5.1 成功と失敗のフィードバック下でのアンパックの効果
仮説1および仮説2の検証を行うため、自己の貢献および責任の評価に対するアンパ ック効果の影響の度合いについて比較した。具体的な結果として、問1で調査した自己 の貢献の度合いの結果から成功のフィードバックを与えたときのアンパック効果の影 響の検証した結果、アンパックをしたグループはアンパックをしていないグループと比 較して、自己の貢献の度合いが有意に低下したことが確認されたが、失敗のフィードバ ックを与えたときのアンパック効果の影響の検証した結果、アンパックをしたグループ はアンパックをしていないグループと比較して、自己の責任の度合いに有意な差は認め られなかった。
まず、平均値として有意差が認められた成功のフィードバックの結果を表5.1ならび に図5.1に示す。まず、それぞれの自己の貢献の度合いは、アンパックをしていないグ
ループが35.5%であり、アンパックをしたグループが28.0%であった。お互いのグルー
プの平均値の差についての検定では有意傾向が認められた(t(20)=1.3536, p<.10, d=7.5)。
表 5.1 からも見て取れるようにアンパックをしたグループはアンパックしていないグ ループと比較して、有意に分散の値が変化していることが確認できる(F=3.0644, p<.05)。 また、図5.1の分布を見ても分かるとおり、アンパックをしたグループの自己の貢献の 申告の分布は、アンパックをしていないグループの自己の貢献の申告の分布と比較して 減少する方向に推移していることがわかる。
次に平均値として有意差が認められなかった失敗のフィードバックの結果を表5.1な らびに図5.2に示す。まず、それぞれの自己の責任の度合いは、アンパックをしていな いグループが40.5%であり、アンパックをしたグループが45.5%であった。お互いのグ ループの平均値の差についての検定では有意傾向が認められなかった(t(20)=0.76132, N.A.)。表5.2 からも見て取れるように、成功のフィードバックを与えたときと異なり、
アンパックをしたグループはアンパックしていないグループと比較して、分散において も有意な差は見られない(F= 1.15799, N.A.)。図5.2の分布を見ても分かるとおり、ア ンパックをしたグループの自己の責任の申告の分布と、アンパックをしていないグルー プの自己の責任の申告の分布はほぼ同様の形状の分布となっている。
よって、成功に関するフィードバックを与えたときの仮説1は支持され、失敗に関す るフィードバックを与えたときの仮説2は支持されなかった。
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表5.1 成功と失敗における貢献と責任のアンパックの効果
パック アンパック 有意差 平均値 分散 平均値 分散
成功 35.5 462.9 28.0 151.1 t(20)=1.3536, p<.10, d=7.5
失敗 40.5 462.9 45.5 399.7 t(20)=0.76132, N.A.
図5.1 成功における自己の貢献の申告の分布
図5.2失敗における自己の責任の申告の分布
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 パック条件 アンパック条件
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
パック条件 アンパック条件
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5.2アンパックが「自己評価による貢献」と「外部評価による貢献」の差に与える影響
次に仮説3および4の検証を行うため、問1で調査した自己の貢献の度合い、つまり
「自己評価による貢献」と、問3で調査した他者が感じるその人の貢献の度合い、つま り「外部評価による貢献」との間の差を検証した。その結果、成功のフィードバックを 与えたときは、アンパックをしたグループはアンパックをしていないグループと比較し て、自己と外部の差は有意に低下したことが確認された。しかし失敗のフィードバック を与えたときは5.1と同様に、アンパックをしたグループとアンパックをしていないグ ループとの間に、自己と外部の差において有意な差は見られなかった。
成功のフィードバックを与えたとき、問1で調査した自己の貢献の度合い、つまり「自 己評価による貢献」と、問3で調査した他者が感じるその人の貢献の度合い、つまり「外 部評価による貢献」との間の差を検証した結果、アンパックをしたグループはアンパッ クをしていないグループと比較して、自己と外部の差は有意に低下したことが確認され た。その結果を表5.2ならびに図5.3に示す。まず、自己評価と外部評価の貢献の差は、
アンパックをしていないグループが 16.2%であり、アンパックをしたグループが 9.2%
であった。お互いのグループの平均値の差についての検定では有意差があることが認め られた(t(20)=1.8837, p<.05, d=7.0)。自己評価と外部評価の貢献の差は自己評価から他 者評価を引くことで、その値に対し絶対値を取ることで評価している。つまり、お互い が自身と他者の貢献を正しく評価できていればその差は0に近づいていくこととなる。
図5.3を見ても分かるとおり、アンパックをしたグループの自己評価と外部評価の貢献 の差の分布は、アンパックをしていないグループの自己評価と外部評価の貢献の差の分 布と比較して、0に近づいていることが分かる。
しかし、失敗のフィードバックを与えたとき、問 1で調査した自己の貢献の度合い、
つまり「自己評価による貢献」と、問3で調査した他者が感じるその人の貢献の度合い、
つまり「外部評価による貢献」との間の差を検証した結果、アンパックをしたグループ とアンパックをしていないグループとの間に、自己と外部の差において有意な差は見ら れなかった。その結果を表5.2ならびに図5.4に示す。まず、自己評価と外部評価の責 任の差は、アンパックをしていないグループが22.4%であり、アンパックをしたグルー
プが27.3%であった。お互いのグループの平均値の差についての検定でも2つのグルー
プの間に有意差は認められなかった(t(20)=0.70634, N.A.)。自己評価と外部評価の責任 の差は貢献の場合と同様に自己評価から他者評価を引くことで、その値に対し絶対値を 取ることで評価している。つまり、お互いが自身と他者の貢献を正しく評価できていれ ばその差は0に近づいていくこととなる。図5.4を見ても分かるとおり、アンパックを したグループの自己評価と外部評価の貢献の差の分布と、アンパックをしていないグル ープの自己評価と外部評価の貢献の差の分布はほぼ同様の形状の分布となっている。
よって5.1と同様に、成功に関するフィードバックを与えたときの仮説3は支持され、
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失敗に関するフィードバックを与えたときの仮説4は支持されなかった。
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表5.2 成功と失敗のフィードバック下でのアンパックによる
「自己評価による貢献」と「外部評価による貢献」の差
パック アンパック 有意差 平均値 分散 平均値 分散
成功 16.2 185.4 9.2 90.8 t(20)=1.8837, p<.05, d=7.0
失敗 22.4 520.1 27.3 448.9 t(20)=0.70634, N.A.
図5.3成功のフィードバック下でのアンパックによる「自己評価による貢献」と
「外部評価による貢献」の差の分布
図5.4失敗のフィードバック下でのアンパックによる「自己評価による責任」と
「外部評価による責任」の差の分布
0 2 4 6 8 10 12 14
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
パック条件 アンパック条件
0 2 4 6 8 10 12 14
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
パック条件 アンパック条件
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