振 動 周 波 数 や タ ー ゲ ッ ト 表 面 の 色 に 関 係 な く 半 導 体 レ ー ザ の 発 振 波 長 の 約 11250倍に相当する最小約 3nmまで、の微小振動振幅を測定で、きた。また、ター ゲットの振動周波数を出力信号からマイクロコンビュータの処理によって振動 振幅と同時に求めたので、オシロスコープから読み取るよりも早く正確な値を 求めることができた。よって、当初の目標である振動周波数が数kHz以下で振 動振幅が数 nm以下の微小振動を非接触で検出するという目標が達成できた。
将来的には、出力信号検出回路の S/N比を改善することによって、更に小さい 微小振動振幅と正確な振動周波数を測定できると思われる。また、マイクロコ ンビュータによるサンプル取り込み時間を長くしたり、 AlD変換のサンプリン グ周波数を高くしたりすることによって、ターゲットの測定振動周波数の範囲 を拡張できると思われる。
以 上 の こ と よ り 、 こ の 自 動 式 に よ る 微 小 振 動 セ ン サ シ ス テ ム は 、 半 導 体 レ ー ザ の 自 己 結 合 効 果 を 用 い て 、 非 接 触 で タ ー ゲ ッ ト の 振 動 振 幅 や 振 動 周 波 数 を 高 精 度 で 自 動 的 に 測 定 で き る 小 型 で 安 価 な セ ン サ シ ス テ ム で あ る と
る= え
一 言
5 . 2 将来展望
こ の 自 動 式 に よ る 微 小 振 動 セ ン サ シ ス テ ム は 、 非 接 触 で タ ー ゲ ッ ト の 振 動振幅や振動周波数を高精度で自動的に測定できる小型で、安価なセンサシ ステムであることが分かったが、次のようなことを改良することによって、
タ ー ゲ ッ ト の 振 動 振 幅 測 定 の 精 度 を 更 に 向 上 さ せ た り 、 タ ー ゲ ッ ト の 振 動 周波数測定の周波数範囲を更に広くさせたりすることができると思われる。
先 ず は 、 出 力 信 号 検 出 回 路 の S/N比 の 改 善 で あ る が 、 本 研 究 で 使 用 し た 出 力 信 号 検 出 回 路 は 、 全 て 研 究 室 で の 手 作 り で あ る た め 、 雑 音 対 策 に お い て限界はあるものの、次のような対策が考えられる。 1つ は 、 部 品 配 置 や 配線方法の見直し、次に、全ての部品において低雑音のものを使用する。
ま た 、 接 地 位 置 の 見 直 し ゃ シ ー ル ド ケ ー ス か ら は み 出 て い る 接 続 端 子 部 分 を 完 全 に シ ー ル ド ケ ー ス 内 に 収 め 、 シ ー ル ド 線 で 各 装 置 を 電 気 的 に 結 ぶ な どが考えられる。
次 は 、 出 力 信 号 検 出 回 路 中 の 増 幅 回 路 の 増 幅 率 を 可 変 で き る よ う に す る
ことである。本研究で使用した出力信号検出回路中の増幅回路は、大きな セ ン サ 出 力 信 号 が 出 力 信 号 検 出 回 路 に 入 っ て も 、 マ イ ク ロ コ ン ビ ュ ー タ や A/D変 換 回 路 の 使 用 電 圧 5Vを超えないように増幅率を抑えているので、
小 さ な セ ン サ 出 力 信 号 の 場 合 、 十 分 な 信 号 増 幅 が で き な い 。 こ れ は 、 増 幅 田 路 の 増 幅 率 を 固 定 し て い る た め で あ る 。 そ こ で 、 増 幅 回 路 の 前 段 で セ ン サ出力信号の振幅を比較回路などで、大小を判断し、そのセンサ出力信号に 見 合 っ た 増 幅 率 で 増 幅 さ せ る こ と で あ る 。 こ れ に よ っ て 、 更 に 小 さ い 微 小 振動を検出できるようになると思われる。
次 に 、 タ ー ゲ ッ ト の 振 動 周 波 数 が O.5kHz未満の振動振幅が測定できる ようにすることである。本研究では、振動周波数が O.5kHz未満になると、
マイクロコンビュータによる出力信号のサンプノレ取り込み時聞がターゲッ トの振動周期より短くなるため、測定が不可能である。そこで、サンプル 取 り 込 み 時 間 を 長 く す れ ば 、 更 に 低 い 振 動 周 波 数 の 微 小 振 動 を 測 定 で き る の で 、 サ ン プ リ ン グ レ ー ト を 遅 く し て 、 出 力 信 号 の 1点1点の振幅を取り 込 む 時 間 間 隔 を 長 く す る こ と で あ る 。 つ ま り 、 セ ン サ の 出 力 信 号 波 形 か ら 山又は谷が 2つ 以 上 存 在 す る か ど う か を 判 断 す る こ と に よ っ て 、 O.5kHz 以上か未満かを判断し、未満であればサンプリングレートを遅くして、タ ーゲットの振動周期よりサンブツレ取り込み時間を長くすれば、 O.5kHz未 満 の 振 動 振 幅 を 測 定 す る こ と が 可 能 と な る 。 こ れ は 、 プ ロ グ ラ ム の サ ン プ リング部分を改良することによって可能になると思われる。この改良によ って、低域部分の微小振動を測定できるようになるので、 IC回路などの生 産 過 程 で 発 生 す る と 思 わ れ る 周 波 数 全 域 に わ た っ て 微 小 振 動 測 定 が で き る
と思われる。
以 上 の よ う に 改 善 す る と 、 タ ー ゲ ッ ト の 振 動 振 幅 測 定 の 精 度 を 向 上 さ せ たり、ターゲットの振動周波数測定の周波数範囲を広くさせたりすること が で き る と 思 わ れ る 。 ま た 、 こ の 微 小 振 動 セ ン サ シ ス テ ム を 更 に 実 用 的 な
ものにするには、次のようなことが考えられる。
本 研 究 で は 、 セ ン サ の 最 大 感 度 を 検 出 す る た め に 、 セ ン サ 部 を 半 波 長 以 上 ゆ っ く り と 移 動 さ せ て 、 そ の と き の 最 大 出 力 振 幅 を マ イ ク ロ コ ン ビ ュ ー タ で 求 め て い た 。 こ の 処 理 過 程 は 数 秒 の 時 間 を 要 す る の で 、 瞬 時 に タ ー ゲ ットの振動振幅値を求めるには、センサ部を常に最大感度の位置に保持す
る た め の 自 動 制 御 を す る こ と で あ る 。 そ の た め に は 、 最 初 に 最 大 感 度 位 置 を 検 出 し た ら 、 常 に そ の 位 置 の 出 力 振 幅 と 前 後 の 位 置 の 出 力 振 幅 と を 比 較 しながら、最大位置に移動することによって、センサの最大感度位置を保 持 す る こ と が 可 能 と な る 。 そ こ で 、 マ イ ク ロ コ ン ビ ュ ー タ の 動 作 ク ロ ッ ク
を 高 い も の に す る こ と に よ っ て 、 リ ア ル タ イ ム で タ ー ゲ ッ ト の 振 動 振 幅 値 を求めることができると思われる。
ま た 、 本 研 究 の 自 動 式 に よ る 微 小 振 動 セ ン サ で は 、 半 波 長 未 満 の 振 動 振 幅 を 対 象 と し た が 、 半 波 長 以 上 で も 測 定 で き る よ う に す れ ば 、 特 定 の 製 造 工程だけでなく、更に広い範囲で利用できると思われる。そのためには、
図 2.8で示したターゲットの入力信号の変位が 0のところ、つまり、出力 信 号 の 折 り 返 し 点 の と こ ろ を 検 出 し て 、 そ の 間 に い く つ の 正 弦 波 形 が あ る か を カ ウ ン ト し 、 更 に 折 り 返 し 点 の 部 分 の 変 位 を 正 弦 波 補 正 に よ っ て 求 め れば、全体の振動振幅を正確に求めることができると思われる。そこで、
マ イ ク ロ コ ン ビ ュ ー タ の メ モ リ を 増 加 さ せ る こ と に よ っ て 、 半 波 長 以 上 の 振動振幅を求めることができると思われる。
以 上 の よ う な 点 を 改 良 す る こ と に よ っ て 、 よ り 充 実 し た 微 小 振 動 セ ン サ が可能になると思われる。
辞
﹃
T
1
諮問
本 研 究 を 行 う 機 会 を 与 え て 下 さ い ま し た 愛 知 工 業 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 博 士 後 期 課 程 電 気 ・ 材 料 工 学 専 攻 の 工 学 博 士 山 田 誇 教 授 に は 、 本 研 究 を 始 め る に 当 た り 、 多 く の ご 助 言 を 頂 き 、 本 研 究 推 進 の た め の 自 信 と 勇 気 を 与 え て 下 さ い ま し た 。 さ ら に 、 研 究 中 に は 、 適 切 な る ご 指 導 を 多 く 頂 き 、 学 位 論 文 の 執 筆 ま で た ど り 着 く こ と が で き ま し た 。 本 当 に こ れ ら の こ と に 心 よ り 感 謝 い た し ま す 。 ま た 、 同 研 究 室 の 愛 知 工 業 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 博 士 後 期 課 程 電 気 ・ 材 料 工 学 専 攻 の 工 学 博 士 津 田 紀 生 准 教 授 に は 、 マ イ ク ロ
コ ン ピ ュ ー タ や プ ロ グ ラ ム な ど で 色 々 と ご 指 導 、 ご 支 援 を 頂 き 、 更 に 本 論 文の面JI査まで引き受けていただき、深く感謝しています。
本論文の面JI査 を 引 き 受 け て く だ さ い ま し た 大 学 院 工 学 研 究 科 博 士 後 期 課 程 電 気 ・ 材 料 工 学 専 攻 の 工 学 博 士 内 田 悦 行 教 授 、 同 専 攻 の 工 学 博 士 穂 積 直 裕教授には、同様に適切なるご指導を頂き、誠に感謝しています。
さらに、共に実験、協力をしてくれた平成 20年 度 大 学 院 修 了 生 の 大 江 貴 之 君 、 平 成 19年 度 学 部 卒 業 生 の 布 目 正 典 君 、 原 田 雅 士 君 、 平 成 20年 度 学 部 卒 業 生 の 浅 岡 賢 志 君 、 浅 野 大 輔 君 、 そ し て 現 学 部 4年生の安藤泰生君、
溝口敬太君にお礼申し上げます。
最後に、陰ながら支えてくれた妻に感謝の意を表したいと思います。
名 和 靖 彦
外部発表リスト
1 . 学 位 請 求 に 関 す る 論 文 等
(1)学術論文
[lJ Yasuhiko NAWA, Norio TSUDA, Jun YAMADA
Study on Small Vibration Sensor by Self‑Coupling Effect of Semiconductor Laser
The Review of Laser Engineering, Vol. 36, No. APLS Supplemental Volume, pp. 1250‑1253 (2008)
[2J名 和 靖 彦 , 津 田 紀 生 , 山 田 語
半 導 体 レ ー ザ ー の 自 己 結 合 効 果 を 用 い た 微 小 振 動 セ ン サ レーザー研究, Vol. 37, No. 8, pp. 619‑623 (2009.8) [3J名 和 靖 彦 , 津 田 紀 生 , 山 田 諒
自 己 結 合 効 果 を 用 い た 微 小 振 動 の 自 動 測 定
電 気 学 会 論 文 誌C,Vol. 129, No. 12, pp. 2115‑2120 (2009. 12)
(2)国 際 会 議
[1 J Yasuhiko NAWA, Norio TSUDA, Jun YAMADA
Study on Small Vibration Sensor by Self‑Coupling Effect of Semiconductor Laser
The 6th Asia Pacific Laser Symposium, 30Ea4 (2008.1.30)
(3)口頭発表
[lJ名 和 靖 彦 , 津 田 紀 生 , 山 田 語
半 導 体 レ ー ザ の 自 己 結 合 効 果 を 用 い た 微 小 振 動 セ ン サ に 関 す る 研 究 平成 19年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集, 0‑166
(2007.9)
[2J名 和 靖 彦 , 津 田 紀 生 , 山 国 語
自 己 結 合 効 果 を 用 い た 微 小 振 動 セ ン サ の 周 波 数 依 存 性
平 成 20年度電気学会全国大会講演論文集, 1‑131 (2008.3)
[3J名 和 靖 彦 , 津 田 紀 生 , 山 田 誇
自 己 結 合 型 微 小 振 動 セ ン サ の 正 弦 波 補 正
平 成 20年 度 電 気 学 会 基礎・材料・共通部門大会講演論文集, X咽 1 (2008. 8)
[4J 名 和 靖 彦 , 津 田 紀 生 , 山 田 諒
自 己 結 合 型 微 小 振 動 セ ン サ の 色 別 特 性
平 成 20年 度 電 気 関 係 学 会 東 海 支 部 連 合 大 会 講 演 論 文 集 , 0‑321 (2008. 9)
[5J名 和 靖 彦 , 津 田 紀 生 , 山 田 誇
半 導 体 レ ー ザ ー の 自 己 結 合 効 果 を 用 い た 微 小 振 動 セ ン サ
レ ー ザ ー 学 会 学 術 講 演 会 第 29回年次大会, E3‑11p II 05 (2009. 1. 11) [6J 名 和 靖 彦 , 津 田 紀 生 , 山 田 諒
自 己 結 合 型 微 小 振 動 セ ン サ の 誤 差 特 性
平 成 21年 度 電 気 関 係 学 会 東 海 支 部 連 合 大 会 講 演 論 文 集 , 0‑128 (2009. 9)
II. そ の 他 の 論 文 等
(1)学 術 論 文
[lJ 大 江 貴 之 , 名 和 靖 彦 , 津 田 紀 生 , 山 田 語
光 音 響 効 果 と 自 己 結 合 効 果 を 用 い た 非 破 壊 内 部 欠 陥 検 出
電 気 学 会 論 文 誌C,Vol. 128, No. 12, pp. 1721‑1726 (2008.12)
(2)口頭発表
[lJ名和靖彦,本目木国男
超 音 波 素 子 を 用 い た 波 動 実 験 教 材
第 53回 応 用 物 理 学 関 連 連 合 講 演 会 23a‑P2‑12 (2006.3) [2J名 和 靖 彦 , 相 木 国 男
周 期 構 造 の 逆 格 子 と 超 音 波 回 折 実 験
第 54回応用物理学関連連合講演会, 28a‑P4‑4 (2007.3)