ためのアンラッピング手法が必要であった。そこで同研究室で光ディスク基板の欠陥検
出の際に開発された4方向アンラッピングをベースとし、エラー検出後にそれまでの画
素強度の増加、あるいは減少平均を取り、その点での画素強度を線形的に予測して当て
はめることで補正するアンラッピング手法を開発し、処理を行った。この際、2048×
2048 pixelである元画像に対して直接アンラッピング処理を施すと、縞の多さからアン
ラッピングエラーが多く発生し、補正しきれないことが多かった。したがって、元画像
を100×100 pixelにトリミングし、その画像に対してトリミング処理を行うことで本手
法の妥当性を調べた。なお、本論文においては、なだらかな面としてねじの表面の一部
を、傾斜の急な表面としてねじのヘッドの中央部をトリミングで切り出して処理を行っ
た結果を記した。結果的に、新しく開発したプログラムでは、従来のプログラムよりも
アンラッピングエラーを低減し、特に傾斜の急な表面におけるアンラッピングにおいて
効果を得ることには成功した。したがって、このプログラムによってアンラッピング処
理されたトリミング像を貼り合わせることで、試料全体の表面形状計測が達成できるこ
とが期待される。
今後の課題としては、本研究におけるデジタルホログラフィ技術は、まだ再現性が低
く、表面形状計測においてもそれによる位相差像の粗さも原因して、アンラッピングエ
ラーが多く出てしまっている。したがって、測定環境をより整えることで3次元像再生
の質を高めて行うことができれば、アンラッピングエラーも減り、表面形状計測をより
正確に行うことができるのではないかと考える。また、現在のアンラッピング処理にお
いては、メディアンフィルタ、平滑化フィルタをかけているため、測定対象の表面形状
とは厳密には違っている可能性がある。そのため、前述の測定環境を整え、より質の高
い3次元像を得た際には、これらのフィルタを弱めてアンラッピング処理を行うことで、
より正確な表面形状が得られると予測する。
謝辞
本研究を行うにあたり、ご指導、ご教授いただきました高橋佳孝准教授に深く感謝の
意を示すと共に厚く御礼申し上げます。
本論文の作成にあたり、お忙しい中審査をしてくださった、高田和正教授、花泉修教
授に深く感謝いたします。
本研究の共同研究者である新宮正和氏をはじめ、同研究室の皆様に深く感謝いたしま
す。
本研究は多くの方々のご指導をもとになされたものであり、様々な面で協力をいただ
いた関係諸氏に改めて感謝し、御礼申し上げます。
参考文献
[1]
平成23年度 群馬大学大学院工学研究科 電気電子工学専攻 修士学位論文
高橋 佳孝研究室所属 森島 一樹 著 「光ディスク基板の自動欠陥検出」
[2] Y. Takahashi, K. Morishima, and M. Yokota
“Defect Detection in Optical Disk Substrate by Mach-Zehnder Interferometer”
Key Engineering Materials, Vol. 534, pp.149-153 (2013)
[3] I. Yamguchi, J. Kato, and S. Ohta
“Surface Shape Measurement by Phase-Shifting Digital Holography”
OPTICAL REVIEW, Vol.8, No.2, pp.85-89 (2001)
[4] I.Yamaguchi, T.Zhang “Phase-shifting digital holography”
OPTICS LETTERS, Vol.22, No.16, pp.1268-1270 (1997)
[5] 林 晴比古 著 「Visual C++ 2005 ビギナー編」softbank creative
[6] T.Shimobaba, J.Weng, T.Sakurai, N.Okada T.Nishitsuji, N.Takada, A.Shiraki, N.Masuda, T.Ito
“Computational wave optics library for C++: CWO++ library”
Computer Physics Communications, 183, pp.1124-1138 (2011)
[7]
高井 勝信 著 「MATLAB入門【増強版】」I/O
BOOKS
Appendix
Fig.2-1
ホログラフィの仕組み (a) 記録時 (b) 再生時
Fig.2-2
実際に用いたモノクロ
CCD
カメラ(ARTCAM625-KY)
Fig.2-3
撮像距離と再生距離
Fig.2-4
位相接続イメージ図
Fig.2-5
アンラッピングアルゴリズム
Fig.2-6
アンラッピングアルゴリズム
2
Fig.2-7
アンラッピングアルゴリズム
3
Fig.2-8 4
方向アンラッピング
Fig.3-1
実験系
Fig.3-2
実際に用いた実験系
Fig.4-1
実験試料
Fig.4-2
各位相シフトでの干渉画像
Fig.4-3
出力された再生像
Fig.4-4
再生距離の変化における再生像の変化
Fig.4-5
ねじに円形の像が重なっている再生像
Fig.4-6
カバーからの散乱光
Fig.4-7
カバーを外す前(a)と外した後(b)の
3
枚ずつの再生像
Fig.4-8
物体光の角度変化前後の干渉画像(a:角度変化前 b:角度変化後)
Fig.4-9
物体光を
0.02
度変化させることで得られた位相差像
Fig.4-10
メディアンフィルタ処理後の位相差像
Fig.4-11 Fig.4-10
の一部を
100×100 pixel
で抜き出した画像
Fig.4-12
従来のプログラムでの各方向からのアンラッピング処理後の画像
Fig.4-13
従来のプログラムでのアンラッピングエラー補正後の画像
Fig.4-14
従来のプログラムによる破線部(a)のラインプロファイル(b)
Fig.4-15
従来のプログラムによる
3
次元分布
Fig.4-16
改良したプログラムでの各方向からのアンラッピング処理後の画像
Fig.4-17
改良したプログラムでのアンラッピングエラー補正後の画像
Fig.4-18
改良したプログラムによる破線部(a)のラインプロファイル(b)