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結論

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本研究ではディベート支援システムを用いたディベートを行うことで、リスク管理 者側とリスク受容者側の態度の異なる2つのグループ間の態度の乖離が減少すること を確認した。その後、本来の立場でのシステムディベート・逆の立場でのシステムディ ベート・本来の立場での対面ディベートの3つのディベート方法で相互理解における 促進効果を測定した。

第2章で本研究の背景としてリスクコミュニケーションの産業廃棄物処分場建設や 食料品の安全性に関する問題など、リスクコミュニケーションの現状と社会的問題点 を述べた後、リスクコミュニケーションの代表的な成功事例を分析して、リスクコミュ ニケーションを成功させるための重要な要因にリスク管理者とリスク受容者間での相 互理解の構築であることを述べた。そして、本研究室が過去に開発したディベート支 援システムを用いて相互理解の構築を促進することを本研究の目的とした。

第3章では本研究で使用したディベート支援システムについて説明した後、ディベー ト支援システムの本来の立場と逆の立場でシステムディベートを行う使用法について 述べ、実際に2つの使用法を使ったディベート例の分析結果について、逆の立場での システムディベートが本来の立場でのシステムディベートよりも態度の乖離を減少さ せる効果があることを述べた。

第4章では、第3章でシステムディベートを行うことによる態度の乖離が減少した 効果から、本来の立場でのシステムディベート・逆の立場でのシステムディベート・本 来の立場での対面ディベートを比較することで相互理解促進効果を調べ、評価実験の 方法、結果、考察について述べた。相互理解促進効果について行ったアンケートの結 果、以下のことが示された。

逆の立場でシステムディベートは、本実験で定義した相互理解を減少させる傾向 にあるが、被験者に直接「ディベート前後で相互理解が促進されたと思うか?」

と聞くと、他の2つの実験条件に比べて相互理解が促進された思うという回答を 得た。

本来の立場でシステムディベートを行う方法は特に被験者がリスク受容者側の低

システムディベートは議論の最中に検索を簡単に行えるため、専門的な話の議論 を行うのに適している。

今後の課題として、人々が「相互理解」をどのように定義しているのか明らかにす る必要がある。被験者の主観による相互理解と本実験で定義した相互理解の定義が同 じ場合、逆の立場でのシステムディベートの結果から被験者は相互理解が促進された かどうかに対して正しく把握できていないこととなる。その場合、どうしてそのよう な事態が起きるのか明らかにする必要がある。

また、本研究で使用したディベート支援システムは専門的な分野において議論を交 わすときに特に有効であることがわかった。そこで実際に、リスクコミュニケーション が上手くいっていない現場の、特に詳細なデータ・専門的な話が話題となる場面にお いてリスク管理者とリスク受容者の相互理解促進に有効があるかどうか、本システム の活用を提案していくことが求められる。

謝 辞

下田宏准教授には、研究全般にわたってのみならず就職した後のことも考慮して親 身になって直接ご指導いただいたこと、また数々の広い視点からの助言をいただきま したこと、深く感謝致します。

石井裕剛助教には、論文の執筆方法等に関して数々の適切な助言をいただいたこと、

Texの使い方のご教授等深く感謝致します。また、正月にみんなで美味しい餅が食べら れたのも、石井先生のおかげです。

吉川榮和京都大学名誉教授には、ISSNPへの参加など見聞を広める機会を与えてい ただいたこと感謝しております。大変刺激になりました。

博士課程3回生の藤野秀則さんには、研究において煮詰まったときの相談から気分 転換時の雑談まで付き合っていただき感謝致します。

なかなか研究室に現れないながらも、被験者を集めるために寒い中一緒に数千枚の ビラ配りを手伝って下さいました、修士1回生の伊丹悠人君に感謝致します。

1回生のころから、わからないことがあると何かとよく教えてくれ、面倒見がよかっ た(私が引きずり込んだ!?)修士2回生の近藤佑樹君に心より感謝致します。

忙しい中予備実験に参加していただいた、修士1回生の榎本健治君、学部4回生の 宮城和音君、青柳西蔵君に感謝致します。

さらに、日頃から何かとお世話をしていただいた、山下恵未依さんに心から御礼申 し上げます。特に、研究室にあるココアには大変助けられました。ココアの消費量は 私がひそかに研究室で一番だったかも知れません。

最後に、様々な御支援・御助力をしていただいた研究室の全ての方々に、ここに御 礼申し上げます。

参 考 文 献

[1] 田中豊リスク研究誌,Vol.10, pp.45-52 (1998)

[2] 産業廃棄物のリスクマネジメントシステム,http://www.tokiorisk.co.jp/risk_

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[3] 環 境 省 ホ ー ム ペ ー ジ, http://www.env.go.jp/chemi/communication/index.

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[4] 農林水産省ホームページ, http://www.maff.go.jp/syoku_anzen/index6.htm (2008年1月31日現在)

[5] リスクコミュニケーション事例等調査 平成13 年, http://www.prtr-net.jp/

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[6] 関澤純, 織朱實, 谷口武俊, 土屋智子, 早瀬隆司, 村山 武彦: リスクコミュニケー ションの最新動向を探る, 化学工業日報社, p.372 (2003)

[7] 特定非営利活動法人HSEリスク・シーキューブホームページ, http://tokaic3.

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[8] 服部裕: ディベートによる学生参加型授業の試み : 「総合的学習」におけるディ ベートの可能性秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 pp.133-143 (2003)

[9] 松本茂, 日本語ディベートの技法,七寶商會出版部

[10] 福原知宏,久保田秀和,西田豊明: 放送型コミュニティ支援システム:Pubulic Opinion

Channelのリスクコミュニケーションへの応用,社会技術研究論文集,Vol.1,

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[11] 久保田秀和, 西田豊明: 知識チャンネルを用いたリスクコミュニケーション支援, 社会技術研究論文集,Vol.2,pp.151-158 (2004)

[12] 吉川肇子: リスクとつきあう―危険な時代のコミュニケーション, 有斐閣, p.230

[13] 金山明広,中嶋聡: 下久保ダム管理所技術論文

[14] M. Granovetter: THE STRENGTH OF WEAK TIES:A NETWORK THEORY REVISITED, Sociological Theory, Vol 1,pp 201-233 (1983)

[15] 経 済 産 業 省 ホ ー ム ペ ー ジ, http://www.meti.go.jp/policy/chemical_

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[16] 日 本 自 治 体 総 連 合 ホ ー ム ペ ー ジ, http://www.jichiroren.jp/modules/

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[17] はんげんぱつ新聞ホームページ, http://www.hangenpatsu.net/ (2008年1月31 日現在)

[18] 電気事業連合会ホームページ,http://www.fepc.or.jp/ (2008年1月31日現在) [19] 消団連webサイトホームページ,http://www.shodanren.gr.jp/ (2008年1月31

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[20] 社団法人日本貿易会ホームページ, http://www.jftc.or.jp/ (2008年1月31日 現在)

[21] 出雲市の風力発電事業ホームページ, http://www.geocities.jp/alfalfaljp/

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[22] 産 廃 で ゆ れ た 町 御 嵩 町 の い ま ホ ー ム ペ ー ジ, http://www02.kani.or.jp/

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[23] まちづくりアドレスブックホームページ, http://www.gakugei-pub.jp/link/

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[24] GAUSS Network各地の反対運動ホームページ, http://www.gsn.jp/undo.htm (2008年1月31日現在)

[25] 中部電力ホームページ, http://www.chuden.co.jp/(2008年1月31日現在) [26] 静岡空港・建設中止の会ホームページ,http://www.s-jichiroren.com/(2008年

1月31日現在)

[27] 静岡県議会ホームページ, http://www.pref.shizuoka.jp/gikai/ (2008年1月 31日現在)

[28] 子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会ホームページ, http://

kawabegawa.jp/ (2008年1月31日現在)

[29] 国土交通省九州地方整備局川辺川ダム砂防事務所ホームページ,http://www.qsr.

mlit.go.jp/kawabe/ (2008年1月31日現在)

[30] nite独立行政法人 製品評価技術基盤機構ホームページ,http://www.safe.nite.

go.jp/management/risk/kokunaijirei.html (2008年1月31日現在)

[31] 本郷秦司朗: エネルギー・環境教育へのコンピュータによる議論支援システムの開 発と評価, エネルギー科学研究科エネルギー社会環境科学専攻修士論文 (2005) [32] 宇田旭伸: リスクコミュニケーションのためのウェブシステムの構築と実験評価,

エネルギー科学研究科エネルギー社会環境科学専攻修士論文 (2006)

[33] Yukio Hori, Takashi Nakayama: ユーザの検索要求に基づいた興味関心の定量評

価,情報知識学会誌, Vol.16, No.2, pp.33-38 (2006)

[34] Hiroshi Kimura, Atsuyuki Suzuki: 原子力の社会的受容に影響を与える因子の探 索 東京都杉並区の調査結果, 日本原子力学会和文論文誌,Vol.2, No.1, pp.68-75 (2003)

[35] Hiroshi Kimura, Huruta kazuo, Atsuyuki Suzuki: 居住地域、性、知識レベルに着 目した原子力認知構造の分析,日本原子力学会和文論文誌,Vol.2, No.4, pp.389-399 (2003)

[36] Hiroshi Kimura, Huruta kazuo, Atsuyuki Suzuki: 原子力の社会的受容性を判断す る要因ー居住地域および知識量による比較分析,日本原子力学会和文論文誌,Vol.2, No.4, pp.379-388 (2003)

[37] Osamu Hayashi, Kazue Yamaoka: 広告におけるリスクコミュニケーションの影

響−生命保険の場合−, 社会心理学研究,Vol.9, No.2, pp.145-153 (1993)

[38] Jens Hartmann, Norio Okada, Jason K. Levy: Integrated risk disaster management

releases: a concept for Japan, Jounal of Natural Disaster Science,Vol.26, No.2, pp.87-93 (2004)

[39] 菖蒲信博, 三ツ井誠一郎, 中村博文: リスクポータルサイト「リスク情報ナビ」の 開発, サイクル機構技報,No.22, pp.51-58 (2004)

[40] Shuiti Sakamoto, Keiji Kanda: 高レベル放射性廃棄物処分地選定の社会的受容性

を高めるための課題に関する考察,日本原子力学会和文論文誌,Vol.1, No.3 pp.270-281 (2002)

[41] Janet P. Kotra, Bret W. Leslie: Talking with the Public about Regulating High-level Waste Disposal: Recent Progress, WM 03 Conference, February, pp.23-27 (2003)

付録 A リスクコミュニケーションの成功事例

以下に第2章の図2.1の事例分析について、事例ごとに分析の詳細を示す。当初対立 していた2つの組織のそれぞれの背景や互いのやり取りを示し、どのような経緯を経 て合意に至ったのか段階ごとに記す。図の左側の列は各事例の経たプロセスを示して いる。

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