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素線切れ数

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第3章 昇降機の定期検査データの実態

3.3.3 主索

3.3.3.2 素線切れ数

(1)検査の概要

・検査方法

基準階から加速終了位置又は減速開始位置から基準階の間にかごがある場合に主索が綱 車にかかる箇所、綱車による曲げ回数が多い箇所、傷のある箇所等を目視により確認し、

最も摩損の進んだ部分については重点的に目視により確認する。なお、「重点的に目視によ り確認する」とは素線切れの数を数えることをいう。

・判定基準

判定基準は、以下の 5 つに分類される。主索の素線切れの状況については、以下の 3~5 の項目について主索の劣化が進行した状態を判定した後、1,2 の素線切れの状況について判 定する。最も摩損した主索がない場合は(以下の判定基準のいずれにも該当しない場合)、

最も摩損した主索番号欄には「なし」と記載される。

検 査 結 果 表の区分

要重点点検の判定基準 要是正の判定基準 素線切れが平均的

に分布する場合

1 素線切れが平均的に分布す る場合は、1 よりピッチ内の 素線切れ総数が 6 より鋼索 にあっては 18 本、8 より鋼 索にあっては 24 本を超えて いること又は 1 構成より 1 ピッチ内の素線切れが 3 本 を超えていること。

素線切れが平均的に分布する 場合は、1 よりピッチ内の素線 切れ総数が 6 より鋼索にあっ ては 24 本、8 より鋼索にあっ ては 32 本を超えていること又 は 1 構成より 1 ピッチ内の素線 切れが 4 本を超えていること。

素線切れが特定の 部分に集中してい る場合

2 素線切れが特定の部分に集 中している場合は、1 よりピ ッチ内の素線切れ総数が 6 より鋼索にあっては 9 本、8 より鋼索にあっては 12 本を 超えていること又は 1 構成 より 1 ピッチ内の素線切れ が 7 本を超えていること。

素線切れが特定の部分に集中 している場合は、1 よりピッチ 内の素線切れ総数が 6 より鋼 索にあっては 12 本、8 より鋼 索にあっては 16 本を超えてい ること又は 1 構成より 1 ピッチ 内の素線切れが 9 本を超えて いること。

素線切れが生じた 部分の断面積の摩 損がない部分の断 面積に対する割合 が 70%以下である 場合

3 素線切れが生じた部分の断 面積の摩損がない部分の断 面積に対する割合が 70%以 下であること。

素線切れが生じた部分の断面 積の摩損がない部分の断面積 に対する割合が 70%以下であ る場合は、1 構成より 1 ピッチ 内の素線切れが 2 本を超えて いること。

谷部で素線切れが 生じている場合

4 - 素線の切断面が谷部に食い込

んだ状態では確認できないこ とから、素線の切断面が谷部か ら浮き上がっていつものや外 に飛び出しているものがない かどうかを確認し、これらが確 認された場合、要是正と判定す る

錆びた摩耗粉によ り谷部が赤錆色に 見える場合

5 - 当該の部分を「主索の錆び及び

錆びた摩耗粉の状況」の検査項

目で判定を行う。

第3章 昇降機の定期検査データの実態 3.3.3 主索

・素線切れが発生している場合の要是正および要重点点検値について

検査結果表では、「1 よりピッチ内の素線切れ数の総数」と「1 構成より 1 ピッチ内の素 線切れの最大値」の 2 種類の素線切れ数について記載を行う。前述の判定基準 1(素線切れ が平均的に分布する場合)と 2(素線切れが特定の部分に集中する場合)ではこの素線切れ 数の上限値がそれぞれ異なる。なお、1 よりピッチの長さは下図に示すとおりである。

図 3.3.3.11 1 よりピッチの長さ

出典:4)

素線切れ数の要是正および要重点点検基準値は 1 本の主索を構成するストランドの数に より、6 構成よりと 8 構成よりに大きく分けられている。8 構成よりとは外層ストランドが 8 つよることで構成されている 1 本の主索をいう。図 3.3.3.11 は 8 構成よりの主索の図で ある。

【用語の説明】(jis G 3525 より参照)

・素線(wire):ストランドを構成する鋼線

・ストランド(strand):複数の素線をより合せたロープの構成要素

・ロープのよりの長さ:ロープの外層ストランドが作るら旋のピッチ

第3章 昇降機の定期検査データの実態 3.3.3 主索

(2)検査結果表の区分別の台数内訳

本調査における検査結果表の区分別の昇降機台数の内訳は以下の通りであった。なお、

主索の径の状況と同様、ロープ種別が平形ロープである 4 台については当該検査項目の対 象外である。

1:25 台 2:23 台 3:0 台 4:0 台 5:3 台

最も摩損した主索なし:649 台

・素線切れが発生していたものは合計 48 台(上記 1+2)で 700 台の約 6.8%、錆びが発生 していた昇降機は 3 台で約 0.4%、約 93%にあたる 649 台は主索の摩損なし(素線切れ や錆びが発生していない)であった。

・素線切れが発生している 48 台の内、最も摩損した主索番号が前年度と同一のものが 32 台、異なるものが 6 台、前年度は素線切れが発生していなかったが今年度新たに素線切 れが発生したものが 10 台であった。

第3章 昇降機の定期検査データの実態 3.3.3 主索

(3)基準値に対する測定値の分布

①測定値と要是正値および要重点点検基準値の分布

次頁に測定値と要是正及び要重点点検値の分布を示す。図示にあたっては、検査結果表 の区分である素線切れが平均的に分布する場合と素線切れが特定の部分に集中する場合を 分けた。この区分により許容される素線切れ数が異なる。

【図の見方】

・図中の二点鎖線が 1 よりピッチ内の素線切れ数の要是正および要重点点検値、図中の点 線が 1 構成よりの要是正および要重点点検値を示す。

【分析結果】

・素線切れが平均的に分布する場合、特定の部分に集中する場合のいずれにおいても、1 よ りピッチ内の素線切れ数が 1~4、1 構成よりの素線切れ数が 1~2 の範囲内に主に点がプ ロットされる。

・平均的に分布する場合では 1 構成よりの素線切れ数がクリティカルである。

・特定の部分に集中する場合では、平均的に分布する場合に比べて、1 構成よりの基準値の 上限があがり 1 よりピッチ内の基準値の上限値が下がるため、1 よりピッチ内の素線切れ 数がクリティカルとなる。

・図 3.3.12,13 に図示した標本は全て指摘なしであった。なお、特定の部分に集中する場 合で、6 よりの要重点点検値(1 よりピッチ内の素線切れ数 9 本以上)を超えているもの があるが、検査結果として要重点点検の指摘は受けていなかった。つまり、当該主索は 8 構成よりの主索であったと考えられる注 10)

注 10)報告書類では 6 構成より 8 構成よりの区別の記載はされない。

第3章 昇降機の定期検査データの実態 3.3.3 主索

・素線切れが平均的に分布する場合

図 3.3.3.12 素線切れ数の分布と要是正値および要重点点検値(N=25)

・素線切れが特定の部分に集中する場合

図 3.3.3.13 素線切れ数の分布と要是正値および要重点点検値(N=23)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34

1 構成より 1 より ピッチ内の 素線切れ 数( 本)

1よりピッチ内の素線切れ総数(本)

▼要是正(6・8構成共通)1構成5本以上

▲要重点点検(6・8構成共通)1構成4本以上

▼要重点点検(構成)1よりピッチ内19本以上 ▼要是正(6構成)・要重点点検(8より)1よりピッチ内25本以上 ▼要是正(8構成)1よりピッチ内33本以上

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34

1 構成より 1 より ピッチ内の素 線切れ数( 本)

1よりピッチ内の素線切れ総数(本)

▼要是正(6・8構成共通)1構成10本以上

▲要重点点検(6・8構成共通)1構成8本以上

▼要重点点検(6構成)1よりピッチ内9本以上 ▼要是正(6構成)・要重点点検(8より)1よりピッチ内12本以上 ▼要是正(8構成)1よりピッチ内16本以上

第3章 昇降機の定期検査データの実態 3.3.3 主索

②測定値と要是正値及び要重点点検値

図に素線切れ数別の台数の分布を示す。図示にあたっては、素線切れが平均的に分布す る場合と、特定の部分に集中する場合を分けた。

・素線切れが平均的に分布する場合

上図は 1 よりピッチ内、下図は 1 構成より 1 ピッチ内を示す。

図 3.3.3.14 1 よりピッチ内の素線切れ数と昇降機台数(N=25)

図 3.3.3.15 1 構成より 1 ピッチ内の素線切れ数と昇降機台数(N=25)

0 5 10 15 20 25

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34

昇 降 機 台数( 台)

1よりピッチ内の素線切れ数(本)

▼要是正(

6

より)要重点点検(

8

より)

25

本以上

▼要重点点検(

6

より)

19

本以上 ▼要是正(

8

より)

33

本以上

平均約2.56本/1よりピッチ

0 5 10 15 20 25

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34

昇降 機台 数 (台 )

1構成より1ピッチ内の最大の素線切れ数(本)

▲ 要是正(

6

より・

8

より共通 )

5

本以上

▼要 重点点検 (

6

より・

8

より共通)

4

本以 上

平均約

1.2

/1

構成より

1

ピッチ

第3章 昇降機の定期検査データの実態 3.3.3 主索

・素線切れが特定の部分に集中する場合

上図は 1 よりピッチ内、下図は 1 構成より 1 ピッチ内を示す。

図 3.3.3.16 1 よりピッチ内の素線切れ数と昇降機台数(N=23)

図 3.3.3.17 1 構成より 1 ピッチ内の素線切れ数と昇降機台数(N=23)

【分析結果】

・6 構成より 8 構成よりの別は報告書類には記載されないため、ここではその別を考慮でき ないが、測定値と要是正値の差の最小は、図 3.3.3.14 では 12 本、図 3.3.3.15 では 2 本、

図 3.3.3.16 では 5 本注 11)、図 3.3.3.17 では 4 本であり、図 3.3.3.15 の素線切れが平均 的に分布する場合の 1 構成よりの検査結果が最もクリティカルであった。

・素線切れ数の平均は、素線切れが平均的に発生する場合で、2.56 本/1 より、1.2 本/1 構 成より、特定の部分に集中する場合で 2.7 本/1 より、1.6 本/1 構成よりであった。

注 11)図 3.3.3.16 で素線切れ数が 11 本/1 よりのものは前述にて 8 構成よりと判断できるため、その場合 のみ 8 構成よりの要是正値を考慮した。

0 5 10 15 20 25

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34

昇 降 機 台数( 台)

1よりピッチ内の素線切れ数(本)

▼要重点点検(

6

より )

10

本以上 ▼ 要是正(

6

より)要 重点点検(

8

より)

13

本以上 ▼要是正(

8

より)

17

本以上

平均約2.7本

/1よりピッチ

0 5 10 15 20 25

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34

昇 降 機台 数( 台)

1構成より1ピッチ内の最大の素線切れ数(本)

▼ 要是正 (

6

より及び

8

より共通)

10

本以上

▼ 要重点点検 (

6

より及び

8

より 共通 )

8

本以上

平均約1.6本/1構成より1ピッチ

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