2. 各種統計データの利用に関する運用ルール等の把握・整理
2.2 教育分野以外の事例
2.2.2 統計法上の統計
平成21年4月から施行された統計法(以下、「法」とする)では、法に特別の定めがある 場合を除き、行った統計調査の目的以外利用をしてはならないとされているが、一定の条件 下では調査票情報の利用及び提供が許可されている。総務省統計局は、「調査票情報の提供 に関する利用申出手引」において、総務省統計局所管調査の基幹統計調査及び一般統計調査 の調査票情報の提供に当たって必要な手続等について定めている。本項では、本手引きにお いて記載されている手続についてまとめている。
(1) データベース運用・管理一般について 1)目的・実施経緯(開始時期、準備期間)
統計法の目的は、国の行政機関・地方公共団体などが作成する統計の作成及び提供に関し 基本となる事項を定めることにより、公的統計の体系的かつ効率的な整備及びその有用性の 確保を図り、国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に寄与することとなっている(統計 法第1条)。
2)管理体制(組織位置づけ、人数)
総務省統計局所管調査の基幹統計調査及び一般統計調査の調査票情報の提供等の手続き は、総務省統計局が管理している。
3)利用プロセスの全体像(工程別業務内容と期間)
利用申請の事務手順は、以下の通りである。
① 事前相談
② 申出書類の提出
③ 申出書類の審査等(書類審査、審査結果の通知等)
④ 調査票情報の提供(調査票情報等の受渡し等)
⑤ 利用期間中の措置(実地検証等)
⑥ 利用期間終了後の措置(転写書類の消去等、成果の報告)
(2) 規程類の作成
1)利用指針の有無/内容
総務省統計局は、「調査票情報の提供に関する利用申出手引」において、総務省統計局所 管調査の基幹統計調査及び一般統計調査の調査票情報の提供に当たって必要な手続等につ いて定めている。
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2)利用者制限の有無/内容(申請単位(個人又は組織)を含む)
調査実施者自らが行った統計調査の調査票情報を利用する場合の利用者は、行政機関の長、
又は届出独立行政法人等(当該統計調査実施者)に限定される。また、統計調査の調査票情 報を提供する場合の利用者は、公的機関又は、公的機関が行う統計の作成等と同等の公益性 を有する統計の作成等として定めるものを行う者に限定される。ここでいう「公的機関」と は、行政機関等、及び、会計検査院、地方独立行政法人、地方住宅供給公社、地方道路公社 及び土地開発公社を指す。(統計法施行規則(平成20年総務省令第145号第9条第1号より))
利用者数は必要最小限とし、データの利用は職務に当たっての利用の場合のみを許可する。
原則として、大学院生を含む学生はデータ利用が認められない。しかし、文部科学省科学技 術研究費補助金を受けて行う研究等の研究者である場合は、使用が認められる。
また、利用者に、公的機関の役職員以外の者が含まれる場合は、誓約書の添付が必要であ り、データの集計等を外部の業者等に委託する場合は、契約書又は覚書の写し等の書類が求 められる。
3)利用者(個人)所属組織異動時の扱い
申出書に記載した内容に変更が生じた場合は、原則として変更後の申請を改めて行う必要 がある。
4)利用目的制限の有無/内容
調査実施者自らが行った統計調査の調査票情報を利用する場合の利用目的は、統計の作成 又は統計的研究を行う場合、若しくは統計を作成するための調査に係る名簿を作成する場合 に限る。
また、他の公的機関等に統計調査の調査票情報を提供する場の利用目的は、公的機関の場 合、統計の作成等を行うこと、又は統計を作成するための調査に係る名簿を作成する場合に 限る。なお、公的機関が行う統計の作成等と同等の公益性を有する統計の作成等を行う場合 は、以下の3点の利用目的に沿うことが求められる。
①公的機関から委託を受け、又は公的機関と共同して行う調査研究に係る統計の作成等
②その実施に要する費用の全部又は一部を公的機関が公募の方法により補助して行う調 査研究に係る統計の作成等
③行政機関の長又は地方公共団体の長その他の執行機関が、その政策の企画、立案等に有 用であると認める統計の作成等
5)利用期間制限の有無/内容
原則として、利用に必要最小限の期間(1年未満)であるが、やむを得ない合理的な理由 により期間が1年以上となる場合は、超過する期間についての利用申出を改めて行う必要が ある。
77 6)利用料の有無/内容/支払方法
行政機関の長、又は届出独立行政法人等が、自ら行った統計調査の調査票情報を利用する 場合、及び、公的機関又は、公的機関が行う統計の作成等と同等の公益性を有する統計の作 成等として定めるものを行う者に、統計調査の調査票情報を提供する場合の利用料は無料で ある。
7)利用方法/データ管理規定の有無/内容(情報漏えい対策等)
オンサイト利用97以外の場合の利用場所、環境、保管場所及び管理方法については、以下 の条件を全て満たすことが求められる。
①データを利用する場所は、鍵がかかった部屋であること。また、データが持ち出されない ための措置が講じられていること。
②データを利用する部屋にいる人数が制限されること、又は人数の把握に関する確認行為が 行われること。
③データを処理するパソコンは、インターネット等の外部ネットワークに接続されていない こと。また、利用時以外に外部接続する可能性があるパソコン等にデータや集計データを保 存しないこと。データ等を保存する場合は、限定された媒体に格納され、媒体が施錠可能な 場所等で保管されること。
④データを処理するパソコンは、パスワード等により保護されていること。また、抗ウィル ス等により情報漏えい対策がされていること。
8)利用終了時のデータ廃棄等規定の有無/内容
データ利用終了後は、利用したデータ及び中間成果物の全てを速やかに廃棄する必要があ る。また、利用後の処置について、所定の文書により、統計局統計調査部長あてに報告する。
9)罰則規定の有無/内容
利用期間中、又は利用後に、法令違反や承諾された目的以外利用等の不適正利用に係る問 題が発覚した場合は、問題の程度に応じて、法に規定された罰則の適用や、一定期間の利用 停止等の罰則措置を講じる。
(3) データベースの作成・管理 1)データ項目・数量
提供する調査票情報等は、原則として、統計局が所管する基幹統計調査又は一般統計調査
97 独立行政法人統計センターにおいて連携協力協定を結んだサテライト機関のうち、統計センターが定め た基準を満たす施設において調査票情報を利用する方法
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で、結果が公表されている調査に限る。統計局が実施している統計調査の結果は以下の通り である。
図表 2-32 統計局が実施している統計調査一覧
分類 統計名称
人口に関する基本的な統計 ①国勢調査
②人口推計
③住民基本台帳人口移動報告 住宅・土地の状況を明らかにする統計 ④住宅・土地統計調査 国民の就業・不就業の状況を明らかにする統計 ⑤労働力調査
⑥就業構造基本調査 社会生活の実態を明らかにする統計 ⑦社会生活基本調査 事業所・企業の実態を明らかにする統計 ⑧事業所・企業統計調査
⑨事業所・企業統計調査(簡易)
⑩サービス業基本調査
⑪個人企業経済調査 科学技術の研究に関する統計 ⑫科学技術研究調査 家計の実態を明らかにする統計 ⑬家計調査
⑭家計消費状況調査
⑮全国消費実態調査
物価に関する統計 ⑯小売物価統計調査
⑰全国物価統計調査
⑱消費者物価指数(CPI)
地域に関する総合統計 ⑲社会・人口統計体系(SSDS)
⑳地域メッシュ統計
2)最新データの更新時期・所要日数
統計の更新時期等は、統計の種類によって異なる。以下は、調査の実施周期と公表されて いる結果の最新年次である。
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図表 2-33 統計の更新時期等
統計名称 実施周期 最新年次
①国勢調査 5年 平成17年
②人口推計 毎月
③住民基本台帳人口移動報告 毎月
④住宅・土地統計調査 5年 平成20年
⑤労働力調査 毎月
⑥就業構造基本調査 5年 平成19年
⑦社会生活基本調査 5年 平成18年
⑧事業所・企業統計調査 5年 平成18年
⑨事業所・企業統計調査(簡易) 5年 平成16年
⑩サービス業基本調査 5年 平成16年
⑪個人企業経済調査 四半期
⑫科学技術研究調査 毎年 平成20年
⑬家計調査 毎月
⑭家計消費状況調査 毎月
⑮全国消費実態調査 5年 平成16年
⑯小売物価統計調査 毎月
⑰全国物価統計調査 5年 平成19年
⑱消費者物価指数(CPI) 毎月
⑲社会・人口統計体系(SSDS) 毎年
⑳地域メッシュ統計 5年
(4) 利用受付・周知
1)申請書類の提供方法(個別対応、ウェブ等)
申請者は、申請に当たり、原則として利用開始希望日の1か月以上前までに、統計調査課 に申出書及び以下の書類を郵送等により提出する必要がある。また、申請者や利用者、利用 目的等より提出書類が異なる。
図表 2-34 申出書以外に添付する書類
申請者 提出書類
行政機関・地方公共団体の長そ の他の執行機関
□集計様式、出力様式等
▲誓約書
■委託関係書類又は代替文書
△利用環境等を証明する書類 独立行政法人等、施行規則第3 ○組織として利用が必要な文書