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考察

ドキュメント内 博士(工学)の学位申請論文 (ページ 59-68)

第 3 章 筋電パターンの出現頻度による識別安定化フィルタ

3.4. 安定性の検証

3.4.3. 考察

7

各動作における誤識別の割合

切断者の被験者

1

に関しては,筋電パターンを出力可能な前腕回内,手首掌 屈,5指握り,母指屈曲の

4

パターン,切断者の被験者

2

に関しては手首掌屈,

手首背屈,

5

指握り,

5

指開き,

4

5

指屈曲の

5

パターンに限定して計測を行っ た.

29 識別された動作パターンの時系列 (切断者 1

全試行)

30 識別された動作パターンの時系列 (切断者 2

全試行)

31

識別された動作パターンの時系列

(

切断者

1

代表区間

)

32 識別された動作パターンの時系列 (切断者 2

代表区間)

切断者での実験結果を見ると,手首の掌屈を手首の回内と誤識別している(図

31)

.図

26

~図

29

を見ると,識別される動作パターンを安定させることで,数 フレームのノイズ的な誤識別を修正することに成功している.しかしながら,場 合によっては誤識別した状態を安定維持してしまい,逆に識別率を低下させる 要因ともなることがわかった.図

32

から,切断者

2

に関しては

4・5

指屈曲に バイアスしている傾向も見て取れる.結果的に,切断者

1

67.7

±

3.66%

から

72.6±3.73%へ,

切断者

2

38.5±5.83%から 70.9±7.61%への精度向上となった.

これらの結果により,筋電パターンを安定化させる目的は達成された.

筋電義手が実用的に用いられるためには,少なくとも

90%

の識別率が必要で あると言われている[54].従来の多自由度筋電パターン識別は,その識別率を実 現させるために,電極数の多さ

[56][19]

や学習時間の長さ

[42]

が問題となってい た.この観点から,本フィルタは,3チャンネルの少ない電極数と,1秒以下の 少ない学習時間で,回外・回内動作を除いた

7

動作を識別対象とした際,

90%

以 上の識別率が実現され,義手として有効に用いられる可能性が示唆される.しか しながら被験者によっては全動作の

9

動作対象で

90%

を超える識別率を出して おり,習熟により

9

動作識別も実用的に運用できる可能性がある.

切断者への適用については,被験者

1

に関して,従来手法の識別率が

68%

で あったのに対し,提案手法では

73%となり,有意差は見られなかったものの,有

意傾向である可能性が示唆された

(p<0.06)

.被験者

2

に関しては,

38.5%

から

70.9%への識別率向上となり,有意差が認められた(p<0.05).識別安定化フィルタ

は,特に多くの筋電パターンを識別し,識別が不安定になった際に有効なフィル タであるため,健常者に比べ識別クラス数の少なかった切断者

1

での実験では,

効果が少なかった可能性がある.しかしながら,切断者は日常生活において,物 体を持ち上げるなど,定常的に力を入れて義手を使用する状況が多いため

[57]

, 筋電パターン識別が非常に安定となる本手法は有効に働くと考えられる.

識別安定化フィルタによる報酬の入力誤り修正に関しては,報酬による識別 器の修正アルゴリズムについて述べる

4

章において検証する.

第 4 章

オペラント学習を用いた

識別器修正アルゴリズム

第 4 章 オペラント学習を用いた識別器修正ア

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