3 調査結果
3.13 経済性分析
本プロジェクトは、2つのフェーズに分けて実施される。其々に掛かる初期投資額を表3-9 及び表3-10に、その他投資分析に使用された仮定値を表3-27示す。第2フェーズについては、
7基導入するケース用に試算し直す必要があるが、新たな見積額は、第1フェーズに導入され た3基がテスト運転を開始してから提示されるため、現在情報入手が可能であるか現地カウン ターパートと確認中である。また、当該プロジェクトにおける収入の算出のベースとなる風力
発電所による発電予測値は7基で試算されているため、本仮調査報告書では1基あたりの単純 平均風力発電量を用いて6基からの発電量に調整した数値を元に、経済性分析を行った。第2 回現地調査にて、新たなコスト情報が入手できれば、経済性分析結果を更新する。
表 3-9:第1フェーズに必要な初期投資額 表 3-10:第2フェーズに必要な初期投資額 米ドル
風力発電所
風力機器(3基) 7,500,000 土木工事 1,250,000
臨時費 450,000
エンジニアリング、開
発監督・管理 800,000
小計 10,000,000
年間O&Mコスト 272,000/年
整備費(overhaul)
(2021年)
(2023年)
500,000 1,000,000 送電線
送電線建設 5,000,000
総計 15,000,000
年間O&Mコスト 272,000/年
米ドル 風力発電所
風力機器(6基) 15,000,000 発電所の土木工事 2,500,000 エンジニアリング、開発監
督・管理 500,000
小計 18,000,000
年間O&Mコスト
(第1フェーズ操業基含む) 544,500/年 整備費(overhaul)
(2023年)
(2025年)
800,000 800,000
表 3-11:その他の仮定値
指標 仮定
風力発電機寿命(想定値) 15年
(機器自体は、最低20年の壽命を想定しているが、潮 風による腐食から15年程度に短縮される可能性を考慮)
CDMクレジット期間 14年
売電価格(CONELEC数値) 0.122米ドル/kWh
本調査で判明した結果に基き、再度投資分析を行った結果を表3-12にまとめた。第1フェー ズについては、本来政府による資金投入のみで実施される計画であったが、にも関わらず、予 算不足から計画が頓挫していることもあり、投資分析のガイダンス(Guidance on the Assessment of Investment Analysis, ver.02.1)に則って差額不足分を初期投資額と見立てた。昨年度の試算には、
当時検討されていた2010年度の予算案は考慮しなかったが、その後承認された追加予算を本年
度の調査にはで考慮している。また、プロジェクト開始10年後に重要な整備を施す必要があり、
2020年に500,000米ドル、2022年に1,000,000米ドルの支出が予定されている。CDMのクレジ
ット期間は、風力発電機の壽命寿命が潮風による腐食から15年程度に短縮される可能性を考慮 して、14年となっている。
表3-12の結果が示すとおり、本プロジェクトは公共事業であり事業収益性を期待するもの ではない。また、小規模 CDM に対しては、投資分析は必ずとも要されない。そのため、国 連へ提出したPDD案には、投資分析ではなく、小規模CDM案件にて求められている追加性 証明方法に従って立証した。
通常CDMにおける投資分析では、プロジェクトのCDM化を試みる決定をした際に用いた投 資分析について追加性を証明する。しかし、本プロジェクトの場合、第1 フェーズは本来、
政府資金で実施される予定であった案件が資金不足で頓挫しているためCDMを活用するこ とが検討された。したがって、不足資金に対して投資分析を行う必要がある。一方、第2 フ ェーズについては、まだ政府予算が組まれていないこともあり、当初からCDMを合わせて計 画実施を決断したと想定すると、PDDに記載する最も適切なケースは、表 3-12 の③となる。
しかし、政府予算が年度毎に決まるため、バリデーションを行う前に再度本プロジェクトに おける投資分析を行う必要がある。IRRは、IRR値が比較的高い第1フェーズのみのケースで もCERの収入なしでは 1.95%であり、通常のカウントリーリスクレートで投資には向かない とされているエクアドルのような国では低い数値である。しかし、CERによる収益(クレジ ット価格を1tCO2あたり15ドルと想定)を考慮するとIRRが6%近くなることが可能であるこ とが分かった。
表 3-12:風力発電投資分析
第1フェーズのみ対象
②第2フェーズのみ対象
③第1、第2フェーズ対象