本章では実験の結果から因果関係を推察する。
3.1 視力との相違
体験者の視力には多少ばらつきがみられた。殆どの体験者の利き目が左目であっ た。にも関わらずに6人の体験者は右目用の立体視用の素材をぼかしたほうがよ いという結果になっている。これは優位眼とそうでない目どちらを遠くに着目す るか近くに着目するかで見え方が変わると考えられる。右をぼかしたほうがよい ということは利き目にくっきりとした像を見せることが可能であれば右側の像が ぼけていてもよいということになる。図3.1は視力を、図3.2は結果をグラフにし たものである。左が青色、右が赤色である。左右の視力に差がない体験者が5人 いた。これは実験での視聴時に普段の目で見ている視覚能力を用いたからと考え られる。普段見ている視覚能力では視力補正を行なっていることが多く、半分以 上の被験者では眼鏡の着用が見受けられた。左右の視力に差がある場合、補正に よって差が埋まるのでぼかし効果は必要ではないことが考えられるが数pixelのぼ かしがよいという結果が得られているので視力だけではなく利き目などの要素が 絡んでいることが言える。またくっきりした映像だとつかれてしまうという意見 があったのである程度のぼかし効果を加えることで楽に視聴が出来るのではない のかと考えられる。得られたぼかし範囲が1〜3の間に殆ど収まっており、これは ぼかしが強いと見づらくなってしまった。これはぼかした画像とそうでない画像 が融像できる限界を超えてしまったから立体視が出来なかったことが考えられる。
一部の身体験者では6pixelのぼかし効果が必要であったが、これは右と左の視力 にそれなりの差があり1.0以上の視力を持たない体験者がそうであった。今回の実 験では2名いた。左右のぼかし量には殆ど1から3pixの差しかない。1人だけぼ かし量を同じにしたものが見やすいと解答した体験者がいた。3pixはあまりぼか しが強いとは言えず、このことから左右の目での像の差は細かい違いなら影響な く立体視が行えていると考えられる。今回実験に参加した体験者はみな普段もの を見る立体視と立体視機材を用いた立体視が行えた。立体視コンテンツの立体視
ができない被験者に対しての影響が測ることが出来ていないので解決策本研究で は判断できない。
今回の実験で利用したコンテンツは予めぼかし効果を適応したものを用意して を再生した。リアルタイムにぼかしの濃度を映像にあわせて変更する場合の影響 の調査がを行なっていないので今後、リアルタイムに動かしながら調査を行うこ とを検討する必要がある。場面によって立体感の増大や減少があるから映像にあ わせてカメラの位置や着目点までの距離が異なることが考えられる。リアルタイ ムコンテンツで行うと描写画面の計算が負担になることが考えられる。本研究で のぼかしを加えた画像の書き出しはjpgで行ったが、他の形式だと容量がかさみ時 間がとてもかかった。画像の劣化は見受けられなかったが9pixまで段階的にぼか すために予め計算して行ってもぼかし効果の処理には時間がかかる。またぼかし 効果が画面全体に適応されるものなので距離に応じたぼかし効果、ピント効果を 用いていない。目では距離に応じてぼかし具合が変化することが考えられるので 距離を反映したぼかし効果を適応することが検討項目である。
図3.1: 視差をグラフにしたもの
図3.2: ぼかし濃度をグラフにしたもの