した。

①は、音韻化過程にある評価読 みの顕在的意識に関わる方略であ る。テクス トの表面上の問題を解

決 して、スムーズ に音韻化できるよ うな方略を考 えた い。音韻化 しやす いという評価基準 が 前提 としてあるので、 「音韻化 しやす い言葉が使われているか確かめる」や 「自分 に身 近 な言葉が使用 されて いるか」な ど、筆者が読みやす い語が選 ばれて いるか を評価す る方 略が考 え られ る。 これ らの方略 を 「音韻化評価方略」 と名付 けた。

②は、同じく評価読みの顕在的意識に関わる結束性の生成過程の方略である。井上尚美 (2000は、 「批判的な読みのチェックリス ト」の中に、 「用語は一貫 しているか」 という 項 目を入れてお り、これが結束性の生成過程における同語の反復の評価 にあたると考え ら れる。語の反復をする間に筆者の使い方に少 しずっ変化が見 られる可能性があるため、同 語 に意識を向けてお く必要がある1。 従って、この方略を「一貫性評価方略」 と名付 けた。

③は、評価読みの顕在的意識に関わるマクロ構造付与の項 目である。 ここには、文章の 二部構成の読み取 りに関わる方略が求め られる。森田

(1998)で

は、 「はじめ、なか、おわ りの構造の確認 と吟味 0評 価」を入れてお り、 この項 目に対応するものと考えられる2.構 成が明確で理解 しやすいか」のような観点で評価するものと考える。従って、 この方略を

「二部構成評価方略」 と名付けた。

④は、評価読みの潜在的意識に関わるマクロ構造付与の項 目である。 ここには、難波

(2008)が

示 した三つの思考構造の型を活用 して方略 としたいと思 う3.方略の表現 としては

「話題の進め方は、一般―特殊型、前提―自論型、問題解決型のどれに当てはまるか考え る」 とする。思考構造は多様な型があるので、一部に決めて しまうと他の論理展開と出会 った時に、対応できな くなって しまうことが考え られる。 しか し、基本 となる思考構造を 理解 してお くことで、 「三つの型 とは少 し違 う」と感 じとり、別の展開の仕方 として学習

していくはずである。そ こで、 この方略を 「思考構造評価方略」 と名付けた。

表 11  方略が分類 されなかった項 目

■レベル    1     文レベル 全体

書餞化 表 菫 泄 菫 マクロ輌遺付与

薇 在

//

着 在

/

絆口餞み

/

躙 在

① / ② ③

潜 在

/ ④

45

2節  

読 解 方 略 一 覧 第

1項  

読解 方 略 一 覧 の構 成

読解方 略一覧は、読解前 。読解 中・ 読解後 と言語理解過程 の二層構成 にな って いる。言語 理解過程 は読解 中の中に組み込 まれている。また、言語理解過程 は、左上の確認読みの音韻 化 の項 目に当たる方略が低度 の もの として示 して あ り、順次、右下 の評価 読みのマク ロ構造 付与 に当たる方略 に向か い高度な もの として示 して ある。

(1)読

解 前 。読解 中 。読解後 に分類 され る読解方略 の構成

読解前 に分類 されたのは、「目標把握方略」と「先行知識準備方略」の二つで ある。「目標 把握方略」も「先行知識準備方略」も、学習 の手引きか らは、二つずつ方略が抽 出 された。

読解 中に分類 され る読解方略は、詳細 は

(21で

示す。

読解後 に分類 されたのは、「取 り出 し方略」 と 「感想方略」「内容評価方略」「自己意識方 略」「筆者評価方略」「説明方略」「書 き出 し方略」の七つで ある。「取 り出 し方略」は抽 出さ れた数が 127個 と、他の方略よ りも多かったため重要度が高いと言 える。以下、「感想方略」

31個、「内容評価方略」 16個 、「自己意識方略」6個、「筆者評価方略」5個、「説明方略」5 個 、「書 き出 し方略」2個と抽 出数が多 い順 に並べた。

(21  読解 中の言語理解過程 に分類 され る読解方略の構成

音韻化過程 の潜在 的視点 と推意 の生成過程 の顕在 的視点 は、方略が位置づ け られな い項 目と判断 したため、斜線 を引いた。音韻化過程 は、顕在 的な文字情報 を音韻化す るだけの過 程なので、コー ド解釈や意 味解釈は入 らな い。従 って、音韻化過程 には潜在 的な視点は必要 な い。また、推意の生成過程では、生成 された表意 にエ ピソー ド記憶 を付与 して いく過程な ので、 この過程で顕在的な視点は使用 されない。

この二つ以外の項 目に、確認読み 18種 類、評価読み 16種 類の方略を位置づ けた。

確認読みの顕在的視点 には、音韻化過程 に 「音読方略」、表意 の生成過程 に 「表現着 目方 略」と「キー ワー ド方略」を位置づ けた。表意 の生成過程 の方略の数 は 「表現着 目方略」が 8個、「キー ワー ド方略」が5個だ った。推意 の生成過程は「要約方略」「結束構造方略」「要 点予測方略」、マ クロ構造付与過程 には「全体要約方略」「文章構成方略」の順で位置づけた。

確 認読み の潜在的視点 は、表意 の生成過程 に「他情報活用方略」「テ クス トベース方略」、推 意 の生成過程 に 「記憶方略」「絵 図表理解方略」、結束性 の生成過程 に 「関係性方略」「絵 図 表結束方 略」「要点方略」、マ クロ構造付与過程 に「思考構造方略」「展開予測方 略」「要 旨方 略」 を位置づけた。

評価読 みの筆者意 図視点 には、表意 の生成過程 に 「筆者意 図想定方略

(表

)」 「筆者意 図 想定方略(ことが らの捉え方)」 「筆者意図想定方略

(絵

図表)」、結束性の生成過程では、「筆 者意 図想定方略

(主

)」 「筆者意図想定方略(結束表現)」 「筆者意 図想定方略

(論

理)」、マ ク ロ構造付与過程 に、「筆者意 図想定方略

(動

機)」「筆者意 図想定方略

(文

章構成)」 を位置づ け た。評価読みの顕在的視点 には、音韻化過程 に 「音韻化評価方略」、表意の生成過程 に 「換 言方略」、結束性 の生成過程 に「一貫性評価 方略」、マ クロ構造付 与過程 に「三部構成評価 方 略」 を位置づ けた。評価読みの潜在的視点 には、表意 の生成過程 に 「文型転用方略」、推意 の生成過程 に「既有知識比較方略」、結束性の生成過程 に「妥 当性評価方略」、マクロ構造付 与過程 に 「思考構造評価方略」 を位置づ けた。

読解 方略一 覧

読解 前 読解 中 読解後

「目標把握方略」

書いてあることを正しく読み取る ようにする。

どんなところに気を付けて読んだ ら、作品を上手に作れるか考える。

「先行知識準備 方略」

自分の課題に応 じた資料や情報を 見つける。

できるだけ複数の資料や情報を参 照するようにする。

語 レベル          1         文 レベル 文 間及び段落 間 レベル 全 体

音韻化 表 意 推 意 結束性 マクロ構造付与

確 認 読 み

顕 在

表 現 l首翫 万 略 」

どの言葉や文 を強めて読 む と、内容 が 分 か りやす いか考 える。

声 に出 して 読む。

スムーズ に読めな いため 、音読す る。

「表現着 目方略」

 

「○○は」と書かれている言葉を探す。

 

「○○は」と入りそうなところはないか考える。

 

「〜明らかになった。」などの表現を基に示され ている事実を見つける。

 

「も」「だけ」「しか」の助詞の働きについて考え る。

「キー ワー ド方 略」

 

くり返しでて<る 言葉に見付けながら読む。

 

キーワー ドに印をつける。

l晏潮 万 畷 」

書かれ て いる内容 を短 くまとめなが ら読み取 る。

段落 ごとに小見 出 しをつ ける。

「結 東構造 方略」

「しかし」や「でも」に着目して、伝えられることと伝 えられないことをまとめる。

「例えば」「また」「そして」などの言葉に注意して、前 の段落とどのような関係でつながっているか考える。

「要点予測方略」

はじめの段落を読んで、話題が何についてなのか考え る。

:■体 姜 祠 万 騒 」

筆者 が行 った実験 の 内容 と結 果 を簡単 に ま とめ る。

文 章全体 の内容 を要約す る。

「文 章構成方略」

「はじめ」「中」「おわり」という組み立て にな って いるか確かめ る。

文 章 を「始 め 。中 。まとめ」に分 け、それ ぞれ 何が書 いてあ ったか ま とめる。

潜 在

内容・ ことが ら 論 理

「他情報活用方略」

例に挙げられているものについて、国語辞典や図 鑑などで調べる。

事実かどうか確かめられることは、実際に試す。

「テ クス トベー ス方 略」

一つ一つの文の「何がどうなる。」を提えながら 読む。

何がどうなるかを確かめながら読む。

「 記 憶 方 略 」

知 って いる草花が あ るか考 え る。事柄や 考 えにつ いて述 べ られ た文 章で は、具体例 を 自分で補 いなが ら読む。

自分が筆者 の経験 と似 た不思 議な 疑間に と らわれ た ことが あ るか思 い出す。

自分が 知って いる ことが らか ら具体 的に 想像 して みる。

「 絵 回 表 理 解 方 略 」

写真 を見て理解で きた ことを振 り返 る。

絵 の中か ら文 だけで は表現 しきれ て いな い ことを読み取 る。

「 関 係 性 方 略 」 問い と答 えを見 つ ける。

「中Jに当た る大段 落 を構成 して いる「事実」を述べて いる段落 、「理 由や 説明」を述べて いる段 落、「具体 例」を 述 べて いる段落 を見つ ける。

「 絵 図 表 結 東 方 略 」

写真 に対応す る文 を結び付 ける。 表 を説明 して いる文 と表か ら読み取れ る文 を探 す。

文章 の中か ら図 と結 びつ いて いる具体例 を見つ ける。

「 要 点 方 略 」

段落 ごとに大事 だ と思 う言葉や文 を書 きだす。

答 えの 中心 にな って いる部分 が 、段 落の 中の どこか を 考 える。

「思考構造方略」

 

文章のつくりをまねして、はしご車の説明 文を作る。

 

段落の関係を図に表す。

「展 開予測方略」

 

①段落と②段落を読んで、どんな疑間がど んな方法で解き明かされていくか予測す

 

る。題名や書き出しを手がかりに、どのような ことが説明されているか話し合う。

「要 旨方略」

 

それぞれの段落に何が書かれているか考 えながら文章全体を読む。

 

文章の要旨を読み取る。

評 価 読 み

筆者の 意図

「 筆 者 意 図 想 定 方 略 {表 現)」

筆 者 は 自分 の見方 を伝 えるた め に、どのよ うな 言 葉の工夫 を して いるか考 える。

どう して 「」 をつけた 言葉が あるか考 える。

体 言止め を多 く使 った筆者 の意 図 を捉 える。

「筆 者意 国想定方略{ことが らの提 え 方)」

 

「例外」を見つけたとき、筆者はどのよ うに考えたか推測する。

 

意見を言うために、なぜその例を示した 筆者の考えを読み取る。

「筆者意 図想定方略 齢 図表)J

 

本文中の写真は、何のために用いられて いるか考える。

 

写真の役割を考える。

 

筆者は、どのような意図で写真を見せよ うとしているか考える。

「筆 者意 図想定方略{主張}J

 

筆者は、私たちにどんなことを伝えたいと思ったのか

・考える。

 

「絵巻物」について筆者が説明していることや評価し ていることを考える。

「筆者意図想定方略 皓 東表現)」

 

ほとんど同じ文を見つけた1手、なぜ筆者は二度同じ文 を書いたのか考える。

 

筆者が図を使って言お うとしていることは何か考え る。

「筆者意 図想定方略 輪 理)」

 

仮定を使い筆者はどのようにして説得しようとしたの か考える。

 

結論を強化するため反例を使っている筆者の工夫を見

「 筆 者 意 図 想 定 方 略1動欄 」 筆 者が テ ー マ につ いて考 えて み よ うと思 った のはなぜか考 える。

筆者 は、文 章 を通 じて、読者 に何 を考 えて ほ しいのか な ど、筆 者 が文 章 を書 いた 目的 を考 える。

筆者が「着 る ロボ ッ ト」の研究 を進 めて い るのは、 どういう考 えか らか考 える。

「 筆 者 意 図 想 定 方 略 1文 章 構 成)」

筆者 は 自分 の見方 を伝 えるため に、どのよ うな構成 の工夫を して いるか考える。

顕 在

表 現

「音韻化評価方略」

 音韻化しやすい語が使われているか。

「換 言方略」

 

常体と敬体を言い換える。

 

「〜します。」が「〜みましょう。」に変わるとど んな印象になるか考える。

 

重要な語句は定義されているか。(井)

語の威イヒ的用法(色づけ)1またいか^(丼 )

「一貫性評価方略」

 用語の意味は一貫しているか。(井)

「二部構成評価方略」

はじめ、なか、おわりの構造の吟味・評価

(森 田)

潜 在

内容・ ことが ら 綸 理

「文型 転用 方略 」

 

本にのっていた文章を「しつもん」と「こたえ」

の形に書きかえる。

 

重要な語句は定義されているか。(井)

 

語の感化的用法(色づけ)は ないか。(井

)自

分にとって意味が分かる語が使われていえるか。

 

なぜ、筆者はこの語を使ったのか。

「既 有知餞比 較方略」

。「なるほどJ「初めて知った」「そうかな」と 思ったところは、どの部分なのか確かめる。

なぜ、筆者はこの事例を使ったのか。

 

不適切な資料や証拠はないか。(井)

 

隠された資料や証拠はないか。(井)

 

反論の材料となるような、反対の立場か らの資料や証拠は考えられないか。(井)

「妥 当性評価方略J

 

理由や根拠として挙げていることが妥当という観点 で、複数の投書から自分が納得できるものを選ぶ。

 

誤つた徳 用された)理由づけはないか。(井)

 

早まった一般化をしていないか(その語の及ぶ範囲が 限定されているか)(井)

 

判断・ 主張の吟味評価(森)

判断、主張相互の関係の吟味・評価(森)

「 思 考 構 造 評 価 方 略 」

 

話題 の進め方は、一般 ‐特殊型、前提‐自論 型 、 問題解 決型 の どれ に 当て は まるか 考 え る。(難)

 

仮 説、実験 、検証、結 論の構造 の吟味・ 評 価 (森)

 

問題提示 、解決過程 、まとめの構造 の吟 味 評価 〈森 田)

「感想方略」

初めて知ったこと、不思議に思ったこと、

もっと知りたくなったことをまとめる。

不思議だと思ったことを発表する。

「取 り出 し方略」

それぞれのじどう車は、どんなはたらきを しているかを思い出す。

資料に基づく具体的なデータを使って、主 張の理由や根拠としているか確かめる。

時を表す言を手がかりに、順序を読む。

「自己意識方略」

何度も読み返したところを振り返る。

文章を読む前と比べて、自分の考えの変化 をまとめる。

自分の感想は「何が」「どのようにJ書か れていたから生まれたのか考える。

「内容評価方略」

「質の高い情報」について、自分の考えを まとめる。

文章を読んで自分にできることはどんな ことか、自分の考えを発表する。

「質の高い情報」について、自分の考えを まとめる。

「筆 者評価 方略 」

筆者の主張に対して、自分の考えをまとめ る。

さらによくするための自分の考えをまと める。

「書き出し方略」

分か った り考 えた りした ことをメモす る。

思 い浮かんだ気持 ち を行間 に書 き こむ。

「 説 明 方 略 」

身の 回 りの事 例 を本 文 の言葉 を使 って 説 明す る。

筆者が示 した事例 を 自分で 説明 し直す。

筆 者が どうすれ ばよ い とい って いるか 説 明す る。

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