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表面形状計測

ドキュメント内 デジタルホログラフィによる表面形状計測 (ページ 47-62)

第4章 実験結果

4.2 表面形状計測

2.9-1節で述べた2入射法より、電動ステージを動かして物体光の角度を0.02

度変化

させることで、Fig.4-8のような2セットの干渉画像を得た。

Fig.4-8

物体光の角度変化前後の干渉画像(a:角度変化前 b:角度変化後)

Fig.4-8の干渉画像に対し、それぞれフレネル回折計算処理後、その位相差を取ること

で、Fig.4-9のような等高線の画像が得られた。

Fig.4-9

物体光を0.02 度変化させることで得られた位相差像

(a)

(b)

Fig.4-9の位相差像のままでは、画像の節々に細かいノイズがかかっており、アンラッ

ピングが困難である。そのため、元画像から多少離れてしまうが、この位相差像に対し、

メディアンフィルタをかけることで、Fig.4-10のような画像を得た。

Fig.4-10

メディアンフィルタ処理後の位相差像

位相差像に対しアンラッピング処理を施すことで形状計測を行うのだが、通常、縞の 数だけアンラッピング処理が入ることとなるため、縞が多ければ多いほどエラーが出や すい。現段階のプログラムでは、この量の縞をアンラッピングエラーを出さずに一度に 処理することは不可能と判断し、この画像をトリミングし、それに対してアンラッピン グ処理を施すことにより、本手法の妥当性を調べた。

Fig.4-10をトリミングし、一部を抜き出した画像がFig.4-11である。

Fig.4-11 Fig.4-10の一部を100×100 pixelで抜き出した画像

Fig.4-11に対し、まず参考文献[1]の従来の4方向アンラッピングプログラムを用いて

アンラッピング処理を施した。

Fig.4-12はそれぞれの方向からアンラッピング処理を行

った結果である。

Fig.4-12

従来のプログラムでの各方向からのアンラッピング処理後の画像

この結果より、アンラッピングエラー補正を行った結果がFig.4-13である。

Fig.4-13

従来のプログラムでのアンラッピングエラー補正後の画像

Fig.4-12のアンラッピングエラーが多く、Fig.4-13ではエラー補正を行っても多少の

アンラッピングエラーが残ってしまっていた。

Fig.4-13のエラー補正像において、 Fig.4-14(a)の破線部のラインプロファイルを取る

と、Fig.4-14(b)のようになった。

Fig.4-14

従来のプログラムによる破線部(a)のラインプロファイル(b)

補正しきれていないアンラッピングエラーが影響し、特定の位置で画素強度に大きな 乱れが生じていることがわかる。

(a)

(b)

次に、

Fig.4-13の画素強度より3次元的に分布し、立体像をとると、 Fig.4-15が得られ

た。

Fig.4-15

従来のプログラムによる3次元分布

ねじの表面を計測しているので、滑らかな面が計測できていることが好ましいが、と ころどころに凹凸が見られる。アクリル塗料を塗布する際、手動で行ったので、塗りに むらがあることも凹凸の一つの要因となっていると考えられるが、

Fig.4-13のアンラッ

ピングエラー部のみでなく、その他の細かな点でも画素強度に乱れが生じており、この ような結果になったのではないかと考える。この問題を改善するためには、メディアン フィルタを強くかけるか、より質の高いデジタルホログラム撮影を行う必要があると考 えられる。

次に、新しく製作したプログラムを用いてアンラッピング処理を施した。

Fig.4-16は Fig.4-12と同様に、各方向からのアンラッピング処理を行った結果である。

Fig.4-16

改良したプログラムでの各方向からのアンラッピング処理後の画像

この結果より、アンラッピングエラー補正を行った結果がFig.4-17である。

Fig.4-17

改良したプログラムでのアンラッピングエラー補正後の画像

上部にまとまったアンラッピングエラーが残ってはいるものの、従来のプログラムと 比べてアンラッピングエラーが少ないことが確認できる。

Fig.4-17のエラー補正像において、 Fig.4-18(a)の破線部のラインプロファイルを取る

と、Fig.4-18(b)のようになった。

Fig.4-18

改良したプログラムによる破線部(a)のラインプロファイル(b)

上部のまとまったアンラッピングエラー及び中心付近一か所のアンラッピングエラ ーの影響を受けていることがわかる。その他の点においてはプロットの関係上乱れて見 えるが、従来のプログラムとほぼ同等である。

(a)

(b)

次に、

Fig.4-14の画素強度より3次元的に分布し、立体像をとるとFig.4-16が得られた。

Fig.4-19

改良したプログラムによる3次元分布

Fig.4-15と比較すると、新しいプログラムで処理を行ったほうがなだらかな形状が計

測できていることがわかる。アンラッピングエラーを従来のプログラムよりも低減でき ていることが最も大きな原因であると考えられる。

しかしながら、細かな凹凸は新しいプログラムでも確認できる。このことからも、こ の細かな凹凸の原因はデジタルホログラフィ再生像自体の乱れ、もしくはアクリル塗料 の塗りのむらであると判断する。

次に、傾斜の急な部分のサンプルとして、Fig.4-10のねじのヘッドの中央部に関して 新旧のプログラムを用いて同様の処理を行った。Fig.4-20は100×100 pixelで抜き出し た中央部である。

Fig.4-20 Fig.4-10の中央部を100×100 pixelで抜き出した画像

この画像に対して従来のプログラムを用いて処理を行い、得られた各方向からのアン ラッピング結果がFig.4-21である。

Fig.4-21

従来のプログラムでの各方向からのアンラッピング処理後の画像(中央部)

そして、Fig.4-21からエラー補正をすることで得られた画像がFig.4-22である。

Fig.4-22

従来のプログラムでのアンラッピングエラー補正後の画像(中央部)

表面の一部をアンラッピング処理したFig.4-13と比べ、非常に多くのアンラッピング エラーが補正しきれずに残った。これは、アンラッピング処理をするべきではないヘッ ドの中央部の急な傾斜を画素強度の跳びとプログラムが判断し、アンラッピング処理を 施すことで結果として画素強度に跳びが生じ、エラーとして現れたことが原因だと考え られる。

Fig.4-22のエラー補正像において、 Fig.4-23(a)の破線部のラインプロファイルを取る

と、Fig.4-23(b)のようになった。

Fig.4-23

従来のプログラムによる破線部(a)のラインプロファイル(b) (中央部)

Fig.4-23より、一か所のみ際立ってアンラッピングエラーの影響を強く受けているこ

とがわかる。そのため、他のアンラッピングエラー部での影響はプロット上では目立っ ていないが、数値的には影響を受けていることがわかる。

(a)

(b)

次に、

Fig.4-22の画素強度より3次元的に分布し、

立体像をとるとFig.4-24が得られた。

Fig.4-24

従来のプログラムによる3次元分布 (中央部)

アンラッピングエラーが多く出ていたことから、形状は大きく乱れてしまっているこ とがわかる。

これらのことより、従来のプログラムはねじのヘッド中央部のような急な傾斜に対応 できないと判断する。

同様に、

Fig.4-20に新しいプログラムを用いて処理することで得られた各方向からの

アンラッピング結果がFig.4-25である。

Fig.4-25

改良したプログラムでの各方向からのアンラッピング処理後の画像(中央部)

そしてFig.4-25の結果からエラー補正をすることで得られた画像がFig.4-23である。

Fig.4-26

改良したプログラムでのアンラッピングエラー補正後の画像(中央部)

補正が強すぎて歪んでしまっている点はあるが、アンラッピングエラーはほとんど補 正されていることがわかる。

Fig.4-26のエラー補正像において、 Fig.4-27(a)の破線部のラインプロファイルを取る

と、Fig.4-27(b)のようになった。

Fig.4-27

改良したプログラムによる破線部(a)のラインプロファイル(b) (中央部)

目立ったアンラッピングエラーが無いことからも、細かな乱れはあるものの、全体的 に形状に沿った形にプロットされていることがわかる。

(a)

(b)

次に、

Fig.4-26の画素強度より3次元的に分布し、立体像をとると、 Fig.4-28の結果が

得られた。

Fig.4-28

改良したプログラムによる3次元分布(中央部)

Fig.4-24と比較すると、アンラッピングエラーが少なく、立体像もねじ穴の形状にほ

ぼ沿った形となっていることがわかる。このことからも、新しいプログラムはねじのヘ ッド中央部などの急な傾斜にも対応できると言える。プログラム中でアンラッピングエ ラーを検出後、さらに画素強度の増加、あるいは減少平均からエラー箇所の本来の数値 を線形的に予測し、補正をかけるといった二重の補正を行っていることが、この結果の 最も大きな要因であると考えられる。しかしながら、強い補正をかけているために、本 来の形状と厳密には異なってしまっている問題も考えられる。

ドキュメント内 デジタルホログラフィによる表面形状計測 (ページ 47-62)

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