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財 政 計 画  

平成 20 年1月4日現在 

 

平成 19 年 12 月 30 日現在 

( 1 ) 日 本 経 済 の 動 向  

日 本 経 済 は 平 成 1 4 年 1 月 よ り 始 ま っ た 景 気 回 復 が 長 期 間 に わ た っ て 持 続 し て い る 。 平 成 1 9 年 1 2 月 の 月 例 経 済 報 告 に よ れ ば 、 サ ブ プ ラ イ ム 住 宅 ロ ー ン 問 題 を 背 景 と す る 金 融 資 本 市 場 の 変 動 な ど に 留 意 は 必 要 と す る が 、 個 人 消 費 は お お む ね 横 ば い で あ り 、 先 行 き に つ い て は 、 企 業 部 門 が 底 堅 く 推 移 し 、 景 気 回 復 が 続 く と 期 待 さ れ る と し て い る 。 政 府 経 済 見 通 し に よ る 国 内 総 生 産

( G D P ) に つ い て は 、 平 成 1 9 年 度 の 実 績 見 込 み は 、 実 質 1 . 3

% 増 、 名 目 で 0 . 8 % 増 、 平 成 2 0 年 度 は 実 質 2 . 0 % 増 、 名 目 で 2 . 1

% 増 と さ れ て い る 。    

( 2 ) 武 蔵 野 市 の 財 政 の 状 況 と 課 題  

長 引 く 景 気 低 迷 や 国 の 減 税 政 策 の も と で も 、 本 市 の 財 政 は 市 民 の 高 い 担 税 力 に 支 え ら れ 、 こ れ ま で 健 全 な 財 政 を 維 持 し て き た 。 財 政 力 を 判 断 す る 理 論 上 の 指 標 と さ れ る 財 政 力 指 数 も 平 成 1 9 年 度 に 1 . 6 5 0 ( 3 か 年 平 均 ) と な り 、 全 国 3 位 と な っ て い る 。

し か し 、 後 述 す る 三 位 一 体 の 改 革 に よ る 影 響 や 今 後 の 財 政 需 要 を 考 え る と 、 こ の 状 態 を 将 来 に わ た り 維 持 し て い く こ と は 大 変 厳 し い と 予 想 さ れ る 。  

本 市 の 歳 入 の 特 徴 は 、 市 税 収 入 が 全 体 の 約 6 割 を 占 め 、 そ の う ち の 約 5 割 が 個 人 市 民 税 で あ り 、 こ の 安 定 し た 財 源 が 健 全 な 財 政 運 営 を 可 能 と し て い る ( 図 表 1 ) 。 し か し な が ら 、 平 成 4 年 の 1 8 9 億 円 を ピ ー ク に 減 少 し て い た 個 人 市 民 税 は 、 税 制 改 正 の 影 響 も あ り 平 成 1 7 年 度 か ら 徐 々 に 回 復 の 兆 し を 見 せ て い る も の の 、 今 後 大 き な 伸 び は 期 待 で き な い 。 法 人 市 民 税 は 平 成 1 3 、 1 5 、 1 7 及 び 1 8 年 度 に 一 企 業 か ら の 臨 時 的 な 増 収 に よ り 好 転 し 、 特 に 平 成 1 3 年 度 は 市 税 全 体 の 収 入 が 4 0 0 億 円 を 超 え 、 こ れ ま で の 最 高 額 と な っ た 。 ま た 、 平 成 1 8 年 度 は 景 気 回 復 に よ る 影 響 が 法 人 市 民 税 で 見 ら れ た が 、 今 後 も 同 様 な 税 収 を 維 持 で き る か に つ い て は 、 楽 観 で き な い 状 況 に あ る ( 図 表 2 ) 。  

   

平成 19 年 12 月 30 日現在 

歳 出 に つ い て は 、 人 件 費 、 扶 助 費 、 公 債 費 の 三 費 目 を 合 わ せ た い わ ゆ る 義 務 的 経 費 が 、 平 成 1 8 年 度 決 算 で 2 0 9 億 円 と な り 、 1 0 年 前 の 平 成 8 年 度 決 算 と 比 較 す る と 2 . 4 % の マ イ ナ ス と な っ て い る 。 扶 助 費 は 徐 々 に 増 加 し て い る も の の 、 市 債 の 償 還 の ピ ー ク が 過 ぎ 、 公 債 費 が 減 少 し た こ と 及 び 、 人 件 費 が 減 少 し た こ と に よ る も の で あ る 。 人 件 費 は 、 職 員 定 数 適 正 化 計 画 に よ る 人 員 削 減 、 給 与 改 定 、 各 種 手 当 の 見 直 し 等 に よ り 減 少 し て い る が 、 平 成 1 9 年 度 か ら 2 2 年 度 に か け て ピ ー ク を 迎 え る 団 塊 世 代 の 退 職 者 の 増 加 が 、 退 職 金 の 増 加

 

措 置 費 の 伸 び が 落 ち 着 き を 見 せ て い る が 、 乳 幼 児 医 療 費 助 成 の 所 得 制 限 撤 廃 、 義 務 教 育 就 学 児 医 療 費 助 成 の 創 設 や 高 齢 者 人 口 の 増 加 が 今 後 の 増 加 の 要 因 に な る と 考 え ら れ る 。 そ の 他 の 経 常 的 な 経 費 と し て は 、 物 件 費 の 伸 び に も 注 意 す る 必 要 が あ る 。 物 件 費 は 平 成 1 8 年 度 に 1 1 5 億 円 と な り 、 1 0 年 間 で 1 0 . 7 % 増 加 し て い る 。 特 に 、 物 件 費 の 6 割 以 上 を 占 め る 委 託 料 の 伸 び は 1 0 年 間 で 2 2 . 9 % と 大 幅 な 増 と な っ て い る 。 委 託 料 の 増 加 は 、 人 件 費 を 抑 え る た め に 民 間 委 託 を 進 め た こ と が 要 因 の 一 つ で 、 や む を 得 な い 面 も あ る が 、 物 件 費 比 率 が

図 表 1   歳 入 の 推 移

0 100 200 300 400 500 600 700

4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 年 度 億 円

市 税 国 庫 支 出 金 都 支 出 金

繰 入 金 市 債 そ の 他

図 表 2   市 税 収 入 の 推 移

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 年 度 億 円

固 定 資 産 税 ・ 都 市 計 画 税

市 民 税 ( 個 人 ・ 法 人 ) そ の 他

平成 19 年 12 月 30 日現在 

り 、 そ の 抑 制 も 大 き な 課 題 の 一 つ で あ る ( 図 表 3 ) 。  

  基 金 に つ い て は 、 法 人 市 民 税 の 臨 時 的 な 収 入 等 を 着 実 に 積 立 て て き た 結 果 、 平 成 1 8 年 度 末 の 基 金 残 高 は 、 2 8 7 億 円 と な っ た 。 今 後 、 「 武 蔵 野 プ レ イ ス ( 仮 称 ) 」 建 設 事 業 な ど へ の 取 崩 し を 予 定 し て い る の で 、 一 定 の 減 少 が 予 想 さ れ る が 、 こ れ か ら の 市 有 施 設 の 更 新 等 の 行 政 需 要 を 勘 案 す れ ば 、 基 金 の 取 崩 し は 慎 重 に 計 画 す る 必 要 が あ る ( 図 表 4 ) 。  

平 成 1 8 年 度 末 の 市 債 ( 借 金 ) 残 高 は 、 一 般 会 計 2 6 0 億 円 、 下 水 道 事 業 会 計 3 2 億 円 、 土 地 開 発

公 社 1 1 2 億 円 で 、 合 計 4 0 4 億 円 と な っ て い る 。 土 地 開 発 公 社 の 借 入 金 は 計 画 的 な 償 還 に 努 め て い る が 、 今 後 も 必 要 な 土 地 の 先 行 取 得 が 予 定 さ れ て い る の で 、 大 幅 な 減 少 は 考 え に く い ( 図 表 5 ) 。  

財 政 構 造 の 弾 力 性 を 表 わ す 経 常 収 支 比 率 は 、 平 成 1 4 年 度 に 8 5 . 2 % ま で 増 加 し た が 、 法 人 市 民 税 の 臨 時 的 な 収 入 な ど に よ り 平 成 1 8 年 度 に は 7 5 . 9 % と な っ た 。 一 般 的 に は 7 0 〜 8 0 % が 適 正 水 準 と さ れ て お り 、 現 在 は 多 摩 2 6 市 中 最 も 低 い が 、 施 設 の 維 持 管 理 費 の 増 な ど に よ り 、 こ の 水 準 を 維 持 す る こ と が 難 し く な る こ と も 考 え ら れ る ( 図 表 6 ) 。  

図 表 3   歳 出 性 質 別 の 推 移

0 100 200 300 400 500 600 700

4 5 6 7 8 9 10 11 12 131415 16 17 18 年 度 億 円

人件費 扶助費 公債費

物件費 繰出金 その他

投資的経費

図 表 4   基 金 残 高 の 推 移

0 50 100 150 200 250 300 350

4 5 6 7 8 9 10 11 1213 141516 1718 年 度 億 円

財 政 調 整 基 金 公 共 施 設 整 備 基 金 学 校 施 設 整 備 基 金 吉 祥 寺 ま ち づ く り 基 金 公 園 緑 化 基 金 そ の 他 基 金

平成 19 年 12 月 30 日現在 

( 3 ) 武 蔵 野 市 の 財 政 見 通 し   平 成 1 9 年 度 上 半 期 ( 4 〜 9 月 ) の 国 の 税 収 実 績 は 、 前 年 同 期 比 7 . 2 % 増 で 当 初 予 算 編 成 時 に 想 定 し た 伸 び 率 ( 9 . 0 % 増 ) を 下 回 り 、 ま た 地 方 税 収 の 伸 び に つ い て も 急 激 に 鈍 化 し つ つ あ る 。  

平 成 1 9 年 度 の 本 市 の 市 税 収 入 に お い て も 、 個 人 及 び 法 人 市 民 税 の 伸 び が 予 想 を 下 回 る 見 込 み と な っ て い る 。 さ ら に 、 三 位 一 体 の 改 革 に よ る 国 庫 補 助 負 担 金 の 一 般 財 源 化 に 伴 い 、 所 得 税 か ら 個 人 住 民 税 へ の 税 源 移 譲 が 実 施 さ れ た こ と に よ り 、 本 市 に お い て は 平 成 1 9 年 度 以 降 毎 年 度 7 億 9 , 0 0 0 万 円 も の 大 幅 な 税 収 減 が 見 込 ま れ て い る 。  

た だ し 、 固 定 資 産 税 に つ い て は 、 平 成 1 7 年 度 に 地 価 が 下 げ 止 ま り 、 平 成 1 8 年 度 以 降 上 昇 基 調 に 変 わ っ て き た こ と 、 ま た 大 型 マ ン シ ョ ン の 建 設 計 画 が 続 く こ と な ど か ら 、 増 加 傾 向 に あ る と 予 想 し て い る 。  

歳 出 で は 、 現 在 進 行 し て い る 複 数 年 に わ た る 事 業 は 、 J R 中 央 線 連 続 立 体 交 差 事 業 、 「 武 蔵 野 プ レ イ ス ( 仮 称 ) 」 建 設 事 業 及 び 武 蔵 境 駅 周 辺 整 備 事 業 が あ る 。 ま た 、 今 後 取 り 組 ま な け れ ば な ら な い 事 業 に 、 吉 祥 寺 駅 南 口 都 市 計 画 事 業 を は じ め 、 小 中 学 校 な ど 更 新 時 期 を 迎 え 始 め た 市 有 施 設 の 更 新 や 維 持 管 理 の た め の 改 修 事 業 な ど が あ り 、 こ れ

図 表 6   経 常 収 支 比 率 の 推 移

72. 8

80. 7

83. 6

71. 8 80. 5

79. 0 82. 0

75. 9 80. 8 85. 2 84. 2

81. 6 79. 9

85. 0 82. 3

50 55 60 65 70 75 80 85 90

4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 1415 16 17 18 年 度 図 表 5   借 入 金 残 高 の 推 移

0 100 200 300 400 500 600 700

4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 1617 18 年 度 億 円

一 般 会 計 下 水 道 会 計 土 地 開 発 公 社

平成 19 年 12 月 30 日現在 

ら は 膨 大 な 経 費 を 要 す る と 見 込 ま れ る 。 さ ら に 、 地 域 で の 暮 ら し を 支 え る 福 祉 の 充 実 、 子 育 て し や す い 環 境 の 整 備 、 持 続 可 能 な 環 境 共 生 都 市 づ く り 、 安 全 ・ 安 心 の ま ち づ く り な ど 、 多 く の 課 題 が 山 積 し て い る 。  

一 方 、 国 は 平 成 2 0 年 度 か ら 暫 定 措 置 と し て 法 人 事 業 税 を 見 直 す 是 正 策 に よ り 、 都 な ど か ら 4 , 0 0 0 億 円 の 税 収 を 地 方 に 回 し 、 地 域 間 の 財 政 力 格 差 の 縮 小 を 図 り 、 偏 在 性 の 小 さ い 地 方 税 体 系 の 構 築 を す す め る と し て い る 。 本 市 に と っ て は 、 直 接 的 な 影 響 は 無 い も の の 、 今 後 、 都 市 部 の 自 治 体 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ す 動 き も 否 定 で き ず 、 税 制 改 正 の 論 議 の 行 方 に は 十 分 注 視 が 必 要 で あ る 。  

景 気 回 復 が こ の ま ま 緩 や か に 継 続 し て い く と し て も 、 今 後 数 年 間 の 財 政 状 況 は 、 決 し て 楽 観 で き る 状 況 で 推 移 す る と は 考 え ら れ な い 。 平 成 1 9 年 1 1 月 に は 事 務 事 業 ・ 補 助 金 見 直 し 委 員 会 の 答 申 が 出 さ れ た が 、 行 政 運 営 に あ た っ て は 、 こ れ ら の 成 果 を 活 か し 、 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 と コ ス ト の 削 減 に 努 め 、 ス ク ラ ッ プ

・ ア ン ド ・ ビ ル ド を 市 役 所 一 丸 と な っ て 推 進 し て い く 必 要 が あ る 。    

( 4 ) 財 政 計 画 の 策 定 の 方 法 に つ い て  

財 政 計 画 は 、 地 方 自 治 体 が 総 合 的 な 行 政 運 営 を 行 う た め の 財 源 的 な 裏 づ け を 保 証 す る も の で あ り 、 武 蔵 野 市 の 長 期 計 画 ・ 調 整 計 画 は 、 財 政 計 画 の も と に 策 定 さ れ て い る 。  

第 四 期 基 本 構 想 ・ 長 期 計 画 策 定 時 に お け る 平 成 1 7 年 度 か ら 平 成 1 9 年 度 ま で 3 年 間 の 計 画 額 と 実 績 の 比 較 は 図 表 7 、 図 表 8 の と お り で 、 実 績 額 が 計 画 額 を 上 回 っ て い る 。 歳 入 で は 、 平 成 1 7 年 度 と 平 成 1 8 年 度 に 法 人 市 民 税 で 臨 時 的 な 収 入 が あ っ た こ と 、 ま た 、 地 域 住 宅 交 付 金 な ど の 新 設 さ れ た 国 庫 補 助 金 が 交 付 さ れ た こ と な ど が 大 き な 要 因 で あ る 。 歳 出 で は 、 ほ と ん ど の 費 目 で 計 画 額 を 下 回 っ て い る 一 方 で 、 歳 入 が 伸 び た 分 を 基 金 に 積 み 立 て て い る 。  

平成 19 年 12 月 30 日現在 

                         

   

財 政 計 画 策 定 に あ た っ て は 、 調 整 計 画 の 実 効 性 を 担 保 す る た め 、 従 来 の 計 画 と の 整 合 性 を 図 り 、 堅 実 な 財 政 運 営 を す す め ら れ る よ う 、 以 下 の と お り の 方 法 と し た 。  

① 現 行 の 税 財 政 制 度 を 前 提 と し 、 改 正 が 明 ら か な も の に つ い て は 反 映 さ せ る 。  

② 計 画 は 一 般 会 計 に つ い て の み 策 定 す る 。  

③ 各 年 度 の 歳 入 ・ 歳 出 の 算 定 は 、 平 成 1 9 年 度 を 基 準 と し て 、 平 成 1 8 年 度 ま で の 決 算 の 推 移 、 将 来 人 口 推 計 、 経 済 見 通 し な ど を 考 慮 し て 計

④ 新 規 の 事 業 計 画 の 投 資 的 経 費 に つ い て は 、 各 当 該 年 度 に そ の 財 源 と と も に 計 上 す る 。    

( 5 ) 財 政 計 画  

平 成 2 0 年 度 か ら 平 成 2 4 年 度 ま で の 5 年 間 の 財 政 計 画 は 図 表 9 の と お り で あ る 。 歳 入 の う ち 個 人 市 民 税 は 人 口 推 計 と 経 済 見 通 し 等 を 、 法 人 市 民 税 は 景 気 動 向 等 を 勘 案 し て 推 計 し た 結 果 、 市 税 全 体 で 平 均 0 . 4 % の 増 を 見 込 ん だ 。 国 庫 支 出 金 は 、 地 域 住 宅 交 付 金 が 平 成 2 1 年 度 で 終 了 す る こ と な ど か ら 平 均 2 . 4 % の 減 、 都 支 出 金 は 制 度 改 正 に よ る 都 民 図 表 7   歳 入 の 実 績 ( 平 成 1 7 〜 1 9 年 度 )

0 20, 000 40, 000 60, 000 80, 000 100, 000 120, 000 140, 000 160, 000 180, 000 計画額

実績

百万円

市 税 国 庫 支 出 金 都 支 出 金 繰 入 金 市 債 そ の他

図 表 8   歳 出 の 実 績 ( 平 成 1 7 〜 1 9 年 度 )

0 20, 000 40, 000 60, 000 80, 000 100, 000120, 000 140, 000160, 000 180, 000 計 画 額

実 績

百 万 円

人 件 費 扶 助 費 公 債 費 物 件 費 維 持 修 繕 費

補 助 費 等 繰 出 金 投 資 的 経 費 積 立 金 そ の 他

1 7 、1 8 年1 9 年。  

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