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第97回全国高校野球選手権大会視察研修報告書

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(9)四球後、捕手からタイムを要求されてもタイムをかけず、打者が1塁到達前に投手へ 向かわせていた。球審は、本塁とマウンドの中間付近で目視しながら、約10秒程度で声を かけ守備位置へ戻るように促していた。その時も全力でポジションに戻り試合を再開でき る体勢をとっていた。(捕手がしゃがまない場合、軽く肩を叩いて促していた。)

→秋田県大会でも各審判員は、選手へ声かけを実施し、テンポアップを心がけている。

 本大会では、球審及び守備側の塁審がベンチのほぼ前まできて声をかけていた。今ま で、球審であればファウルラインから少しベンチ寄りに、塁審であればコーチスボックス からベンチ寄りに至り、選手に声をかけていた。各審判員を見て、もっとベンチに近寄り 声かけをしたほうが効果的で、さらに選手も自覚すると感じ、テンポアップの要因の一つ にもなるのだと改めて思った。

 試合をテンポよく進めていくために、審判員の声、動きも一つの要因となり選手に無駄 なことをさせないことも必要である。一つのプレイも、選手に声をかけ守備位置に戻し、

打者席に入るように促すこともテンポアップにつながっていくことを直に見ることがで き、今後の試合に活かしていきたい。

 秋田県大会で球審を担当したが、何も考えず要求されたとおりタイムを宣告し、無駄に 時間を要してしまった。ベンチからのタイム要求と違い、1人タイムは時間を要すること はなく、簡略させても構わないと思うのでもっと取組む必要があると感じた。

2.攻守交替の時間経過

 視察した試合は、得点数が多く2時間を超える試合が多かった。

 1回、校歌が流れる2回(校歌が終了する間際に準備投球を終了し、試合を開始する態 勢となる。)とボール回しなしとした場合を除き、攻守交替時間を計測した。

最 短 時 間   72秒 最 長 時 間   95秒 1 試 合 平 均   86秒 秋 田 商 業 戦 平均80秒

※計測方法は、第3アウトから球審のプレイをかけるまでとした。

 攻守交替は、球審及び塁審が守備側に声をかけ守備位置へ向かうよう促している。手袋 及びグラブを着装し守備位置へ向かうため、時間を要しているように感じた。また、打撃 終了直後や走者であった場合、控選手が道具と飲料水を持参しているため、着装と給水で 時間を要している部分もある。さらに、最終打者が投手であったため、準備投球時間を少 し長めに取った場合もあった。(天候は快晴で、高温状態であったもの。)

→高温状態では、脱水症状になりやすく試合中に足が痙攣し立てなくなる選手がいた。最 終打者や走者であった選手には、考慮しながら様子を確認し給水後に守備位置へいくよう 促していた。

 選手に配慮しながら試合を進めていくのは大変であるが、甲子園に立つ審判員はかなり

苦労しているように見える。地方大会でも、試合を開始できるように配慮が必要となるが

だれたりしないように指導することも必要で、自らも機敏に動くようにしたいと感じた。

3.メカニクスについて

(1)無走者内野への打球に対し、一塁審は判定する位置へ速やかに入り、送球と同時にハ ンズ・オン・ニーズ・セットをとり確保を確認後コールしている。

(2)プレイを待ち構える姿勢は、しっかり止まってハンズ・オン・ニーズ・セットをとり 確保を確認し、大きなジェスチャーでコールしている。

(3)走者ありの場合、審判員相互のサインを速やかに交換し、スムーズに連携できるよう にしている。

(4)打球から目を切ることなく、次のプレイを予測し判定できる位置に進む。担当審判員 へ引継ぎをし、全力疾走で戻っている。

(5)ダブルプレイにおけるピボットマンからのプレイは、ボールを捕球する位置へ動き送 球動作に移ったときコールし、上肢を長めに挙げ送球終了後転送された塁の方向を見て いる。9日第3試合で、ピボットマンからの送球が一塁走者の頭部に直撃し、一塁走者 が倒れこんだ。直後、二塁審はタイムをかけ走者を確認後、担架を呼ぶジェスチャーを していた。その後の対応も、各審判員が役割を迅速に行っていた。

(6)走者二塁、三塁線のライナー飛球に対し三塁審が追い、ジャッジ後打球及び野手の動 きを注視しながらファウルゾーンへ大きく移動している。二塁審、一塁審はそれぞれス ライドしプレイに備えていた。

(7)二塁審が外野飛球を追った場合、三塁審は二塁ベース付近に到達できるスピードで走 り、野手、ボール、ベースが正面にくる状態をしっかりと作っていた。

(8)外野飛球を追った塁審は、しっかりと停止し捕球を確認している。ライナー性の打球 も目を切らず確実に停止し捕球する瞬間を見極め、「キャッチ」、「ノーキャッチ」を 大きく見せている。

(9)二分割の場合、飛球に対しすぐ飛び出すのではなく、状況を判断し対応している。例 えば、センターへの飛球の場合、一、三塁審は一瞬でお互いを確認し自分の打球である とアイコンタクトし打球を追う。歓声で声は聞きづらいと思うが、動き出した時点で片 方が下がり次のプレイに備えていた。

(10)打球を追う一歩目が早いように感じた。

(11)ランダウンプレイは、速やかに位置取りし動きすぎたりせず、タッグ間際に確認しポ イントしてコールしている。

→四人制メカニクスにおいて、ローテーションとスライドする場面は多々あるが、審判員 が確実に自分の正面に野手、ボール、ベースがくるように位置取りをしている。動きがス ムーズで、次のプレイを予測し対応できるようにしている。

 この当たり前のような状態を作るためには、素早い判断力が必要と思う。いつもこの辺 だなと思いながら対応していたが、よく「行くまで遅い」、「動いていない」といわれる のは、この「判断力がない」、「メカニクスを理解していない」と言われても仕方ないこ とと思う。

 基本の「静止して見る」というのは大事であり、動きながらの判定は時に誤ってしまう ものである。信頼に応えるために、どのようなプレイでも常にいい距離と角度を保ち、静 止して見る状態で判定することが大切であることを実感した。

判定について

(1)大きく見せるため、肘が肩よりやや上にあり勢いよく耳の後方から叩くような形をと

り、大きい声でコールをしている。

(2)三塁審は、フェアのジャッジを肩よりやや高めに出していた。(一塁審も同じ)

(3)判定後、直ぐ腕を下ろさず少し長めに上げている。その後、野手の動きを見ながら 戻っている。

(4)タッチアップのアピールプレイの場面では、プレイの状況を確認しアピールがあって 即当該審判員が判定している。例えば、捕手がボールを確保している場合、球審はホー ムベースを速やかに掃き終え注視し、塁審も捕手を注視している。三塁手がボールを要 求しアピールした場合、同時に三塁審が駆け寄り「セーフ」とコールした。

(5)四球後に捕手からのタイムを要求されても、球審は「タイム」を宣告せず打者が本一 塁中間付近へ向かったのを確認したかのように、捕手に投手へ向かってもよいと促し宣 告はしていない。本塁とマウンドの中間付近に位置し、投手、捕手及び走者を注視して いる。タイムを要求された場合、4人が同調するまで手を挙げていた。

(6)投球判定は、オン・ザ・ラバーからゲット・セットに入るまで、ほぼ同じ姿勢で途中 から崩れたりすることはなかった。例えば、中盤から後半にかけ疲労から頭の高低差や コールのリズムが崩れたりすると思ったが全くないと思えた。

(7)コールとジェスチャーに一体感があり、声も大きいため球場が盛り上がった。

(8)ダブルプレイ時、二塁審は「アウト」のコールは送球直後に出していた。腕は長めに 挙げている。

(9)盗塁時の判定は、野手がタッグ後ボールを確実に確保しているのを確認し「アウト」

を宣告している。捕手からの送球線を見極め振り返ると同時にハンズ・オン・ニーズ・

セットとなり、タッグ後ボールを確保しているのを確認しコールしている。

(10)守備のタイムをカウントするとき、守備側の塁審へカウントし続いてベンチ、控所に カウントしている。

→全ての審判員の判定を見ると、姿勢が正しく大きなジェスチャーと声でジャッジしてい る。送球がそれたりしても、次のプレイに対応できる位置をとり、打球がきた場合も素早 く移動している。

 本塁のタッグプレイで、球審は見やすい方向へ移動し確認している。塁審も打球を後逸 したり、進塁する場合も必ず見届けるようにして次のプレイに備えるように速やかに動き 出すところは、余裕を持っている。

 

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