非糸球体性血尿、糸球体性血尿
血尿のみの人へ
・問診が大事
・殆どの場合、喫緊に問題になることはない
・運動制限は原則不要
・しかし、定期的な検尿は必要
蛋白尿単独群 (77 名 )
体位性蛋白尿(58%)
持続性蛋白尿(14%) 低形成腎(12%)
尿細管性蛋白尿(6%)
嚢胞腎(腎下垂(4%) 3%) 若年性ネフロン癆(1%)
爪膝蓋骨症候群(1%) ネフローゼ症候群(1%)
体位性蛋白尿
診断基準
・安静臥床で尿蛋白陰性、立位で尿蛋白陽性となる。
・一般身体状態が正常である。
・腎、心、血管疾患の既往がない。
・血圧の上昇がない。
・腎機能は正常であり、血液生化学所見、尿沈渣などに異常を認めない。
・尿路系に異常がない。(先天奇形、遊走腎などがない)
・その他蛋白尿を来すような異常がみられない。
尿蛋白の性状としてはAlb主体の糸球体性蛋白尿
尿蛋白分画はβ、γ分画の上昇(血清のものに類似する?)
腎循環障害による腎鬱血説が有力 予後は良好
低形成腎の超音波、 DMSA 像
右 左
DMSAシンチグラフィー:
左腎の核種取り込み低下が著明
蛋白尿のみの人
・起立性蛋白尿の除外がとても大切
・そのために厳密な早朝尿(前日就寝直前排尿、
翌朝一番尿提出)の評価を行う。
・起立性蛋白尿が除外されたら画像を含め精査 が必要。
血尿、蛋白尿群 (142 名 )
IgA腎症(47%)
ループス腎炎(2%) 巣状糸球体硬化症(3%)
増殖性腎炎(27%)
半月体形成性腎炎(1%)
膜性腎症(5%)
リポ蛋白糸球体症(1%)
膜性増殖性腎炎(12%)
微少変化群(2%)
正常糸球体
(×400) (×2000)
I g A 腎症
(PAS染色 ×400) (免疫蛍光染色: IgA)
急性糸球体腎炎
LM EM
IF C3d
血尿&蛋白尿の人
・この状態が続く場合、腎生検が必要
・多くの場合、しっかりとした治療が必要
尿検査の留意点
①血尿:女児で生理中ではないか?
尿検体が適切かどうか?
(清潔な容器、中間尿、速やかに
検査(直後、あるいは冷蔵4時間以内)
②蛋白尿:厳格な安静時尿がとれているか?
③血尿蛋白尿:第一尿で尿蛋白が消失するか?
尿沈渣で円柱の存在は?(円柱 は糸球体腎炎を強く示唆する)
尿異常者の二次検査
①血尿のみ
採血、検尿(早朝、来院時尿)、エコー、尿Ca/Cr、家族歴
②蛋白尿のみ
採血、検尿(早朝、来院時尿)、エコー、第一尿、OAテスト
③両者
採血、検尿(早朝、来院時尿)、エコー、多くの場合腎生検
採血項目
血算、生化、補体、肝炎ウィルス抗体価
自己抗体、尿中β2ミクログロブリン、尿NAG 免疫グロブリン、ASLO、ASK
三次病院に相談するタイミング
①血尿:急がないが、定期的な follow が必要。
感染後肉眼的血尿の反復、血尿程度の 増悪が続く場合は相談
②蛋白尿:ネフローゼ状態 → 入院加療 持続性蛋白尿 → 相談
③血尿蛋白尿:原則的にすぐ相談
(おまけ)
尿異常者の運動制限
海外の教科書での記載
・Pediatric Kidney Disease(Edelmann)
ネフローゼ症候群では「運動制限はエビデンスがなく,
制限によって受けるいかなる利益も,正常な活動をす ることによる心理的な有益性を超えない」。
IgA腎症では「運動制限やベッド上安静は効果がなく,
心理的ダメージを引き起こす」。
急性糸球体腎炎では「どの研究も長期のベッド上安 静の効果は否定的で,高血圧や浮腫のないかぎり,
情緒的,心理的問題から制限は不要」
・Pediatric Nephrology(Baratt)
ネフローゼ症候群,急性糸球体腎炎でベッド上安静 は避けるべき」
CKD 診療ガイド 2012
(日本腎臓学会編)
小児CKD患者診療のエッセンス2012 (12-2生活指導)より
学校生活管理区分
学校生活管理区分(付記)
学校生活管理区分のめやす
血尿: 大きな制限なし。
D
若しくはE
→
経過観察しっかり 感染時肉眼的血尿→
三次へ蛋白尿: ネフローゼ
→C→
入院 持続性→D→
三次へ 起立性→E
血尿蛋白尿: