る売買目的外有価証券の評価益若しくは 評価損の計上
⑴ 改正前の制度の概要
① 繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の 繰延べ
内国法人がヘッジ対象資産等損失額を減少 させるためにデリバティブ取引等を行った場 合において、そのデリバティブ取引等を行っ た時から事業年度終了の時までの間において そのヘッジ対象資産等損失額を減少させよう とする資産若しくは負債又は金銭につき譲渡 若しくは消滅又は受取若しくは支払がなく、
かつ、そのデリバティブ取引等がそのヘッジ 対象資産等損失額を減少させるために有効で あると認められる場合に該当するときは、そ のデリバティブ取引等に係る利益額又は損失 額のうちそのヘッジ対象資産等損失額を減少 させるために有効である部分の金額は、その 事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又 は損金の額に算入しないこととされています
(法法61の 6 ①)。
(注 1 ) ヘッジ対象資産等損失額とは、次の損 失の額をいいます(法法61の 6 ①)。
イ 資産又は負債の価額の変動に伴って 生ずるおそれのある損失
ロ 資産の取得若しくは譲渡、負債の発 生若しくは消滅、金利の受取若しくは 支払その他これらに準ずるものに係る 決済により受け取ることとなり、又は 支払うこととなる金銭の額の変動に伴 って生ずるおそれのある損失
(注 2 ) デリバティブ取引等とは、次の取引を いいます(法法61の 6 ④)。
イ デリバティブ取引(金利、通貨の価 格、商品の価格その他の指標の数値と してあらかじめ当事者間で約定された 数値と将来の一定の時期における現実 のその指標の数値との差に基づいて算 出される金銭の授受を約する取引又は これに類似する取引であって、金融商 品取引法、銀行法施行規則等に規定す るものをいいます。)
ロ 有価証券の空売り並びに信用取引及 び発行日取引
ハ 外貨建資産等を取得し、又は発生さ せる取引
(注 3 ) ヘッジ対象資産等損失額を減少させる ためにデリバティブ取引等を行った場合 は、そのデリバティブ取引等がそのヘッ ジ対象資産等損失額を減少させるために 行ったものである旨及びヘッジ対象等の 明細をそのデリバティブ取引等に係る帳 簿書類に記載した場合に限ることとされ ています(法法61の 6 ①、法規27の 8 ①
②)。
なお、ヘッジ対象等の明細とは、その デリバティブ取引等によりそのヘッジ対 象資産等損失額を減少させようとする資 産又は負債及び金銭並びにそのデリバテ ィブ取引等の種類、名称、金額、そのヘ ッジ対象資産等損失額を減少させようと する期間その他参考となるべき事項をい います(法規27の 8 ①)。
(注 4 ) ヘッジ対象資産等損失額を減少させる ために有効であると認められる場合は、
ヘッジ対象資産等損失額を減少させるた めにデリバティブ取引等を行った時から その事業年度終了の時までの間のいずれ かの有効性判定において、次の場合の区 分に応じた次の割合がおおむね80%から 125%までとなっている場合(以下「原則
的な場合」といいます。)とされています
(法令121の 2 )。
イ 資産又は負債に係るヘッジ対象資産 等損失額を減少させるためにそのデリ バティブ取引等を行った場合 次の場 合の区分に応じた次の割合
イ その資産の取引時価額が期末・決 済時価額を超える場合又はその負債 の期末・決済時価額が取引時価額を 超える場合 それぞれそのデリバテ ィブ取引等に係る利益額をその超え る部分の金額で除して計算した割合 なお、取引時価額とは、そのデリ バティブ取引等を行った時における 価額をいい、期末・決済時価額とは、
期末時又は決済時における価額をい います。
ロ その資産の期末・決済時価額が取 引時価額を超える場合又はその負債 の取引時価額が期末・決済時価額を 超える場合 それぞれそのデリバテ ィブ取引等に係る損失額をその超え る部分の金額で除して計算した割合 ロ 金銭に係るヘッジ対象資産等損失額
を減少させるためにそのデリバティブ 取引等を行った場合 次の場合の区分 に応じた次の割合
イ 決済により受け取ることとなるそ の金銭の取引時金額が期末・決済時 金額を超える場合又は決済により支 払うこととなるその金銭の期末・決 済時金額が取引時金額を超える場合 それぞれそのデリバティブ取引等 に係る利益額をその超える部分の金 額で除して計算した割合
なお、取引時金額とは、そのデリ バティブ取引等を行った時において 算出した額をいい、期末・決済時金 額とは、期末時又は決済時において 算出した額をいいます。
ロ 決済により受け取ることとなるそ の金銭の期末・決済時金額が取引時 金額を超える場合又は決済により支 払うこととなるその金銭の取引時金 額が期末・決済時金額を超える場合 それぞれそのデリバティブ取引等 に係る損失額をその超える部分の金 額で除して計算した割合
(注 5 ) ヘッジ対象資産等損失額を減少させる ために有効である部分の金額は、ヘッジ 対象資産等損失額を減少させるために行 ったデリバティブ取引等に係る利益額又 は損失額に相当する金額(以下「原則的 な金額」といいます。)とされています
(法令121の 3 ①)。
イ 原則的な有効性判定方法等
ヘッジ対象資産等損失額を減少させるた めにデリバティブ取引等を行った内国法人 は、期末時及び決済時において、次の場合 の区分に応じた次の方法(以下「原則的な 方法」といいます。)により、そのデリバ ティブ取引等がそのヘッジ対象資産等損失 額を減少させるために有効であるか否かの 判定(以下「有効性判定」といいます。)
を行わなければならないこととされていま す(法令121)。
イ 資産又は負債に係るヘッジ対象資産等 損失額を減少させるためにそのデリバテ ィブ取引等を行った場合 期末時又は決 済時におけるそのデリバティブ取引等に 係る利益額又は損失額とヘッジ対象資産 等評価差額とを比較する方法
ロ 金銭に係るヘッジ対象資産等損失額を 減少させるためにそのデリバティブ取引 等を行った場合 期末時又は決済時にお ける利益額又は損失額とヘッジ対象金銭 受払差額とを比較する方法
(注 1 ) 期末時とは、その事業年度終了の時 までにそのデリバティブ取引等により そのヘッジ対象資産等損失額を減少さ
せようとする資産若しくは負債又は金 銭につき譲渡若しくは消滅又は受取若 しくは支払がなく、かつ、そのデリバ ティブ取引等の決済をしていない場合 のその時をいい、決済時とは、そのデ リバティブ取引等の決済をした場合の その決済の時をいいます(法令121①)。
(注 2 ) ヘッジ対象資産等評価差額とは、資 産又は負債のそのデリバティブ取引等 を行った時における価額とその期末時 又は決済時における価額との差額をい い、ヘッジ対象金銭受払差額とは、金 銭のそのデリバティブ取引等を行った 時において算出した額とその期末時又 は決済時において算出した額との差額 をいいます(法令121②)。
ロ 特別な有効性判定方法等
ヘッジ対象資産等損失額を減少させるた めにデリバティブ取引等を行った内国法人 で常時多数のデリバティブ取引等を行うも のが、原則的な方法に代えてその方法以外 の合理的な方法(以下「特別な方法」とい います。)により有効性判定を行うこと、
原則的な場合に代えて他の場合(以下「特 別な場合」といいます。)をもってそのヘ ッジ対象資産等損失額を減少させるために 有効であると認められる場合とすること及 び原則的な金額に代えて他の金額(以下
「特別な金額」といいます。)をもってその ヘッジ対象資産等損失額を減少させるため に有効である部分の金額とすることについ て納税地の所轄税務署長の承認を受けた場 合には、その承認を受けた日の属する事業 年度後の各事業年度におけるその承認を受 けたデリバティブ取引等に係る有効性判定 は、その承認を受けた特別な方法、特別な 場合及び特別な金額により行うこととされ ています(法令121の 4 )。
② 時価ヘッジ処理による売買目的外有価証券 の評価益又は評価損の計上
内国法人がその有する売買目的外有価証券 の価額の変動により生ずるおそれのある損失 の額(以下「ヘッジ対象有価証券損失額」と いいます。)を減少させるためにデリバティ ブ取引等を行った場合において、そのデリバ ティブ取引等を行った時から事業年度終了の 時までの間にその売買目的外有価証券の譲渡 がなく、かつ、そのデリバティブ取引等がそ のヘッジ対象有価証券損失額を減少させるた めに有効であると認められる場合に該当する ときは、その売買目的外有価証券の価額と帳 簿価額との差額のうちそのデリバティブ取引 等に係る利益額又は損失額に対応する部分の 金額(以下「原則的な金額」といいます。)
は、その事業年度の所得の金額の計算上、損 金の額又は益金の額に算入することとされて います(法法61の 7 ①)。
(注 1 ) ヘッジ対象有価証券損失額を減少させ るためにデリバティブ取引等を行った場 合は、その売買目的外有価証券を評価し、
又は円換算額に換算する旨及びヘッジ対 象等の明細をそのデリバティブ取引等に 係る帳簿書類に記載した場合に限ること とされています(法法61の 7 ①、法規27 の 9 ①②)。
なお、ヘッジ対象等の明細とは、その デリバティブ取引等によりそのヘッジ対 象有価証券損失額を減少させようとする 売買目的外有価証券及びそのデリバティ ブ取引等の種類、名称、金額、そのヘッ ジ対象有価証券損失額を減少させようと する期間その他参考となるべき事項をい います(法規27の 9 ①)。
(注 2 ) ヘッジ対象有価証券損失額を減少させ るために有効であると認められる場合は、
ヘッジ対象有価証券損失額を減少させる ためにデリバティブ取引等を行った時か らその事業年度終了の時までの間のいず れかの有効性判定において、次の場合の 区分に応じた次の割合がおおむね80%か
ら125%までとなっている場合(以下「原 則的な場合」といいます。)とされていま す(法令121の 8 )。
イ そのデリバティブ取引等によりその ヘッジ対象有価証券損失額を減少させ ようとする売買目的外有価証券のその デリバティブ取引等を行った時におけ る価額が期末時又は決済時における価 額を超える場合 そのデリバティブ取 引等に係る利益額をその超える部分の 金額で除して計算した割合
ロ そのデリバティブ取引等によりその ヘッジ対象有価証券損失額を減少させ ようとする売買目的外有価証券の期末 時又は決済時における価額がそのデリ バティブ取引等を行った時における価 額を超える場合 そのデリバティブ取 引等に係る損失額をその超える部分の 金額で除して計算した割合
イ 原則的な有効性判定方法等
ヘッジ対象有価証券損失額を減少させる ためにデリバティブ取引等を行った内国法 人は、期末時及び決済時において、その期 末時又は決済時におけるそのデリバティブ 取引等に係る利益額又は損失額とヘッジ対 象有価証券評価差額とを比較する方法(以 下「原則的な方法」といいます。)により、
そのデリバティブ取引等がそのヘッジ対象 有価証券損失額を減少させるために有効で あるか否かの判定(以下「有効性判定」と いいます。)を行わなければならないこと とされています(法令121の 7 )。
(注 1 ) 期末時とは、その事業年度終了の時 までにそのデリバティブ取引等により そのヘッジ対象有価証券損失額を減少 させようとする売買目的外有価証券の 譲渡がなく、かつ、そのデリバティブ 取引等の決済をしていない場合のその 時をいい、決済時とは、その事業年度 においてそのデリバティブ取引等の決