高齢化社会の進行 に伴い, リハ ビリ現場や介護施設 において高齢者 が筋力 トレーニ ングを行 う機会が増加 してい るが,設定す る トレーニング負荷強度の信頼性が得 られ ないな どの問題 があ り,筋活動 の面か ら筋力 トレーニングを検討す ることが行われて いる.筋活動 を計測す る機器 として筋電位計が挙 げ られ るが,表面の筋 しか計測でき ないことや,計測 に手間 と煩わ しさが伴 うとい う問題がある.
そ こで本研究では,筋電位計を用いることな く, 目的の筋に対す る望みの筋活動 を 実現す るための筋活動制御手法の提案 を行った.これまで,3対6筋の機能別実効筋 と 呼ばれ る筋骨格モデル と筋活動パ ターンを用い ることで,静的状態 において最大出力 時の各筋に対す る任意 の筋活動 を実現す る出力方 向が示 されてお り, ここにヒ トが出 せ る最大力の大 きさと方 向を表す出力分布 を用い ることで各筋に対す る任意の筋活動 を実現す ることを考 えた. しか し, この出力分布 は静的状態 におけるものであ り,動 的運動 に用いることができなかった. したがって,筋の動特性 を考慮 したHillの特性 式を用いることで,静的状態の出力分布 を筋の動特性 を考慮 した出力分布‑ と拡張 し,
この拡張 した出力分布 に対す る被験者 の先端力の方 向 と大きさによって,望みの筋活 動 を実現す る手法 を提案 した.この筋活動制御手法 を我々研究 グループが開発 したマ ニ ピュレー タ‑ と適用 し,筋活動制御 システムを構築 した.そ して,関節等速運動 中 における
EMG
計測実験 によ り,提案手法の有効性が示 された.また,提案 した筋活動制御手法 を筋力 トレーニングにお ける負荷強度の設定に利用 し,有効 な トレーニング理論 として知 られ る初動負荷理論 を適用 した トレーニングを 実現 した.9週間にわたる トレーニング実験によ り, 目的の大腿直筋 (筋e3)に対す る トレーニング効果が認 め られ,また一般的な機器 であるレッグェ クステ ンシ ョンよ り も トレーニング効果が確認 された.
今後の課題 として,以下の点が挙げ られ る.まず一点 目として,提案 した筋活動制 御手法の精度は出力分布 の精度 に依存す ると考 えられ る.今回,静的出力分布 を測定 す る際に用いた
4
点計測法は被験者 の負担 を軽減す ることができるが,測定誤差 を含 んでお り,この測定には正確性が求められる.また,筋の動特性 を考慮 した出力分布‑と拡張を行 う際に用いたHillの特性式における熱定数やェネルギー遊離定数 といった 33
第
7
章 結言未知定数 は,本来個人差 があ り,個人 にあった値 を用い ることが必要 である と考 え ら れ る.二点 目として,本手法で用いた筋活動パ ター ンは健 常者 にお ける理想 的な活動 パ ター ンで あ り,非健常者や癖 のある筋 の使 い方 をす る人 に対 して, この活動パ ター ンが適用 で きるか確認す る必要がある と考 え られ る.三点 目として,本研 究では提案 手法 を関節等速運動 が可能 なマニ ピュ レー タに適用 したため,慣性や重力 の影響 は比 較 的小 さく抑 えることができた と考 え られ るが,今後 は これ らの影響 を考慮 した手法 へ と発展 させ る必要がある.最後 に四点 目として,提案手法 とそれ を用 いた トレーニ ングの有効性 を検証す るには, よ り多 くの被験者や条件 で実験 を行 う必要 がある と考 え られ る.今 回の実験では,時間 と手間の都合上,1人の被験者で少 ない筋 に対 しての み実験 を行 ったが,被験者や適用す る筋 の数 を増やす ことで本手法 の有効性や適用可 能範 囲が よ り明確 になる と考 え られ る.
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ACI C3 ‑ 0 3( 2 0 0 9 )
謝辞
本論文は,筆者 の三重大学大学院 工学研究科 博士前期課程 電気電子工学専攻在学 中にお ける研究活動の成果 を纏 めたものであ ります.
本研究の遂行お よび本論文の作成 にあた り,終始丁寧かつ熱心な御指導 を賜 りま し た,三重大学教授 平井 淳之 先生,同大学准教授 駒 田 諭 先生,同大学准教授 弓場井
‑裕 先生に深 く感謝いた します.先生方には,研究お よび学生生活 において貴重な御 意見 を頂 きま したことを深 く感謝いた します.
また,専門的なご意見を頂 きま した,三重大学付属病院 スポーツ整形外科 西村 明 展 先生 には深 く感謝いた します.
また, 日頃か ら研究に関す る 日常業務 において御協力頂 きま した,同大学技術職員 中村 勝 氏に深 く感謝いた します.
そ して,先生方 とともに丁寧な御指導を賜 りま した,本研究 グループ 橋本 陽介 氏, 藤井 厚志 氏をは じめとす る先輩方,共に研究を遂行 し,貴重な経験 を頂いた,杉野 貴 基 氏,丹羽 弘樹 氏,奥 田 雄成 氏に深 く感謝いた します.
また,研究室の同期 として公私 ともにお世話にな りま した,上村 章仁 氏,宇佐見 秀 徳 氏,木下 弘輔 氏,灰屋 和勇 民 らに深 く感謝いた します.
さらに,三年間の研究生活 を充実 した ものに して くれた電機 システム研究室の皆様 に深 く感謝いた します.
最後 に,学生生活 を援助 し,何一つ不 自由な く学生生活 を送 らせて頂いた家族 に心 か ら深 く感謝いた します.
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