100% 100% 日本
P
S1 損失100 S2 英国
<前提> <S2 社課税所得・税額計算>
S1 社個別損失 ▲100 S2 社個別所得 200 S2 社個別所得 200 S1 社からの移転損失 ▲100 (グループリリーフによる)
S2 社課税所得 100 英国税額(21%) 21
グループリリーフ上の適格グループ
(2) 論点
S2社がグループリリーフによってS1社から移転を受けて所得から控除し た損失は、租税負担割合の算定において非課税所得に該当するか (3) 結論
・ 非課税所得に該当しない
・ S2社の租税負担割合は、グループリリーフにより移転を受けた損失控 除後の課税所得を分母とし、当該控除後の課税所得に対して実際に課さ れた英国法人税を分子として計算する
S2 社 租税負担割合は 21%(=21/ 100)
→ 特定外国子会社に該当しない
S1社 当該事業年度に係るS1社の損失からグループリリーフにより移 転した損失を控除した後の課税所得(損失)が分母。ゼロなので 英国の法定税率(現行 21%)
→ 特定外国子会社に該当しない
2 英国グループリリーフを適用している事例
(4) 検討
<損失の移転を受けたS2社>
①分母の所得の金額
・ S2社の英国法人税申告書は、S1社から移転を受けた損失を控除し た上で課税所得が算定されている。本店所在国の法令の規定により計 算した所得の金額は、本事例では 100
・ S1社から移転を受けた損失は、非課税所得に該当しない
・ 損失を移転したS1社は、将来所得が生ずる場合も、その移転した損 失を自社の損失として控除することはできない。S2社で減少した法人 税はS1において将来支払うことになる
→ グループリリーフは、損失控除の時期を早めるが、S1社及びS2社 の両社でみた場合、移転された損失相当の課税は将来生じ得ること になる
・ 移転した損失は、英国グループ内において生じた経済的損失である
(経済的損失がないにも関わらず損金とされたものではない)
② 分子の租税の額
S2 社が支払った英国法人税の額。本事例では 21
2 英国グループリリーフを適用している事例
<損失を移転したS1 社>
①分母の所得の金額
・ S1社は、英国法人税申告書において損失▲100と認識したうえ、グ ループリリーフに基づき、当該損失▲100 を即時にS2社に移転する ・ S1社の本店所在国の法令の規定により計算した所得の金額は、グ
ループリリーフによる損失移転後の所得(損失)(本事例ではゼロ)(グ ループリリーフ適用前の損失▲100ではない )
・ S1社が損失▲100を認識した事業年度に係るS2社の英国法人税申告書 においてグループリリーフにより移転された損失は損金算入されることから、
経済的実態の観点からグループリリーフ適用後の損失が移転された後に残 る所得(損失)(本事例ではゼロ)と考えるのが合理的
・ S1社の英国法人税申告書で損失▲100を認識する一方、グループリリーフ 適用別表で当該損失▲100の将来年度での利用放棄宣言を行うので、S1社 は英国法人税申告書で所得(損失)ゼロとして申告している 等
→ 分母の金額はゼロとなり、S1社の租税負担割合は、英国の法定税 率(現行 21%)となる
2 英国グループリリーフを適用している事例
(注)S1社に非課税所得がある場合には、分母に加算される結果、分母の所得の金額は プラスとなる一方、S1社の当該事業年度の英国法人税法上課税されるべき所得はマ イナス(又はゼロ)であり、英国法人税は生じないことから、英国以外の地域で課され た外国法人税の額が存在しない限り、租税負担割合はゼロ%ということになる
その結果、当該非課税所得の全額が適用対象金額となり合算課税が行われることも ある
②分子の租税の額
・ 分母の所得の金額がゼロ又はマイナスになる場合には、英国の法定 税率で判定される
2 英国グループリリーフを適用している事例
(1) 事例
P社とS社は「損益移転契約」を締結し、ドイツのオルガンシャフトを適用
(参考) オルガンシャフトの概要
・ 所定の要件を満たす場合に、オルガンシャフトに属する親子会社は1つの課税単位とし て取り扱われ、原則として親会社が納税義務を負う。子会社は、納税が生ずるか否か にかかわらず、申告書を提出する必要がある
・ 「損益移転契約」に基づき、子会社の損益は全て親会社に移転される。結果、子会社の