本研究の目的は, 多関節多指ハンドによる器用な物体操作を実現するための, 汎用性のあ るセンシングシステムを開発することにあった. この目的を達成するために, まず, 操作対象 の位置姿勢を視覚により実時間で計測するためのシステムを開発した. 次に, センサ統合に より安定で精度のよい計測を実現した. さらに, センサ統合による滑りの検出と計測を実現 した. これらの計測においては, 一般的で入手容易なセンサを利用しており汎用性のあるセ ンシングシステムを実現している. 以上開発したセンシングシステムを用いて, 作業エラー
検出とリカバリを行うことにより, 実環境での器用な物体操作を実現した.
本研究で得られた細目的な結論・成果を以下で総括する.
(1)実時間3次元視覚を実現するための新たなシステム構成を提案した. まず, 実時間処理 を実現するために, 同期した2つのCCDカメラからのビデオ信号を切り替えることに より, ステレオ画像を33[msJで取得可能にした. また, 専用IC による高速相関処理を 用いて, ステレオ画像で対応した特徴点だけを追跡することにより, 物体表面上の点の 3次元位置を実時間で計算した. 次に, 視覚に生じる隠れの問題を, 誤対応除去や注視 点選択により解決した. さらに, テキスチャパターン投影による強し、可視特徴の生成に より, 信頼性の高い3次元視覚情報を獲得した. 以上で獲得された視覚情報を用いるこ とにより, 操作対象の位置姿勢を実時間で計測することができた.
(2)操作対象の位置姿勢を精度よく, 且つ安定に計測するために, センサ統合による新たな システム構成を提案した. まず, 操作対象と接触し把握している指先の位置情報を視 覚情報と統合する方式を提案した. この方法は, 指先の半球部で接触していればよく,
接触点の位置情報は不要なので, 特殊な触覚センサを必要としない. 次に, 掌部に取り 付けられたレーザ変位センサからの情報をさらに統合する方式を提案した. レーザ変 位センサによる計測では, 他の物体による隠れが生じにくいため, 確実に精度のよい 3次元位置が獲得される. また, 計測する物体表面の領域が他センサとは異なるため,
物体の位置姿勢計測の際に生じる不定自由度の数を減らすことができる.
(3)物体操作中の滑りの検出及び滑り量の計測手法を提案した. 指関節のエンコータぐと指先 の力トルクセンサおよび開発した実時間視覚システムを併用し, 得られた感覚情報を
第7章結論 80
統合することにより, ノイズの多い信号から滑りを検出し計測できた. これらのセンサ はいずれも特殊な試作品でなく入手容易であり, 耐久性も高く, 実際の物体操作と微小 な滑り検出とを両立している. また, 視覚システムにおいては, 対象の一部のみを拡大 して観測し分解能と精度を稼ぐとしづ方法はとらなかった. この方法は, 汎用の操作性 を損なう恐れがあるためである. 提案した手法では, 対象物全体を監視できる広範囲の 撮像領域を確保し, 汎用の操作性を損なうことなく滑りの検出と計測を実現している.
(4)以上で開発したセンシングシステムを用いて, 組立作業における作業エラー検出とリ カパリを実現した. ハンド制御ノレープの上位レベルに, 操作対象の位置姿勢の監視及び 滑りの検出を行うモジュールを追加することにより, 作業エラーを検出した. さらにリ カバリを行い, 把持や操作の破綻を未然に防ぐことができた. 開発したセンシングシス テムでは, ハンド制御のためのセンサ情報獲得および作業エラーの検出が実時間で実 現され, その結果ロバストで器用な物体操作を実現することができた.
工 一一一 一三=二二二 |
謝 辞
本論文は, 持者が1995イ|うから2001年まで九州大学大学院システム情報科学研究科矢11能 システム学点攻において行った研究をまとめたものです.
本論文を締めくくるにあたって, 御指導, 佐|ト剛健をJ1易わりました九州大学大f戸|店システ ム情版科学研究科知能システムヅ: I,I}.J文長行川勉教J受ならびにIlîJ知能システム学L11〔攻代制:
彬助教J受(JJ!1 11 Ilq �ヒJ�(大乍'l'llj'�:Iげ1-,'[:センタ一教段)に派く感謝致します. 反行川勉教J交に は, {i)f先のまとめ)jなとと終始$J!身にご恕切なるfJ'IJ U)) I �.をj引きました. また, ゼミや白川にilt RなおII.�:1I'rJを',ltHしEて似きました. ここに, 心から感謝放します. 先制�1杉U))�文J支-には, 多くの イr1l�な仕Il�文ぷやfJ:IJU)), i'をl引き, 心から感謝放します.
さらに, 本l論文をまとめるにあたり, 本研究科知能システム乍l、iJ(攻迎jl:14Hf{教授, IlîJtll 能システムヅ:り攻作1 I倫心li教段よりイf.Mëな御批IÎ、I�を出きました. 心から!��,tqf致します.
I �学ìtlS'1・t'fW. 1 �/'f:科 長川iI�救J交(JJ!九州システム↑IJÍ *Iii'之術研究所所長)には, 終始初身 に多大な御指導, 任|山V), 1"および佐|ト'r.(�lj主をmきました. 心から感謝する次第です. 九州システ ム情報技術{í)f究所木本義彦九州大"f:符11U))数段, )し州大字大学院1�学研究科知能機械シス テム咋攻|刈川イ"1)長助教J交 には, ゼミにおいてイf11たな御教ぷや待|山VJ,4をJYIきました. ここに,
心から感謝放します.
福岡大学[学部松lìGJ毅IWf-ñllîには, 私のidj II�Jに sつ aつ懇切� fi'宇に待IJ指導して]頁き, また,
研究の進め)jなど終始親身に御ω� , i"をr11きました. ここに, 心から感謝致します. 九州大フ:
大学院 システム情'f-II科学研究科州本利払U))T. IlíJ研究科江藤淳次技','{には私の!d:� nuに a つ ーつ懇切J市に御指導ーして凶き, また, 実験環境の幣備をしてrt1きました. ここに, 心か ら感謝致します. また, 九州大学大学院システム↑il1r1� fl'}:研究科長谷川研究宅ならびに俗研 究室の大学院'I�", 学部'1:., および、人作業,J:"の符般にはjぐ戸'I� ?百を充実したものにしてrtIきお札 を述べるとともに, おl'日円になった多くの)j々に深く感謝致します.
最後に, t�ll l:課粍への進学に付し深いllH解を/Jミし, 段々な1mで私をよCえてくれた'ILj籾に!感
謝致します.
皆織の今後のご活躍をお祈りしております.
2001 イド 2)1 本川久、IL
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