ビ0ム サ イ ズ の 計 測 に つ い て 、 結 果 と して 基 準 と な る 照 射 角 度ooの 時 、 入 射 点 よ り 10mmの 点 で11.00mm、50mmの 点 で12.65mm、 ピ ー ク 深 で13.75mmで あ り 、 深 部 に 進 む に つ れ ビ ー ム サ イ ズ が 広 が っ て い る が 、 こ れ は プ ラ ス チ ッ ク シ ン チ レー タ 内 で 発 生 し た 多 重 ク ー ロ ン 散 乱 や 照 射 ビ0ム の 広 が りの 影 響 と 考 え られ る 。 ま た 、 照 射 角 度 0。 に お け る ビ ー ム サ イ ズ の 理 論 値 は11.44mmで あ り、 ピ ー ク 深 で2.31mmの 誤 差 が 生 じ た 。 こ の 理 由 に 関 し て も 多 重 ク ー ロ ン 散 乱 に よ る 広 が りや 照 射 ビー ム の 広 が り 、 コ
リ メ ー タ か ら の 散 乱 が 原 因 と 考 え ら れ る 。 最 大 サ イ ズ は 照 射 角 度 が+120。 の 時 で1925 mmで あ り、 理 論 値 が12.20mmで あ る た め7.05mmの 差 が 生 じて い る 。 他 の 照 射 角 度
と ス ノ ー ト位 置 が 異 な る た め 、 ビ ー ム サ イ ズ が 大 き く な っ て い る が 、 照 射 角 度+1200の 場 合 、 プ ラ ス チ ッ ク シ ン チ レ ー タ に 入 射 す る ま で に 寝 台 を 通 過 す る た め 、 寝 台 で の 散 乱
の 影 響 も受 け た こ と が 原 因 と し て 考 え ら れ る 。
ビ ー ム 軸 に つ い て 、 結 果 のFig,42に 示 し た よ う に 照 射 角 度 毎 の ビ ー ム 軸 は ほ ぼ 中 心 で 交 わ っ て お り 、 ビ ー ム 軸 を 十 分 に 評 価 可 能 と い え る 。 ま た 、 結 果 のFig.43に 示 し た 照 射 角 度 θoと 実 測 値 か ら算 出 し た 角 度 θmの 比 較 し た と こ ろ 、照 射 角 度 一30。に お い て4%
の 誤 差 を 生 じ た が 、他 の 照 射 角 度 に お い て は 誤 差 が0.5%以 下 の 精 度 で 評 価 す る こ と が で き た 。 こ の 誤 差 に 関 し て は 、 ビ ー ム 軸 の 推 定 の 際 に 使 用 し た プ ロ フ ァ イ ル 曲 線 が3か 所 と少 な か っ た こ と が 原 因 と し て 考 え られ 、 ビVム 軸 の 推 定 に 用 い る プ ロ フ ァ イ ル 曲 線 を 増 や す こ と で よ り平 均 化 され 、 誤 差 は 減 少 す る と考 え られ る 。
ビ0ム レ ン ジ に つ い て は 、 照 射 角 度ooを 基 準 と し 算 出 し た 偏 差 よ り 照 射 角 度+120。
の 時 で2.4%で あ っ た 。 前 述 し た が 、 照 射 角 度+120Qに お い て は 照 射 ビ ー ム が プ ラ ス チ ッ ク シ ン チ レ ー タ に 入 射 す る 前 に 治 療 寝 台 を 通 過 し て い る た め 、 レ ン ジ が 短 く な っ た と 考 え ら れ る 。 今 回 使 用 し た235MeVの 陽 子 線 は 水 中 の 飛 程 が 約300mmで あ る と報 告 が あ る 。12)本 実 験 で は フ ァ イ ン デ グ レ ー ダ を50mm、 ポ リ エ チ レ ン 板 を150mm加 え て 測 定 を 行 っ て お り、 フ ァ イ ン デ グ レー ダ の 密 度 は1.16、 ポ リ エ チ レ ン の 密 度 は1.05
あ る た め 水 と比 較 し質 量 阻 止 能 が 異 な る 。そ の た め 、各 物 質 の 密 度 を 用 い て 補 正 を 行 い 、 水 等 価 厚 に 換 算 し た 結 果 、 フ ァ イ ン デ グ レ ー タ は58mm、 ポ リエ チ レ ン 板 は157.5mm
と な る 。こ れ ら を235MeVの 水 中 飛 程 か ら 差 し 引 く と 残 り の 飛 程 の 理 論 値 が 算 出 で き 、 85mmで あ っ た 。 今 回 使 用 し た プ ラ ス チ ッ ク シ ン チ レ ー タ の 密 度 は1.02で あ り、 水 等 価 厚 に 換 算 す る と83.3mmで あ る 。 しか し 、 実 際 に 測 定 し た デ ー タ は90mm程 度 で あ
り、 理 論 値 と は 約10mmの 差 が 生 じ て い る 。 こ の 原 因 と し て は 、 プ ラ ス チ ッ ク シ ン チ レ ー タ の 発 光 に よ る 拡 散 が 原 因 と し て 考 え られ る が 、 光 の 屈 折 等 の 要 因 も 考 え ら れ る 。 光 の 屈 折 に 関 して は 、 今 回 使 用 し た プ ラ ス チ ッ ク シ ン チ レ ー タ と 空 気 に お け る 入 射 角 と 屈 折 角 の 関 係 をTable10に 示 す が 、入 射 角 度 分 布 等 の 条 件 を 明 ら か に し 、補 正 を 加 え る こ と で よ り精 度 の 向 上 が 望 め る 。
Table10プ ラ ス チ ッ ク シ ン チ レ ー タ と 空 気 に お け る 光 の 入 射 角 と 屈 折 角
入射角i
屈折角r
o.o 0.0
2.5 4.0
5.0 7.9
7.5 11.9
10.0 15.9
12.5
li
15.0 24.1
17.5
.,
20.0 32.7
22.5 37.2
25.0 41.9
第6章 ま と め
近 年 、 臓 器 の 機 能 温 存 に よ るQOL(QualityofLife)の 向 上 や 国 民 の 高 齢 化 が 進 ん だ こ と に よ り 、 侵 襲 性 が 低 い 放 射 線 治 療 を 選 択 す る 患 者 が 増 加 傾 向 に あ る 。 様 々 な 技 術 進 歩 の 伴 い 強 度 変 調 照 射 の 様 に 腫 瘍 に 線 量 を 集 中 す る こ と が 可 能 と な っ て き た 。 中 で も 陽 子 線 治 療 は 線 量 分 布 や 治 療 効 果 及 び 施 設 規 模 の 観 点 か ら2000年 以 降 国 内 外 で 急 速 に 普 及 が 進 ん で い る 。 ま た 、 更 な る 陽 子 線 照 射 の 高 精 度 化 を 目指 し 、 陽 子 線 ス キ ャ ニ ン グ 照 射 技 術 の 研 究 開 発 が 世 界 中 で 盛 ん に 実 施 さ れ て い る 。 陽 子 線 ス キ ャ ニ ン グ 照 射 で は 、 こ れ ま で 以 上 の 照 射 角 度 毎 の ビ ー ム 状 態 の 安 定 化 が 要 求 され る こ と が 予 想 さ れ 、 照 射 角 度 毎 の ビ ー ム 状 態 を 簡 易 的 か つ 精 度 良 く測 定 す る こ と は 、 高 品 質 な 陽 子 線 治 療 を 患 者 へ 供 給 す る た め に は 非 常 に 重 要 で あ る 。
そ こ で 、 本 研 究 で は 、 円 柱 型 プ ラ ス チ ッ ク シ ン チ レ ー タ とCCDカ メ ラ を 組 合 せ 、 照 射 角 度 毎 の 陽 子 線 の ビ ー ム 状 態 を 簡 易 的 に 測 定 可 能 な 計 測 シ ス テ ム の 開 発 に 着 手 し 、 完 成 に 至 っ た 。 こ の 計 測 シ ス テ ム を 用 い て 、 照 射 角 度 毎 の 陽 子 線 の ビ ー ム レ ン ジ の 相 違 、
ビ0ム サ イ ズ の 相 違 及 び ビ ー ム 軸 の 相 違 を 簡 易 的 に 計 測 で き る シ ス テ ム を 構 築 し た 。 回 転 ガ ン ト リー を 用 い た 角 度 毎 の 陽 子 線 照 射 実 験 に よ っ て 、 本 シ ス テ ム の 計 測 機 能 の 検 証 を 実 施 し た 。 実 験 結 果 か ら プ ラ ス チ ッ ク シ ン チ レ ー タ 内 で 光 の 拡 散 は あ る も の の 、 解 析 機 能 を 有 す る こ と を 確 認 した 。 電 離 箱 を 使 用 し た 測 定 で は 、 長 時 間 の 照 射 が 必 要 と な る が 、 本 計 測 シ ス テ ム で は 約10秒 の 照 射 で 十 分 解 析 を 行 う こ と が で き 、 非 常 に 簡 易 的 な シ ス テ ム で あ る 。 こ れ ら の 結 果 か ら 、 角 度 毎 の ビ ー ム レ ン ジ 、 ビ ー ム サ イ ズ 及 び ビ ー ム 軸 の 角 度 依 存 性 に 関 す る 簡 易 的 な 計 測 が 可 能 と な り、 開 発 し た 本 シ ス テ ム の 有 用 性 を 示 す こ と が で き た 。
今 後 、 プ ラ ス チ ッ ク シ ン チ レー タ の 陽 子 線 に 対 す る 特 性 やCCDカ メ ラ の 特 性 等 を 明 確 に し 、 計 測 シ ス テ ム を 一 体 化 す る こ と で よ り高 精 度 な 解 析 ツ ー ル を 開 発 す る 必 要 が あ る 。 シ ン チ レ ー シ ョ ン 光 の 放 出 角 度 分 布 やCCDカ メ ラ へ の 入 射 割 合 等 を 明 確 に し 、 補 正 を 行 う こ と も 必 要 で あ る 。 ま た 、 イ メ ー ジ ン グ プ レ ー トや フ ィ ル ム を 用 い た ス タ ー シ
ョ ッ ト14)と 比 較 検 討 す る こ と で 本 研 究 の 精 度 の 向 上 を 図 れ る と考 え る 。
引 用 文 献
1)R.R.Willson,Radiology47(1946)487 2)T.Kanai,privatecommunication(1985)
3)W.T.ChuandC.A.Tobias,BinaryFilter,privatecommunication(1982) 4)A.Akanuma,H.Majima,S.Furukawa,Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.8,
1629(1982)
5)M.Goitein,Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.4,499(1978)
6)J.W.Boag,"IonizationChambers,"inRadiationDosimetry,2nded.EditedbyF.
H.AttixandW.C.Roesch,(Academic,NewYork,1966),Vol.2,Instrumentation, pp.1‑72
7)AmericanAssociationofPhysicistsinMedicine,ProtocolsforHeavyCharged ParticleBeamDosimetry,AReportofTaskGroup20,RadiationTherapy Committee,AmericanInstituteofphysics,NewYork,AAPMReportNo.16(1986)
8)大 谷 浩 樹1陽 子 線 の 吸 収 線 量 測 定 、 日 本 放 射 線 技 術 学 会 雑 誌 、第63巻 、第8号 、p915‑920, 2007
9)酒 井 弘 一ROPERSCIENTIFIC社
10)伊 藤 和 輝 、 雨 宮 慶 幸CCD型X線 検 出 器 11)篠 原 広 行C言 語 に よ る 画 像 再 構 成 の 基 礎 12)荻 野 尚JpnJCancerChemother33(4):
13)楠 川 絢 一 物 理 学 入 門 実 教 出 版 第7版 14)川 田 秀 道
学 会 雑 誌 第62巻 第12号
第 一 版 医 療 科 学 社 450‑454,April,2006
CRを 使 用 した ス タ ー シ ョ ッ ト画 像 自 動 解 析 法 の 開 発 p1657‑16652006年