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第7章 設計・開発

2) 納品管理

※解説なし

10.検査・納品管理 1) 納品検査

「第3編第6章7.検収」参照。

2) 納品管理

PJMOは、各納品物を適切に管理し、所在を明確にしておくものとする。

第3編第7章-P82

別紙7-1 EVM推移グラフに基づくプロジェクト状況の判断方法 1 EVM推移グラフ概要

EVM推移グラフは、出来高計画値(PV)に対し、出来高実績値(EV)及 び投入実績値(AC)の差から、投与している工数及びスケジュールの前倒し、

遅延を評価するものである。

すなわち、分析時点の出来高計画値(PV)と出来高実績値(EV)の差から 出来高(成果)の進み又は遅れを評価し、出来高の着地予測である完了予測時点 と計画完了時点の差から、完了時期の進み又は遅れを評価する。さらに、投入実 績値(AC)と出来高実績値(EV)の差から投入工数の過剰又は効率化を評価 し、投入工数の着地予想である予測総工数(EAC)と出来高実績値(EV)の 累計値の差から完成時の工数の過剰又は効率化を評価する。

コスト実績 AC(Actual Cost)

出来高 EV(Earned Value)

作業計画値 PV(Planned Value)

完成時のコスト差異

(VAC)

最終予想コスト(EAC)

当初総予算(BAC)

現時点 計画完了時点 時間

コスト

コスト曲線

プロダクト曲線

完成時の時間差異

現在のコスト差異

現時点のスケジュール遅れ 完成時の予測コスト

計画時完了コスト

完了予測時点

第3編第7章-P83

2 プロジェクト状況の判断方法

グラフの形状に従って、プロジェクト状況をどのように判断すべきかについて 説明する。なお、実績値について誤った把握をしていたり、虚偽の報告が行われ ていたりする場合もあるため、グラフの形状に基づいてプロジェクトの状況を判 断する場合には、実際の成果物を確認したり、現場の状況についてヒアリングを 行ったりする必要がある。

(1)計画どおりであることを示しているケース

次のグラフに示すように、出来高計画値(PV)に対し、出来高実績値(EV)

及び投入実績値(AC)がほぼ一致している場合は、プロジェクトが計画どおり であると判断できる。

第3編第7章-P84

(2)工数超過、スケジュール遅延を示しているケース

次のグラフに示すように、出来高計画値(PV)に対し、出来高実績値(EV)

は低下し、投入実績値(AC)が超過している場合は、工数の超過、スケジュー ル遅延が発生していると判断できる。

グラフが上記のような傾向を示す場合、次の理由が考えられる。

・計画時の作業内容やその工数の見積りに誤りがあり、想定以上に困難な状況 に直面している

・現場の作業において、何らかの理由により多くの手戻りが発生している

・作業の難易度に比して、作業者のスキルが低い

工数見積りに誤りがあり、成果物作成等により多くの工数がかかる場合にこの ようなグラフとなるが、その場合は、出来高計画値(PV)の見直しを行う等に より、作業計画を見直すほか、体制強化(追加工数の手配)等を行うことが必要 となる。

想定よりも手戻り等が多発し、作業効率が低下している場合にもこのようなグ ラフとなるが、その場合は、品質向上施策やモチベーション向上施策などを図り、

作業効率向上を図ることが必要となる。

作業の難易度に比して、作業者のスキルが低い場合は、要員の交代や体制の強 化などの体制立て直し策が必要となる。

第3編第7章-P85

(3)工数超過、スケジュール前倒しを示しているケース

次のグラフに示すように、出来高計画値(PV)に対し、出来高実績値(EV)

も投入実績値(AC)も超過している場合は、工数が超過している一方、スケジ ュールが前倒しになっていると判断できる。

グラフが上記のような傾向を示す場合、次の理由が考えられる。

・手順等が良好で、作業を前倒しで行っている

(著しい場合は、計画段階で予備を持ち過ぎている可能性がある。)

・手順を省略している又は忘れている

・出来高実績値の計上方法等、進捗率の測定方法に誤りがある

作業を前倒ししている場合は、マイルストーンとの整合性(他のプロジェクト との調整が必要な箇所)等を確認し、手戻りの防止等に努めるようにする。

作業要素が漏れており、必要な作業が実施されないままに進んでいる場合は、

作業手順の検証を行うとともに、必要に応じて過去の作業についても品質の確認 を行うことが必要である。あわせて、今後の作業手順についても見直しの必要性 について検証を行う。

進捗率の測定に誤りがある場合は、実績について検証を行うとともに、進捗率 の測定方法についてルールの徹底を図ることも必要である。

第3編第7章-P86

(4)工数が計画内でスケジュール遅延を示しているケース

次のグラフに示すように、出来高計画値(PV)に対し、出来高実績値(EV)

も投入実績値(AC)も下回っている場合は、工数が計画どおりに投入できてお らず、スケジュールが遅延していると判断できる。

グラフが上記のような傾向を示す場合、次の理由が考えられる。

・作業順序や段取りなどの作業手順の設定に不具合がある

・人の手配ができていない、所要のスキルを持った人員を必要量確保できてい ない

作業順序の設定等に誤りがある場合は、作業手順の詳細化ができていない可能 性があるため、プロジェクトのスケジュールについて週次レベルまで詳細化を行 う等、作業を明確化するとともに、それぞれの作業についてインプット、アウト プットを明確化する、作業の前後関係について整理すること等が必要である。そ の際、マイルストーン等との整合性についても確保するよう留意が必要である。

人の手配ができていない場合は、作業手順に従った要員が適切に確保できるよ う、体制強化や人員計画の見直しを求めること等が必要である。

第3編第7章-P87

(5)工数が計画内でスケジュールの前倒しを示しているケース

次のグラフに示すように、出来高計画値(PV)に対し、出来高実績値(EV)

は超過し、投入実績値(AC)は下回ってしている場合は、工数が計画どおりに 投入できていないにもかかわらず、スケジュールが前倒しになっていると判断で きる。

グラフが上記のような傾向を示す場合、次の理由が考えられる。

・作業効率が良い

・出来高実績値の計上方法や進捗測定の方法に誤りがある

・作業量・作業難易度の見積りについて誤りがある

作業効率が良く、作業を前倒しに行うことができる場合は、マイルストーンと の整合性を考慮した上で、作業を進めるとともに、手戻りの防止などに努めるよ うにする。

出来高実績値の計上方法や進捗測定方法に誤りがある場合や計上すべき投入実 績について計上し忘れている場合は、実績について検証を行うとともに、測定方 法についてルールの徹底を図ることも必要である。

作業量や作業難易度の見積りについて誤りがある場合についても、マイルスト ーンとの整合性を考慮した上で、作業を進めるとともに、手戻りの防止などに努 めるようにする。

第3編第7章-P88

別紙7-2 進捗状況分析図に基づくプロジェクト状況の判断方法

1 SPIが一様に改善している場合

次に示すとおり、工数効率指数(CPI)及びスケジュール効率指数(SPI)

が低下した後、その後CPIは一定のまま、SPIが一様に改善している場合が ある。

作業の進捗遅れを回復しようとするのであれば、工数の投入などによる回復が 多いところであるが、工数を投入することにより、工数効率指数の悪化が想定さ れるところである。しかしながら、本グラフにおいては工数効率の悪化が見て取 れないことから、行われるべき作業が省略されている場合や確保されるべき品質 を担保しないまま放置されている可能性が高い。よって、このような状況が確認 された場合は、作業内容を確認し、仮に必要作業が実施されていないことが明ら かになった場合は、当該作業の省略が後工程に与える影響等を踏まえ、追加作業 等を求めることが必要である。また、生産性の高い要員への交替を行い、CPI とSPIの双方を高めることも検討する。

SPI CPI

【状況】・SPIが一様に改善傾向

【推察される実態】

・生産性の高い要員への代替

(この場合は、CPIは改善される)

・要員の交代がない場合、作業の省略

【対策】

・体制の確認

・作業内容の確認

第3編第7章-P89

2 SPIが改善しているがCPIが悪化している場合

次に示すとおり、工数効率指数(CPI)及びスケジュール効率指数(SPI)

が低下した後、その後SPIが改善しつつもCPIは悪化している場合がある。

スケジュールの遅延を回復するため、増員を行うことにより工数効率は悪化す る。一方で、増員を行うことにより引継ぎやルールの不徹底が懸念されるととも に、進捗優先で設計書等の未整備等が発生していたり、管理要領の不徹底による 品質悪化が発生していたりする場合がある。よって、このような状況が確認され た場合は、業務遂行体制及び作業内容を確認し、作業や品質の管理体制の強化を 行うように求めることが必要である。

SPI CPI

【状況】・SPIが改善傾向にあるものの、CPIは悪化傾向

【推察される実態】

・増員による進捗の改善

・製造優先による品質悪化、設計書の未整備

・大幅な増員による管理要領の不徹底

【対策】

・体制の確認

・管理体制の強化

・品質管理策の徹底

第3編第7章-P90

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