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1. 研究目的

中程度の低酸素環境に焦点をあて,低酸素環境での安静時や運動時における内分泌動態 や食欲調節の変化を検討すること,低酸素環境でのトレーニングの効果を検討することを 目的とした.

2. 研究課題

上述の研究目的を達成するために,本研究では以下の4つの研究課題を設定した.

【研究課題 1】

中程度の低酸素環境での安静時における代謝内分泌応答

中程度の低酸素環境での安静時における代謝内分泌応答を,食後における血中グルコー ス濃度や食欲調節に関わる内分泌動態の観点から検討する.

【研究課題 2】

中程度の低酸素環境での運動時における代謝内分泌応答

肥満者における中程度の低酸素環境での運動に対する代謝内分泌応答を,食後の血中グ ルコース濃度や食欲調節,エネルギー基質の利用の観点から検討する.

【研究課題 3-1】

中程度の低酸素環境でのトレーニングが生活習慣病リスク因子に及ぼす影響

肥満者における中程度の低酸素環境でのトレーニングが生活習慣病リスク因子に及ぼす 影響を,最大酸素摂取量,体組成,血液指標,食欲調節,血管硬化度の観点から検討する.

【研究課題 3-2】

中程度の低酸素環境での短期間のトレーニングが生活習慣病リスク因子に及ぼす影響

~トレーニング期間に着目して~

肥満者における中程度の低酸素環境でのトレーニングの効果をトレーニング期間の相違 と関連付けて検討する.

3. 研究の概要

【研究課題1】

中程度の低酸素環境への一過性(7時間)の曝露が,食後における血中グルコース濃度や エネルギー代謝,主観的食欲の変化に及ぼす影響を検討した.その結果,食後における血 中グルコース濃度や食欲調節に関わる内分泌動態には,低酸素環境と通常酸素環境で有意 な差は認められなかった.上述の結果は,健康な男性における一過性(7時間)の中程度の 低酸素環境への曝露は,食後における血中グルコース濃度やエネルギー代謝,主観的食欲 に影響しないことを示すものである.

【研究課題2】

中程度の低酸素環境での運動が代謝内分泌応答およびエネルギー基質の利用に及ぼす影 響を,肥満者を対象に検討した.その結果,食後における血中グルコース濃度や主観的食 欲には,低酸素環境での運動と通常酸素環境での運動で有意な差は認められなかった.し かし,低酸素環境での運動は,通常酸素環境での運動と比較して糖利用を亢進させた.こ れらの結果は,肥満者における中程度の低酸素環境での一過性の運動は,内分泌応答や食 欲調節に影響しないが,通常酸素環境での運動と比較して糖利用を亢進させることを示す ものである.

【研究課題3-1】

中程度の低酸素環境での週3回・4週間のトレーニングの効果を,生活習慣病リスクに関 わる多様な観点(最大酸素摂取量,体組成,糖・脂質代謝,食欲調節,血管硬化度)から 検討した.その結果,低酸素環境でトレーニングを行った群ではトレーニング期間の前後 において,体組成の変化はみられなかった.しかし,食後における血中グルコース濃度の 上昇は有意に抑制され,その効果は通常酸素環境でトレーニングを行った群に比較して有 意に大きいものであった.これらの結果は,4週間にわたる中程度の低酸素環境でのトレー ニングは通常酸素環境でのトレーニングに比較して,食後における血中グルコース濃度の 上昇抑制に対する効果が大きいことを示すものである.一方で,体組成,血管硬化度や食 欲調節の改善に対するより一層の効果は認められなかった.

【研究課題3-2】

中程度の低酸素環境での週3回・4週間のトレーニングと週6回・2週間のトレーニング が生活習慣病リスク因子に及ぼす影響を比較した.その結果,糖負荷後における血中グル

ニングを週3回・4週間行った群でのみ血清インスリン濃度が有意に低下した.上述の結果 は,週3回・4週間にわたり行う中程度の低酸素環境でのトレーニングは,週6回・2週間 にわたり行う中程度の低酸素環境でのトレーニングと比較して,インスリン感受性の改善 に対する効果が大きいことを示すものである.

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