• x=aにおけるn次までのテイラー展開は、nを固定してxをaに近づけるときの近似だが、x を固定してn! 1とすると元の函数に収束する場合がある:
ex = X1 n=0
xn
n! = 1 +x+x2 2 + x3
3! +· · ·+xn n! +· · · cosx=
X1 n=0
( 1)n x2n
(2n)! = 1 x2 2! +x4
4!
x6
6! +· · ·+ ( 1)n x2n (2n)! +· · · sinx=
X1 n=0
( 1)n x2n+1
(2n+ 1)! =x x3 3! + x5
5!
x7
7! +· · ·+ ( 1)n x2n+1
(2n+ 1)! +· · · 1
1 x = X1 n=0
xn= 1 +x+x2+x3+· · · (|x|<1) そのような函数を実解析函数という。
• 実解析函数はすべて何回でも微分可能であるが、何回でも微分可能であるのに実解析的でない函 数も存在する。
• 任意の複素数zに対して ez =
X1 n=0
zn
n! = 1 +z+z2 2 + z3
3! +· · ·+zn n! +· · ·
と定義する。すると複素数の範囲でも指数法則ez+w =ezew が成り立つ。また任意の実数✓に 対して
ei✓ = cos✓+isin✓ であることが証明出来る。(Eulerの公式)
• Eulerの公式を用いて
cosx= eix+e ix 2 sinx= eix e ix
2i
が示せる。これを用いると三角函数の計算はすべて指数函数の計算に帰着する。
7 2変数函数とそのグラフ
7.1 1変数の世界と2変数の世界の比較
1変数の世界 2変数の世界
一般の函数 変数x の函数f(x) 変数x, y の函数f(x, y) そのグラフ xy 平面上の曲線y =f(x) xyz 空間内の曲面z=f(x, y)
1次函数 f(x) =ax+b f(x, y) =ax+by+c
そのグラフ xy 平面上の直線y =ax+b xyz 空間内の平面z=ax+by+c
7.2 2変数の2次函数
7.2.1 2変数2次函数の例f(x, y) =x2+y2 2変数函数の例としてまず、
f(x, y) =x2+y2 (44)
について考えよう。2変数函数を表す記号は初めてかもしれないが、1変数の時に例えばf(x) =x2 の 時の、例えばf( 1)とは、x2 のx に 1を代入したもの、即ち、
f( 1) = ( 1)2= 1
のことだったのと同様、例えばf(x, y) =x2+y2 の時の、例えばf( 1,3)とは、x2+y2 のx に 1 を代入し、y に3を代入したもの、即ち
f( 1,3) = ( 1)2+ 32= 10 のことである。
7.2.2 グラフの等高線と見取り図
1変数函数f(x) = x2を視覚化するためにxy 平面上の曲線y =x2を考えたように、2変数函数 f(x, y) =x2+y2を視覚化するためにxyz空間内の図形z =x2+y2を考える。つまりxyz空間上 の点であってz=x2+y2を満たすような点全体のなす集合を考える。これを函数f(x, y) =x2+y2 のグラフという。z=x2+y2 がxyz 空間の中でどんな図形になっているかを見よう。まず、xyz 空 間内の点でy = 0 を満たす点の全体がちょうどxz 平面になっていることは、周知であろう。従って、
z=x2+y2かつy= 0 を満たす点の全体を考えれば、これがちょうどz=x2+y2のxz 平面による 切り口になっているはずである。
「z=x2+y2かつy= 0」()「z=x2かつy= 0」
であるので、これは、xz 平面上の放物線z=x2 である。同様にして、z=x2+y2 のyz 平面による 切り口はyz 平面上の放物線z=y2 になっていることもわかる:
!2 !1 1 2 x
!1 1 2 3 4 z
!2 !1 1 2 y
!1 1 2 3 4 z
一方、xyz空間の中でxy 平面に平行な平面z=k(kは定数)によるz=x2+y2の切り口は、z=k かつx2+y2=k を満たす点の全体なので、平面z=k上で
8>
<
>:
k <0の時は空集合 k= 0の時は原点(0,0)
k >0の時は原点(0,0)を中心とする半径p
kの円x2+y2=k となる:
!k k x
!k k y
kが色々な値を取る時の平面z=k による切り口(高さkの等高線)をひとつのxy 平面上に図示し たものが所謂「等高線図」である。
!2 !1 1 2 x
!2
!1 1 2 y
以上で曲面z =x2+y2 のイメージがつかめたであろうか。見取り図を描くと次のようになる。(回 転放物面)
-2 0 2 -2
0 2
0 5 10 15
-2 0
2
7.3 2変数の1次函数
7.3.1 2変数1次函数の例
2変数1次函数の例として
f(x, y) = 3
2x+ 2y (45)
のグラフ
z= 3 2x+ 2y について考えよう。
z=x2+y2のときと同様にxz 平面(即ち平面y = 0)による切り口を考えれば、z = 3
2x+ 2yに y= 0を代入してxz平面上の直線z= 3
2xを得る:
z!!3"2#x
x z
またyz平面(即ち平面x= 0)による切り口を考えれば、z= 3
2x+ 2yにx= 0を代入してyz平面 上の直線z= 2yを得る:
z!2y
y z
またxy平面に平行な平面z=kで切った切り口は、平面z=k上の直線 3
2x+ 2y=k
x y
となるのでkを色々に変えて得られる切り口をひとつのxy平面上に書いた
!3 !2 !1 1 2 3 x
!3
!2
!1 1 2 3 y
が図形z= 32x+ 2yの等高線図である。地図の見方がわかる人にはこれが「平らな坂」すなわち平面 であることがわかるはずである:
問 12. 2変数1次函数のグラフz = 3
2x+ 2y のうち0 x 2,0 y 1の部分の「原点から (1, 1,1)方向に十分遠くに離れた点(例えば(100, 100,100)のような点)から見た」見取り図を描
け。(「原点· · · 見た」の部分の意味がわからない人は、ともかく見取り図を描くこと。)
0 2 3 5
z
7.3.2 一般の2変数1次函数とそのグラフ
a, b, cが定数とするとき、2変数x, yの函数f(x, y) =ax+by+cを(2変数)1次函数と呼ぶ。前 節の例はa= 32, b= 2, c= 0のときにあたる。a, b, cが他の値であっても前節と同様の議論が出来る。
1次函数 f(x, y) = ax+by+c のグラフ z = ax+by+c の xz 平面 y = 0 による切り口は z=ax+by+cにy= 0を代入したz=ax+cである。これはxz平面上の傾きaの直線である:
z!a x"c
x z
z=ax+by+cのyz平面x= 0による切り口はz=ax+by+cにx= 0を代入したz=by+c である。これはyz平面上の傾きbの直線である:
z!b y"c
y z
z = ax+by+c の平面 z = k による切り口は xy 座標だけに着目するなら xy 平面上の直線 ax+by+c k= 0である。これが高さkの等高線である。これをひとつのxy平面上に色々なkの値 について図示すればz=ax+by+cの等高線図になるわけである。
k! "1 k!0
k!1 k!2
k!3
x y
7.3.3 与えられた点を通り与えられた傾きを持つ直線・平面の方程式
一般に1次函数f(x) =ax+bのグラフy=ax+bはy軸上の点(0, b)を通り傾きaの直線である。
同様に2変数1次函数f(x, y) =ax+by+cのグラフz=ax+by+cはz軸上の点(0,0, c)を通りx 方向の傾きがa、y方向の傾きがbの平面である。
点(↵, )を通り、傾きがaの直線の方程式はy=a(x ↵) +
点(↵, , )を通り、x方向の傾きがa
y方向の傾きがb の平面の方程式はz=a(x ↵) +b(y ) +
問 13. (1) 平面状の坂があり、東向きの傾きが0、北向きの傾きが1とするとき、北東向きの傾き
(即ち北東に向かって1進んだときどれだけ上がるか)を答えよ。
(2) 平面z=A+Bx+Cyの(cos✓,sin✓)方向の傾き((cos✓,sin✓)だけ進んだときどれだけ上が るか)を答えよ。