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組合の業務の基本方針の決定等

(組合の事業運営に対する組合員の意思反映)

経営管理委員会会長

経営管理委員 経営管理委員会

業務執行の方針決定や日常業務の執行等

(実務者の専任体制による迅速・適確な業務執行)

理事会

代表理事(理事長等)

部門担当理事 監事

解任権業務執行のコントロール

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【理事会制度】

【経営管理委員会制度】

図4-3 理事会と経営管理委員会の機構の違い

出所:越智今治農協資料

総(代)会

理事会(常勤・非常勤理事で構成)

代表理事組合長 ○○ ○○

代表理事専務

監 事

営農部 経済部 金融部 総務部

㈱××××

代表取締役

○○ ○○

子会社

総(代)会

経営管理委員会・経営管理委員会会長(非常勤)

理事会(常勤体制)

代表理事長 △△ △△

専 務

営農部 経済部 金融部 総務部

㈱××××

代表取締役

□□ □□

非常勤役員

(取締役)

△△ △△

子会社 監 事

理事は子会社の代表取締 役にはなれない。

非常勤役員のみ。

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図4-4 従来の理事会制度と経営管理委員会制度

出所:越智今治農協資料 従来の理事会制度

代表理事組合長・非常勤理事 常勤理事

① 意思決定機能

② 監督機能

③ 業務執行機能 理事会

経営管理委員会制度

経営管理委員会会長

・経営管理委員

① 基本事項にかかる 意思決定機能

② 監督機能

③ 系統内代表機能

④ 代表理事の選任・解任

⑤ 理事の選任

経営管理委員会

理事長・専務・常務

① 業務執行機能

② 業務執行に伴う 意思決定機能

③ 業務執行に伴う監督機能 理事会

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図4-5 経営管理委員会制度の全国導入推移

出所:総合農協統計表

65 第5章 農協のガバナンス構造と適切な運営体制

第1節 はじめに

第4章では、総合農協統計表を用いて全国の農協のガバナンスの運営実態について把握し た。本章では、より詳細な内容を把握するために、3 つの農協を事例とした個別調査を行い、そ れぞれの農協のガバナンス構造とその特徴を比較し考察する。

第2節では、個別事例として取り上げた 3 つの農協のそれぞれの特徴について説明する。ま た、補節として、仙台農協が実施した全国で相対的に貯金残高の多い農協のガバナンス体制に 関するアンケート調査を分析し、農協ガバナンスの実態を把握する。

また、第3節では、経営管理委員会制度の特徴を把握するために、とぴあ浜松農協と越智今 治農協の事例を比較し分析する。

そして、第4節では、経営規模が同程度である仙台農協と越智今治農協の事例を比較するこ とで、理事会制度と経理管理委員会制度の長所や短所についての考察を行う。

66 第2節 調査対象農協の概要

農協のガバナンス構造を把握するために個別調査を実施した農協は、宮城県の仙台農協、

静岡県のとぴあ浜松農協、愛媛県の越智今治農協である。各農協の特徴を表5-1に示す。

仙台農協は、100 万人の人口を抱える仙台市を中心に、多賀城市・塩竈市・利府町・七ヶ浜 町・松島町という 3 市3 町を事業エリアとしている広域農協である。地理的には、宮城県の中央 部に位置しており、太平洋の沿岸部から山形県との県境である奥羽山脈まで、まさに海から山ま での経営資源を有している(図5-1)。

組合員数は、正組合員が 12,238 名、准組合員が 21,906 名となっており、正組合員数よりも 准組合員数が多い都市型農協と言える。事業規模について、事業総利益のうち信用事業が最も 多く信用事業が中心の農協である。

ガバナンスは理事会制度で運営されており、常勤理事が5名、非常勤理事が25名の合計30 名の理事で構成されている。

管内の農業動向については、耕地面積の 85%が水田であり、ひとめぼれやササニシキに代 表される稲作を中心に、転作作物として大豆や麦の生産も行われている。また、地産地消活動 にも力を入れており、仙台市民をターゲットとした安全・安心な園芸野菜の生産も行われている。

特徴的な取組については、第2章で言及したとおりである。

次に、とぴあ浜松農協は、静岡県の最西部に位置し、2005年 7月 1日に合併して誕生した 新浜松市の一部(旧浜松市、旧浜北市、旧浜名郡雄踏町・舞阪町、旧引佐郡引佐町・細江町)と 湖西市の 2 市を事業エリアとしている広域農協である。東は天竜川、西は愛知県境、南は太平 洋岸、北は天龍村境で、中央西寄りに浜名湖を抱え込み、大半が海岸地帯・天竜川右岸地帯・

浜名湖岸地帯の平坦地で、北部が中山間地となっている(図5-2)。

組合員数は、正組合員が23,543名、准組合員が55,073名となっており、仙台農協と同様に 准組合員の方が多い都市型農協である。

ガバナンスについては、経営管理委員会制度を導入しており、5 名の常勤理事で構成される 業務理事会と常勤が1名、非常勤が49名の50名の経営管理委員で構成される経営管理委員 会がある。

管内の農業動向については、東京や京阪神市場を中心にねぎや温州みかん、チンゲンサイ 等の野菜・果物を販売している。

とぴあ浜松農協は、農林水産省の農協改革に関するホームページにおいて、農業の発展に 成果を出している農協の取組事例(29道県、53事例)のうちで、「仕入機能強化・物流拠点の一 元化による購買事業改革」、「集中的な生産指導・経営支援により農業所得 30%アップ」の 2 つ の取組が公表されている。前者は、購買品の仕入機能を本店に集約・一元化し、農薬の全品目 について、経済連も含めた入札を実施することで仕入価格を引下げ、また、運送・倉庫業務を包 括して運送会社1社にアウトソーシングし、物流センターを一元化することで、物流コストを削減 したというものである。この結果、物流業務に従事していた職員の人件費や配送費の圧縮により、

物流コストの3割程度の削減を達成している。後者については、とぴあ浜松農協の営農アドバイ ザーが1人あたり5軒の経営支援農家を設定し、2013年度の農業所得を基準にして、2016年

度には 30%アップさせるために生産指導や経営支援を集中的に実施するというものである。そ

の取組の結果、経営支援農家の 55%が農業所得 30%以上アップし、減少傾向だった農協の

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販売事業取扱高もV 字回復を達成している。この背景には、農業を魅力ある仕事に変えなけれ ば後継者や新規就農者を育てることができないという役員の強い思いがあったとのことであり、

経営者の意思決定によるものと考えられる。

最後に、越智今治農協は、愛媛県の東予地方に位置し、今治市(立花地区を除く)及び越智 郡上島町を事業エリアとしている広域農協である。本州と四国を結ぶ「しまなみ海道」が走る風光 明媚な島嶼部地域と、四国の玄関口として造船やタオルで有名な今治市を管内に持っている

(図5-3)。

組合員数は、正組合員が10,564名、准組合員が24,766名となっており、他の2農協と同様 に准組合員の数の方が多い都市型農協である。

ガバナンスについては、経営管理委員会制度を導入しており、4 名の常勤理事で構成される 業務理事会と25名の非常勤の経営管理委員で構成される経営管理委員会がある。

管内の農業動向については、島嶼部及び陸地部の山間部で同組合の農畜産物販売高の大 半を占める柑橘類が栽培されており、光センサー選果機を導入した共同販売を行っている。ま た、陸地部の平坦地では、米麦や施設園芸作物等の栽培が中心となっている。

越智今治農協も農林水産省の農協改革に関するホームページにおける農業の発展に成果を 出している農協の取組事例において、「農商工連携の拠点としても発展する直売所」、「多様な 労働力支援により農業者の規模拡大と所得増を実現」の 2 つの事例が公表されている。前者は、

全国的に有名な直売所「さいさいきて屋」の取組である。さいさいきて屋は、2000 年に小規模な 直売所からスタートしており、採算性を検証しながら規模拡大を成功させ、売り場だけでなくカフ ェ・食堂、貸し農園・学童農園を併設し、顧客に食と農の総合的なアミューズメントを提供すること で、2014年には売上高が26 億円と直売所開設当時の約13倍になった。規模拡大とともに出 荷する農業者数も約 12 倍に増加している。この事例では、職員有志のプロジェクトチームを発 足させながら、20 回以上の理事会、経営管理委員会での協議を経た経過から、ボトムアップに よる意思決定が行われたと考えられる。後者については、管内の農業者の高齢化が進むなかで、

農協出資法人「ファーム咲創」、農協職員による農作業支援グループ「心耕隊」、人材派遣会社 と連携した「農業応援隊」を立ち上げているものである。果樹や野菜などの作物や作業別に、農 業者のニーズに合った労働力支援を実施し、その結果として人手不足が解消され、担い手の規 模拡大や所得増大に貢献している。

このように、3 農協とも都市型農協だが、事業規模はとぴあ浜松が他の 2農協と比較して大き くなっており、仙台農協と越智今治農協は同規模である。越智今治農協は、柑橘の栽培が盛ん であり、その分農業関連事業収益が大きくなっている。

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