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6.1 本論文の結論

本研究の主な結論を以下に示す.

第1章 序論

第1章では,研究の概要,背景,目的,既往の研究について整理し,本研究 の必要性について言及した.

第2章 越流堤形状と流量係数に関する検討

第2章では,越流堤形状と流量係数に関して研究を行い,越流効率の高い施 設形状について検討した結果を示した.

① 横越流は本川の流向の影響を受け,また,越流水深も小さいことが多いた め,越流堤形状を工夫することで越流効率を向上させられる.特に河道湾 曲部では本川に 2 次流が形成されるため流向の影響により,流況や横越 流量が変化しやすいことを,実験事例をもとに示した.

②台形,矩形,狭頂形,半円形の越流堤形状に対して,各流量係数を示し,

定量的に評価しうる指標を明らかにした.

③台形の越流堤形状に比べ,天端に小堤(狭頂形や半円形)を設置した越流 堤形状が越流効率の向上,越流堤長を短くすることが可能という意味で 事業コスト縮減の手段となりうる.また,従来通りの天端平場も確保する ことで,維持管理上のスペースも確保しうることを示した.

第3章 河川水理模型実験での横越流量の検討

第3章では,河川水理模型実験での横越流量についてまとめ,また,調節施 設計画・設計の検討においての留意点を示した.

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乖離するおそれがあることが分かった.特に,横越流量の比率が高い都 市河川の調節池等においては,河道湾曲の影響を十分に把握し検討した 上で治水施設設計を行うことが重要と言える.

②直線河道の横越流量の計算値/実験値の比率は 63~135%であり,実験断 面形状に近い矩形断面水路や都市河川かつ直線河道においては,室田ら の式の適用がある程度の範囲で期待できることを確認した.

③一方,湾曲河道においては,横越流量の計算値/実験値の比率が 20~113%

とばらついており,同式での算定は困難と考える.

④特に,都市河川等での急激な水位上昇を横越流堤等の流量調節施設によ り制御する場合,その精度が下流域の浸水被害に直接的に関わる.この ため,これらの式の適用範囲や精度を十分に理解した上で,施設形状の 検討や設計に反映する必要がある.

第4章 基礎水路実験及び解析による横越流量に関する研究

第4章では,基礎水路実験及び準三次元解析を行い,湾曲部における横越流 量公式を検討した.

①直線基礎水路実験では,湾曲水路実験との対比実験の意義で実施し,本 研究で実施した実験条件の適用範囲で従来の直線水路での横越流公式の 乗数を見直し,より精度の高い結果を得ることを明らかにした.

②湾曲基礎水路実験では,湾曲基礎水路を製作し,湾曲部の横越流量に関 して実験を行い,データを蓄積した.

③準 3 次元解析では,さらに,曲率半径を変化させたケースでの湾曲部の 横越流量を求め,データを蓄積した.

④実験及び解析結果を用いて,湾曲部の横越流量を算定しうる公式を提案 した.

⑤本公式を用いることにより,湾曲部での越流量を実態に近い値として求 めることが可能となり,湾曲の影響を考慮しない直線式(補正前)での越 流量は,実験値が算定値に比べ,全体平均で 19%高いのに対し,湾曲式

(補正後)の全体平均では 1%の誤差となりそのばらつき程度も±10%を 概ね満足する結果を得た.

第5章 河道湾曲部の横越流量の流量公式の検証

第5章では,より実現象に近い湾曲部の横越流現象で,本横越流公式を検証 した.

① 過去に実施した湾曲河道の水理模型実験のデータを用いて,本流量公式 の適用性を検証した.

② その結果,従来の横越流公式では横越流量に6~15%の差が生じていたこ とに対し,湾曲部を考慮した本流量公式により0~10%以内の差となるこ とを検証し,湾曲河道においても精度高く横越流量を算出することを可 能とした.

③ なお,本流量公式は,すでに完成している遊水地等の越流堤についても,

河道湾曲諸元と水理諸元を整理することで越流量を簡易に算出すること が可能である.

6.2 今後の課題と展望

今後の課題と展望を以下に列挙する.

・河道湾曲角度の違いによる横越流量への影響

・堤防決壊時の破堤流量の推定

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