• 検索結果がありません。

繰返し三軸試験より

[地盤全体として液状化するか?]

追加改良の検討 Yes

終了

0 0

STEP 2 繰返し三軸試験より

(τ/σ')l c Nl=20を求める

一方で、3.2でも示したように CPG 工法で改良された地盤は、締め固めに伴 う地盤密度の増加(繰返しせん断応力比(τ lc’)Nl=20 の増加分)とともに、

水平方向の応力の増加(K 値の増加分)が試験施工で確認されている(図 3.2.13 参照)。そのため、水平方向の応力増加を取り入れることができれば従来よりも 正確に液状化強度比が増加を評価することができる。CPG 工法による改良地盤 の改良効果を適切に評価するためには、①改良後の K 値が長期間維持されてい ることを確認すること、② K 値を精度良く測定あるいは推定する方法を確立す ることが重要である。

そこで以降では、まず CPG 工法で改良された地盤内において継続的に K 値を 計測された結果をもとに K 値を取り入れた液状化評価を実施してよいかを判断 する。次に、精度よく土圧係数の計測方法について試験施工の結果をもとに提案 するとともに、精度の高い K 値計測ができない地盤でも、地盤改良後の K 値を 精度よく推定する方法について提案する。

(2)CPG工法の改良範囲内の K値の長期安定性

図-3.4.3 は羽田の試験施工範囲において事前および改良後の土圧係数 K 値の深 度分布図を示したものである。なお、図-3.4.3 中の K 値の深度分布図には、CPG 工法施工後 1 年半後、3 年後、7 年後に計測した土圧係数 K 値の深度分布図も併 せて示している 24)。この図より、K 値は事前(改良前)0.5 程度であったのに対 し改良後の K値は 1.0~ 2.0程度にまで上昇しており事前の K値と比べると 2 ~ 4倍にも増加していることがわかる。

また、K 値増加の効果は施工後 7 年経過し、さらにその間に中小地震を経験し ているにも拘わらず長期間維持されていることを確認することができた。以上の ことから、CPG 工 法においては繰返し三軸試験による液状化判定において、密 度増加による効果とともに、K値増加による効果も反映させてよいといえる。

図-3.4.3 事前および改良後の土圧係数 K値の深度分布図

図-3.4.4は、改良率asとK値の関係を示したものである。図より事前のK値は、

ほぼ 0.5 付近で、改良率の増加とともに増加する傾向が現れている。この増加傾 向は初期間隙比、細粒分含有率によって変わる可能性はあるが、今回の条件では

改良率が 10%以上あれば K 値=1.0 以上を確保でき、その K 値は長期間経っても

低下することなく維持されていることが確認できた。

図-3.4.4 改良率と土圧係数の関係 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 -10

-9 -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0

土圧 係 数  K値

◎:事前

○:as=10%

△:as=15%

□:as=20%

▲:as=15%1年半後

▼:as=15%3年後

◆:as=15%7年後

地位表面下深度 GL- (m)

0 5 10 15 20 25

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

改良 率  a s

◎:事前

○:as=1 0%

△:as=1 5%

□:as=2 0%

▲:as=1 5% 1年半後

▼:as=1 5% 3年後

◆:as=1 5% 7年後

土圧係数 K

(3)土圧係数の計測法とPS検層を用いた土圧係数の推定法

事前及び改良後の土圧係数 K 値の計測結果を、3.2の孔内水平載荷試験結果 の中でも示した。その結果、SBP で計測した土圧係数 K は図-3.4.3 で示したとお

り K=0.5 付近にまとまって計測された。この結果は、半無限水平地盤を想定する

場合には静止土圧係数 K0=0.5 とするとしている従来の判定方法と同様の結果が 得られていることから妥当な値といえる。一方で、地盤改良前の同範囲内の事前 調査においてプレボーリングタイプの孔内水平載荷試験も併せて調査したが、そ の結果プレボーリングタイプの孔内水平載荷試験で計測した土圧係数 K は K=0.2

~0.7 程度と値のばらつきが大きかった。以上の結果より、現地にて SBP を用い て試験を実施すれば、精度の高い K 値を計測できるといえる。したがって、以 降の地盤改良後の K 値の計測においては、すべて SBP を用いて K 値の計測を実 施した。しかしながら、SBP による K 値計測でも、礫分を多く含むような地盤 に対しては乱れの少ない削孔が困難なため、精度の高い K 値計測ができないこ とも想定される。このような地盤で、地盤改良により増加する K 値の影響を取 り入れた合理的な液状化判定を行なうためには、このような礫分を多く含む地盤 に対しても地盤改良後の K 値を精度よく求める方法の開発が必要である。そこ で、本論文では弾性波探査(PS 検層)から求まるS波速度(Vs)および室内試 験で求まる応力と初期せん断剛性率(G0)関係に着目し、K 値を推定する方法に ついて検討した。

1)基本概念

PS 検層から求められるS波速度 Vs から、弾性波理論により、初期せん断剛性 率 G0F が求められる。一方、繰返し中空ねじりせん断試験より、地盤内の平均有 効応力σ c’と G0L に相関関係が得られる。この時、地盤の平均応力は、K値(= σ h’/σ v’)を含む式で定義される。そして、この原位置の Vsから得られる G0F

と室内試験の G0L を等価なものとすれば、Vs より K 値を算出できるという考え である。この基本的な考えは、畑中ら 25)が既に提案しているものでその推定法 は以下のような考えに基づいている。G0L は、平均有効主応力σ c’(=(2 σ h’+

σ v’)/ 3)と両対数紙上で直線関係が得られ、その関係は式-3.4.6 で表すことが

できる。σ c’と K値の関係は式-3.4.7で表される。式-3.4.7を式-3.4.6に代入し、K 値を求める式に展開すると、式-3.4.8を得る。一方、G0FはPS検層から得られるVs

より式-3.4.9 から算定できる。ここで、室内試験で得られる G0L と原位置試験で

得られる G0F は等しいと考えて良いことから、式-3.4.8 の G0L を式-3.4.9 の G0F で 置き換えれば、K 値は式-3.4.10 となる。すなわち、原位置試験で得られる Vs と 室内試験で得られる G0Lを規定する a、nを求めることでK値を推定できる。

(式-3.4.6)

(式-3.4.7)

(式-3.4.8)

(式-3.4.9)

(式-3.4.10)

ここで、G0:初期せん断剛性率

G0L:中空ねじりせん断試験から求まる初期せん断剛性率

G0F:原位置の PS検層のS波速度Vsから求まる初期せん断剛性率 σc':平均有効主応力(=(2σh’ +σv’)/3)

σv':鉛直有効応力 σh':水平有効応力

n、a:中空ねじりせん断試験から得られるせん断剛性率(G0L)と平均

有効主応力(σc')を関連付ける試験定数

2)初期せん断剛性G0と地盤内応力の関係

砂の繰返しせん断試験で求まるせん断剛性率 G0 と地盤内応力(室内試験では 拘束圧)の関係が実験的に研究されている 25)26)。G0 は地盤の動的特性を考える 上で重要な物性の一つである。既往の研究によれば、その関係式に用いる応力は 平均有効主応力や垂直応力の積などであり、G0 をそれら応力の指数関数で表現 している。そこで本論では、静的圧入締固め工法による液状化対策がなされた実 地盤から採取した乱れの少ない試料について、繰返しねじりせん断試験を実施し て既往の研究と同様な検討を行う。試験条件は、実地盤中の応力状態を想定し、

中空ねじりせん断試験装置を用いて異方圧密および等方圧密後の非排水せん断試 験とする27)

(a)実験方法

実験に用いた試料は、CPG 工法の試験施工を実施した地盤で採取した試料を 用いた。各試料は、羽田空港内の浚渫砂層(As0)及び浚渫シルト層(Ac1)の 2

種類の土である。各地層の改良後の N 値、Vs 値、K 値を図-3.4.5 に示す。なお、

両層ともに応力比 K 値(=σ h’/σ v’)が 1 以上の応力状態にあることが SBP に より確認されている 24)。なお、Vs は地盤改良後にサスペンション方式の PS 検層 により求めた値である。

図-3.4.5 CPGによる地盤改良後(試験施工エリア)のN値、Vs、K値の状況

(b)異方圧密状態による試験

図-3.4.6 に試験の応力経路を示す。点Aは 実地盤中の応力状態を示している。

まず、現地で採取後、応力解法された不撹 乱試料を試験機中で K 値が 0.5 の状態に戻す

(図-3.4.6 の①の応力経路)。このときの鉛直 有効応力σv’は、原地盤の有効土被り圧 σ v0’とする。次に、K 値が 0.5 ~ 2.5 の範 囲で順次段階的に異方圧密を行うとともに、

圧密完了ごとに非排水繰返しねじりせん断試 図-3.4.6 試験の応力経路図 験を実施した。この間の K 値はσ v’を一定に保ちながらσ h’を増加させるこ とにより 0.1 間隔で大きくした。最終的に、この段階試験は圧密時に供試体がせ ん断破壊に至るまで続けた。この過程の応力経路は②で示される。繰返しねじり せん断試験時のせん断ひずみは、5 × 10-6 以下としてほとんど弾性変形にある初

0 150 300

-12 -10 -8 -6 -4 -2

0 0. 0 0.5 1. 0 1. 5 2.0

-12 -10 -8 -6 -4 -2 0 10 20 30 40 50 0

-12 -10 -8 -6 -4 -2 0

12.0 10.0 Ac1 As0

深 度  GL (m)

NVs(m/s) K値 (KS B P

C P G 改 良 範 囲 路床

1.5

期せん断剛性率 G0 を求めた。以上により、G0 と応力の関係を導き出すことがで きる。

(c)等方圧密状態による試験

まず、原地盤の有効土被り圧σv0’で等方圧密する(図-3.4.6の点 D)。その後、

圧密 応力 を段 階的 に増加 さ せて 等方圧 密 する とともに 、その段 階ごとに 異方圧 密状態の試験と同様に非排水繰返しねじりせん断試験を実施した。したがって、

この 試験 の応 力経 路は③ で 示さ れる。 な お、 圧密応力 の最大値 は異方圧 密状態 による試験の最終段階の試験から求まる平均有効主応力σ c’(=(σv’+2σh’)/3)

を越える値とした。

(d)実験結果

試験の目的である G0 と応力の関係を導き出すに当たり、既往の研究を参考に して次式で整理した。

G0=a(σc’)n (式-3.4.11)

ここに、a、nはそれぞれ試験結果を式-3.4.11にフィッティングさせる係数

図-3.4.7 に G0 と応力の関係を示す。同図は地層ごとに比較している。また各々 の図中に式-3.4.11 の近似式を示した。なお、近似式では全て応力の単位は kN/m2 であり、図の縦軸と横軸の単位の違いに注意されたい。

(ⅰ)As0層 (ⅱ)Ac1層 図-3.4.7 各地層のせん断剛性率と応力の関係 27)

関連したドキュメント