行間 +50%
図 4.21: 行間の各水準の例
移動時間や文字情報の処理時間に与える影響は小さく、行の間隔を変更しても読み時 間に大きな差が見られなかったと考えられる。なお、有意差は見られなかったが、行 間を広くすると読み時間が短くなったという結果は、提示された文章を全て読む形式 の既往研究[35]の結果と合致した。
「ウェイト」はHeavy、Regular、Boldの順に解答時間が短かったが、有意差は見ら れなかった。図4.22にウェイトの各水準の例を示す。解答時間の短さとウェイトの間 に定量的・定性的な関係が見られなかったことから、本文の文字のウェイトは読み時 間に大きな影響を与えない可能性がある。
Heavy Bold
Regular
図 4.22: ウェイトの各水準の例
「日本語の位置」は、文字に関する因子を調査したときと画面全体に関する因子を 調査したときで異なる結果が得られた。画面全体に関する因子の調査では、1段組にお いて日本語が2番目・1番目にあるとき解答時間が短く、2段組において日本語が3番 目・1番目にあるとき解答時間が短かった。ただし、水準間で有意差が見られたのは2 段組のみであった。図4.23に各段組における言語の順番を示す。この調査では本文描 画面積と段組が変動するので、ユーザは画面の上端から順番に日本語を探すことが多 くなる。その結果、画面上部の位置(1段組なら1・2番目、2段組なら1・3番目)に 日本語があれば、解答時間が短くなる傾向が見られたと考えられる。一方、文字に関 する因子の調査では日本語が3番目・1番目にあるとき解答時間が短く、一部の水準間 で有意差が見られた。この調査では本文描画面積が変わらないため、目線の高さ(画
面中央の少し下)にある3番目に最初に視点を置いたあとで、最上部の1番目に視点を 置く流れをとることが多くなったと考えられる。
(a) 1段組の本文 (b) 2段組の本文
1番目 2番目 3番目 4番目
1番目
2番目
3番目
4番目
図 4.23: 各段組における言語の順番
4.6.2 可読性の高いレイアウト
各レイアウト因子の水準のうち短い解答時間を示したものを用いて、可読性が高く なると期待されるレイアウトを図4.24に示す。4.6.1項の本文描画面積の結果を踏まえ ると本文描画面積は大きいほうが望ましい。しかし、コンテンツを制作する際、用い る画像・文章はあらかじめ決まっていることが多いため、本文描画面積は一定として 考察する。
段組は1段組、すなわち各言語を縦1列に配置することで読み速度が向上すると期待 される。言語間の余白(図4.24の橙色部分)は1行空けておくことで読み速度が向上 すると期待される。言語間境界線(図4.24の黄色部分)はあるほうが読み速度が向上 すると期待される。字詰め(図4.24の紫色部分)はデフォルトの文字間隔より10%余 分に広げることで読み速度が向上すると期待される。行間(図4.24の水色部分)は文 字の高さの50%空けておくことで読み速度が向上すると期待される。また、ユーザの 利用する言語の割合を考慮したとき、利用者が最も多い言語(この実験では日本語)は 目線の高さに配置することで読み速度が向上すると期待される(図4.24の緑色部分)。
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