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第 5 章 VaRTM 成形の成形モニタリング

5.1.3 硬化度測定結果

Fig.5-4に24℃24時間の硬化条件でVaRTM成形したGFRPの硬化度曲線を示す.図よ り120分から400分の間で硬化度が比較的よく上昇している.その後,500分あたりから 上昇は緩やかになり,600分で硬化度0.8に達した後は硬化進展がほとんど進まなくなって いることが分かる.24時間経過しても硬化度は1に達しておらず完全硬化していない.よ って,ポストキュアをして硬化させる必要がある.

Fig.5-5に室温硬化(24℃24時間)+ポストキュア(80℃2時間)でVaRTM成形した GFRPの屈折率と温度の関係を,樹脂を加熱硬化させた結果とともに示す.図より,24時 間の室温硬化でGFRPの屈折率変化は0.39にまで達している.その後のポストキュアで屈 折率は温度上昇に比例して減少している.65℃付近で減少は徐々に緩やかになり,85℃で 上昇に転じている.これは硬化による屈折率上昇分が温度による減少分を上回るためだと 思われる.2時間のポストキュアによって屈折率は上昇し,硬化度1にまで達した.

Fig.5-6に室温硬化でのVaRTM成形したGFRPと樹脂のみの硬化度曲線の比較図を示す.

VaRTM成形したGFRPと樹脂のみの結果を比較すると,同様の硬化度曲線になることが

分かった.これは室温硬化条件ではガラス繊維の存在は,硬化度測定に影響を与えていな いことを意味している.

Fig.5-7に,24℃24時間の硬化条件でVaRTM成形したGFRPの硬化度曲線を,表2,3 で示された2種類のKamalモデルを用いた硬化シミュレーション結果とともに示す.図よ り,修正前のモデルを用いた硬化度曲線は,初期の部分では測定曲線と一致しているが,

硬化度0.2を過ぎてからは大きく異なっている.一方で,修正後のモデルによる硬化度曲線 は,実験結果と比較的よく一致していることが分かる.以上より,本研究で提案する手法 により,常温硬化プロセスのDSC測定をせずに,様々な硬化温度パターンに対応する樹脂 の硬化反応モデルを作成できることが分かった.発熱量が小さい常温加熱の場合は,熱分 析で硬化度を求めるのは難易度が高いが,光ファイバセンサによる測定は簡単であり,非 常に有用だと言える.

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Fig.5-4 VaRTM成形GFRPの硬化度曲線(24℃24時間)

Fig.5-5 VaRTM成形GFRPと樹脂の屈折率変化と温度の関係

-0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 5 10 15 20 25

by Fiber optic sensor

D eg ree o f cu re

Curing time (hour)

-0.02 -0.01 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05

20 40 60 80 100 120 140

Cured resin (low temp) Cured resin (high temp) Cured GFRP

R ef ract iv e i n d ex v ari at io n  n

Temperature (°C)

Cured resin (low-temp)

Cured resin (high-temp)

Uncured resin

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Fig.5-6 VaRTM成形GFRPと樹脂の硬化度曲線

Fig.5-7 VaRTM成形GFRPの硬化度曲線(実測値と修正前,修正後のシミュレーション)

-0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 5 10 15 20 25

by Fiber optic sensor (VaRTM) by Fiber optic sensor (Resin)

D egree o f c u re

Curing time (hour)

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 500 1000 1500

by Fiber optic sensor Simlation by old model

Simlation by corrected model

D eg ree o f cu re

Time (m)

39 5.2 VaRTM成形GFRPの硬化度分布測定

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