Ⅲ 国
③ 補修工事の施工計画 ,実 行管理
スタンフ的業務
④
設備部品の寿命基準
,設
備点検結果に基づいた総合的な生産設備点 検・診断計画および設備補修計画⑤
予備品の調達 。予算管理
,補
修工事の計画,予
算管理 出所:日本鉄鋼連盟前掲書
10
第57・58回西 山技 術 記 念 講 座 『鉄 鋼 業 に お け る設 備 技 術』 日本 鉄 鋼 協 会 1979年27〜28ペー ジ。
鉄鋼業における熟練・技能の特質と継承問題 (下
) 115
修理・ オフラインにおける部品の補修 を意味す る。
II
保全方式の変遷日本 における保全方式の変遷 (表
26)を
み ると,1950年
以前 は事後保全(BreakdOwn Maintenance,略
称BM)が
中心で,「壊 れた ら直す」 という 修理屋の域 を出ていなかった。 これに対 し,予
防保全 (Preventive Mainte‐nance,略
称PM)と
いう言葉 は,1925年
にアメ リカの文献 にあらわれたが,表
26
設備保全 方式の変遷操 業 保 全
I期 事後 設備保 全
BM
。未来像不明な ままで 少規模修 理・工作(受身)的な専門 修理班
II期
。予 防設備保全
PM
・ 修理員 は保全へ吸収 操業 のみ に専念
・修理 に専念
・ 予 防(計画)保 全 を強 化
私 つ くる人 あなた直す 人
IH期 (現在)
(Ⅶ期)
・ 生産設備保全
PoCBM
競争 力激 化 人的資源再 見 直 し
。(最適)設備保 全
設備保 全高度 専 門化 一般保 全修 理 再分 担
ToCBM
出所: F鉄鋼 のIE』 Vol.26 No.5 1988年 9月
116 名古屋学院大学論集
日本 に導入 されたのは
1951年
以降である。この方式 は
,設
備の劣化 を点検や経験的データか ら推定 して計画的かつ予 防的に補修 を実施す る画期的概念であったため,鉄
鋼,化
学 などの大規模の 装置産業 を中心 に急速 に普及 した。 しか し,こ
の方式では,補
修期間やその 対象設備の決定が主 として統計的手段 によっているため,過
剰保全の弊害 を 生み出 し,保
全 コス トの急速な上昇 を もた らした。 この ような問題 を解決す るため,生
産 を最大 にす る保全方式(Productive Maintenance,略
称 は同 じPM),つ
まり生産保全方式が,ア
メ リカのGM社
によって提唱 された。現在 では,PMと
いえば生産保全 を意味す るようになっている。1950年
代の後半には,設
備が故障 しない よう,ま
た保全 しやすいように改 良す る改良保全(Corrective Maintenance,略
省CM)が
提唱 され浸透 して いった。1960年
代 には保全予防が提唱 され,設
計 によって保全 を追い出す と いう考え方が強調 された。1970年
代 になると,こ
れ らの概念の集大成であ り 保全技術の集大成 とシステム化 を狙 った設備診断技術の開発へ と展開 していく(28)。
保全組織 については
,1950年
代 までは未分化であった保全 と整備(工事) が,PMシ
ステムの導入 とともに機能的に分化 し,保
全部門 と整備(工事)部 門に分 け られる。 さらに,そ
れ までの生産工程 に所属す る分散保全か ら,保
全の集中化がはか られた。
保全部門は
,点
検,修
理,予
備品調達な どの計画 とその発注及び整備 に密 着 した故障の防止 などの設備管理 を行ない,表 25の
① 〜⑤ の業務 を行な う。この うち① 〜③ の 日常作業 は,「地区整備」作業 として分類 され る(29)。
また
,整
備 (工事)部
門は,実
際の修理の施行や部品の制作 を行ない,ラ
イン的な「補修」作業 を行な う。 この整備作業 は,作
業 自体 に市販性がある ことか ら,人
員の膨大化 を抑 えるために,外
注化が行なわれ るようにな り,内製率は総作業の約
30%に
とどまっていた(30)。18)同上 227〜 228ペー ジ。
29)日本鉄鋼連盟 『人にや さ しい製鉄技術 に関す る調査研究報告― 技術・技能の伝承の必 要性― 』87ペー ジ。
鉄鋼業における熟練・技能の特質と継承問題 (下
) 117
こうした修理の外注化 は
,そ
の後,設
備の修理だけでな く,保
全 まで合め て外注化す る傾向 を生みだ し,近
年では保全部門の大半 を丸 ご と専門会社 として分社化す るという動 きがみ られ る。
石油危機以降
,保
全へのニーズは,突
発故障防止型か ら設備の品質向上・低 コス トの保全へ とシフ トす る。これに対応 して
,保
全の戦略はFTM(定
期 取替)か
らCBM(Condition Based Maintenance:状
態監視保全)に
変わる(31)。
保全 コス トは
,人
件費,部
品・資材費,設
備費に大別で きる (図19)が
,その比率は
7.0:2.9:0.1で
あ り,人
件費の しめ る比率が際立 って高い 。し か も,製
鉄所の全作業 コス トに占め る保全 コス トの比率 は10%近
くになって いる。 こうした状況 に加 えて減量経営の強 ま りは,保
全 コス トの圧縮 に も向 け られ,特
に保全要員の圧縮 (ス リム化)に
向けられている(32)。一方
,長
年 にわたる「合理化」 によって保全部門や工場の人が減 り,補
修 費 も減 る中で,設
備の 日常管理状態が悪化 し,種
々の トラブルが増加す る傾 向が出て きた (図20)。図
19
保全 コス トの分類 一人件費―「
点検・ 計画要員 卜 部品・ 資材管理要員
I L修
理要員 保全 スコ
ト 部 品・ 資材費
│
設備費―T― 保全部門所有の税・1 償却費 L̲.道工具費
出所 :『 鉄鋼 のIE』 1989年4月 第27巻 2・ 3号
00)第57・ 58回西山技術記念講座 『鉄鋼業 における設備技術』
28〜
29ペー ジ。01)r鉄
鋼のIE』 日本鉄鋼連盟Vol.27 No.2&3 1989年
4月97ペ
ー ジ。00
同上96ペ
ー ジ。118 名古屋学院大学論集
図
2o TPM活
動 のね らい一
NKK京
浜製鉄所 のマ イマシ ン活動例―E>
あるべき設備管理
・ 行 き届 いた点検・ 給 油・ 清掃
・ 高 い設 備 機能 (品 質精 度)維持
・ 設 備 故障 ゼ ロ
・ 本 質 安 全 な設備 づ く り
・ 最 小 の ライ フサ イ クル コス ト
阻 害 要 因
操 業・ 品質 管 理
日常 点検・ 給 油・ 清掃 転 運
定 修 点検・ 精 密 点 検 保 全 計画修 理 修 理 施エ
私 つ くる人 あ な た 直 す 人''
分 の が 部 業 向 点 作 傾 接 な 略 の 的 省 担 歩
・ 分 初 き る 務
・抜 ま 業 で 手 強 相 互 無関心 リ
‖
全
ホ専 門保 全 化 で保 全技 術 は飛躍 的 に向上
減 員 識 要 意
設 備 故 障,
工 場 と
テ リ ト 場
要員減,補修費減 意識
― 主義 (組織の璧) 保
TPMマイマシン活動の展開
工 場
機 械 制 御
設 備 に強 い オペ レー ター 操 業・ 品質 に強 い保 全
Step 項 目 要 点
l)よりきめ 細 か い保 全
・ 保 全計画・ 点検・ 施工・ 故障 対 策 の充 実
2)操業 異常・ 品 質異常 に対 す る設 備管 理 基 準 の確 立
3)改善・ 改 造 の強化
・ 操 薬 品質 対応保 全 の強 化
4)TPM施 エ
・ ク リー ン施 工
・ 不 具 合 発見 活動 清 掃 点 検
清掃 は点検 な り 設 備 に触 れ る こ とに よ り設 備 へ の感 性 向 上
発 生源・困難 箇 所 対 策
強制 劣化 の防 止 身 近 な改善 か ら手 掛 け 改 善 の喜 びを味 わせ る
点 検・給 油基準 の 見 直 し作 成
自ら決 め て きっち り守 基準 を守 る重要性 を学
総 点 検
設 備 に強 い人 づ く り 設備機構・機能 に学 び,
点検技能を身につける
操 業・ 保 全 相 互 乗 り入 れ運 動 〈保全が リーダー役)
相 互 教 育
担 当設 備 を題 材 に実践 教 育 設備 点検 フアポ イ ン トレ ンス ′ 油断 大敵 活 動
潤滑 不 良・ 油圧 装 置 油漏 れ防 止 す こやかセ ンサー活動
重要センサー重点管理
,´
‐‐‐「 、
,オペ レーターと保全がI :一体 となった設備管理:
l活動の展開 │
! ・ 私つ くる人 あなた:
if埜 :I賀 ■ ̲J
出所:『鉄鋼 のIE』 Vol̲31 No.6 1993年 11月
鉄鋼業 における熟練・ 技能の特質 と継承問題 (下) 119
こうした状況 の中で
,操
業 と保全が一体 となった設備管理 を狙 い とす るTPM(TOtal PrOductive Maintenance)が
提起 され,1980年
代後半には鉄 鋼業 において もTPMを
経営合理化の中心 に位置づ ける体質強化の動 きが出 て くる。TPMで
は,図 20に
みるようにオペ レータの保全への参画がキー と みなされ,操業部門が保全の一翼 を担 うことによって操業 と保全の質 を高め, 専門保全マ ンの保全効率ア ップ をも図 ることを狙 った ものである(33)。III「
地区整備作業」当作業 は
,表 27に
み られ るように作業者の熟練 に多 く依存 し,ま た今後 と も依存せ ざるをえない作業である。 この うち,(イ)整備点検,診
断作業,(口)突発的故障
,異
常対応,が
特 に熟練 を必要 とす るとみ られている。なお,「(イ)設備点検
,異
常対応」は,次
の2つ
か らなる。すなわち,一
つは巡回点検 における聴音棒 な どによる五感点検 であ り
,
もう一つは計測機器 を 使用 した診断 (回転物の振動測定,高
圧電気機器の絶縁 な ど)で
ある。 しか し,こ
れ らの作業 においては,技
術的に十分 な定量化が進んでいるとはいえ ず,高
度な熟練が必要 とされ る。r(口)突発的故障
,異
常対応」は,設
備の故障,異
常時 に原因を究明 し,正
常な状態 に復帰 させ る作業である。機械
,電
気な どの異常箇所 を目視,機
器 を使用 して特定 し,処
置 を判断す る技量,熟
練 を必要 とす る作業である。これ らの作業の 自動化 は
,ご
く一部に限 られ る。 これは,技
能,判
断基準 が十分 に定量化 されているとはいえず,また,点 検,診
断の箇所が無数 にあっ て実際にオ ンラインでモニターで きる箇所 には限 りがあるか らである。また,「突発的故障
,異
常対応」は,そ
の性格上,支
援 システムを使用 した として も,処
置の判断,復
旧は作業者が実施 しなければな らない作業である。近年
,設
備の大型化,高
度化,シ
ステム化が急激 に進展 し,対
象 とす る設 備が高度 に複雑化 している。このため,従
来の技能的専門性,経
験 に加えて,00
鉄鋼 メーカーにおけるTPM活
動の狙 い と状況 につ いては,r鉄鋼のIE』 Vol.26 No.5 1988年 9月
′′
Vol.27 No.6 1989年
11月′′
Vo1 31 No.6 1993年
11月,他
。120 名古屋学院大学論集
表
27
「地 区整備」,「補修」,「輸送設備補修」 における主 な熟練作業大 分 類 熟 練 必 要 要 素 作 業
自動 化 の 可能 性 作 業 伝 承 の要 否
可 能1不可 (社数)
理 由
要 1不要 (社数)
理 由
地 区 整 備
設 備 点検 ・診 断
・ 機 械 ,電気 計 装
・ 計算機
・ 電気運転
突 発 的 故 障,異常 対 応
・ 機 械
・ 電 気
・ 計 装
・ 計 算機
・ 電気 運転
保 全計 画 機 械 電 気 計 装
・ 計 算機
・ 電気 運転
改 善.改良 機 械 電 気 計 装 計 算機 電 気 運 転
必要情報が多量かつその評 価が複雑
設備診断,余寿命予測の シ ステム化は一部進め られて いる
原因究明,復旧処置がケー スパ イケース
支 援 シ ス テ ム に よ り作業 負 荷 は軽 減 され う る
判 断,創造 的 業 務 計 算機:専門性, ン ス テム 全体 の理 解 が必要
「 自動化 の可能性 の 可否 」 理 由 に あ るご と く人間の判 断 に依 存 す る部 分 が最 後 ま で残 る
「 自動化 の 可能性 の 可否」
理 由 に同 じ
「 自動 化 の可能性 の 可否 」 理 由 に同 じ
補 修 機 械
・ 補修 作業指 揮
・ 突 発的故 障,異常 対 応
・ 各種機 械 の整 備 (施工 方法,施工 技 能)
・ 据 付,芯出
電 気
・ 補 修 全 般(計画,診断 補 修,据付 等)
電 動機.受配 電 器,遮断 器 等 の 整 備
時 間,作業 調 整 原 因 究 明,復旧処 置が ケー スバ イ ケー ス
対照 物 が 多岐 に渡 り,高技 能 を要 す
業 者 の 判 断 に負 う ところ大 (治具,支援機 器 は進 歩)
支 援 ンス テム に よ り負 荷低 減 の 見 込 み は あ るが,全自 動 化 は不 可
細 か な 手 作業,判断 業 務 が 多 く対 象物 が 多岐 に渡 る
「 自由化 の 可能性 の 可否」
理 由 に同 じ
「 自動 化 の 可能性 の 可否 」 理 由 に同 じ
「 自動 化 の 可能性 の 可否」
理 由 に同 じ
「 自動化 の 可能性 の 可否 」 理 由 に同 じ