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第 4 章 提案手法の評価と考察 47

4.6 精度および処理時間における HiFP2.0 との比較と評価

4.6 精度および処理時間における HiFP2.0 との比較と

図 4.13: HiFP2.0アルゴリズムのFPGA上でサンプル抽出を行うFPGA実装およ び提案手法の実行時間

実験結果としては,30秒の楽曲データに対して提案手法の実装では,同実装の

HiFP2.0の処理時間と比べて処理時間は2.069倍となることが分かった.

4.6.1.1 評価と考察

また,提案手法の実装では,同実装のHiFP2.0の処理時間と比べて処理時間は

2.069倍となる.この実験では30秒の楽曲データを使用しているが,この提案手

法では最大4分程度の楽曲データを想定している.write timeが処理時間全体の大 部分を占める本実装においては書き込みサンプル量が実行時間に大きく影響する ため,HiFP2.0実装の処理時間とHiFP2.1実装の処理時間での比は最大約16倍に なると考えられる.

HiFP2.0はFPIDの生成時間の高速性を特徴としたFPID生成アルゴリズムであ

るため,処理時間の悪化は避けたい事象である.

今後,楽曲データ全体に対するサンプル抽出範囲の増加率と検索精度の関係性 を調査し,ある一定の増加率以上では検索精度に高止まりの傾向が見られる場合 などに,サンプル抽出範囲を限定する機能を加えることで,FPID生成時間を抑え ることが出来るのではないかと考える.

4.6.2 HiFP2.0 と比較した FPID による検索精度の評価

インターネット上での楽曲転送などの用途においてはファイルのデータ量が重 要となってくるため各種圧縮フォーマットが使用されるが,それにより楽曲に劣 化が生じることになる.そこで,各種圧縮フォーマットへの変換による音質の劣 化が起こっても楽曲を正しく識別できるロバスト性が必要となってくる.よって,

この実験では,提案手法において各種圧縮フォーマットにおける楽曲の識別性能 について,HiFP2.0と比較し検証を行う.

今回,閾値としては用いる全ての変換フォーマットにおいて最も音質が劣化す ると考えられるものであり,前述したMP3 ABR8kbpsの正規分布を用いて設定す る.その値は41.1587とする.

この実験結果は,グラフ4.15およびグラフ4.15の通りになった.

実験結果としては,偽陰性の検索失敗は楽曲データの音質が大きく劣化した場

合のHiFP2.0のみで発生し,偽陽性の検索失敗はHiFP2.0に比べ提案手法の方が

大きく改善した.

図 4.14: HiFP2.0アルゴリズムのFPGA上でサンプル抽出を行うFPGA 実装および提案手法の偽陰性の検索失敗数のグラフ

図 4.15: HiFP2.0アルゴリズムのFPGA上でサンプル抽出を行うFPGA 実装および提案手法の偽陽性の検索失敗数のグラフ

4.6.2.1 評価と考察

偽陰性の検索失敗では,HiFP2.0および提案手法において殆どの変換形式にお いて0となったが,HiFP2.0ではこの実験において最も音質が劣化しているmp3-8 の場合のみ偽陰性の失敗が発生した.

また,偽陽性の失敗においては,どの変換形式においてもHiFP2.0に比べて提 案手法の方が大きく失敗数が減少している.その減少はmp3-8の場合で最も大き く,HiFP2.0に比べ提案手法はその0.000175倍となっている.

よって,検索精度においては提案手法によってHiFP2.0から大幅な改善が達成 されたと言える.