ヒトでのビランテロール(VI)の血球結合率(血液/血漿比)は約0.8であった。また、ヒトでのVIの血漿蛋白結合率は 93.9%であった。VIの血球結合および血漿蛋白結合率に濃度依存性はみられなかった。
ヒトでのフルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)の血球結合率(血液/血漿比)は約0.6であった。また、健康成 人男性3名の血漿に
3H-FFを0.2〜5.0ng/mL濃度範囲で添加したときの血漿蛋白結合率をin vitro(限外ろ過法)
で検討したところ、99.0%以上であった。FFの血球結合および血漿蛋白結合率に濃度依存性はみられなかった。
[承認時評価資料]
3.薬物相互作用 (in vitro)
35)In vitro試験でVIおよびFFはPgpの基質であったが、BCRP、OATP1B1およびOATP1B3の基質ではなかった。VI
[100μM(48.6μg/mL)]はPgpを弱く阻害した。FFはPgpを阻害しなかったが、OATP1B1を阻害した[IC
50:0.2μM
(108ng/mL)]。
[承認時評価資料]
対 象:外国人の健康成人男女16名
方 法:ビランテロール(VI)55μgおよびフルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)250μgを単回静脈内投与した。
[承認時評価資料]
レルベアの用法・用量 気管支喘息:
通常、成人にはレルベア100エリプタ1吸入(ビランテロールとして25μg及びフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして100μg)を 1日1回吸入投与する。
なお、症状に応じてレルベア200エリプタ1吸入(ビランテロールとして25μg及びフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして200μg)
を1日1回吸入投与する。
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解:
通常、成人にはレルベア100エリプタ1吸入(ビランテロールとして25μg及びフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして100μg)を
1日1回吸入投与する。
薬物動態
2.フルチカゾンフランカルボン酸エステルの代謝 [外国人データ]
33)In vitro試験において、 ヒトでのフルチカゾンフランカルボン酸エステルの主代謝酵素はCYP3A4であった。
健康成人男性における経口投与時の血漿中主代謝物はS-フルオロメチルカルボチオエート基が加水分解された17 β-カルボン酸体であった。
対 象:外国人の健康成人男性5名
方 法:非無作為化・非盲検・2期クロスオーバー試験。14C-フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)2mg溶液を単回経口投与、または
14C-FF250μg注射剤を単回静脈内投与した。
[Hughes SC et al:Drug Metab Dispos 2008;36(11), 2337-2344]
▼ フルチカゾンフランカルボン酸エステルの主代謝経路
HO
CH3
H H
F
O O O
O OH 17β-カルボン酸体
CH3
CH3
H H
H F O
フルチカゾンフランカルボン酸エステル
HO
CH3
CH3
CH3
H H
H H
H
F
F
F
O O O
O
O
S
代謝
1.ビランテロールトリフェニル酢酸塩の代謝 [外国人データ]
36)In vitro試験において、 ヒトでのビランテロールの主代謝酵素はCYP3A4であった。
健康成人男性における経口投与時の血漿中主代謝物はO-脱アルキル化された代謝物であった。
対 象:外国人の健康成人男性6名
方 法:非盲検・単一群試験。14C-ビランテロールトリフェニル酢酸塩200μg溶液を単回経口投与した。
[承認時評価資料]
▼ ビランテロールの主代謝経路
O-脱アルキル化 ビランテロール
HO
OH OH NH
14C O
CI
CI O
HO
OH OH NH
O
HO
O HO
OH OH NH
O
HO
排泄
33、37)● 健康成人におけるビランテロールの排泄[外国人データ]37)
健康成人男性に
14C-ビランテロールトリフェニル酢酸塩200μgを単回経口投与した際、主な排泄経路は尿中(投与 放射能の50.4%、回収放射能の70%)であり、投与後168時間の放射能の糞中排泄率は投与量の21.2%(回収放射 能の30%)であった。尿中放射能の約半分(投与放射能の48.4%)は投与後24時間以内に排泄され、糞中放射能 のほとんど(投与放射能の20.6%)は投与後96時間までに排泄された。投与後7日までの放射能の尿糞中回収率は 約72%であり、放射能の排泄は経口投与後120時間までにほぼ終了した(投与後120〜144および144〜168時間の 尿糞中回収率:投与放射能の0.2%未満)。
● 健康成人におけるフルチカゾンフランカルボン酸エステルの排泄[外国人データ]33)
健康成人男性に
14C-FF2mgを単回経口投与または
14C-FF250μgを静脈内投与した際、放射能は主に代謝物と して糞中に排泄された。経口投与では168時間までに約101%、静脈内投与では264時間までに約90%が排泄され
た。尿中排泄率は経口投与で約1%、静脈内投与で約2%であった。
対 象:外国人の健康成人男性6名
方 法:非盲検・単一群試験。14C-ビランテロールトリフェニル酢酸塩200μg溶液を単回経口投与した。
[承認時評価資料]
対 象:外国人の健康成人男性5名
方 法:非無作為化・非盲検・2期クロスオーバー試験。14C-フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)2mg溶液を単回経口投与、または
14C-FF250μg注射剤を単回静脈内投与した。
[Hughes SC et al:Drug Metab Dispos 2008;36(11), 2337-2344]
消失
26、28、31)● 健康成人におけるビランテロールの消失[外国人データ]31)
健康成人男女にVI/FF100/800μgを単回吸入投与した結果、血漿中VIのみかけの消失半減期(幾何平均値)
は約2.5時間であった。
● 健康成人におけるフルチカゾンフランカルボン酸エステルの消失26、28)
健康成人男性にVI/FF50/800μgを単回吸入投与した結果、血漿中FFのみかけの消失半減期(幾何平均値)は 約27時間であった。
対 象:外国人の健康成人男女16名
方 法:ビランテロール/フルチカゾンフランカルボン酸エステル(VI/FF)100/800μgを、エリプタを用いて単回吸入投与した。
[承認時評価資料]
対 象:日本人健康成人男性16名
方 法:ビランテロール/フルチカゾンフランカルボン酸エステル(VI/FF)50/800μgを、エリプタを用いて単回吸入投与した。
[承認時評価資料]
[Nakahara N et al:Int J Clin Pharmacol Ther 2013;51(8), 660-671]
レルベアの用法・用量 気管支喘息:
通常、成人にはレルベア100エリプタ1吸入(ビランテロールとして25μg及びフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして100μg)を 1日1回吸入投与する。
なお、症状に応じてレルベア200エリプタ1吸入(ビランテロールとして25μg及びフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして200μg)
を1日1回吸入投与する。
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解:
通常、成人にはレルベア100エリプタ1吸入(ビランテロールとして25μg及びフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして100μg)を
1日1回吸入投与する。
薬物動態
レルベアの使用上の注意(抜粋)
3. 相互作用
フルチカゾンフランカルボン酸エステル及びビランテロールトリフェニル酢酸塩は、主としてCYP3A4で代謝される。
併用注意(併用に注意すること):CYP3A4阻害作用を有する薬剤[リトナビル、ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)、エリ スロマイシン等]、β遮断薬、QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤(抗不整脈剤、三環系抗うつ剤等)
薬物相互作用 [外国人データ]
38)健康成人男女にレルベア200と強力なCYP3A4阻害薬であるケトコナゾール400mgを反復併用投与した結果、併 用投与時のビランテロール(VI)のAUC
0-t'およびC
maxはそれぞれ65%および22%増加した。VIの曝露量の増加は心 拍数、血中カリウムおよびQTcF間隔などのβ受容体作動薬の作用と関連しなかった。また、併用により、フルチカゾン フランカルボン酸エステルのAUC
0-24およびC
maxはそれぞれ36%および33%増加した。
特別な母集団における薬物動態
39〜41)● 人種別[外国人データ(日本人を含む)]39、40)
■ビランテロール吸入投与
ビランテロール(VI)を吸入投与した際の曝露量は低く、25μg以下では投与後4〜6時間までの評価であったた め、消失相の評価は十分ではなかった。日本人および外国人の健康成人にVI12.5〜50μgを、エリプタを用いて 吸入投与したときのVIの曝露量に明らかな民族差はみられなかった。
[承認時評価資料]
■フルチカゾンフランカルボン酸エステル吸入投与
東アジア人(日本人、韓国人および中国人)の健康成人男女にフルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)
200μgを、エリプタを用いて1日1回7日間吸入投与したときの最終投与後の血漿中FFのAUC
0-24およびC
maxは白 人と比べて、それぞれ27〜49%および37〜78%高かった。また、日本人のAUC
0-24およびC
maxは白人と比べて、そ れぞれ27%および37%高かった。
対 象:外国人の健康成人男女18名
方 法:二重盲検・無作為化・プラセボ対照・反復投与・2期クロスオーバー試験。以下の2つの投与レジメン(朝投与)を無作為化順序で 投与した。
・ケトコナゾール400mgカプセル(本邦未発売)を1日1回、11日間経口投与するとともに、レルベア200エリプタを後半の7日間(投与5〜
11日目)に併用吸入投与した。
・プラセボカプセルを1日1回、11日間経口投与するとともに、レルベア200エリプタを後半の7日間(投与5〜11日目)に併用吸入投与した。
[Kempsford R et al:Br J Clin Pharmacol 2013;75(6), 1478-1487]
利益相反:本試験にかかわる費用は、グラクソ・スミスクライン(株)が負担した。著者には、グラクソ・スミスクライン(株)の社員が含まれた。
[承認時評価資料]
● 腎機能低下者[外国人データ]41)
重度の腎機能低下者にレルベア200を吸入投与した結果、血漿中ビランテロールおよびフルチカゾンフランカルボン 酸エステルの曝露量(C
maxおよびAUC
0-24)は、健康被験者と比較して非劣性(幾何平均値の比の90%CIの上限が 2未満のときに非劣性と判断する)が示された。
対 象:重度の腎機能低下者[クレアチニンクリアランス(CLcr)<30mL/min]9例および健康被験者9名 方 法:非盲検・非無作為化試験。レルベア200をエリプタを用いて1日1回7日間吸入投与した。
[Allen A et al:Clin Ther 2012;34(12), 2316-2332]
利益相反:本試験にかかわる費用は、グラクソ・スミスクライン(株)が負担した。著者には、グラクソ・スミスクライン(株)の社員が含まれた。