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給付と負担のバランス−老齢基礎年金「6 つの選択 肢」−

ドキュメント内 新たな基礎年金制度の構築に向けて (ページ 33-39)

4   給付と負担のバランスの選択肢

4.3   給付と負担のバランス−老齢基礎年金「6 つの選択 肢」−

 

表5-7に老齢基礎年金に関する選択肢を6通り用意した。表5-5「給 付額一律ケース c」に示したような「税方式に変更した上で法定月額

65,000円を一律に支給するケース」を基準(A案)として、給付と負担

の水準を比例的に削っていたものがB案からF案である11。   

A案:現行水準維持(=「給付額一律ケース c」) 

B案:老齢基礎年金月額を一律にA案(65,000円)の80%に設定した ケース 

C 案:老齢基礎年金月額を一律 50,000 円に設定したケース(削減率

10 このような考え方に基づく選択肢の示し方は、厚生省年金局監修『年金白 書』に示されている「5つの選択肢」におけるA〜D案と同様である。

11 ただし前記したように、ここでは障害給付・遺族給付を除外して考えてい るため、実際の 1人当たりの平均負担額合計は、各案における老齢基礎年金 に係る1 人当たり平均負担額に障害基礎年金保険料と遺族基礎年金保険料が 上乗せされることになる。

23.1%) 

D 案:老齢基礎年金月額を一律 45,000 円に設定したケース(削減率 30.8%) 

E 案:老齢基礎年金月額を一律 40,000 円に設定したケース(削減率 38.5%) 

F 案:老齢基礎年金月額を一律 35,000 円に設定したケース(削減率 46.2%) 

 

現行制度が存続する場合と比較するには、老齢基礎年金のみを対象 としており、かつ国庫負担を考慮していない「標準ケース d」を比較 対象とするのが妥当である。各案における1人当たり負担額を「標準 ケース d」における1人当たり負担額と比較すると、C〜F案では負担 額が小さくなる。 

さて、給付と負担のあり方として、どの案を選択したらよいだろう か。 

 

以上では、負担側は拠出義務のある全問題についてはもれなく義務 を果たしているという前提で、新法適用であるか旧法適用であるかに 関係なく全受給者について一律給付とし(脚注 9 参照)、負担側の問題 は別扱いとした(脚注 8 参照)。しかし、実際には保険料納付義務を果 たしている人ばかりではないということは周知の事実であり、現行制 度下での大問題となっている事柄でもある。未納者・未加入者問題に 代表される負担側における諸問題の解決策については、次の第6章に おいて、ここで提示した選択肢の一つを例にとって制度移行措置の考 え方として述べる。 

表5−1  従業上の地位と被保険者区分の関係 

           

表5−2  将来設計パターン一覧表 

表5−3  被保険者数・受給者数の将来見通し 

表5−4  基礎年金に係る負担額の将来見通し(標準ケース)   

     

表5−5  基礎年金に係る負担額の将来見通し(給付額一律ケース) 

     

ドキュメント内 新たな基礎年金制度の構築に向けて (ページ 33-39)

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