1.3 度 、 お よ び 連 続 で 3 度 を 弾 く 場 合 3度音程の全音階ほど心地よく耳に響くものはない だろうが、しかし、あゝ、それをチェロで弾くとなると、
難しいものとなり、特に低いポジションは顕著である。
第1ポジションにおいてのみ、2つの3度は開放弦を 使う可能性があるから、同じポジションで、移動する ことなくとることができる。けれども、それに続く3度は、
ひとつの重音を弾くたびにポジションをずらしていか なければいけないので、音と音とのつながりが、演奏 する上で非常に難しくなる。とても高いスキルを必要 とし、指を配置するのにある程度の時間がかかるの で、ゆっくりとしたテンポでのみ演奏が可能である。
他の難しさとして挙げられるのは、連続する3度は長 3度と短3度がほぼ毎回入れ替わるにも関わらず、
[開放弦を含む場合などを除いて]1と4の指でしか 押さえることができないので、2本の指の距離は1と1 /2全音[半音が3つ]、あるいは全音2つ分となるの で、完璧な音程で弾くのは大変難しい。
次にあげるのは、3度のスケールの例である。1
Duport/Lindner 1880: 47
付録2 第10章と第18章の日本語訳
短音階では、同じ指使いが使われるが、開放弦 を使えないところが例外となる。1と4の指は 上の音階と同じように使われる。どの調でも同 じことがいえるので、ハ短調の例のみ挙げてお く。
低いポジションでのスケールは次の例の ようになることがあるが、このやり方は、
均一な音質を必要とするメロディーにはあ まり適さないので、実用的とは言い難い。
なぜなら、数多く現れる開放弦は、指でと っている他の音よりも強い上にけたたまし い音質になってしまい、音質の均一さが台 無しになってしまうからである。ここでは、
上の音を下の弦で、下の音を上の弦でとる 方法を紹介しようと思う。
重音の上か下に、一本線ならA線,二本線な らD線,三本線ならG線,四本線ならC線、とい うように表示した。
何も表示のない音は、前述のとおり、自然な スケールの指使いとなる。もし親指を使うポジ ションになった場合は、2つの3度を、ポジシ ョンを変えずに弾くことができるので、より好 都合だと言える。次の例は、ト長調の3度のス ケールの、上二本の弦[A線とD線]のみ使った 例で、前述のとおり“0”マークは親指の意味で ある。
続いて、親指からスタートする例を挙げる。
こちらの方がさらに簡単で、良い効果が生まれ る。2
(2)次のページに示す音階においてミスプリントと 思われる箇所を発見したので※印をつけておいた。
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一つ前に挙げたト長調スケールに於いても、
親指からスタートすることは可能である。しか し、その場合は、[A線D線ではなく]2、3番 目の弦[D線G線]からスタートしなければなら ない。
短 調 の ス ケ ー ル の 場 合 は 、
その調によって、[2本の]指をさらに幅広く するか狭めなければいけないので、指使いは同 じものの、さらに技術的に難しくなる。
次に挙げるパッセージは、簡単に上行形も下 行形も弾ける指使いの例である。
同じようにイ長調のスケールでも1,2番めの 線[A線D線]を使い弾くことができる。変ロ長 調でも同様である。
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連続した3度は非常に難しいので、実際に実 用的ではない場合もある。例えば、ナット3の近 くで弾く場合、よほど大きな手でない限り、1 の指と3の指は3度をとれるほど拡げることが できない。よって、次の指使いは限られた人に のみ有効かもしれない。
A線とD線を使った例
この例を試してみるとわかることだが、AとC を3と1の指でとるのは、とてつもなく大きな 手の人でなければ不可能である。このような3 度は4と1の指でとるか、または親指と2の指 をつかって、2、3番目の弦[D線とG線]でと ることが望ましい。この2つの例を挙げておき ながら、後者の方だけ引用したのには理由があ る。それは、このような連
続した3度を弾くのに、音
質が良くないことは大した問題ではない、と捉 え、親指を用いる方が簡単に弾けると主張する 奏者と知り合ったからである。
たくさんの難しい例を挙げたが、演奏可能な ことはしか示さなかった。どんなに熟練したテ クニックの持ち主でも、手にとって不自然な指 使いは最悪な結果しか生まないからである。ど の調でも[根本的な]指使いは同じである、と いうことにして、この章は締めくくることにす る。
2 .3 度 と 2 度
次に挙げる連続する3度と2度の例は、パッ セージの中でも頻繁に使われる。このような場 合は親指と2の指で演奏する。
はじめに親指が1音下がり、それに続いて2 の指が1音下がる。親指が下がることにより2 度音程が生み出されるのだが、2の指がまた1 音下がることによって再び3度となる。正しい 音程になるように、よく気をつけなければいけ ない。
短調でも同じことが言える。指使いは同じだ が、るが、次の指がとる距離が異なってくる。
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これがメロディーになった場合、同じことが起 きるがさらに複雑になってくる。
3.連 続 す る 3 度 、 2 度 、 6 度 に つ い て
この例は、音が純粋に鳴るように最も良く鳴 る調としてニ長調を選んだ。この調で練習した 者にとっては、他の調でも同い指使いで簡単に 弾けるだろう。
4.連 続 す る 3 度 と 6 度
連続して3度と6度を使うと、良い効果を生 む上に、とても合理的だ。
Duport/Lindner 1880: 51
前の例と次の例では、交互に現れる3度と6 度のスラー[横線]がかかっているのは同じポ ジションで演奏することを示している。
この指使いでは、2小節目の2拍目のE♭を 3の指でとるように指示してある(X印の所)。
これはもしかしたら難しく感じられるかもしれ ないし、一般的なルールは無視しているようで あるが、こうすることによって、次に続く[3 度の]重音のD線の音を4の指を半音分突っ張る ことによって、とる必要は無くなってくる。し かしながら、[次の例の3小節目の2拍目のよ うに]X印の所を4の指でとるのも、間違いでは ない。
どうするかは教師が決めてよいが、減3度が スケールで現れている場合は、この指使いは避 けられない。
C♯からE♭までの音程は減3度である。この 指使いの法則が、連続する重音の中ではどうな るか見てみよう。
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この項目は、いつの間にか3度より6度につ いて書いてしまった。[先例の指使いは]短6 度[の重音の羅列]でも同じである。
5.4 度 に つ い て
4度の重音というものはあまり頻繁には出て こない。そのきつすぎる響きのせいで、あまり 連続して使うことはないが、伴奏が付いている 時のみ、連続する4度も耳に耐えられるし、効 果的である。ここで連続する4度の例を挙げて みようと思う。おそらく、伴奏がないとあまり よく響かないことに気づくだろう。
4度、5度、7度のスケールは挙げない。役 に立たない上に、耳を悪くするだけである。
6.5 度 に つ い て
チェロの弦は5度間隔で調弦してあるので、
どの指でも2本の弦を同時に押さえれば5度を とることができる。親指を2本の弦に置けば同 じことが言え、可動式のナットの役割を果たす。
7.減 5 度 に つ い て4
(4) 英語訳では減音程や増音程に関して
minor,diminished,major,augmentedといった表記
Duport/Lindner 1880: 53
減5度の重音は常に2と3の指を交差した状 態でとる。なぜなら、この重音は、次の例でみ られるように、通常、短3度か長3度に解決す るからである。
減 5 度 か ら 長 3 度 に 解 決 す る 例
減 5 度 か ら 短 3 度 に 解 決 す る 例
指使いは長3度でも短3度でも同じである。
減 5 度 か ら 3 度 の 重 音 に 解 決 す る 例
あまりに無味乾燥にならないように伴奏をつ けておいた。
Duport/Lindner 1880: 54
さきほどからずっと、減5度は2と3の指で とると言い続けてきたので、上記の例に指使い の指定は書かなかった。
大変稀な例外もあるが、それは例えば、バス にメロディーがある保続音などの場合である。
見れば明らかなことではあるが、1の指で音 を持続させなければいけないとなると、2の指 は通常のルールを無視してG F# Gを弾かなけれ ばいけなくなる。また、フレーズの終わりの減 5度も、2の指と3の指で弾かなければいけな い。しかしながら、もし[ひとつの音を持続させ るのではなく]以下のように音ひとつひとつを分 けて書いている場合、減5度を2と3の指で弾 いてもとくに問題はないと言える。
しかしながら、以下のような速いパッセージ では、1の指を固定しておくような、最初に挙 げた指使いが適切であると言える。
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8.増 4 度 の 場 合 (三 全 音 )
同じ重音でも2つのマナーがあることが見て 取れる。それは次にどのような音が続くかによ る。次の例は1と2の指で弾いた例である。
次の例は(同じ音ではじまっているものの)
3と4の指で弾き始めた例である。
この指使いは、長調でも短調でも、[増4度 の時に]使うことができる。
この重音のパターンが低いポジションで行わ れる場合は、何調で弾かれるかに関係なく、次 の2種類の指使いで弾かれる。
Duport/Lindner 1880: 56