– SAGA GIS *50
17.5 空間データ
以前は必要とする者が自ら取得することが一般的であったが、最近では各種空間データが整備されてきている。
17.5.1
国内•
国土地理院発行の各種数値地図(有償)*60ただし、近年、情報公開により閲覧を目的としてデータの無償公開が進んでいる。
ex)
国土地理院数値地図(
空間データ基盤)
の閲覧(試験公開)*61•
電子国土ポータル*62各種地図の閲覧を主眼。精細なベクトルデータを提供。専用プラグインを用いて各自が
Web
地図作成を行 える。•
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
宇宙航空研究開発機構(
JAXA
*63)が2006
年1
月24
日に打ち上げた衛星の観測データ。有料?「高精度で標高抽出を行うためのパンクロマチック立体視センサ
(PRISM)
、および土地被覆の観測を高精度に行う ための高性能可視近赤外放射計2
型(AVNIR-2)
、昼夜の別なく、また天候によらず陸域の観測が可能なフェーズドア レイ方式L
バンド合成開口レーダ(PALSAR)
の3
つの地球観測センサを搭載」※
2008
年1
月8
日、予定した精度が取得できないのではないかとの報道*64 がなされたが、その後の調査により、同年同月
16
日、新たな方法を用いることで懸念されていた問題は改善できるとの発表がなされた*65。*59FOSS4G Toolkit CDはMandriva向けのRPMセットとして配布するのみとなったようです。
*60http://www.gsi.go.jp/
*61http://sdf.gsi.go.jp/
*62http://portal.cyberjapan.jp/index.html
*63http://www.jaxa.jp/index_j.html
*64http://www.asahi.com/special/space/TKY200801090162.html
*65http://www.jaxa.jp/press/2008/01/20080116_sac_daichi_j.html
17.5.2
地球規模•
スペースシャトル地形データShuttle Radar Topography Mission (SRTM)
1994
年より実験開始。現在主に利用されているのは2000
年に行われた第3
回実験によって取得されたデータ。11
日間の飛行で両極を除く地上の陸地の約80
%、全人口密集地の約95
%をカバーするデータを取得した。NASA
のFTP
サイト*66よりデータをダウンロード可能。一部有料。DEM(Digital Elevation Model)
の作成用•
ランドサット衛星画像Landsat Imagery (TM, ETM+)
*67メリーランド大学*68からデータをダウンロード可能。様々な波長の光の反射データ。リモートセンシング用。
•
商用衛星画像データGoogle Earth
やGoogle Map
などでは高精細な商用衛星画像データが用いられている。Earthsat
社やDigital Globe
社、Bluesky
社など。確かに解像度が高く利用価値は高いが、非常に高価なので、費用対効果を考えて利用されている。
でも結局研究目的の場合などは、今でも自分達でデータを取得しなければならないことの方が多いです。なので、
いかに効率的に、必要とされ、正確・詳細な空間データを取得するかが問題となります。
17.6 おわりに
17.6.1
まとめ以前に比べて環境は格段に良くなっています。特に、こちらから能動的に各種データの整備を要求・もしくは自ら 多大なコストをかけて取得しなくても、次々と空間基盤データの整備が行われてきています。表示系の地図サイトな どは個人レベルで管理・運用できる環境が整っています。
皆さんもちょっと触ってみませんか?
17.6.2
反省点今回は
GIS
の概要を説明することで大半を消費してしまいました。より具体的な話が出来なかったのが悔やまれま す。しかし、実際に使ってみないと実感が湧かないのも事実です。また、具体的な課題がないと、なかなか触るきっ かけもないかもしれません。*66ftp://e0srp01u.ecs.nasa.gov/srtm/
*67http://www.eorc.jaxa.jp/hatoyama/satellite/satdata/landsat_j.html
*68http://glcfapp.umiacs.umd.edu:8080/esdi/index.jsp
あんどきゅめんてっど でびあん
2008
年夏号18 Debian で PC クラスタを作ってみ よう
中尾 昌広
18.1 はじめに
安価で高速な並列計算機システムである
PC
クラスタを、Debian
を使ってセットアップする方法について説明し ます。18.1.1 PC
クラスタとは何か?クラスタ
(cluster)
とは英語で「ブドウの房、同じものが群らがっている様」みたいな意味です。つまり、PC
クラスタとは、複数台の
PC
をブドウのように(LAN
ケーブルで)相互接続し、それらを協調動作させるシステムのこ とです。図
6
クラスタの概念図18.1.2 PC
クラスタをつくる理由高速な計算機環境が欲しいけど、スーパーコンピュータみたいな高価な専用並列計算機はとても買えません。そこ で、普通の電気屋で売っているような
PC
をクラスタ化して、安価に並列計算環境を作ろう、ということが考えられ ました。PC
クラスタには大きく分けて、HA
(High Availability
)クラスタとHPC
(High Performance Computing
)ク ラスタがあります。HA
クラスタとは、高可用性を持つシステム、つまりサービスを止まりにくくすることを目的と したクラスタシステムです。最近はWeb
系のサーバでこのシステムがよく利用されています。HPC
クラスタとは、科学計算分野などでおいて、ものすごく時間のかかる処理を、複数台の
PC
に分散させて、高速に結果を得ることを 目的としたクラスタシステムです。企業のメーカでも、車体や航空機を設計する際のシミュレーションなどに用いら れています。本資料とプレゼンでは基本的に
HPC
クラスタについての話ですが、HA
クラスタに共通している点も多いはずです。