1.1. 序論
1.1.2.2. 蛍光標識チューブリンの作製
微小管を蛍光顕微鏡で観察できるようにチューブリンをx-rhodamine (Molecular Probes
#C1309)で染色した。重合させた微小管と色素を反応させたのち、重合・脱重合を2回繰り
返すことで未反応の色素や変性チューブリンを除去した。以下、染色チューブリンの作製手 順を大まかに記す。
重合1回目
a. 2 mg程度のチューブリン溶液を使用して、Beckman TLA 100.4用遠心管 (以後、100.4 遠心管)に後でグリセロールを加えた時の総量に対し0.5 × BRB80, 3.5 mM MgCl2, 1 mM GTPになるように調製し、氷上に5分間静置した。
b. 37°C のグリセロールを33%になるように加え、30分間、37°Cで重合させた。
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c. 37°C のHigh pH Cushionを2本の100.4遠心管に等量に分け、その上に重合した微小 管溶液を載せた。
High pH Cushion 3 ml
組成 使用量 ストック 100 mM Na-HEPES pH8.6 0.3 ml 1 M
1 mM MgCl2 3 μl 1 M
1 mM EGTA 15 μl 200 mM
60% グリセロール 1.8 ml 100 % (v/v)
MilliQ water 0.882 ml
d. 遠心機 (Beckman Optima-TLX)およびローター (TLA-100.4)を用いて、80000 rpm, 30 分, 35°C遠心した。
e. 上清を取り除き、37°CのBRB80 200 μlでCushionの上の界面を2回洗浄したのち、
Cushionをできるだけ取り除いた。沈殿を37°CのLabeling溶液 200 μlで2回洗浄し た。
Labeling Buffer 1 ml
組成 使用量 ストック 100 mM Na-HEPES pH8.6 100 μl 1 M
1 mM MgCl2 1 μl 1 M
1 mM EGTA 5 μl 200 mM
40% グリセロール 400 μl 100 % (v/v)
MilliQ water 0.494 ml
f. 37°CのLabeling溶液200 μlを加え、微小管の沈殿がなくなるまで縣濁したのち、1本
の100.4遠心管にまとめた。
59 色素による染色
a. 使用したチューブリンに対し、モル比で10倍の色素 (DMSOに溶解させた)を加え、
37°Cで30分間反応させた。3分ごとに10回ピペティングを繰り返した。
b. 37°CのQuench溶液 400 μl を加え、5分間、37°Cで静置した。
Quench Solution 0.5 ml
組成 使用量 ストック
2× BRB80 0.2 ml 5×
100mM K-Glutamate 25 μl 2 M 40% グリセロール 0.2 ml 100 % (v/v)
MilliQ water 75 μl
c. 37°CのLow pH Cushion 1.5mlの上に微小管重合溶液をのせた。
Low pH cushion 2.5 ml
組成 使用量 ストック
1× BRB80 0.5 ml 5×
60% グリセロール 1.5 ml 100 % (v/v)
MilliQ water 0.5 ml
j. 遠心機 (Beckman Optima-TLX)およびローター (TLA-100.4)を用いて、80000 rpm, 30 分, 35°C遠心した。
k. eの操作と同様にCushionを取り除いた。
l. 沈殿を37°CのInjection溶液 200 μlで2回洗浄した。
60 IB (Injection Buffer) 2 ml
組成 使用量 ストック 50mM K-Glutamate 50 μl 2 M
0.5mM MgCl2 1 μl 1 M
MilliQ water 1.949 ml
脱重合1回目
a. 4°CのInjection溶液 140 μlで微小管の沈殿がなくなるまで縣濁した。溶液を
Beckman TLA 100.2用遠心管 (以下、100.2遠心管)に移し、40分間氷上に静置し、脱 重合させた。5分間ごとに30回ピペッティングを繰り返した。
b. 遠心機 (Beckman Optima-TLX)およびローター (TLA-100.2)を用いて、80000 rpm, 10 分, 2°C遠心した。
c. 上清を1.5 mlチューブにとり、1 × BRB80, 4 mM MgCl2, 1 mM GTPに調製し、氷上で 3分間静置した。
d. チューブを37°Cの恒温槽に移し、2分間静置した。
重合2回目
a. 37°Cのグリセロール 33%になるように加え、30分間、37°Cで重合させた。
b. 7°CのLow pH Cushion 0.5mlの上にのせた。
c. 遠心機 (Beckman Optima TLX)およびローター (TLA-100.2)を用いて、75000 rpm, 20 分間, 37°Cで遠心した。
d. Cushionの上の溶液を除き、界面を37°CのInjection溶液200 μlで2回洗浄したの ち、Cushionを取り除いた。
e. 37°CのInjection溶液200 μlで沈殿を2回洗浄したのち、4°CのInjection溶液 60 μl で微小管の沈殿がなくなるまで縣濁した。
61 脱重合2回目
a. 別の100.2遠心管に上清を移し、30分間氷上で静置し、脱重させた。10分ごとにピペ
ッティングを30回繰り返した。
b. 遠心機 (Beckman Optima-TLX)およびローター (TLA-100.2)を用いて、80000 rpm, 10 分, 2°C遠心した。
c. 上清を0.6 mlチューブにとり0.5 × BRB80に希釈後1 μlずつ分注し、液体窒素中に保 存した。
染色率・濃度の定量
チューブリン濃度はBradford法により求め、色素濃度(染色されたチューブリン濃度)は吸 収波長での吸光度と以下のモル吸光係数からもとめ、染色率を算出した。
x-rhodamine; 吸収波長: 576 nm, モル吸光係数: 82000 M-1cm-1