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第四章 異なる情報獲得方略がロービジョン者の位置感覚と障害物またぎ動作に与える影

4.2 方法

4.2.3 測定項目

6台の同期された高速度撮影機能付カメラ(DKH社,GC-LJ20B)を被験者に正対した状 態からみて前方,左右斜め前方,左右斜め後方に配置し,撮影速度240fpsで課題 1および 課題2の動作を記録した.本研究では分析空間内の進行方向をY軸,鉛直上方向をZ軸,

Y軸とZ軸に直交する方向をX軸とした右手直交座標系を静止座標系として定義した.撮

影範囲は1.0m(X軸)×2.5m(Y 軸)×2.0m(Z軸)の空間とした.空間上にキャリブレー

ションポール(高さ2m,較正点5箇所)を鉛直に立て,計90点のコントロールポイントを 撮影することでキャリブレーションを行なった.撮影された映像から身体各部の分析点に 貼り付けた球形マーカーを三次元動作解析システム(DKH社,Frame-DIAS V)によって手 動で読み取りを行なった.分析点は頭頂,胸骨上縁と左右の耳下点,肩峰,肘関節,手首,

大転子,膝関節中心,外果,踵,母趾先端とした.

課題 1 の解析区間は足部挙上動作中のつま先の離地から接地までとした.課題 2 の解析 区間は先に越える足の踵離地から対側の踵接地までとした.データを平滑化する際のデー タ端点の歪みの影響を考慮し,動作の解析区間とその前後20コマをデジタイズし,得られ た2次元座標からDLT法により計測点の3次元座標を求めた.前章と同様,課題2では障

(A) (B) (C)

図4.1 課題1における障害物の提示方法((A)眼前・(B)足元・(C)手部)

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害物を先に越える下肢をLeading Limb(以下LL),障害物を後から越える下肢をTrailing Limb

(以下TL)と定義した.そして,阿江ら79,齋藤ら54の研究を参考にして,障害物またぎ

動作を①LL離地,②LL 障害物上最高点(LL つま先が障害物前端を通過した地点),③LL 最高点(またぎ動作中にLLつま先を最も上げた地点),④LL接地,⑤TL離地,⑥TL障害 物上最高点(TLつま先が障害物前端を通過した地点),⑦TL最高点(またぎ動作中にTLつ ま先を最も上げた地点),⑧TL接地で局面を分けた後(前章図3. 1),動作時間の算出やデ ータの規格化を行なった.LL接地のタイミングは踵に装着したマーカーが最下点に位置し た時点,TL離地は爪先に装着したマーカーが地面から離れた時点とした.

下記に3次元座標値をもとに各課題で算出したパラメータを示す.

課題1

1. つま先挙上における最高点

2. 10回繰り返した足部挙上動作におけるつま先最高点のばらつき(変動係数[%]:標準偏 差÷平均値×100)

課題2

1. LLステップ長(m):LL離地からLL接地間の距離

2. LL挙上時間(s):LL離地からLL最高点までに要する時間 3. LL下降時間(s):LL最高点からLL接地までに要する時間 4. LLまたぎ速度(m/s):LL離地からLL接地間の平均速度

5. LLおよびTL踏切距離(cm):LLおよびTLの踏切位置から障害物までの距離 6. 障害物上最高点(cm):またぎ動作中にLLおよびTLを障害物上で最も上げた高さ 7. 最高点(cm):またぎ動作中にLLおよびTLを最も上げた高さ

8. 5 回繰り返したまたぎ動作におけるLL の障害物上最高点と最高点のばらつき(変動係

60 数[%]:標準偏差÷平均値×100)

9. LLの障害物高に対する努力係数((最高点-障害物高)÷障害物高))

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