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第5章 考察 43
5.3 非同期インタフェースによるアノテーション数の増加
非同期的インタフェースにしたことで、 見る度にアノテーションを増加させることで コンテン ツの充足を行うことができた。 逆に、 動画閲覧と手書きの情報を他者と同期したインタフェース であったならば、 5.5節にて述べるが、 勢いのある線の描画の難しさによってアノテーションは 難しかったと考えられる。
5.4 言語的表現には不向き
動画上の絵に対するアノテーションには有効であるが、 言語的な表現を必要とする場面では不利 な点が多い。 確かに手書きインタフェースは文字を描くことができるが、 次のような問題がある。
• テキスト入力以上の時間がかかりやすい
• テキストと同程度に小さく、 素早く描くことは非常に難しく、 描画領域を圧迫しがちになる
• 位置を定める必要のないアノテーションは描く場所が定まらず躊躇してしまう
例えばあるNGシーンを集めた動画を閲覧している際に、 このシーンが面白かった、 という表 現を手書きでどのようにするべきか、 といったことを考えると言語的表現に頼らざるを得ない上、
どこに描くべきか定まらない。
5.5 勢いのある手書き表現の難しさ
動画再生と同期して線を描き、 手書きを行うことができるインタフェースを開発したが、 その インタフェースを有効活用することは難しいということがわかった。
第一に、 動画再生中にはアノテーションを行いたい対象自体が動くことが多いため、 停止状態 でないと描き込みが難しいことが多かった。 そのためか、 動画再生と同期して線を描くことの一 番多かった動画は無音・静止している動画である。 これはほとんど新しい動画コンテンツを作成 しているに等しい状態である。
第二に、 描いているうちに過去に描いたストロークは消えるという問題である。 例えば「あ」
を描きたいとなった際、1画目に横棒を引き、 次に2画目を描こうとしていると、 すぐに一画目 は薄く表現されはじめてしまう。 そして3画目を描くころには消えてしまっているかもしれない。
そのため、 時間を止めてアノテーションを行わざるを得ないことが多い。
5.6 ストローク量の増加による負荷の増大
本インタフェースを実際に設計し使用してみると、 ストローク数の増大とともに描画が多大な 負荷となってしまった。
ストロークの点の数が3000を超える程にアノテーションを行った場合、 線の更新頻度が下がる 現象が見られた。 この現象により、 滑らかに再生できていた線も高負荷環境ではぎこちなくなっ てしまう。 通常の状態では秒間10回の手書きストローク描画を行うようになっているが、 この ような状態では秒間3回程度まで落ちてしまうこともある。 これでは節3.7.3のように点と点の間 の時間を補間したとしても無意味となってしまう。
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また、 このような高負荷状態ではマウスイベントの認識速度も低下することがわかった。 低負 荷の状態では秒間に30点以上の軌跡を利用できたものの、 高負荷環境にあっては秒間10点を下 回る。 これにより、 思ったような線を引けなくなってしまう現象が見られた。 したがって、 本 インタフェースにおいてはスケーラビリティを高める工夫も必要があることがわかった。
5.7 ストローク検索について
本システムでは点と点がつながった手書きストロークの検索機能を取り入れた。 この機能は十 分に精度があり、 活用することができたと考えられる。 特に画面上に複数の候補を提示し、 マ ウスを乗せることでそのストロークが描画された際の状態を確認できる機能によって検索が容易で あった。 しかし、 いくつかの問題点がある。
いくつかの手書きストロークを組み合わせて1つの図形を作ることが多いため、1本のストロー クのみの検索では使いどころが限られてしまう。 例えば文字を手書きストロークによって表現し ていた場合、 「あ」などは1本のストロークでは再現できないため、 検索が困難である。
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