第 3 章
3-1
第
3
章 プロジェクトの内容3-1 プロジェクトの概要
調査対象となっている4都市においては、主水源である地下水の開発技術が発達してお らず、また給水設備の整備が遅れていることから給水率は4都市全体で 22.1%、各都市の 給水率も下表のように低い値となっている。このため、住民は各戸給水サービスの7倍と もなる高額な給水車の水、あるいは非衛生的な河川水等を利用する生活を強いられている。
表3-1 現況水利用状況
給水源別利用世帯数および給水率
都市名 区 分
各戸給水/ヤード給水 公共水栓 合 計
利用世帯数 142 839 981
デ バ ル ワ
全世帯中の割合(%) 3.6% 21.4% 24.9%
利用世帯数 737 1,419 2156
デ ケ ム ハ レ
全世帯中の割合(%) 11.2% 21.6% 32.8%
利用世帯数 0 577 577
マ イ デ ィ マ
全世帯中の割合(%) 0.0% 14.8% 14.8%
利用世帯数 919 3 922
ア デ ィ ケ イ
全世帯中の割合(%) 14.2% 0.0% 14.2%
出展:2005 年 12 月における JICA 調査団全戸調査結果
上記状況に対処すべくエ国は、国家水供給・衛生緊急行動計画(2004-2007)を策定した。
同計画は「2015年までに地方住民の60%に安全な水を供給する」という国家開発目標の一 環となっている。同計画に基づき全国的な水不足傾向、特に地方部の水不足に対応するべ く、UNICEF および土地・水・環境省の水資源局(WRD)は緊急対策を立案した。同緊急 対策の内容は、緊急給水用のタンカーの購入、水理地質調査(試掘井戸、物理探査など)
の実施、ため池・水槽・小規模ダムの改修と新設、送・配水システムの改修と新設、水資 源局の能力開発から成る。また同計画に基づき、エリトリアコミュニティ開発基金
(ECDF:Eritrean Community Development Fund)により、デケムハレを除く3都市で給水施 設整備を行っているが、資金不足から十分な整備は実施されていない。
一方、JICAは1997年から1998年にかけて「地方都市地下水開発計画調査」を実施した。
その結果、上記4都市のうちマイディマを除く3都市においてはイタリア統治時代に建設 された水道施設が存在するものの老朽化が著しく、給水量は 4.9~13.5 リットル/日/人 という極めて低い水準に止まっていることが確認され、2005年、2010 年、2015 年を目標 年次とする段階的な給水・衛生施設整備計画が策定された。計画された施設は、水源施設
(2010年計画までは地下水、2015年計画は一部表流水及び地下ダム)、送配水施設、公共 水栓、各戸給水、衛生施設である。この給水施設整備計画の一部はECDFにより実施され たが、十分な整備状況には達していない。
デブブ州4都市における地下水開発および給水施設整備を通した住民の生活環境の改善 を目的とする本計画は、エ国が上記施策を実施する上で不可欠であり、その妥当性は高い。
本計画では、下表に示す給水施設を建設することによって対象地域の給水状況を改善し、
住民の衛生環境を改善することを目的とする。また事業の持続発展性を確保するために各 都市給水事業部職員への技術研修をソフトコンポーネント支援により実施し、施設運営・
維持管理技術の強化を図る。
表3-2 本事業における各都市給水施設概要
施設 単位 デバルワ デケムハレ マイディマ アディケイ
1) 深井戸およびポンプ施設 箇所 14 4 14 11
2) 既存ポンプ付替 箇所 0 4 1 0
3) 中継ポンプ 箇所 0 0 0 1
4) 送水管 Km 25 24 15 20
5) 配水池 箇所
m3
2 500、 50
1 1,100
1 300
2 700、 50
6) 配水管 Km 9 14 4 0
7) 公共水栓 箇所 9 16 9 10
本基本設計調査のプロジェクト・デザイン・マトリックス(PDM)は、表3-3に示すと おりである。
表3-3 プロジェクト・デザイン・マトリックス(PDM)
プロジェクトの要約 指標 指標データ入手手段 外部条件
上位目標
デバルワ市、デケムハレ市、
アディケイ市およびマイディ マ市の 4 市の住民の衛生環境 が改善される。
a) 4 都市住民の水因性疾病が 減少する。
b) 持続的・長期的に給水人口 が増加する。
a) 事業実施後のモニタリング調査 結果
b) 保健省資料 c) 統計資料
エ国政府の都市給水事業にか かる基本政策に変更がない。
プロジェクト目標
対象地域において給水状況が 改善される。
a) 給水人口 b) 給水量
c) 給水アクセス率(給水施設 利用率)
d) 事業体の運営・維持管理状 況
a) 事業実施後のモニタリング調査 結果
b) 4 都市事業体の年報 c) 給水施設運転記録 d) 財務・会計記録
水源井戸が枯渇しない。
成果
a) 対象地域に給水施設が整備 される。
b) 4 都市の運営・維持管理能力 が向上する。
a) 水源施設(深井戸)数 b) 配水地区面積
c) 4 都市の水道事業体の財務 指標
a) 給水施設の工事竣工図 b) 4 都市事業体の年報
水資源局の水道事業に係る支 援体制が変わらない。
教育された水道事業体職員が 短期間で退職しない。
活動 日本国側 施設建設
4 都 市 に お け る 給 水 施 設 建 設:井戸水源、送配水管、貯 水槽、ポンプ設備、公共水栓 エ国側
給水施設の建設
施設建設に係る用地取得、資 機材の調達に係る免税措置、
モニタリングおよび水道事業 体に対する支援
投入 日本国側 基本設計
業務主任/給水計画
:3.1M/M 地下水開発 :3.2M/M 物理探査/試掘調査
:3.3M/M 社会調査/維持管理計画/
環境社会配慮 :2.7M/M 給水施設設計/施工計画
:2.2M/M 積算 :1.8M/M 施設建設
4 都市における給水施設:井戸 水源、送配水管、貯水槽、ポ ンプ設備、共同水栓
エ国側
人材(水資源局、4 都市水道事 業体)
a) プロジェクトマネージャー(1 名) b) プロジェクト・コーディネーター
(4 名) c) 水理地質(4 名) d) 給水施設(4 名)
施設建設
a) 水道事業体による建設用地 の確保
b) 土地・水・環境省による運 営・維持管理支援
前提条件
所定の揚水量が確保される。