20世紀は大量生産・大量消費・大最廃棄の経済社会であった.しかし近年では,地球 環境問題や資源枯渇問題など顕在化され始め,企業は環境負荷に配慮したモノづくりを 求められてきて,企業では循環型社会構築を目指した活動を始めている.このような状 況を踏まえ,従来のフォワード・サプライ・チェーンにリュース,リサイクルを考慮し たリバース・サプライ・チェーンの概念を加えた,クローズド・ループ・サプライ・チ ェーン(Closed‑Loop Supply Chain; CLSC)の導入に注目が集まっている.本研究では CLSCの中で使用済み部品をリユース, リサイクル,そして新品同様に再生を行うリマ ニュファクチャリングに着目をしている.製品に組み込まれている使用済み部品は回収 され,新しい部品と交換される.ここで重要なこととして部品の交換台数と交換時期が あり,これらを精度よく予測することがその後の正確な生産計画を立てるために必要不 可欠である.交換台数の予測というのは使用済み部品の回収量の予測と同時に,新たな 部品の需要量の予測も可能とする.
もし,生産過剰となれば過剰在庫を生み,在庫廃棄率を高める.逆に生産過少となれ ば,店頭在庫不足による機会損失を発生させる.そのため,多くの企業では製品の過剰 在庫や販売の機会損失を少なくするために柔軟で素早い生産計画を立案するための需 要予測方法が求められてきている.
本研究では,交換開始初期から交換終了までの期間において部品需要量を成長曲線 を用いることで予測した.このとき交換初期から交換終了期までの長い期間を予測す るため,遅れS字曲線のみではなくロジスティック曲線とゴンペルツ曲線といった立 ち上がり速度の異なる曲線も用いることで予測誤差の比較を行う.
提案方法では3つの曲線モデルを半年ごとに選択し,翌半年間の予測値を算出し たしかし, 1つの曲線モデルを使用する場合と比べて RMSEが大きくなってしまっ た.そこで6期以内で終わる需要量の変化において,提案方法は適さないと判明し たまた,需要猷の増加期間を把握することで提案方法が有効に使用できる.そこで 部品のライフサイクルと交換要因からある程度の需要量の増加期間を把握できた.
以上より,成長曲線モデルの選択は予測値を算出するうえで重要であるが,需要量 の急激な増加期間を把握する必要がある.また,実測データが増えるたびにパラメー タの更新を行うことで予測値がより実測値に近い値となる.
今後の課題としては,成長曲線モデルのパラメータ aの値の設定は非常に重要であ るため,最大累積需要量をより正確に把握する必要がある.また,季節変動や経済状 況を的確にモデルに反映する方法を考慇することも必要である.
謝辞
本研究を進めるに当たり,日頃より暖かいご指導を賜りました開沼泰隆先生に心より 感謝の気持ちを申し上げまず開沼泰陥先生には,他大学からの入学を受け入れてくだ
さり,本テーマを研究するにあたっての心構えや,取り組み方のご指導だけでなく,さ まざまなことをご教授いただき,2年間大変お世話になりました.大学院生活において,
未熟な私に丁寧にご指導いただき,自身の成長にもつながったと実感しています.
また, 2年間共に切磋琢磨して研究を進め,研究室での生活を過ごさせて頂いた上田 隼大さん,松浦史哉さんに感謝申し上げます.
研究室を支えて下さり,助け合って研究室生活を過ごさせて頂いた森川和哉さん,張 栄慧さん,奨静さん,佐藤大輔さん,鈴木偉丸さん,小川銀平さん,折田昂洋さん,田 代陽さん,利根悠太さん, TSHIVHASE,TSHIANEO TRACEY, THANYATORN PLOY,架知時さん,
趙子鉦さんに感謝を申し上げまず
これまで研究をともに励み,研究生活をサポートしてくださった小鍛治啓さん,七澤 巧さん,中村俊大さん,行方聖菜さん,柳健介さんに感謝を申し上げます.
さらに本研究において回収部品のデータ提供にご協力下さり,毎月報告会議を開いて いただいた株式会社リコー並びにリコーインダストリー株式会社の皆様に心より感謝 致しまず
多くの人に支えられ,さまざまなことを学べたこの 2年間の貴重な経験を忘れずに,
今後の生活に活かしたいと思っております.
参考文献
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