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(市場の規模)

1 2014年度末時点における移動系通信全体の契約数は1億5,722万(前年度末比+5.0%)と増加 している。移動系通信の一つである通信モジュールの契約数は1,211万(前年度末比+17.3%)と 増加傾向であり、移動系通信の拡大の背景の一つとなっている。

2 単純合算のLTEの契約数は6,778 万(前年度末比+46.0%)、単純合算の携帯電話の契約数に占 める割合は44.4%(前年度末比+12.2ポイント)となっており、単純合算のBWAの契約数は1,947 万(前年度末比+160.9%)と大きく増加している。ただし、BWA契約数の大部分がBWA用の周波数 に対応したLTE端末に係るものとなっている。

3 2014年度末時点における移動系音声通信サービスの契約数は58万(前年度末比▲17.7%)と近 年は減少傾向となっている。

4 2014年度末時点における移動系通信全体の売上高をみると、11兆6,864億円(前年度末比+10.2%)

と増加傾向となっている。

(事業者別シェア)

5 移動系通信全体の契約数における事業者別シェアは、NTTドコモは42.4%(前年度末比+0.2ポ イント)、KDDIグループは28.6%(前年度末比+0.5ポイント)、ソフトバンクグループは29.0%

(前年度末比▲0.7ポイント)となっている。ただし、同契約数にはMVNOへの提供回線数も含まれ ること、スマートフォン等とは一契約当たりの収益が大きく異なる通信モジュールの契約数等も含 まれていることには留意する必要がある。

6 移動系データ通信市場の契約数における事業者別シェアは、NTTドコモは42.5%(前年度末比+

0.2ポイント)、KDDIグループは28.6%(前年度末比+0.5ポイント)、ソフトバンクグループは28.8%

(前年度末比▲0.6ポイント)と、移動系通信市場全体とほぼ同じである。

7 単純合算の移動系音声通信市場の契約数における事業者別シェアは、NTTドコモは43.6%(前年 度末比±0.0ポイント)、KDDIグループは30.0%(前年度末比+0.5ポイント)、ソフトバンクグル

ープは26.4%(前年度末比▲0.5ポイント)となっている。

8 周波数ひっ迫度をグループ別でみた場合、契約数についてグループ内取引調整後、単純合算のい ずれを用いた場合であっても、NTTドコモが最も高い。

(市場集中度)

9 移動系通信市場全体におけるグループ別の市場集中度(HHI)は、2014年度末時点で3,455とな っており、ほぼ横ばいで推移している。

10 移動系データ通信市場のHHIは3,459と移動系通信市場全体と近い数値であるとともに、ほぼ横 ばいで推移している。

(料金及びサービス品質)

11 従来、MNO主要各社のスマートフォン向けデータ通信料金プランは、月額7GBを上限とされてい たが、2014年6月以降、MNO各社はデータ通信に係る料金プランの多段階化と通話定額制等の組合 せを内容とする新料金プランを導入した。

12 MVNOのサービス・料金については、MNOの料金プランと比較すると、データ通信量の上限が低い

ものの、月額料金が安いものが多い。

13 (携帯電話料金の国際比較については集計中。)

14 移動系通信サービスの主要事業者のARPUをみると、NTTドコモは4,370円(前年度末比▲130円)、 KDDIは4,550円(前年度末比+50円)、ソフトバンクモバイルは4,230円(前年度末比▲220円)

となっている。

15 民間事業者の実施したサンプル調査の分析結果によると、LTEのデータ通信速度を事業者別にみ ると、分布には差異がみられた。

16 移動系通信端末でのインターネット利用時間及びデータ通信利用量は、前年度と比べていずれも 増加しているが、超高速サービス利用者についてはいずれも減少している。これは、同利用者とし てライトユーザーが増えてきたことが考えられる。

(サービス変更)

17 利用者が他の事業者へ通信サービスを変更する際のコストとして、転出元事業者に対する解約事 務手数料や転出手数料のほか、転入先への新規契約事務手数料がかかるのが一般的である。更に、

SIMロック解除に対応していない場合など、端末を変更せずに事業者を変更することが不可能な場 合には、転入先で端末を新たに購入しなければならず、新規端末購入費を加えたスイッチングコス トが高額になる傾向がある。

18 ただし、MNOでは一般的に、サービス変更時に転入先の事業者がキャンペーン等による割引等を 行っていることから、実際に利用者が負担する金額がゼロ以下となる場合がある。転入先の事業者 の販売戦略によって割引等は大きく異なり、それが他の事業者へのサービス変更時に利用者が実質 的に負担する金額に影響することに留意する必要がある。

19 直近2年間のMNPの利用数は、2013年度第4四半期(2014年1月から3月まで)が最大の約260 万であり、次の四半期では各社キャッシュバックの収束等により約3分の1に減少している。その 後は携帯電話とPHS間の番号ポータビリティ開始等を背景として増加傾向を示している。

20 2014年度末におけるSIMロック解除可能な種類数は、当該年度に発売された種類数82のうち、

32(39.0%)であった。

21 総務省では、海外渡航時や番号ポータビリティ制度の利用時など、利用者のSIMロック解除に対 する要望を踏まえ、2010年6月にSIMロック解除ガイドラインを策定している。また、2015年5 月1日以降新たに発売する端末については、原則無料でSIMロックの解除を行うこととしている。

現在、各社は同ガイドラインに沿ったSIMロック解除に係る運用方針を公表しており、今後の動向 を注視する必要がある。

22 携帯電話契約に関し、過去2年以内に契約期間が新たに進行する契約を店舗で行った者を対象に したアンケートでは、期間拘束・自動更新付契約への加入割合が86.0%となっている。また、有期 契約に関する意見として、有期契約者は「いつでも解約できるようにしてほしい」という意見が最 も多かった。

23 総務省では、期間拘束・自動更新付契約の在り方の利用者視点からの検証等を行っている。

(MVNO サービスの動向)

24 2014年度末時点におけるMVNOサービスの契約数(MNOであるMVNOを除いた数値)は952万(前 年度末比+28.9%)、移動系通信の契約数に占めるMVNOサービスの契約数(MNOであるMVNOを除い た数値)の比率は6.1%(前年度末比+1.1ポイント)と増加傾向となっている。

25 利用者アンケート結果によると、MVNOの認知度は69.5%(前年度末比+20.1ポイント)と上昇 した。また、MVNOサービスを利用する理由としては、「月額利用料金の安さ」などの料金面が大半 を占めている。

26 反対にMVNOを利用しない理由としては、「MVNOサービスの内容をよく知らない」などの認知度の 低さを挙げる者が多く、次いで「通信品質に不安がある」などの品質面に関する不安が挙げられて いる。

(上位下位レイヤーをレバレッジとしたネットワークレイヤーへの影響)

27 上位レイヤーのサービスシェアをみると、ネットワークレイヤーの移動系通信事業者が展開する アプリケーションよりも、いわゆるプラットフォーム事業者のものの方が圧倒的に高い。

28 有力なプラットフォーム事業者のほとんどが海外事業者であり、それぞれ強みを持つ分野が異な る。例えば、Googleはアプリマーケット(46.2%)、動画配信(85.4%)及び検索(40.3%)、Apple は音楽配信(64.9%)及びアプリマーケット(47.6%)において高いシェアを有している。

29 利用者に対する訴求力が非常に高い上位レイヤー又は下位レイヤーの事業者がネットワークレイ ヤーで利用可能な通信サービスを制限している場合には、隣接事業領域から通信レイヤーに対して レバレッジが働いていると考えられる。ただし、AppleのiPhone端末が移動系通信事業者3グルー プから発売されているとともに、SIMフリー端末も発売されていること等も踏まえると、現段階で はそのようなレバレッジは働いているとはいえないが、引き続きその動向を注視していくことが必 要である。

(市場支配力の評価)

30 移動系通信における市場支配力に関しては、移動系データ通信市場・移動系音声通信市場ともに、

契約数シェアをグループ別でみた場合、首位のNTTドコモの契約数シェアは高く、同社が単独で市 場支配力を行使し得る地位にあると考えられる。

31 NTTドコモの契約数シェアは、これまでの減少傾向からわずかに増加に転じているが、契約数に

はMVNOへの提供回線数や通信モジュールも含まれている中で、収益シェアは引き続き減少傾向で あり、2位以下の事業者との格差が縮小していることを踏まえると、これまで低下していた同社の 市場支配力を行使し得る地位が上昇しているとはいえず、競争状況の転換が生じているかについて は引き続き注視することが必要である。

32 2014年度末時点における3グループの移動系通信の契約数シェアは100%であり、また市場集中

度(HHI)が3,455と高い水準にあることから、複数事業者が協調して市場支配力を行使し得る地 位にあると考えられる。

33 しかしながら、スマートフォン等の普及が進む中、MVNOも含めて激しい顧客獲得競争を展開して いるとともに、NTTドコモ、KDDI及びソフトバンクモバイルの3社がいずれも第二種指定電気通信 設備に係る規制措置の対象となっていること等に鑑みれば、NTTドコモが単独で、又は複数事業者 が協調して市場支配力を実際に行使する可能性は低い。

(料金・サービスの評価)

34 上位MNO3社の旧料金プランにおけるデータ定額通信料は、スマートフォンへの移行やLTEサー

ビス開始等を経て、ほぼ同一の料金水準で推移している。また、新料金プランについても、通話定 額料金を含む基本料が3社いずれも同額となっている等、若干の違いはあるものの、おおむね横並 びとなっている。そこで、料金水準だけに着目すれば、上位MNO3社の料金競争が十分に機能して いるとは言い難い。

35 このような中で、更なる競争の促進のためには、MVNOの事業展開の更なる促進のほか、サービス 変更の自由度を表すスイッチングコストについて、各事業者等の取組等を踏まえつつ検証を行って いくことが重要となる。

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