九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
異種鉱物相から成る塊成鉱のガス還元速度とその推 定モデルの開発に関する研究
野口, 大介
九州大学大学院工学府物質プロセス工学専攻
異種鉱物相から成る塊成鉱のガス還元速度と その推定モデルの開発に関する研究
九州大学工学府物質プロセス工学専攻
野 口 大 介
目次
第1章 緒論 ... 1
1.1 本研究の背景 ...1
1.2 塊成鉱の還元速度に関する研究の現状 ...3
1.2.1 酸化鉄ペレットの還元速度に関する過去の研究 ...3
1.2.2 焼結鉱の還元速度に関する過去の研究 ...4
1.2.2.1 焼結鉱の構成 ...4
1.2.2.2 焼結鉱構成鉱物の還元速度に関する過去の研究 ...4
1.2.2.3 焼結鉱の還元速度に関する過去の研究 ...5
1.3 塊成鉱の還元速度解析モデルの問題点 ...8
1.4 本研究の目的と本論の構成 ... 10
第2章 焼結鉱の主要構成鉱物の鉱物相粒度と還元速度の関係 ... 14
2.1 緒言 ... 14
2.2 実験方法 ... 15
2.2.1 実験試料 ... 15
2.2.2 実験手順 ... 15
2.3 実験結果 ... 16
2.3.1 還元率曲線 ... 16
2.3.2 還元中断試料の断面観察 ... 16
2.3.3 予備還元段階における挙動 ... 16
2.4 考察 ... 18
2.4.1 1000°C以下における鉱物相粒度の影響 ... 18
3.2.1 実験試料 ... 39
3.2.2 実験手順 ... 39
3.3 実験結果および考察 ... 41
3.3.1 還元率曲線 ... 41
3.3.2 還元中断試料の断面観察 ... 41
3.4 一界面未反応核モデルによる還元速度解析 ... 43
3.5 結言 ... 44
第4章 焼結鉱の主要構成鉱物の存在割合と還元速度の関係 ... 64
4.1 緒言 ... 64
4.2 実験方法 ... 65
4.2.1 実験試料 ... 65
4.2.2 実験手順 ... 65
4.3 実験結果および考察 ... 66
4.3.1 還元率曲線 ... 66
4.3.2 還元中断試料の断面観察 ... 66
4.4 結言 ... 68
第5章 異種鉱物相から成る塊成鉱のガス還元速度推定モデルの開発 ... 80
5.1 緒言 ... 80
5.2 本解析モデルの概要 ... 83
5.2.1 解析モデルの構成 ... 83
5.2.2 解析手順 ... 85
5.3 解析結果および考察 ... 88
5.4 結言 ... 90
第1章 緒論
1.1 本研究の背景
近年の世界粗鋼生産量の著しい増加、特に中国の粗鋼生産量の急激な伸び1)を受け、鉄鋼 の主原料である鉄鉱石の需要が強まり、鉄鉱石の価格が大幅に上昇している。さらに、鉱 石資源の動向に着目すると、日本の主要な鉄鉱石輸入先である豪州のハマスレー鉱石、Mt.
ニューマン鉱石およびブラジルのカラジャス鉱石などの高品位ヘマタイト鉱石の枯渇化が 進んでいる。例えば、豪州の鉄鉱石生産の中心地であるハマスレー地域では、近年、低品 位鉱石の褐鉄鉱が主体の鉱床であるチャンネル鉄鉱床(CID: Channel Iron Deposit)からの生 産が増大しており2)、2000年初めにはハマスレー地域から日本への輸入鉱石の約6割に達 している3)。また、高品位縞状鉄鉱床(BID: Banded Iron Deposit)から生産される鉱石でも、
ベースとなる低Pブロックマン鉱床に追加の供給力はなく、高Pブロックマンやマラマンバ 鉱石が豪州に残された鉄鉱石資源となっている3)。そのため、近年は前述のチャンネル鉄 鉱石を含めた低品位鉱石の生産量が増加しており4–7)
一方で、世界的気候変動の抑制のため、化石燃料への依存度を減じた低炭素社会への移 行が急務となっている。日本には1997年に採択された京都議定書の「温室効果ガス排出量
を2012年までに6%削減」という目標があるほか、第34回主要国首脳会議(2008)において
も主要8カ国間で「2050年までに世界全体の排出量の少なくとも50%削減」という長期目標 の合意がなされた。日本のCO
、Fig. 1-1の豪州の鉄鉱石生産推移に 示すように、特にチャンネル鉄鉱石とマラバンバ鉱石の増産が著しい。これらの低品位鉱 石は結晶水を多く含んでいるため粉率が高く、鉄鉱石の微粉化が問題になる。前述の鉱石 の需要の強まりや高品位資源の枯渇を背景に、今後も低品位鉱石の利用量は増大するもの と考えられ、その対策が求められている。
2排出量のうちおよそ14%を鉄鋼業が占めており8)、そのうち
「資源対応力強化のための革新的製銑プロセス技術開発」は、還元剤として低品位な石 炭と鉄鉱石の塊成物を製造し、炉内反応の高速化・低温化を実現することにより、省エネ ルギーで高効率な革新的製銑プロセスを開発するプロジェクトである。このプロジェクト では、低品位原料の使用量拡大および革新的塊成物を高炉に使用する操業技術の改良によ る製銑プロセスでの投入エネルギーの約10%削減を目標としている。一方、「COURSE50」
は、水素還元の利用などによる高炉からのCO2排出削減技術および高炉ガスからのCO2分 離・回収技術などを開発するプロジェクトであり、これらの技術開発によって総合的に約 30%のCO2
以上に述べた背景を踏まえて、低品位鉱石の多量使用および大幅なCO
削減を目指している。どちらのプロジェクトにおいても、目標の達成には高炉 の反応効率の改善が不可欠であり、高炉製銑の鉄源となる塊成鉱の被還元性の強化が求め られる。
2排出量削減の達 成のために、塊成鉱のガス還元速度を把握することを目的とした。そこで、まず塊成鉱の 還元速度に関する研究の現状についてまとめる。
1.2 塊成鉱の還元速度に関する研究の現状
1.2.1 酸化鉄ペレットの還元速度に関する過去の研究
塊成鉱の還元性の研究として酸化鉄ペレットやヘマタイト鉱石の還元挙動が調査されて
いる。Murayamaら9, 10)はヘマタイトペレットを対象として、ヘマタイトからマグネタイト、
ウスタイトを経て鉄までの還元を段階的に行うことで各段階の還元速度パラメータを求め、
得られた結果を基にヘマタイトから鉄への還元速度が多界面モデルで記述できることを報 告している。Ohmiら11, 12)は酸性および塩基性ヘマタイトペレットを対象として、中間モデ ルを拡張した多段反応帯モデルを作成し、ヘマタイトから鉄への水素還元速度の解析を試 みた結果、酸性ペレットにおいては還元速度を多段反応帯モデルでほぼ忠実に記述できる ものの、塩基性ペレットにおいては高温での末期の還元速度が実験と計算で一致しなかっ たと報告している。Turkdoganら13–15)はヘマタイト鉱石を対象とした還元実験結果から、鉄 層のガス拡散と気孔特性が還元速度を律速していると明らかにした。El-Geassyら16)は複数 のヘマタイトコンパクトを対象として、試料の組織構造と還元速度の関係について調査し、
未焼成および多孔性コンパクトにおいてはγ-Feの焼結と緻密化によって還元が遅くなるこ とと、ヘマタイトコンパクトの構造が化学反応の開始と進行に大きく影響することを明ら かにした。Jozwiakら17)
また、酸化鉄の還元反応において、ウスタイトから鉄への反応は、酸化鉄全体の被還元 酸素量のおよそ70%程度がこの段階で除去されることに加えて、高炉における熱保存帯お よびそれより下部ではこの反応が主反応である。そのため、ウスタイトから鉄への還元速 度が重要であるとして、ウスタイトを対象とした研究も行われている。Usuiら
はヘマタイト、ゲーサイト、2-line水酸化鉄の還元経路を調査し、そ れぞれの各還元段階における活性化エネルギーを明らかにした。
18)は多孔質
ウスタイトペレットを対象に、グレインモデルでのH2-H2Oガス還元速度解析を行い、比較
られなかったとしている。
以上のように、ヘマタイトペレットやウスタイトペレット等の単一鉱物からなる試料に ついては、そのガス還元実験および速度解析に関する研究は数多くなされている。しかし ながら、現在の日本においては、高炉へ装入される鉄源のほとんどは焼結鉱であり、後述 するように焼結鉱は様々な鉱物相から構成されるため、その性状は酸化鉄ペレットやヘマ タイト鉱石と同じではない。そこで、次に焼結鉱の還元速度に関する過去の研究について 述べる。
1.2.2 焼結鉱の還元速度に関する過去の研究
1.2.2.1 焼結鉱の構成
Fig. 1-2にMaedaら23)が報告した焼結鉱組織写真を示す。この図からも分かるように、焼
結鉱は単一鉱物相のみの塊成鉱ではなく、様々な鉱物相から成る複合塊成鉱となっている。
その鉱物相のうち、主要なものは酸化鉄(ヘマタイト、マグネタイト)、カルシウムフェラ イト、スラグである24–26)。また、焼結鉱は種々の鉱石原料を混合し、液相焼結によって製 造するため、気孔の生成・合体・冷却過程での再配列、さらに冷却過程での鉱物相の析出 などの様々な反応が焼結時に生ずる。そのため、各結晶組織の粒径や存在割合、空隙の形 成状態などが製造条件によって異なってくる。焼結鉱の品質は鉱物組織と密接な関係があ り26)
1.2.2.2 焼結鉱構成鉱物の還元速度に関する過去の研究
、還元速度に関わる様々な影響因子が原料や製造条件によって大きく変わってくるも のと考えられる。
Onoら27)は焼結鉱の還元挙動を明らかにするために必要な研究として、焼結鉱を構成する 個々の鉱物について、その還元機構と還元速度を定量的に研究すること、および、焼結鉱
成分系あるいはその還元中間生成物であるCaO-FeO-Fe2O3 3成分系のカルシウムフェライ トを対象とした研究28–34)が行われていたが、自溶性焼結鉱中に含まれるカルシウムフェラ イトはSiO2やAl2O3などのスラグ成分を固溶した多成分系カルシウムフェライトであり、
その還元過程は2成分あるいは3成分系カルシウムフェライトのものとは異なる35–43)
Maedaら
こと が明らかにされた。
39, 40, 43)はCaO-Fe2O3-SiO2-Al2O3からなる4成分系カルシウムフェライトを合成
し、そのガス還元の還元経路および還元平衡について研究を行った。その結果、4 成分系 カルシウムフェライトの還元においては中間生成物として、それぞれCaO、SiO2、Al2O3
を固溶したマグネタイト(以下‘Fe3O4’)およびウスタイト(以下‘FeO’)が生成し、還元反応と しては、純粋な酸化鉄の場合と同様に、‘Fe3O4’の生成反応のほかに‘Fe3O4’ + CO = 3‘FeO’ + CO2と‘FeO’ + CO = Fe + CO2があり、それらの平衡ガス組成はいずれも純粋な酸化鉄の還 元反応の平衡ガス組成を高CO側へほぼ平行移動した形となっていることが明らかになっ た。加えてMaedaら44, 45)は試薬から合成した4成分系カルシウムフェライトを対象に、CO およびH2による還元実験を行い、高温では反応がマクロ・ミクロ共にトポケミカルに進行 することを明らかにした。またその結果を一界面未反応核モデルで解析し、反応速度定数 および有効拡散係数を得ている。Usuiら46)は、実機焼結鉱中の 4成分系カルシウムフェラ イトを対象に、4成分系カルシウムフェライトが還元・再酸化されるCO-CO2混合ガス領域 を明らかにした。Taguchiら47)は、試薬から作成した4成分系カルシウムフェライトを対象 にその還元挙動について調査を行い、その初期還元はC2F→C3WF7→C4WF4→WF、(CWF)
→CW3
このように多成分系カルシウムフェライトの還元挙動に関する研究はいくつか存在する が、速度論的な検討をしている例は少なく、その還元速度を定量化するには未だ十分では ない。
F、“C-W” (CaO-FeO solid solution)の過程を経て進行すると推定した。
元性が強いほど被還元性は悪いこと、SiO2およびCaOの添加によって却って被還元性が悪 化する傾向があることを報告している。Shimamuraら49, 50)は6種の焼結鉱粒子を対象に水素 還元を行い、未反応核モデルでの速度解析を行った結果、反応速度定数の値は銘柄間であ まり差がなく、気孔率および気孔径分布を反映している有効拡散係数の値に差が現われる ことを確認している。Amatatsuら51)は焼結鉱充填層を対象にCOガス還元を行い、実験結果 とほぼ一致する速度式を算出した。Maekawaら52)
しかしながら、焼結鉱の組織は、前述のように、還元性の異なる複数の鉱物組織を有す る複雑な構造である。その上、組織構成相や気孔構造は製造条件によって異なってくるた め、焼結鉱の還元速度を正確に把握することは難しい。そのため、焼結鉱の組織とその還 元速度との関係についての検討も行われている。Sanbongiら
はペレットと焼結鉱の被還元性について、
JIS還元法および荷重還元法での比較を行い、測定手法によって試料の還元率の大小が逆転 し得ることを明らかにした。
53)は石灰石添加実機焼結鉱を 対象に還元実験を行い、焼結鉱への石灰石添加によってヘマタイトが減少しカルシウムフ ェライトが増加することを確認したが、被還元性への影響は明らかにはならなかった。
Maedaら23, 54, 55)は複数種の実機・鍋焼結鉱を対象に被還元性に及ぼす鉱物組織と気孔構造
の影響を調査した結果、焼結鉱組織本来の被還元性は鉱物組織とその中のミクロ気孔の割 合によって決定されるが、焼結鉱粒子全体の被還元性は各組織へ還元ガスを供給するマク ロ気孔の割合と構造が重要であると報告している。Satoら24)は実機から採取した焼結鉱を 対象とした還元実験と鉱物組成および気孔率との比較から、焼結鉱のJIS-RIはカルシウム フェライト量と500µm以下の気孔率で決定されると報告している。Shibuyaら25)は実機から 採取した焼結鉱を対象に鉱物組織の面積割合を測定し、焼結鉱品質との比較から、JIS-RI は気孔の面積割合が大きいほど良好になる傾向を確認している。Sakamotoら56)は試薬から 単一焼結鉱組織を合成し、その組織と還元速度との関係を調査した結果、被還元性を総括 還元反応速度で比較すると拡散組織のほうが溶融組織より優れており、微細型ヘマタイト、
いるとは言い難く、今後とも単純な系での研究も継続していく必要がある。還元速度に影 響を及ぼす組織構造の影響因子としては、構成鉱物相の種別だけでなく、各鉱物組織の粒 径や存在割合、空隙の形成状態など、様々なものが考えられる。また、還元速度は組織構 造に加えて、還元ガス組成や温度などの雰囲気条件によっても影響される。ゆえに焼結鉱 の還元速度は、これらの様々な因子の影響が複雑に絡み合って決定されるともの考えられ る。
したがって、焼結鉱の還元速度を解析するためにはまず、これらの各因子の還元速度へ の影響をそれぞれ独立に調べることによって、還元速度への各因子の基本的な影響を把握 する必要がある。焼結鉱の還元速度はこれら種々の因子の複合的な影響下にあると考えら れるため、個別に検討した種々の因子の影響を複合することで相互作用も含めた焼結鉱の 総合的な還元速度の推定が可能になるものと考えられる。
1.3 塊成鉱の還元速度解析モデルの問題点
塊成鉱の還元速度解析には様々なモデルが利用されている58)。気孔率が非常に大きい場 合には、粒子全域で反応が進行する均一モデル59)が適用され、気孔率が小さい場合には、
粒子内の界面に起こる反応が内部に向かって移動する未反応核モデル60)が適用される。ま た両者の中間的な反応様式として、反応界面が明瞭でなく厚みをもち、反応と拡散が同時 に起こる「反応帯」が存在する場合があり、これに対していくつかのモデルが提案されて いる。すなわち上記両者の中間の反応様式をとるとした中間モデル61, 62)や、反応と拡散が 微粒子の集合体であるペレットの中で並列に進行するとしたグレインモデル63, 64)
気孔率のあまり大きくないペレットでは反応がマクロな意味でトポケミカルに進行する ため、未反応核モデルで近似的に解析できる。一界面未反応核モデルでは、一段の反応に ついて、化学反応、粒内拡散およびペレット周辺のガス拡散の3過程を考慮した混合律速 とする解析が行われている。一界面未反応核モデルは数式が簡潔なことから、反応が一段 の場合だけでなく、ヘマタイトの還元のように二段、三段の場合でも近似的に用いられる。
一方、ヘマタイトペレットのガス還元において、ヘマタイト/マグネタイト、マグネタイト /ウスタイト、ウスタイト/Feのそれぞれの界面において、同時にトポケミカルに反応が進 行するとした三界面未反応核モデル
等の種々 の反応帯を考慮したモデルが検討されている。
65)
中間モデルは、還元ガスが内部に向かって拡散していくと同時に、一部は酸化鉄の還元 で消費されるとするモデルである。粒子の表面における反応が終了するまでの第一段階お よび表面にできた還元生成物層が中心に向かって成長していく第二段階に分けて解析され る。中間モデルにもヘマタイトペレットの多段反応を考慮したTrushenskiらの非トポケミ も提案されている。どちらも解析が容易であり、多 孔質ペレットにおいてもほぼ還元挙動が表現できるので、現在よく用いられているモデル である。しかし、ヘマタイトペレットのガス還元においては反応帯が形成されるため、還 元曲線は表現できてもペレット断面内の反応帯の挙動については記述できない。
とに加えて、多くの仮定を必要とするため、解析が困難である。
これらのモデルを基に、多くの研究者によってガス還元の速度定数が推定されており、
高炉解析に適用されている66, 67)。しかしながら、上記のモデルは、いずれもウスタイトか ら鉄への還元もしくはヘマタイトから鉄への段階的な還元を対象としており、焼結鉱中の カルシウムフェライトの還元反応は考慮されていない。また、塊成鉱の成分変化や構成鉱 物比の違いをパラメータに反映するにも至っていない。そのため、従来の酸化鉄に加えて カルシウムフェライトの還元反応も考慮したモデルを開発し、塊成鉱の成分や構成鉱物比 の違いといった影響因子とモデル中の速度定数の関係を明らかにすることが求められる。
1.4 本研究の目的と本論の構成
そこで、本研究では焼結鉱のガス還元速度解析の基礎的研究の一環として、単鉱物相お よび異種鉱物相から成る塊成鉱のガス還元実験を行い、種々の影響因子が塊成鉱の還元速 度に及ぼす影響についての検討を行った。さらに、異種鉱物相から成る塊成鉱のガス還元 速度の推定モデルを新たに開発し、その推定モデルの有用性について考察した。
第1章は緒論であり、本研究の背景および目的、本論文の構成について述べた。まず本 研究の背景として、鉄鋼業の重要課題である輸入鉱石の低品位化および世界的気候変動抑 制のためのCO2
第2章では、塊成鉱中の鉱物相粒度と塊成鉱の還元速度の関係を明らかにすることを目 的として、種々の粒度の鉱物から作製した塊成鉱の還元実験を行った。実験試料は-45 µm、
45-75 µm、75-125 µm、125-250 µmの酸化鉄と-45 µm、45-75 µm、75-125 µmの4成分系カ ルシウムフェライトを用いた。この試料の800~1100°Cにおける50%CO-50%CO
排出量削減を踏まえて、それらの対策としての塊成鉱の被還元性強化の重 要性を示した。次に塊成鉱の還元速度に関する研究の現状として、酸化鉄ペレットと焼結 鉱の還元速度に関する研究をまとめた。特に焼結鉱の還元速度に関する研究としては、焼 結鉱の構成、焼結鉱構成鉱物であるカルシウムフェライトの還元速度、実機焼結鉱や鍋焼 結鉱(焼結鍋を用いて作成した焼結鉱)を対象とした過去の研究について述べた。その後、
現在用いられる速度解析モデルについて、特性と問題点をまとめ、酸化鉄に加えてカルシ ウムフェライトの還元反応を考慮したモデルを開発する必要があることを述べた。最後に、
本研究の目的を、単鉱物相および異種鉱物相から成る塊成鉱のガス還元実験を行い、種々 の影響因子が塊成鉱の還元速度に及ぼす影響を明らかにすること、および、異種鉱物相か ら成る塊成鉱のガス還元速度の推定モデルを新たに開発し、その推定モデルについて考察 することとした。
2混合ガス
による予備還元およびCOガス還元時の還元速度を測定することで、塊成鉱の鉱物相粒度と その還元速度の関係を明らかにした。
第4章では、塊成鉱の鉱物相割合と還元速度の関係を明らかにすることを目的として、
種々の配合割合の酸化鉄-カルシイウムフェライト混合試料の還元実験を行った。試料配合 割合は、被還元酸素量比で、酸化鉄:カルシウムフェライト= 80:20、60:40、40:60の3種類 とした。この試料の800~1100°Cにおける還元実験の結果から、鉱物相割合と還元速度の 関係を明らかにした。
第5章では、異種鉱物相から成る塊成鉱のガス還元速度の解析のため、推定モデルとし て二界面未反応核モデルを新たに開発し、第4章において得られた異種鉱物相から成る塊 成鉱のガス還元実験結果を基にその還元速度の解析を行った。解析の結果、外殻層有効拡 散係数および内殻層有効拡散係数の温度依存式が得られた。1000°C以上では還元率曲線の 実測値と解析から得られた計算値がほぼ一致しており、二種鉱物混合試料の 1000°C 以上 での還元速度は、本研究で新たに開発された二界面未反応核モデルで解析可能であること を明らかにした。
第6章は本論の総括である。
Fig. 1-1. Trends in iron ore production in Australia. (1965-2008)2)
第2章 焼結鉱の主要構成鉱物の鉱物相粒度と還元速度の関係
2.1 緒言
高炉の主要装入物である焼結鉱は、還元性の異なる複数の鉱物相から成る複合組織であ るが、その鉱物相の大きさや形は様々である。そのため、鉱物組織形態が焼結鉱の還元速 度に影響を及ぼすものと考えられる。
Sakamotoら56)
鉱 石 サ イ ズ と 還 元 速 度 と の 関 係 に つ い て 調 査 し た 例 は 過 去 に も 多 く 存 在 す る 。 Shimokawaら
は微細型ヘマタイト、微細型カルシウムフェライトの還元性は高く、短冊 型カルシウムフェライトのそれは著しく劣っていたと報告している。このように鉱物相の 大きさや形によって還元速度は変化し得るため、鉱物相の形態と還元速度との関係を把握 することは非常に重要である。
68)は 8 種類の鉱石を対象に塊状鉱石サイズと還元速度との関係を調査した。
炉内で一様に還元されることが望ましいので、各鉱石が一様の還元速度となるように難還 元性のものを比較的小さくするように調整すべきとしている。Corbari69)
そこで本章では、焼結鉱の還元速度論的研究の一環として、種々の粒度の鉱物から作製 した実験試料の還元実験を行い、実験試料を作製する際の原料粒度とその還元速度との関 係を調査することで、鉱物相粒度と還元速度との関係を明らかにすることとした。
らはブラジル産精 鉱を対象に粒子サイズとFeOまでの還元速度との関係を調査した結果、この鉱石の反応は 化学反応律速であり、粒子サイズが大きいものは還元速度が遅くなることを明らかにした。
しかしながら、鉱物相サイズと還元速度とを関連付けた研究は行われていない。
また、研究の対象として還元の最終段階であるウスタイトから鉄が生成する段階を選ん だが、その理由は、酸化鉄全体の被還元酸素量のおよそ70%程度がこの段階で除去される ことに加えて、高炉における熱保存帯およびそれより下部ではこの反応が主反応だからで ある。
2.2 実験方法
2.2.1 実験試料
実験に使用する鉱物はFe2O3と4成分系カルシウムフェライトの二種類とした。4成分系 カルシウムフェライトの合成には市販試薬のFe2O3、CaCO3、SiO2およびAl2O3を用いた。
Table 2-1の組成になるようにそれぞれの試薬を配合し、まずCaCO3中のCO2
-45、45-75、75-125および125-250 µmに粉砕・篩い分けしたFe
を除去するた めに、この配合試料を1000°Cで3時間焼成を行い、粉砕、混合した。この焼成、粉砕、混 合という操作を3回程度繰り返した後、電融マグネシアるつぼ(φ3 cm×10 cm)を用い、大 気雰囲気中で4成分系カルシウムフェライトの合成を行った。このときの焼成条件は0.17 K/s (10°C/min) の昇温速度で 1300°Cまで昇温し、1300°Cで 30 分間保持し、0.33 K/s
(20°C/min)の冷却速度で1100°Cまで冷却し、その後るつぼごと水冷した。
2O3
2.2.2 実験手順
試薬 (H) と合成カル シウムフェライト試料(Cf)を、被還元酸素量がH:Cf = 60:40 (重量比で49.6:50.4) となるよう にそれぞれ混合した。このときの原料粒度の組合せをTable 2-2に示す。混合試料の約2.3 g を量り取り、気孔率が26~30%となるように加圧成形(約φ1 cm×1 cm)して、それをそのま ま焼成しないで還元実験の試料として用いた。
還元実験には熱天秤を使用した。実験のガス経路をFig. 2-1に、熱天秤の概略図をFig. 2-2 に示す。熱天秤の下方から流入させるガスは、不活性のN2ガスと還元ガスのCOガスおよ びCO-CO2
還元実験は 800、900、1000 および1100°Cの各温度で行った。まず各実験温度まで加熱 混合ガスを切り替えられるようにした。下方からの還元ガスによって試料を反 応させ、その際の反応による重量変化を上部にある歪ゲージによって測定した。
2.3 実験結果
2.3.1 還元率曲線
Fig. 2-3~2-6にそれぞれ800、900、1000および1100°Cにおける各試料の還元率曲線を
示す。いずれのグラフも縦軸は還元率を示し、FeO (予備還元終了時)を0、Feを1として
いる。1000°C以下ではいずれの粒度条件においても還元率曲線がほぼ一致しており、還元
速度に違いは見られなかった。一方 1100°C では、多くの粒度条件においては還元速度に ほとんど違いが見られなかったが、125-250 µmのHと45-75 µmのCfの混合試料において 他の条件に比べて還元速度が低いことが確認された。
2.3.2 還元中断試料の断面観察
反応の形態を調べるため、還元率が70%程度に達した時点で実験を中断した試料を作製 し、その断面の観察を行った。Fig. 2-7にCf粒度が45-75 µmの場合のマクロ観察結果を示 す。この結果から、高温あるいはH粒度が小さい試料ほど中心核と外縁部の境界が明瞭と なっており、反応がトポケミカルに進行していることが分かった。ここには示していない
が、H粒度が45-75 µmの場合のCf粒度についても同様の傾向が見られ、Cf粒度が小さい
試料ほど明瞭な境界を持っていた。この要因は粒度が小さい試料ほど鉱物相の比表面積が 増大し、試料内部へのガス拡散に比べて鉱物表面での化学反応が優位になるためと考えら れる。
Fig. 2-8に還元中断試料の反応界面と思われる部分のミクロ観察結果を示す。1000°C 以
下では観察結果に大きな違いは見られなかった。一方、1100°Cにおいては焼結による粗大 な粒子の形成が確認された。1100°Cのマクロ観察結果において反応界面が特に明瞭に表わ れたことは、この焼結に起因しているものと考えられる。また、125-250 µmのHと45-75 µm のCfの混合試料において特に粗大な粒子が形成されており、このことが還元速度の低下の
予めウスタイトへの予備還元を行っている。しかし、鉱物相サイズの影響はウスタイトま での還元段階にすでに現われているとも考えられる。そこで予備還元段階における重量変 化を基にその段階での還元率曲線の作成および還元中断試料の観察を行った。
Fig. 2-9と2-10に1100°Cおよび800°Cでのヘマタイトからウスタイトへの還元段階の還
元率曲線を示す。いずれのグラフも縦軸は還元率を示すが、Fig. 2-3~2-6に示したものと は異なり、Fe2O3
Fig. 2-11と2-12に還元中断試料のミクロ観察結果を示す。Fig. 2-11より1100°Cでは還元 ウスタイトの焼結が見られた。一方、Fig. 2-12より1000°C以下では焼結は見られなかった ものの、予備還元後に酸化鉄粒子の微細化が確認された。この微細化は還元の進行に伴っ て生じたと考えられ、ヘマタイトからマグネタイトへの還元時の還元粉化と推測される。
(予備還元前)を0、Feを1としている。いずれの温度においても、この段
階の還元率曲線に大きな違いは見られなかった。ウスタイトから鉄への還元段階で還元が
遅かった125-250 µmのHと45-75 µmのCfの混合試料は、ヘマタイトからウスタイトへの予
備還元段階でも若干の遅れが見られたものの、他の条件と比べて有意な差ではなかった。
2.4 考察
2.4.1 1000°C以下における鉱物相粒度の影響
本研究において鉱物相粒度の影響が現れなかった要因について、個々のH粒子およびCf 粒子に着目して考察する。還元途中のH粒子およびCf粒子の模式図をFig. 2-13に示す。
Fig. 2-8のb2
一方、Cf粒子はスラグ相を析出しながら還元が進行し、Fig. 2-13に示すように還元鉄相 がポーラスになるため、H粒子のように固相内拡散を考慮する必要がない。したがって、
Cfの還元は還元鉄相を介した還元ガスの拡散が容易になるため、粒度の影響が現れなかっ たと考えられる。
などに見られるように、還元の進行に伴ってH粒子が緻密な還元鉄に覆われ るため、Fig. 2-13に示すようにH粒子の還元反応には還元鉄相における酸素イオンの固相 内拡散を考慮する必要があるものと考えられる。固相内拡散は細孔内ガス拡散や化学反応 に比べて進行が遅く、H粒子の還元反応は固相内拡散に律速されると考えられるため、粒 度による影響が現れやすいと推測される。しかしながら、本研究では1000°C以下において H粒度による還元速度の違いが認められなかった。これは予備還元段階で酸化鉄が微細化 され、初期粒度は異なっていてもFeO→Fe段階の粒度がほぼ同じになったため、還元速度 に及ぼすH粒度の影響が現れなかったと考えられる。
2.4.2 1100°Cにおける焼結
1100°Cにおいて生じた焼結が、予備還元前の組織であるヘマタイトやカルシウムフェラ
イト、予備還元によって生成したマグネタイトおよびウスタイトのいずれに起因するのか を判断するため、予備還元前後の試料を対象に高温保持実験を行い、その試料の断面観察 を行った。高温保持実験は 1100°C、窒素雰囲気、保持時間30分の条件で行い、保持時間 終了後に試料を炉から取り出した。また、比較のため、1100°Cに加えて900°Cでも同様の
還元後の試料であっても 900°C で保持した場合は焼結が見られなかった。このことから、
900°C から1100°Cの間に融点を持つ FeO成分を含んだ多成分系融液が生成したことによ
る液相焼結が起きたものと考えられる。
この融液の融点を推定するため、EDS分析によって融液部分の組成を調査した。Fig. 2-15 にEDSで組成分析を行った点と分析した相の主成分を示す。EDSによって確認された相は、
それぞれ主成分が(1) FeOである相、(2) CaO-SiO2である相、(3) Al2O3-CaO-FeOであるが Al2O3が多くFeOの少ない相、(4) Al2O3-CaO-FeOであるがCaOが多くAl2O3の少ない相の4 種であった。いずれの相でも主成分以外の成分が同定できなかったため、SiO2のほぼ全て がCaO-SiO2固溶体の形で存在していると考えられる。Fig. 2-16 に 30 mass% FeOでの Al2O3-CaO-FeO-SiO2 4成分系状態図70, 71)を示す。この図より、Al2O3-CaO-FeO-SiO2 4成分
系では 1100°C以下で融液を生成する可能性があることが分かる。本実験で確認された(2)
相~(4)相は、この融液が冷却過程で分離したものと考えられる。したがって、本実験の 1100°CではAl2O3-CaO-FeO-SiO2
本実験においては、この液相焼結によって還元速度が低下したと考えられるが、1100°C ではいずれの粒度条件においても焼結が確認された一方で、1100°Cでの還元速度は粒度条 件によって異なっていた。これは、125-250 µmのHと45-75 µmのCfの混合試料において 特に粗大な相が形成されたように、粒度条件によって試料の焼結性に違いがあるためと推 測できるが、その関係性は明白でなく今後明らかにしていく必要がある。
4成分系融液が生成し、その融液により液相焼結が起きた ものと推測される。
2.5 結言
塊成鉱の鉱物相粒度と還元速度との関係を明らかにすることを目的として、種々の粒度 の原料鉱物から酸化鉄-カルシウムフェライト混合試料を作製し、試料の鉱物相粒度とその 還元速度との関係を調査した。得られた知見を以下に示す。
(1) 800~1000°C の範囲では、ヘマタイトからウスタイト、ウスタイトから鉄の両還元
段階において、-250 µm程度の鉱物相粒度と還元速度には、ほとんど相関関係は見ら れない。この原因としては、酸化鉄粒子が予備還元時に微細化することと、カルシ ウムフェライト粒子から生成する還元鉄がポーラスであることが考えられる。
(2) 1100°C以上では、ウスタイトへの還元後にAl2O3-CaO-FeO-SiO2 4成分系融液が生じ ることで、還元速度の低下を引き起こす。
Table 2-1. Chemical composition of hematite and calcium ferrite samples as mixed (mass%).
Fe2O3 CaO SiO2 Al2O 65.0
3
23.3 7.8 3.9
Table 2-2. Combination of mineral particle size (µm).
A B C D E F
Hematite (H) -45 45-75 75-125 125-250 45-75 Calcium
ferrite (Cf) 45-75 -45 75-125
CO
2CO
2CO CO N
2N
2(1)
(2)
(3)
(4) (6)
(6)
(6)
(3) (5)
(3) (1)
(1)
(1)
(4) (1) silica gel drying cylinder (2) float type flow meter (3) mass flow meter (4) three-way stopcock (5) thermobalance (6) gas outlet
Fig. 2-1. Schematic view of the gas path.
(1) strain gauge
(2) stainless steel wire (3) copper tube
(4) reaction tube (5) electric furnace (6) sample
(7) thermo couple (8) water path (9) gas path (1)
(2) (3)
(4) (5) (6) (7)
(8) (9)
Fig. 2-2. Schematic view of the experimental apparatus.
600 1200 1800 240 0.2
0.4 0.6 0.8 1
0
H:125-250μm,Cf: 45-75μm H: 75-125μm, Cf: 45-75μm H: 45-75μm, Cf: 45-75μm H: -45μm, Cf: 45-75μm H: 45-75μm, Cf:75-125μm H: 45-75μm, Cf: -45μm
Time (s)
800 ° C FeO → Fe
F rac ti onal r e du c ti on ( -)
Fig. 2-3. Reduction curves from FeO to Fe at 800°C.
600 1200 1800 240 0.2
0.4 0.6 0.8 1
0
H:125-250μm,Cf: 45-75μm H: 75-125μm, Cf: 45-75μm H: 45-75μm, Cf: 45-75μm H: -45μm, Cf: 45-75μm H: 45-75μm, Cf:75-125μm H: 45-75μm, Cf: -45μm
Time (s)
F rac ti onal r e du c ti on ( -)
900 ° C FeO → Fe
Fig. 2-4. Reduction curves from FeO to Fe at 900°C.
600 1200 1800 240 0.2
0.4 0.6 0.8 1
0
H:125-250μm,Cf: 45-75μm H: 75-125μm, Cf: 45-75μm H: 45-75μm, Cf: 45-75μm H: -45μm, Cf: 45-75μm H: 45-75μm, Cf:75-125μm H: 45-75μm, Cf: -45μm
Time (s)
1000 ° C
F rac ti onal r e du c ti on ( -)
FeO → Fe
Fig. 2-5. Reduction curves from FeO to Fe at 1000°C.
600 1200 1800 240 0.2
0.4 0.6 0.8 1
0
H:125-250μm,Cf: 45-75μm H: 75-125μm, Cf: 45-75μm H: 45-75μm, Cf: 45-75μm H: -45μm, Cf: 45-75μm H: 45-75μm, Cf:75-125μm H: 45-75μm, Cf: -45μm
1100 ° C
Time (s)
F rac ti onal r e du c ti on ( -)
FeO → Fe
Fig. 2-6. Reduction curves from FeO to Fe at 1100°C.
5mm 72.6%
72.6%
71.1%
71.1%
64.5%
64.5%
74.6%
74.6%
75.8%
75.8%
68.9%
68.9%
1100 ° C 1000 ° C 900 ° C 800 ° C
57.8%
57.8%
74.4%
74.4%
75.8%
75.8%
59.8%
59.8% 64.7% 64.7%
56.9%
56.9%
a
1b
1c
1a
2b
2c
2a
3b
3c
3a
4b
4c
4H particle size: 125-250µm (a
n), 75-125µm (b
n), -45µm (c
n)
1100°C 1000°C 900°C 800°C
FeFe FeOFeO SlagSlag PorePore
100µm H particle size: 125-250µm (an), 75-125µm (bn), -45µm (cn)
a1
b1
c1
a2
b2
c2
a3
b3
c3
a4
b4
c4 PorePore
PorePore
PorePore
PorePore
PorePore
PorePore
PorePore
Pore Pore
PorePore
PorePore
PorePore FeOFeO
FeOFeO
FeOFeO
FeOFeO
FeOFeO
FeO FeO
FeOFeO
FeOFeO
FeOFeO FeOFeO
FeOFeO FeFe
FeFe
FeFe
FeFe
FeFe
Fe Fe
FeFe
FeFe
FeFe
FeFe
SlagSlag
FeFe
Fig. 2-8. Microstructures at reaction interfaces of partially reduced samples (Cf particle size:
300 600 0.1
0.2 0.3
0
H:125-250μm,Cf: 45-75μm H: -45μm, Cf: 45-75μm H: 45-75μm, Cf:75-125μm H: 45-75μm, Cf: -45μm
F rac ti onal r e du c ti on ( -)
Time (s)
1100 ° C Fe 2 O 3 →FeO
Fig. 2-9. Reduction curves from Fe2O3 to FeO at 1100°C.
300 600 0.1
0.2 0.3
0
H:125-250μm,Cf: 45-75μm H: -45μm, Cf: 45-75μm H: 45-75μm, Cf:75-125μm H: 45-75μm, Cf: -45μm
Time (s)
800 ° C Fe 2 O 3 → FeO
F rac ti onal r e du c ti on ( -)
Fig. 2-10. Reduction curves from Fe2O3 to FeO at 800°C.
b
1b
2b
3200 µ m 200 µ m
center middle periphery
a
1a
2a
3H particle size: 125-250µm (a
n), 75-125µm (b
n), -45µm (c
n)
c
1c
2c
3H H
Cf Cf Slag Slag Pore Pore Pore Pore FeO FeO
Pore Pore FeO FeO
H H
Cf Cf Pore Pore
H H
Cf Cf
Pore Pore
Slag Slag Pore Pore FeO FeO
Pore Pore FeO FeO
Slag Slag Pore Pore
FeO FeO
Pore Pore FeO FeO
Slag Slag Slag Slag
Slag Slag
Fig. 2-11. Microstructures of partially pre-reduced samples at 1100°C (Cf particle size: 45-75
200 µ m
c ent er per ip her y
a
1b
1c
1a
2b
2c
2H particle size: 125-250µm (a
n),75 -125µm (b
n), -45µm (c
n) H H
Cf Cf Pore Pore
Pore Pore FeO FeO Pore Pore
FeO FeO
Pore Pore FeO FeO
H H
Cf Cf
Pore Pore
H H Cf Cf
Pore Pore
Fig. 2-12. Microstructures of partially pre-reduced samples at 1000°C (Cf particle size: 45-75 µm).
FeO Dense Fe
‘FeO’
Porous Fe
O
2-CO
CO
2CO
CO
2Hematite particle Calcium ferrite particle
Fig. 2-13. Schematic illustration about reduction of H particle and Cf particle.
a
1b
1c
1a
2b
2c
2a
3b
3c
3H particle size: 125-250µm (a
n), 75-125µm (b
n), -45µm (c
n) at 1100 ° C before
pre-reduction
at 1100 ° C after pre-reduction
at 900 ° C after pre-reduction
200µm H H
Cf Cf
Slag Slag Pore Pore Pore Pore
FeO FeO
Pore Pore FeO FeO
H H
Cf Cf
Slag Slag Pore Pore
Pore Pore
FeO FeO
Pore Pore
FeO FeO
H H
Cf Cf
Slag Slag Pore Pore
Pore Pore FeO FeO
Pore Pore FeO FeO
Magnetite Magnetite
Magnetite
Magnetite
• (1) FeO • (3) Al
2O
3-CaO-FeO (high Al
2O
3)
• (2) CaO-SiO
2• (4) Al
2O
3-CaO-FeO (high CaO)
(1) (1)
(1)
(3)
(3) (3)
(2)
(4)
Fig. 2-16. Tentative liquidus surfaces in the system Al2O3-CaO-FeOX-SiO2 with 30 mass% FeO (total iron oxide contents as re-calculated in equivalent FeO contents)70, 71).
第3章 焼結鉱の主要構成鉱物の還元速度に及ぼす還元ガス組成の影響
3.1 緒言
高炉の主要装入物である焼結鉱は、酸化鉄やカルシウムフェライト、スラグといった鉱 物組織を併有しており、その構造はきわめて複雑である。そのため、実機および鍋焼結鉱 あるいは焼結鉱の主要鉱物相である酸化鉄やカルシウムフェライト単体を対象とした研究 が多く行われている。
Murayamaら9, 10)はCO-CO2混合ガスを利用して酸化鉄ペレットを段階的に還元し、各段階
の還元速度パラメータを求めた。Inamiら20)は緻密ウスタイトを種々のCO-CO2混合ガス組 成で還元して還元速度とガス組成の関係を調査し、その還元速度は高COにおいては還元鉄 への炭素析出、低COにおいては緻密鉄層の生成によって影響されることを明らかにした。
Usuiら46)は実機焼結鉱中の 4 成分系カルシウムフェライトを対象に、4 成分系カルシウム
フェライトが還元・再酸化されるCO-CO2混合ガス領域を明らかにした。またUsuiら72)は実 機焼結鉱を対象にCO-CO2混合ガスによる段階的還元を行い、各段階の速度パラメータを 求めている。しかしながら、これらのような研究多くが純COないし純H2での還元であり、
高炉の主要ガスであるCO-CO2
また、高炉反応においてはFeO-Fe反応平衡近傍のガス組成での還元速度が重要とされる が、そのガス組成での酸化鉄の還元速度解析はほとんど行なわれていない。加えてカルシ ウムフェライトに関しては速度論的研究の例が少なく、CO-CO
混合ガス雰囲気での還元実験はあまり例がない。
2
そこで本章では、焼結鉱の還元速度論的研究の一環として、単純系である酸化鉄と4成 分系カルシウムフェライトそれぞれの単鉱物試料に対してCO-CO
混合ガス組成が還元速度 に及ぼす影響についても明らかになっていない。
2混合ガスを用いた還元 実験を行い、還元の最終段階であるウスタイトから鉄が生成する段階における還元速度と
CO-CO2混合ガス組成の関係を調べた。
3.2 実験方法
3.2.1 実験試料
実験には酸化鉄試料(以下H試料)と4成分系カルシウムフェライト試料(以下Cf試料)の 2種類の試料を用いた。
H試料の作製方法は、-45 µmのFe2O3
Cf試料の作製には、第2章と同様の組成・手法で作成した合成カルシウムフェライトを 用いた。合成カルシウムフェライトを粉砕し、45-75 µmにふるい分けたものを約2.3 g、約
φ1 cm ×1 cmのブリケットに加圧成形したものをCf試料として実験に用いた。試料の見か
け密度と各鉱物の真密度から気孔率を算出したところ、このときの試料の気孔率は 44~
49%であった
試薬に水を添加しハンドロールによって直径約1 cm、
重量約3.0 gの球状に成形し、気孔率27-32%となるように大気雰囲気で焼成した。この際
の焼成条件は0.33 K/s (20°C/min)の昇温速度で1200°Cまで昇温し、1200°Cで1h保持した後、
炉冷した。こうしてできた球状ペレットをH試料として実験に用いた。
H試料とCf試料の原料粒度が異なるが、第2章において鉱物相粒度は還元速度に影響を 及ぼさないことが明らかになったため、本章ではこの違いについては検討しないこととし た。
3.2.2 実験手順
還元実験は第2章に示したガス経路と熱天秤を使用して、900、1000および1100°Cの各 温度で行った。まず各実験温度まで加熱し、N2ガスを流して不活性雰囲気にした炉内に試 料を吊るし入れた。重量が安定した後、50%CO-50%CO2混合ガスに切り替えて試料をウス タイトまで還元した。予備還元による重量減少が認められなくなったことを確認し、一旦
するCfの還元最終段階における還元反応式は(3-3)式で表され、その平衡定数KCfは(3-4)式で 表される39)ため、各温度でのCf試料の平衡ガス組成は(3-4)式から求めることができる。
‘FeO’ (s) + CO (g) = Fe (s) + CO2 (g) (3-3)
KCf = exp ( -2.785 + 2042 / T ) (3-4) T:絶対温度 (K)
ここで‘FeO’はCf由来でスラグを固溶したウスタイトを表している。得られた平衡ガス組成 を温度に対してそれぞれ■、□印でプロットするとFig. 3-1のようになる。この平衡ガス組 成を基に各温度での実験ガス組成を決定した。すなわち、▼(▽)印で示した平衡ガス+2%CO の組成、●(○)印で示した100%COガス、▲(△)で示した100%COガスと平衡ガス組成の中 間の組成に決定した。各実験温度における平衡ガスおよび実験ガスのCO濃度をTable 3-1 に示す。
3.3 実験結果および考察
3.3.1 還元率曲線
Fig. 3-2~3-4にH試料とCf試料のそれぞれのCO-CO2
Fig. 3-5~3-7にそれぞれ900、1000、1100°Cにおける還元率曲線を示す。これらの図よ
り、H 試料とCf試料ともに CO濃度が低いものほど還元速度は小さくなり、平衡+2%CO では特に還元速度が小さくなることがわかった。また、Fig. 3-2~3-4に示した温度による 影響に比べると、ガス組成による影響が大きいということがわかった。
混合ガス組成における還元率曲線を 示す。これらの図より、H試料とCf試料ともにいずれのガス組成においても還元温度が高 いものほど還元速度が大きい傾向が見られた。
還元率曲線は、均一反応や同一の形状・大きさ・被還元酸素量などの場合においては、
試料の被還元性の比較に適する。しかしながら、均一反応でない、あるいは形状・大きさ・
被還元酸素量が異なる場合においては、還元率曲線による直接的な比較は困難である。そ のため、本研究におけるH 試料とCf試料の被還元性を還元率曲線から比較することは適 当でない。例えば、還元率曲線においてはH試料に比べて Cf試料のほうが還元が速く進 んでいるように見えるが、Fig. 3-8に示す重量変化曲線においては還元率曲線とは異なった 傾向を示している。したがって、これらの被還元性について議論するためには、実験結果 を基にして拡散と化学反応を考慮した速度論的解析が必要となる。還元速度解析について は3.4節に詳しく述べる。
3.3.2 還元中断試料の断面観察
反応形態を調べるために、還元がおよそ70%程度完了した時点で実験を中断した試料を 作製し、その断面を観察した。Fig. 3-9と3-10にそれぞれH試料とCf試料の還元中断試料の
ほうがより顕著な違いを示した。
次に、ミクロ的には反応がどのように進行しているかを詳しく調べるために、還元中断 試料の顕微鏡観察を行った。試料表面近傍、反応界面および試料中心部分を観察した結果 をFig. 3-11~3-14に示す。
まずH試料については、いずれの条件においても還元鉄の焼結が見られ、未還元ウスタ イト層では個々の粒子が独立して存在していたのに対して、還元鉄層では粒子同士が焼結 によって結びつくことで粗大な粒子を形成していた。また、未還元ウスタイト層に比べて 還元鉄の焼結に伴った気孔量の減少が認められた。還元鉄の焼結は高温になるほど著しく なり、特に 1100°C においては粒子形状や気孔量が顕著に変化していた。また、Fig. 3-11 に見られるように、1000°C以下かつ還元ガス濃度が中間値以上である場合にのみ、還元鉄 に覆われた内部に未還元ウスタイトが残存する粒子が見られた。
一方Cf試料については、高温ほど還元鉄の焼結が見られるのはH試料と同様であるが、
粒子内部での構造変化にとどまり、粒子形状や気孔率は還元鉄層と未還元ウスタイト層で 大きな違いが見られなかった。また、Cf試料ではいずれの条件においても、H試料で観察 された還元鉄に覆われた内部に未還元ウスタイトが残存する粒子は見られなかった。
3.4 一界面未反応核モデルによる還元速度解析
1100°Cでは還元がトポケミカルに進行しているので、解析には一界面未反応核モデルを
使用した。1000°C以下では反応がトポケミカルに進行していないため、未反応核モデルの 適用には問題があるが、比較のためここでは未反応核モデルで解析を行った。
得られた実験結果を基に、一界面未反応核モデルによる混合律速の解法60)で解析を行い、
化学反応速度定数kcと生成物層内有効拡散係数Deを求めた。得られたkcとDeの温度依存性 をFig. 3-15 と 3-16 にそれぞれ示す。これらから、kcは試料およびガス組成にかかわらず
Arrhenius型の温度依存性を示すことがわかった。しかし、Cf試料を平衡+2%COのガス組成
で還元した場合はほかの条件と値が大きく異なっている。この理由については、未反応核 モデルとのずれが大きいために表れているとも考えられるが、詳細は不明であり今後検討 の必要がある。一方、De
また、k
はH試料にはArrhenius型の温度依存性が見られたが、Cf試料には 明確な温度依存性は見られなかった。
cおよびDeの還元ガス組成依存性をFig. 3-17と3-18に示す。Fig. 3-17において、
平衡+2%COのガス組成で還元したCf試料のものは解析モデルとの差異が大きいとして括 弧付きで示した。括弧付きのものを除外すれば、kcには還元ガス組成依存性は見られず、
それぞれの温度においてほぼ一定の値を示した。一方、De
3.3.2 節に示した還元中断試料の観察結果から、H試料は還元温度および還元ガス組成に
よって、生成物層の構造が変化する一方、Cf試料は還元温度と還元ガス組成にかかわらず、
生成物層の構造が変化しないことがわかっている。そのため、H試料においては生成物層 内有効拡散係数D
にはH試料においてのみ還元ガ ス組成依存性が見られ、Cf試料には見られなかった。
e
k
が温度およびガス組成に対して依存性をもち、Cf試料においてはそれら に対して依存性をもたないと考えられる。
cの大小関係から、H試料とCf試料の鉱物組織の被還元性は、Cf試料のほうが高いと考え
3.5 結言
酸化鉄と4成分系カルシウムフェライトの2種類の鉱物からそれぞれ試料を作製し、こ れらの試料の還元の最終段階であるウスタイトから鉄が生成する段階における還元速度と 還元ガス組成の関係を調べ、さらに実験結果を一界面未反応核モデルで解析を行い、以下 の結果を得た。
(1) H 試料、Cf 試料ともに、同じ温度条件では、CO濃度が高いほど還元が速く、平衡 近傍において極端に還元が遅くなった。
(2) 還元中断試料の断面をマクロ観察したところ、H試料、Cf試料ともに、高温かつ高 CO濃度条件のものほど還元反応がトポケミカルに進行していることがわかった。同 試料の還元後の層構造をミクロ観察したところ、H 試料の還元鉄層構造は温度およ びガス組成によって変化したが、Cf試料の還元鉄層構造は温度およびガス組成によ らず変化しなかった。
(3) 化学反応速度定数kcはH試料、Cf試料ともにArrhenius型の温度依存性を示し、Cf試料 の平衡+2%COのガス組成条件を除けば、還元ガス組成によらずkc
(4) 生成物層内有効拡散係数Deは、H試料に温度および還元ガス組成依存性が見られた が、Cf試料には明確な依存性が見られずほぼ一定の値を示した。
の値はほぼ同程度 であった。
Table 3-1. Experimental CO gas concentration (vol%).
Equilibrium Eq.+2%CO Intermediate 100%CO
Hematite (H) ■ ▼ ▲ ●
900°C 68.0 70.0 81.4 100
1000°C 71.3 73.3 82.9 100
1100°C 73.9 75.9 84.0 100
Calcium
ferrite (Cf) □ ▽ △ ○
900°C 74.0 76.0 88.0 100
1000°C 76.5 78.5 89.3 100
1100°C 78.5 80.5 90.3 100
900 1000 1100 0.5
0.6 0.7 0.8 0.9 1
Temperatute ( ° C) P CO /(P CO +P CO
2) ( -)
FeO(s) + CO(g) =Fe(s) + CO2(g) 'FeO'(s) + CO(g) =Fe(s) + CO2(g)
These plots show the experimental gas composition. See Table 3-1.
Fig. 3-1. Equilibrium gas composition-temperature diagram for reduction of quaternary calcium ferrite with CO-CO2 gas mixture.
Fig. 3-2. Reduction curves of FeO to Fe with 100% CO gas.
10 20 30
0.2 0.4 0.6 0.8 1
0
F rac ti ona l r educ tion ( -)
Time (min)
H Cf
1100°C 1000°C 900°C 100%CO
Fig. 3-3. Reduction curves of FeO to Fe with CO-CO2 gas mixture of intermediate CO%.
10 20 30
0.2 0.4 0.6 0.8 1
0
F rac ti ona l r educ tion ( -)
Time (min)
H Cf
1100°C 1000°C 900°C intermediate CO%
Fig. 3-4. Reduction curves of FeO to Fe with CO-CO2 gas mixture of equilibrium +2%CO.
10 20 30
0.2 0.4 0.6 0.8 1
0
F rac ti ona l r educ tion ( -)
Time (min)
H Cf
1100°C 1000°C 900°C Eq.+2%CO
Fig. 3-5. Reduction curves of FeO to Fe with CO-CO2 gas mixture at 900°C.
10 20 30
0.2 0.4 0.6 0.8 1
0
F rac ti ona l r educ tion ( -)
Time (min)
H Cf
100%CO intermediate Eq.+2%CO 900°C
10 20 30 0.2
0.4 0.6 0.8 1
0
F rac ti ona l r educ tion ( -)
Time (min)
H Cf
100%CO intermediate Eq.+2%CO 1000°C
Fig. 3-6. Reduction curves of FeO to Fe with CO-CO2 gas mixture at 1000°C.
Fig. 3-7. Reduction curves of FeO to Fe with CO-CO2 gas mixture at 1100°C.
10 20 30
0.2 0.4 0.6 0.8 1
0
F rac ti ona l r educ tion ( -)
Time (min)
H Cf
100%CO intermediate Eq.+2%CO 1100°C
10 20 30 0.05
0.1 0.15
0
H Cf
100%CO intermediate Eq.+2%CO
1100 ° C
Time (min)
W ei gh t los s ( g)
Fig. 3-8. Weight loss curves of FeO to Fe with CO-CO2 gas mixture at 1100°C.
900°C 1000°C
1100°C
75% 75%
71% 71%
72% 72%
60% 60%
72% 72%
70% 70%
39% 39%
59% 59%
66% 66%
a 1
b 1
c 1
a 2
b 2
c 2
a 3
b 3
c 3
5mm 5mm
a :100%CO, b :intermediate CO%, c :Eq.+2%CO
a
1b
1a
2b
2a
3b
363% 63%
72% 72%
84% 84%
71% 71%
63% 63%
75% 75%
900°C 1000°C
1100°C
5mm 5mm
a
n: intermediate CO%, b
n: Eq.+2%CO
900°C 1000°C
1100°C
30µm30µm