2 本論
2.7 値下げ効果の評価と政策代替案
2.7.2 純便益を最大化する料金体系
2.7.1の考察により、平日と休日の値下げ効果に違いがあることから、料金体系を変更 することで社会的純便益を増加させることができる可能性がある。そこで、政策代替案 として、2.7.1で算出した年間の減収分を維持しつつ、平日及び休日の割引率を変更する ことによって、より社会的純便益を増加させるような料金体系を提案したい。
いま、仮に平日の夜間と深夜の割引率を同一として、0%から100%まで変化させた場 合を考える。この平日の割引率を変化させるごとに、現在の年間減収分の範囲で休日の 割引率を最大まで引き上げ、そのときの社会的純便益を推計すると、図2.7.2のとおりと なる。
なお、社会的純便益には、社会的費用である温暖化ガス減少分も加味されているが、
環境問題に対する注目の高さを考慮し、図2.7.2では、温暖化ガス費用のみを示すグラフ も掲げている。
15 中央ルートの平日は値下げによって増収になると推計されたが、一般的には考えにくい。Withの交通 需要が過大に推定されている可能性が考えられる。
図 2.7.2 平日・休日割引を変化させたときの純便益及び温暖化ガス費用(試算)
[中央ルート]
9.58
-4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
平日夜間・深夜割引率
△SS(億円/年)
-10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 40 18% 38% 47% 50% 48% 39% 19%
休日昼間割引率
△CO2(百万円/年)
社会的純便益の変化(左軸) 温暖化ガス
注)平日割引率が0%又は80%以上のときは、休日割引を0%としても料金収入は維持できない。
[東ルート]
17.5
0 5 10 15 20
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
平日夜間・深夜割引率
△SS(億円/年)
0 15 30 45 60 61% 60% 58% 55% 51% 46% 40% 33% 24% 10%
休日昼間割引率
△CO2(百万円/年)
社会的純便益の変化(左軸) 温暖化ガス
注)平日割引率が100%のときは、休日割引を0%としても料金収入は維持できない。
[西ルート]
5.56
4 4.5 5 5.5 6
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
平日夜間・深夜割引率
ΔSS(億円/年)
6 6.5 7 58% 56% 55% 53% 51% 49% 46% 44% 41% 37% 33%
休日昼間割引率
△CO2(百万円/年)
社会的純便益の変化(左軸) 温暖化ガス
以上をまとめると、各ルートにおいて社会的純便益を最大化する平日と休日の値下げ の組合せを求めることができ、その料金体系にシフトした場合に追加的に得られる社会 的純便益は表2.7.4のとおり推計される。
仮に、各ルートでこの料金体系にシフトしたとすれば、3ルート合計で年間2.9億円の 追加的な純便益が見込まれる。
表 2.7.4 社会的純便益を最大化する平日・休日割引の組合せ(試算)
西ルート 中央ルート 東ルート 平日割引(夜間・深夜) 0% 60% 30%
休日割引(昼間) 60% 40% 55%
追加的に得られる
社会的純便益(億円/年) 0.20 2.01 0.70