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緒言

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 84-87)

第 5 章 異種鉱物相から成る塊成鉱のガス還元速度推定モデルの開発

5.1 緒言

塊成鉱の還元速度解析にあたって様々なモデルが利用されている。代表的なものとして は一界面未反応核モデル60)や中間モデル61, 62)、グレインモデル63, 64)

第3章では単純系として酸化鉄と4成分系カルシウムフェライトの単鉱物試料を対象に 実験を行い、それぞれの還元の最終段階における還元速度を一界面未反応核モデルを用い た解析を行った。この結果を基に単純系から複雑系への拡張を行っていく必要があるため、

複雑系の解析に資する推定モデルを開発することは避けられない問題である。

などが挙げられる。鉄 鉱石の還元の場合、これらのモデルは対象の還元反応をいずれもウスタイトから鉄への還 元反応およびヘマタイトから鉄への段階的な還元反応として取り扱っている。しかしなが ら、現在高炉への主要装入物となっている焼結鉱はカルシウムフェライトなどの還元平衡 の異なる複数の鉱物相を有するため、これらのモデルによる解析では正確な速度解析解を 求めることができない。すなわち焼結鉱のような異種鉱物相から成る塊成鉱のガス還元速 度を正確に解析するためには、それに適した推定モデルが求められる。しかしながら、そ のような推定モデルは未だ提唱されていない。

そこで本研究では、複雑系への拡張として新たに二界面未反応核モデルを作成し、酸化 鉄とカルシウムフェライトが同時に存在する場合の還元速度解析に使用することとした。

第4章の結果を基に解析を行い、本研究の対象である二種鉱物混合試料の還元速度解析に このモデルが利用可能か否かについて考察を行った。また、その解析結果から、鉱物相量 と還元速度との関係を明らかにした。

本章で使用する記号を以下に示す。

De in

: 二界面未反応核モデルにおける内殻層有効拡散係数 (cm2 D

/s)

e out

: 二界面未反応核モデルにおける外殻層有効拡散係数 (cm2 d

/s)

o

T : 総被還元酸素濃度 (g-atom/cm3 d

)

o (s)

: 鉱物sの被還元酸素濃度 (g-atom/cm3 F

)

T

F

: 総還元率 (-)

(s)

K

: 鉱物sの還元率 (-)

(s)

k

: 鉱物sの還元最終段階の平衡定数 (-)

c (s)

k

: 二界面未反応核モデルにおける鉱物sの還元最終段階の化学反応速度

定数 (cm/s)

c (s)

k

˚ :一界面未反応核モデル解析で得られた鉱物sの単鉱物試料の化学反応速

度定数 (cm/s)

f

n

: 収支抵抗を考慮したガス境膜内物質移動係数 (cm/s)

: 総括速度 (mol/s)

n

F : ガス境膜内物質移動速度 (mol/s)

) (t

n

I : s→t反応が起こる界面における界面化学反応速度 (mol/s)

) (A B

nS + :外殻層における拡散速度 (mol/s)

) (A BO

nS + , nS(AO+B) :内殻層における拡散速度 (mol/s)

P0CO

P

: 試料表面におけるCOガス分圧 (atm)

b CO

P

: COガスのバルク分圧 (atm)

(t) CO

P

: s→t反応の起こる界面におけるCOガス分圧 (atm)

(t) CO,e

R : ガス定数 (cm

: s→t反応の平衡COガス分圧 (atm)

3·atm/(mol·K))

ギリシャ文字

φ(s ) :

λ

鉱物sの存在割合 (-)

a, λb

θ : 時間 (s)

: 二界面未反応核モデル中の係数 (-)

Ψs

(t ) : s→t反応における被還元酸素量の割合 (-)

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