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ワイドバンドギャップ半導体はその優れた特性から、荷電粒子検出器への応用が期待さ れている。そのなかでもダイヤモンドは物質として様々な突出した特性を持ち、ダイヤモン ドを利用した荷電粒子検出器は耐環境性の観点から実現が望まれている。そのため、本研究 ではダイヤモンド検出器を作製し、評価を行った。

ダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体を用いた荷電粒子検出器では、その作 製プロセスで導入される欠陥が問題となっている。したがって、荷電粒子検出器の特性を評 価するうえで、検出器に用いられる半導体内の欠陥の詳細を明らかにすることが重要であ る。そのため、作製されたダイヤモンド検出器の基礎的な電気特性を評価すると共に、欠陥 評価技術である荷電粒子誘起過渡電荷解析法を用いてダイヤモンド内の欠陥評価を行った。

第1章では、緒言として本研究の背景と目的について述べた。

第2章では、荷電粒子検出器やダイヤモンド検出器の概略について述べた。また、半導体 の欠陥や基礎的な電気特性の評価方法について述べた。

第 3 章では、荷電粒子検出器によるエネルギー測定の原理を述べ、電荷収集量の評価方 法である電荷収集効率について説明し、電荷収集量の校正を行った。また、荷電粒子検出器 の検出特性の劣化に影響する半導体内の欠陥準位を直接評価できる欠陥評価技術として荷 電粒子誘起過渡電荷解析法の原理を説明し、その測定方法を述べた。

第4章では、ダイヤモンド検出器の電気特性評価を行った。単結晶CVDダイヤモンドの p型ショットキーバリアダイオードを作製し、IV特性、IV温度依存性、CV特性、CV温度 依存性、電荷収集効率を測定した。電荷収集効率の劣化は検出器の空乏層幅が十分に得られ ていなかった事が原因だと考察した。HIQTSによる欠陥評価を行い、ある欠陥準位に起因 するピークを観測することができたが、活性化エネルギーを得ることはできなかった。

DLTSによって1.71 eVの活性化エネルギーを得たが、誤差が大きく欠陥の起因となる不純

物の断定は困難であった。高純度半絶縁性・単結晶CVDダイヤモンドを用いて荷電粒子検 出器を作製したし、IV特性、CV特性、電荷収集効率の測定を行った。APQTSによる欠陥

評価で0.436 eVの活性化エネルギーを得ることができた。酸素イオンを用いたHIQTSで

は0.269 eV、炭素イオンでは0.370 eVの活性化エネルギーを得た。SIMS分析により、バ

ックグラウンドレベル以上のボロン濃度を検出したことから、QTS で得られた欠陥準位は ボロンに由来するものだと結論づけた。また、IVがわずかにp型ショットキーの特性を持 っていたことから、測定に用いた検出器は高純度半絶縁性として作製したが、作製プロセス で意図せずに少量のボロンが混入し、軽度にドープされたのではないかと考えられる。

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以上のように、本研究では 2 種類のダイヤモンド検出器の特性評価を行い、60~67%の 電荷収集効率が得られた。100%近い収集効率にならなかった要因としては、空乏層がイオ ンの飛程に対して十分に拡がっていないことが挙げられることから、検出器特性を向上さ せるためには空乏層を拡げるための処置が必要である。一方、開発した荷電粒子誘起過渡電 荷解析法によって電荷収集効率に悪影響を及ぼす深い準位の情報を得ることができたこと から、本研究で開発した欠陥評価法はダイヤモンド検出器への適用も有効であるといえる。

今後の研究課題として、ダイヤモンドを含めたワイドバンドギャップ半導体を用いた荷 電粒子検出器の特性に影響を及ぼす欠陥を詳細に評価するために、より深い準位を検出す る技術を確立することが挙げられる。特にダイヤモンド検出器は耐放射線性だけでなく高 温動作が期待されていることや、深い準位の情報は高温での欠陥評価で得られることを考 えると高温での欠陥評価が重要であると考えられる。また、本研究で検出したような低温側 の欠陥については、その特性を理解し制御するために、より多くのダイヤモンドの試料を確 保し特性の比較をする必要がある。

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謝辞

本研究の一部は科研費基盤(A)26249149の助成を受け実施されました。

本研究を行うにあたり、非常に充実した研究環境の提供、研究においての様々なご指導、

ご助言をくださいました花泉修教授に深く感謝いたします。

本研究を行うにあたり、発表に関するご指導など、多くの貴重なご助言をくださいました 三浦健太准教授に深く感謝いたします。

本研究を行うにあたり、研究に対する姿勢を示してくださるとともに、研究での疑問点や 方向性に対する的確なご助言、ご指導を与えてくださり、研究生活において多くのサポート をしてくださいました加田渉助教に深く感謝いたします。

本研究を行うにあたり、より良い研究環境を与えてくださいました技術専門職員の野口 克也氏に深く感謝いたします。

本研究を行うにあたり、実験環境の提供、研究においてのご指導、ご助言をしてくださる と共に、本論文を審査していただいた神谷富裕教授に深く感謝いたします。

本研究を行うにあたり、実験環境の提供、研究や発表における多くのご指導、ご助言をし てくださいました国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 高崎量子応用研究所 プロ ジェクト半導体照射効果研究の大島武氏、小野田忍氏、牧野高紘氏、佐藤真一郎氏をはじめ とするプロジェクト員の皆様に深く感謝いたします。

本研究を行うにあたり、試料の作製をしてくださいました産業技術総合研究所の梅沢仁 氏、杢野由明氏、関西学院大学の鹿田真一氏に深く感謝いたします。

本研究を行うにあたり、非常に多くの協力をいただくと共に、様々なご指導をしていただ いた本研究室OBの神林佑哉氏に深く感謝いたします。

本研究を行うにあたり、様々な面で協力していただき研究生活や日常生活を非常に有意 義なものにしてくださった研究室の同期、先輩、後輩の皆様に深く感謝いたします。

最後に、有意義な学生生活を送るにあたり、様々な面で援助してくださった家族に心より 深く感謝いたします。

本研究は多くの方々のご支援、ご指導のもと行われたものであり、様々な面でご協力いた だいた全ての方に改めて感謝いたします。

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参考文献

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