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マウス、ラット、イヌ及びサルにおけるダクラタスビルの経口吸収は速やかで、サルを除いた マウス、ラット及びイヌにおける絶対バイオアベイラビリティは50%以上と高かった。また、ヒ トにおける絶対バイオアベイラビリティは67%と良好であった。In vitro及びin vivo試験データか ら、ダクラタスビルはP-gpの基質であることが示された。ダクラタスビルはP-gpの基質である ものの、ダクラタスビルの経口吸収は、試験した用量及び大部分の動物種において良好であった。

イヌにおけるダクラタスビルの吸収は pH に依存しており、ヒトへのファモチジン投与によりダ クラタスビルのCmax値及びAUC(INF)値がそれぞれ44%及び18%低下した試験結果(AI444009 試験)、並びにヒトへのオメプラゾール投与によりダクラタスビルのCmax値及びAUC(INF)値が それぞれ20%~36%及び16%低下した試験結果(AI444024試験)と一致した。

ダクラタスビルは、ヒト(60 mg反復経口投与後のT-HALF = 14時間)よりもマウス、ラット、

イヌ及びサル(T-HALF = 1.1~4.7時間)で速やかに消失した。肝細胞におけるダクラタスビルの 代謝速度はマウス、イヌ及びサルよりもヒトで遅かったことから、ヒトにおけるダクラタスビル の長い消失半減期は、遅い代謝速度が原因である可能性がある。

ダクラタスビルの血清蛋白結合率は、すべての動物種及びヒトで同程度であり、95.1%~99.5%

の範囲であった。ダクラタスビル(濃度0.1~10 μM)のin vitroヒト血漿蛋白結合率は、97.7%~

98.0%で、濃度に依存しなかった。濃度1 μM(0.739 μg/mL)は、HCV感染患者にダクラタスビ

ル60 mgを反復投与したときのCmax値2.34 μM(1.73 μg/mL)に最も近いことから、濃度1 μM

(0.739 μg/mL)のダクラタスビルのヒト血漿蛋白結合率(98.0 ± 0.1%)が、ダクラタスビルのヒ

ト血漿蛋白結合率の代表値であると判断された。したがって、蛋白結合の違いによるダクラタス ビルの体内動態の種差はないと考えられた。ダクラタスビル(濃度0.1~10 μM)のin vitroヒト 血漿蛋白結合率(97.7%~98.0%)又はex vivoヒト血漿蛋白結合率(98.9%~99.3%)に比べて、

ダクラタスビル(濃度10 μM)のin vitroヒト血清蛋白結合率(95.6%)は低かったが、実験上の ばらつきに起因する可能性がある。AI444013試験において、ダクラタスビルのex vivo血漿蛋白 結合率は、健康被験者と HCV 感染患者で同程度であり、血漿試料中のダクラタスビル濃度の違 いによる影響を受けなかった。ダクラタスビルの血漿中濃度に対する血液中濃度は、ヒトで0.77

~0.82、各種試験動物では 0.56~1.08であったことから、血液中のダクラタスビルは優先的に血 漿中に分布することが示唆された。

マウス、ラット、イヌ及びサルにおいて、ダクラタスビルのVss値は全身水分量よりも大きかっ たことから、ダクラタスビルは血管外に分布することが示唆された。雌雄ラットに[14C]ダクラタ スビルを単回及び反復経口投与したとき、放射性物質(ダクラタスビルとその代謝物)は、組織 中に速やかに、また広範に分布し、血漿中濃度に対する組織中濃度の比は多数の組織で1を上回っ た。血漿中濃度に対する肝臓中濃度の比は、単回及び反復投与後でそれぞれ5~14及び5~21で あった。マウス及びラット脳への放射能の移行はわずかであったことから、P-gpはダクラタスビ ルとその代謝物の脳への移行を抑制する役割を担うものと考えられる。なお、[14C]ダクラタスビ ルの反復投与後に、放射能の蓄積は認められなかった。Long-Evansラットの有色皮膚及び眼ブド ウ膜からの[14C]ダクラタスビルの消失速度はSD ラットに比べて遅かった。放射能濃度は投与後

ダクラタスビル塩酸塩 2.6.4 薬物動態試験の概要文 Page 33

840 時間まで測定可能であったことから、組織に含まれるメラニンに対する[14C]ダクラタスビル 由来放射能の特異的で可逆的な結合が示唆され、これはダクラタスビルの塩基性及び親油性の性 質に起因する可能性がある。このような物理化学的諸性質が、有色ラットにおける薬物とメラニ ンの結合に関与することが文献 5)で報告されているが、薬物とメラニンの結合と有害作用との間 に直接的な因果関係はなく、薬物とメラニンの結合は眼毒性との関連性がないことが文献 6)で報 告されており、ダクラタスビルの単回経口投与光毒性試験では、Long-Evansラットの眼及び皮膚 に光毒性は認められなかった(CTD 2.6.6.8.1)。

妊娠ラットに[14C]ダクラタスビルを経口投与した結果、放射能は投与後4時間で胎児の肝臓の みに検出された。この試験結果から、わずかな量のダクラタスビルとその代謝物が胎盤を通過す ることが示唆された。授乳中のラットに[14C]ダクラタスビルを経口投与した結果、血漿中放射能 に対する乳汁中放射能のAUC比は1.55であったことから、ダクラタスビルとその代謝物はラッ ト乳汁中に移行することが示された。この試験結果から、ダクラタスビルの投与を受けている女 性から授乳中の乳児は、ダクラタスビルとその代謝物に曝露される可能性があることが示唆され た。

ダクラタスビルは、多様な酸化物に代謝される。しかしながら、ヒトにおいては、酸化物の

BMS-805215が血漿中に検出された唯一の代謝物であった。この代謝物は主としてCYP3A4によ

り生成された。ヒトに特有の代謝物は認められなかった。In vitro又はin vivoにおいて、ダクラタ スビルのGSH付加体は検出されなかったことから、活性代謝物は生成しないと考えられる。ラッ ト、イヌ、サル及びヒトのミクロソーム蛋白と放射性物質のわずかな不可逆的結合が確認された。

無処置動物(マウス、ラット、ウサギ、サル)及び BDC 動物(ラット、イヌ、サル)におい て、それぞれ投与量の19%~28%及び17%~36%が代謝物として回収された。未変化体が動物血 漿中の主化合物で、血漿中放射能の 74%~94%を占めた。ヒトにおいて、代謝物として回収され たダクラタスビルは投与量の 30.1%を占め、動物のそれと同程度であり、未変化体が血漿中の主 化合物で、血漿中放射能の97%~100%を占めた。BMS-805215はヒト血漿中に検出された唯一の 代謝物で、血漿中放射能の2%と微量であった。AI444001試験でヒトにダクラタスビルを単回投 与したとき、未変化体のAUCに対する代謝物BMS-805215のAUCの割合は約5%であり、また、

AI447009試験でダクラタスビルを反復投与したときには5%未満であったことから、BMS-805215

は蓄積しないことが示された。動物に[14C]ダクラタスビルを単回経口投与したとき、BMS-805215 はサル血漿中の主代謝物で、血漿中放射能の 14%~22%を占めたが、マウス、ラット及びウサギ 血漿中ではBMS-805215は微量代謝物で、それぞれ血漿中放射能の1.6%~4%、2.6%~2.9%及び 1.2%~1.9%を占めた。イヌにおいて、BMS-805215 は放射能検出法により定量できなかった(質 量分析法でのみ検出可能)。各種動物に[14C]ダクラタスビルを単回経口投与したときの血漿中

BMS-805215濃度に基づくと、BMS-805215はマウス、ラット、ウサギ及びサルの血漿中に安全性

を評価する上で十分な量存在した。また、反復経口投与毒性試験結果に基づくと、BMS-805215 はイヌ血漿中に安全性を評価する上で十分な量存在した。さらに、反復経口投与毒性試験から、

ヒト血漿中では定量下限未満の代謝物であるBMS-795853が、サル血漿中濃度よりも高い濃度で イヌ血漿中に存在することが示された。すなわち、BMS-795853 のヒト血漿中濃度は、イヌより

ダクラタスビル塩酸塩 2.6.4 薬物動態試験の概要文 Page 34

もサルの血漿中濃度と同程度であった。このことから、当初はイヌが毒性試験の非げっ歯類動物 種として選択されたが、その後実施された長期投与試験ではサルが選択された。ヒト及び動物に おける代謝物曝露量の詳細な比較検討は、毒性試験の概要文(CTD 2.6.6)に記載した。

サル及びヒトにおける代謝の大部分が BMS-805215への代謝であり、BMS-805215はサル及び ヒトの排泄物中でそれぞれ投与量の 17.5%及び 15.4%を占めたが、マウス及びラットでは比較的 少なく、マウス及びラットの排泄物中でそれぞれ投与量の1.2%及び2.2%を占めた。BMS-952328 はサル及びヒトで比較的少ない量の代謝物であったが、マウス及びラットでは主要な代謝物であ り、排泄物中で投与量の7.4%~9.8%を占めた。

ダクラタスビルの消失経路として、糞便中排泄、代謝クリアランス、胆汁クリアランス、腸内 分泌及び腎クリアランスが挙げられる。ダクラタスビルの糞便中排泄は、動物(マウス、ラット、

ウサギ及びサルでそれぞれ投与量の34%、24.5%、51.9%及び32.3%)よりもヒト(投与量の52.5%) で多かった。ダクラタスビルの代謝クリアランスは、ヒト(投与量の 30.1%)と動物(投与量の

19.2%~27.5%)で同程度であった。また、胆汁クリアランスはダクラタスビルとその代謝物の主

要な消失経路で、BDCラット、BDCイヌ及びBDCサルの胆汁中に投与量の相当部分が未変化体

(それぞれ投与量の 11.5%、12.5%及び1.4%)及び代謝物(それぞれ投与量の21.8%、7.5%及び

11.7%)として排泄された。ダクラタスビルはラット、イヌ及びサルの胆汁中に検出されたため、

ヒトでもダクラタスビルの胆汁中排泄が起こる可能性がある。BDCラット、BDCイヌ及びBDC サルにダクラタスビルを静脈内投与したとき、投与量の 27.2%、8.05%及び1.9%が未変化体とし て糞便中に排泄されたことから、ダクラタスビルの腸内分泌はP-gp又は他のトランスポーターに 起因することが示唆された。したがって、糞便中のダクラタスビルは、不完全な吸収のみならず 胆汁中排泄及び腸内分泌が原因である可能性がある。尿中から未変化体として回収された量は、

動物で投与量の0.73%~1.55%、ヒトでは6.60%であったことから、腎クリアランスはダクラタス ビルのマイナーな消失経路であることが示された。

ダクラタスビルは各種の代謝酵素及びトランスポーターの基質であった。ダクラタスビルは P-gp の基質であるが、BCRP、MRP2、OATP1B1、OATP1B3 又はOATP2B1の基質ではない。し たがって、ダクラタスビルとP-gpの阻害剤又は誘導剤との併用投与は薬物相互作用の原因となる 可能性がある。ダクラタスビル(ヒトで投与量の約30%)の消失が代謝クリアランスに依存する ことは、他の薬剤によるダクラタスビル代謝の変化が薬物相互作用につながる可能性を高める。

いくつもの代謝経路がダクラタスビルの代謝に関与するものの、CYP3A4がダクラタスビルの代 謝に関与する主たる酵素であることが示された。これらは臨床試験にて確認された。すなわち、

(i) ケトコナゾール(CYP3A4及びP-gpの強力な阻害剤)を投与した健康被験者において、ダク ラタスビルのCmax値及びAUC値はそれぞれ1.57及び2.95倍に増加し(AI444005試験)、(ii) リ ファンピシン(CYP3A4及びP-gpの強力な誘導剤)を投与した被験者において、ダクラタスビル のCmax値及びAUC値はそれぞれ56%及び79%低下し(AI444012試験)、また、エファビレンツ

(CYP3A4及びP-gpの誘導剤)を投与した被験者において、ダクラタスビルのCmax値及びAUC

値はそれぞれ17%及び32%低下した(AI444034試験)。

ダクラタスビルは CYP3A に対して弱い阻害作用を有し、テストステロン及びミダゾラムを基

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