2.6 非臨床試験の概要文及び概要表
2.6.3 薬理試験概要表
2.6.3.2 効力を裏付ける試験
表 2.6.3.2-1 効力を裏付ける試験
被験物質:サトラリズマブ
試験の種類 試験系 試験方法 主要な結果 資料番号
ヒト及びカニクイザルの
膜結合型 IL-6R に対する
結合活性
In vitro フローサイトメトリー サトラリズマブのヒト膜結合型IL-6Rに対する
EC50値は0.019 g/mL,カニクイザル膜結合型 IL-6Rに対するEC50値は0.019 g/mLであった。
4.2.1.1-1
ヒト及びカニクイザルの 可溶性IL-6Rに対する結 合活性
In vitro SPR 37°C,pH 7.4条件下でのサトラリズマブのヒト可
溶性IL-6Rに対するKD値は1.5 nmol/L,カニクイ ザル可溶性IL-6Rに対するKD値は2.0 nmol/Lで あった。
pH 5.8条件下でサトラリズマブは,pH 7.4条件下 に比べて速やかにヒト可溶性IL-6Rから解離し た。
4.2.1.1-2
ヒト可溶性IL-6Rに対す
るpH依存的な結合活性 In vitro SPR サトラリズマブはpH 7.4からpH 6.0の間でpHが 低くなるに従ってヒト可溶性IL-6Rから速やかに 解離した。
各pH条件下でのヒト可溶性IL-6Rに対するKD
値は,pH 7.4で1.89 nmol/L,pH 7.0で 2.64 nmol/L,pH 6.5で6.87 nmol/L,pH 6.0で 33.6 nmol/Lであった。
4.2.1.1-3
ヒト及びカニクイザル Fcレセプターに対する 結合活性
In vitro SPR サトラリズマブのヒトFcRnに対するKD値は
6.8 10-7 mol/L(対照IgG2抗体では21 10-7 mol/L),カニクイザルFcRnに対するKD値は 6.4 10-7 mol/L(対照IgG2抗体では19 10-7 mol/L)であった。
サトラリズマブのヒト及びカニクイザルFcRに 対する結合は対照IgG2に比べてほぼ同等又は弱 かった。
4.2.1.1-4
ADCC活性及びCDC活
性 In vitro ADCCにはU266細胞株と
PBMC,CDCにはU266細胞株 とヒト補体血清を用いたカル セインリリースアッセイ
サトラリズマブのU266細胞株に対するADCC活
性及びCDC活性は認められなかった。 4.2.1.1-5
表 2.6.3.2-1 効力を裏付ける試験(続)
被験物質:サトラリズマブ
試験の種類 試験系 試験方法 主要な結果 資料番号
膜結合型及び可溶性 IL-6Rを介したIL-6活性発 現に対する抑制作用
In vitro IL-6依存的な増殖を示す
BaF/hIL-6R,BaF/CyIL-6R(古 典的シグナリング)並びに可 溶性IL-6R存在下でIL-6依存 的な増殖を示すBaF/hgp130
(トランスシグナリング)を 用いた細胞増殖アッセイ
膜結合型IL-6Rを介した古典的シグナリングによ
る細胞増殖に対するサトラリズマブのIC50値は,
ヒトIL-6Rに対して11 g/mL,カニクイザル IL-6Rに対して3.9 g/mLであった。
可溶性IL-6Rを介したトランスシグナリングによ
る細胞増殖に対するサトラリズマブのIC50値は,
ヒトIL-6Rに対して0.038 g/mL,カニクイザル IL-6Rに対して0.046 g/mLであった。
4.2.1.1-6
IL-6ファミリーサイトカ インレセプターのシグナ ル伝達に対する影響
In vitro ヒトIL-6ファミリーサイトカ
イン(LIF,IL-11,CNTF及び
OSM)のレセプターとgp130を
発現させた,各リガンド依存 的な増殖を示すBa/F3組換え細 胞株を用いた細胞増殖アッセ イ
サトラリズマブは,いずれのBa/F3組換え細胞株
のリガンド依存的増殖にも影響を示さなかった。 4.2.1.1-7
IL-6によるヒトプラズマ ブラストのIgG1産生に 対する抑制作用
In vitro ヒトプラズマブラストを用い
たIL-6によるIgG1産生アッセ イ
サトラリズマブ(1 g/mL)はヒトプラズマブラ ストのIL-6によるIgG1産生を有意に抑制した
(P 0.05)。
4.2.1.1-8
IL-6によるヒトT細胞増
殖に対する抑制作用 In vitro ヒト末梢血T細胞を用いた IL-6による細胞増殖アッセイ
サトラリズマブは活性化されたT細胞のIL-6に
よる細胞増殖を抑制した(IC50値は4.4 g/mL)。 4.2.1.1-9
(参考資料)
IL-6及び可溶性IL-6Rに よるヒト滑膜細胞の MCP-1及びVEGF産生に 対する抑制作用
In vitro HFLS-RAを用いたIL-6及び可
溶性IL-6RによるMCP-1及び VEGF産生アッセイ
サトラリズマブはヒト滑膜細胞のIL-6及び可溶性 IL-6RによるMCP-1及びVEGF産生を抑制し,
IC50値はそれぞれ0.17 g/mL及び0.44 g/mLであ った。
4.2.1.1-10
表 2.6.3.2-1 効力を裏付ける試験(続)
被験物質:サトラリズマブ
試験の種類 試験系 試験方法 主要な結果 資料番号
カニクイザルにおける IL-6活性の抑制作用
サル/カニク イザル
カニクイザルにおけるIL-6に よるCRP産生に対するサトラ リズマブの皮下投与による作 用を調べた。
試験プロトコール1:
抗薬物抗体の影響を受けにく いと考えられる短期試験 試験プロトコール2:
月1回投与を想定した単回投与 4週間試験
試験プロトコール1:
サトラリズマブ(0.5 mg/kg)はIL-6によるCRP 産生を投与後11日間抑制した。血漿中のフリー可
溶性IL-6R濃度はサトラリズマブ投与後に減少し
た後,徐々に増加し,投与後11日目に投与前と同 レベルとなった。
試験プロトコール2:
サトラリズマブ(2 mg/kg)は,血漿サトラリズ マブ濃度が抗薬物抗体による影響を受けていない 個体において,IL-6によるCRP産生と血漿中の フリー可溶性IL-6R濃度を投与後28日間抑制し た。
4.2.1.1-11
PHM -0181試験で得ら れた血漿中のサトラリズ マブ,抗サトラリズマブ 抗体,トータル可溶性
IL-6R及びフリー可溶性
IL-6Rの濃度又は抗体価
測定
In vitro サトラリズマブ,トータル可
溶性IL-6R及びフリー可溶性
IL-6R濃度はELISAで,抗サ トラリズマブ抗体価はECLIA で測定した。
各測定値をPHM -0181試験に使用した。 4.2.1.1-12
ADCC:抗体依存性細胞傷害,CDC:補体依存性細胞傷害,CNTF:毛様体神経栄養因子,CRP:C反応性蛋白質,EC50:50%効果濃度,ELISA:酵素結合免疫吸着測定
法,ECLIA:電気化学発光免疫測定法,FcγR:Fcγレセプター,FcRn:胎児性Fcレセプター,HFLS-RA:関節リウマチ患者由来ヒト滑膜細胞,IC50:50%阻害濃度,
IgG:イムノグロブリンG,IL-6:インターロイキン6,IL-6R:インターロイキン6レセプター,IL-11:インターロイキン11,KD:解離定数,LIF:白血病抑制因子,
MCP-1:単球走化性蛋白質-1,OSM:オンコスタチンM,PBMC:末梢血単核球,SPR:表面プラズモン共鳴,VEGF:血管内皮増殖因子