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Google Trends

4.4 考察

日の始値より高ければ取り引きを行うという売買モデルで,ある日の始値より同日の終値が 高ければその株式に上昇の勢いがあると判断している.本研究の提案手法ではない取引モデ ルのみを使用した場合の勝率は

[提案外手法 (勝率)] 60.53

となっている.表4.2は,表4.1で用いた売買モデルと,株価を用いた他の取引アルゴリ ズムと併用時の結果である.

4.2 他アルゴリズムと併用したときのラグ日数と移動平均の母数の変化による取引勝率

4.4 考察

4.4.1 注目度と株の相関関係

本章では,Google Trendsと相互相関関数の説明,Google Trends より得られる検索頻度 データと株価の相関関係を示した.次章では,検索頻度データを使用した取引を行う.

Google Trends からの検索頻度データと株価の相関関係に関して図4.1以外の企業の結果

を示す.

第4章 提案手法とその検証

4.2 注目度と株価の相互相関(企業A)

4.3 注目度と株価の相互相関 (企業B)

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4.4 考察

4.4 注目度と株価の相互相関(企業C)

4.5 注目度と株価の相互相関 (企業D)

第4章 提案手法とその検証

4.6 注目度と株価の相互相関 (企業E)

4.4.2 提案手法の適用結果

提案手法により実際に取引を行った企業の場合に関しての提案外売買モデルのみと,提案 モデルと既存のモデルの併用の結果を次に示す.また,各企業の株式の取引結果にかんする 考察を述べる.

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4.4 考察

企業A

提案外手法 (勝率) 66.67

4.3 他アルゴリズムと併用したときのラグ日数と移動平均の母数の変化による取引勝率(企業A)

先に示した企業と似ており70程度のずれで勝率を上げる事が出来る.

第4章 提案手法とその検証

企業B

提案外手法 (勝率) 37.84

4.4 他アルゴリズムと併用したときのラグ日数と移動平均の母数の変化による取引勝率(企業B)

これまでの企業と傾向が逆で,70程度のずれで大きく勝率が下がる.ただ,こういう傾向 がある銘柄の場合逆の取引を行うことで大きな利益が上げられると考えられる.大きく勝つ か負けるかのどちらかに偏れば,それに合った取引を行うことで利益を得ることができる.

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4.4 考察

企業C

提案外手法 (勝率) 48.15

4.5 他アルゴリズムと併用したときのラグ日数と移動平均の母数の変化による取引勝率(企業C)

この企業も企業Bと類似しており,70程度のずれで勝率が下がっている.

第4章 提案手法とその検証

企業D

提案外手法 (勝率) 60.53

4.6 他アルゴリズムと併用したときのラグ日数と移動平均の母数の変化による取引勝率(企業D)

この企業は例で取り扱ったもので,ラグが70日の所において特に元となる手法の勝率か ら40ポイント弱の変化が見られた.また,ラグが20日の場合も勝率の大きな変化が見ら れる.

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4.4 考察

企業E

提案外手法 (勝率) 46.75

4.7 他アルゴリズムと併用したときのラグ日数と移動平均の母数の変化による取引勝率(企業E)

この企業の場合はラグが60日の場合と70日の場合において勝率が大きく変化している.

70日のラグの場合は大きな変化ではないが,70前後のラグにおいて大きく変化していると 取れる.

第4章 提案手法とその検証

企業F

提案外手法 (勝率) 53.75

4.8 他アルゴリズムと併用したときのラグ日数と移動平均の母数の変化による取引勝率(企業F)

この企業の場合はラグが10日の場合と70日の場合に大きな変化があると言える.10日 と70日のラグの場合15ポイント程既存の手法のみより変化している.

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4.4 考察

企業G

提案外手法 (勝率) 54.05

4.9 他アルゴリズムと併用したときのラグ日数と移動平均の母数の変化による取引勝率(企業G)

この企業の場合はラグが10日の場合と80日の場合に大きな変化が見える.

第4章 提案手法とその検証

企業H

提案外手法 (勝率) 47.37

4.10 他アルゴリズムと併用したときのラグ日数と移動平均の母数の変化による取引勝率企業H

この企業の場合はラグが30日と70日の場合に大きな変化が見られる.30日の場合と70 日の場合で正負の方向は逆だが,総じて15ポイント程度の変化が見られる.

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考察

Google Trendsと株価の相互相関は,正の相関が出ている場合は勝率が上がり,負の相関

が出ている場合は勝率が下がる事が散見された.これは.取引の結果を分かり易くするため に購入のみを行った結果と考えられる.

Google Trendsと他手法を組み合わせた取引では,第4章の途中で示した企業の例では約

91%以上という非常に高い勝率が見受けられる.この企業に対して他取引手法のみでは勝率 は約61%であり,本提案手法により取引の勝率を高める事が可能と考えられる.そして,本 実験では取引回数は少いものの勝率が100%になった銘柄も存在した.このため,本研究で 示した手法は現状の売買モデルの精度を向上させる事が可能であると言える.

他の企業では逆に勝率20%を下回るなど大幅に下がったケースも見られた.この場合は,

逆の売買シグナルを出すことで大きな利益が得られる.

本研究の提案手法を利用することにより,株価が変化するタイミングを図る精度が向上す る事を示すことが出来た.特に,既存の手法と組み合わせて使用すると既存の手法より勝率 が勝つか負けるの方向に最大の平均で10ポイント以上傾いており,これは先にも記したが 取り引きの手段を購入のみにしているためだと考えられる.また,本研究の手法を使用する ことで他の手法では発見できていない売買タイミングを提案手法では発見出来ていると言え る.これは,従来の支援システムのような株価の時系列データや株式の出来高のデータを使 用したものではなく,本研究で初めて企業への注目度を使用した事で新たな売買のタイミン グを検出できるということである.

本研究の手法と従来の株式売買手法を組み合わせる事で,従来の株式売買における支援シ

第5章 考察

また,株価と出来高と注目度の関係に着目すると,相互相関関数の形状が似通っている企 業がある分かる.しかし,実際に取引を行ってみると,勝率に差違が見られる.これから,

株価とキーワードの検索頻度の相関の類似だけでは株式取引の判断規準にはならないと言え る.一方,他の手法と組み合わせると,他の手法のみの場合と比較して勝率が良くなるため,

ここでも他の手法では検知できていない部分が本研究の手法には含まれていると言える.

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結論

本研究では,株価の注目度を利用した株売買に適した時機推定を行った.今回の実験で示 した注目度を使うことでより高精度に,株価の推定が出来る可能性を示した.企業によって の違いはあるが,Google Trendsを使用することでより良い取引に適した時期を図れ,株式 銘柄に合ったタイミングで売買を行うことが出来ることを示した.本研究では企業への興味 の度合を測るために Google Trendsでの任意のキーワードの検索頻度を注目度とし,市場 での株価の値動きと注目度の関係を相互相関関数で調べ,また注目度を用いた株式取引を 行って実験した.この結果,株価と検索頻度の相関が似ていても直接取引における勝率が 違ったのは,検索頻度データのみを使用した取引では無く他手法と併用したためであると考 える.

株価は,そもそも人間の行動心理,集団心理,そして社会行動の結果として表れる指標と 考えることが出来る.これらの要因の全てを直接観測しデータを集計することが究極の目標 であるが,それはこれまで現実的には困難であった.しかし,昨今のインターネットの普及 と,人々のインターネット上での行動・活動の増加は,膨大なログとして記録されるので,

これを集計・解析することで人間の内の心理や集団心理を測る手段となりうるようになっ た.例えば,本研究での Google Trends は検索という行動や,ショッピングサイトでの商 品ページの閲覧履歴や購入履歴や,閲覧している画像・動画の内容等から人々の特定の事物 に対する興味・関心を推定することができる.今後このようなインターネット上の様々な人 間の行動のログを通してより多くの社会的・経済的知見を得ることが望まれる.

本研究の今後の展開としてまずは,検索頻度データを利用する他の売買モデルの考案が考

第6章 結論

処理の手法によっても結果が大きく変わると考えられるからである.また,組み合わせる相 性の良い他売買モデルの検証等が考えられる.実際に株取引支援システムで使用されている 売買モデルは,本研究で提案する手法と組み合わせて使用した売買モデルの他にも多くの売 買モデルがあり,それらとの最適な組合せを検討する事でより精度の高い予測・支援が行え ると考える.

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