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ドキュメント内 Microsoft Word 基本計画【決定稿】.doc (ページ 128-131)

1.目標

●研究成果の活用と情報交流の促進 

〔研究者〕

 

研究者・研究機関、または行政が実施する研究・調査の成果から得られた情報・知見・

技術を積極的に集約・蓄積して、広く活用し、小笠原の自然環境の保全・再生の取組に資 するとともに、島の取組に還元することを通して、島民の豊かな暮らしに資することを目 指す。また、これらが持続的に行われていくよう新たな仕組みをつくる。

 

2.現状と課題

○研究成果の蓄積と活用のために 

固有種の生息・生育状況や新たな外来種の侵入状況などに関する最新情報、そしてこれ らに対する適切かつ有効な取組など、研究者・研究機関、または行政が保有する自然環境 情報・知見・技術を集約・蓄積し、小笠原の取組へと還元して積極的に活用していくこと が必要である。また、自然再生や保全対策等の事業実施箇所やモニタリングサイトなどに おける継続的な調査などを通しても、これらの知見等の蓄積を図る。 

 

○研究成果の情報交流のために 

研究成果の還元・普及啓発のための広報誌を発行・配布している取組も一部には見られ、

また、近年では、インターネット等を通した小笠原を研究フィールドとする研究者・研究 機関の間での情報交流などが行われているが、今後、このような場で交わされる情報のう ち、必要があるものについては、行政も含めた外の主体に適切に発信していくことも求め られる。

3.島づくり、仕組みづくりの方向性

◆自然環境情報の継続的な収集・蓄積

今後、小笠原の自然環境の変化を適切に把握・評価できるよう、そのための基礎情報を 得ることを目的として、研究者・研究機関が実施する研究に加えて、事業実施箇所におい て自然再生がどのように進んでいくかのモニタリング、そして事業実施箇所以外でもモニ タリングサイトを設け、継続的な調査を通して、小笠原の自然環境情報を収集し、蓄積し ていく。

◆研究情報の集約、成果の活用

事業の実施にあたっては、事業実施箇所及びその周辺地域の最新の即地的情報が不可欠 である。このため、地理情報も含めた、情報の蓄積・更新・検索・閲覧等が可能なデータ

ベースシステムの整備を行うとともに、このデータベースの地元での適切な継続的管理を 行えるようにする。これら既存の情報を有効に活用しつつ、適切な評価を可能とするモニ タリング手法を検討する。 

また、事業実施にあたって、関連する研究者・研究機関から必要な情報とともに、留意 すべき事項等が把握でき、評価・公表等につなげることができるように、仕組みづくりを 検討する。さらに、研究成果を今後の事業や取組等に活かせるよう、研究者が、いつ、ど こで、どのような研究を行っているかなどについての情報を集約し、行政も含めた関係者 間で情報共有できるようにしていくことも検討する。

◆研究成果の保全・再生への活用・還元、事業との連携

研究者が、自らの研究成果を自然環境の保全と再生に関する事業に活用できるよう、あ らかじめ意識して研究に取り組むことで、研究成果を島に還元する必要がある。一方で、

保全・再生の事業を生態学的野外実験ととらえること等により、事業と研究の連携を模索 することで、相互に成果をあげることを目指す。特に順応的管理の実施、事業地以外での 中長期的なモニタリングの実施といった点については、研究者の役割が大きい。さらに、

これらの研究成果は島の地域社会、とくに教育や産業(観光等)にも還元される必要があ る。

また、研究者は、自らの研究分野についてはもちろんのこと、属島に足を踏み入れる機 会も多いことから属島への外来種の新規侵入を発見するなど、島民も気づかない新たな自 然の変化に気づき警鐘を鳴らす役割が期待される。これらを通報し、共有するシステムの 確立を図る。

◆総合的な研究の推進

小笠原は、その自然環境の特殊性から、多くの自然系研究者が研究フィールドとして活 用し、すでに研究者間のつながりもある。これを生かし、小笠原における研究者の連携に よる総合的な調査研究を行うなど、より深い連携を実現する必要がある。また、これらの 総合的研究は、保全・再生に還元されるものである必要がある。

◆研究を進める上での留意事項

研究者は属島に足を踏み入れる機会も多いことから、フィールドへの外来種の非意図的 導入を防ぐことは当然の義務である。特に国内外の熱帯、亜熱帯など小笠原と類似した環 境下でフィールド調査を行っている場合、その危険性は一般島民や観光客とは比較して格 段に高い。従って、十分な対策が必要である。例えば、研究者間の試行的な取組として、

それぞれの研究分野で注意すべき知見を集積し、「研究者の自主ルール」を整理し、先行 的に実施していくなど、属島への影響の最小化につとめなくてはならない。

また、研究とはいえ、その内容によっては事業実施と同様に様々な自然環境への影響を 生じる可能性は高い。したがって、その内容に応じて事業実施と同様の環境配慮、合意形 成なども必要となる。

◆様々な研究機関・研究者間の連携を可能にする仕組みづくり

小笠原の自然環境に関する調査研究に携わる島内外の様々な研究機関・研究者間の連携 のハブとして機能し、自然環境情報を一括で収集・蓄積し、そしてそれを活かして固有種 保護や外来種対策への一貫した取組・監視などを実施していくことができる仕組みづくり を検討する。

そして、将来的には、ガラパゴスのダーウィン研究所のような「連携の中核拠点となる 研究機関」の組織化を目指し、この連携拠点となる機関が研究機関・研究者間のハブとし て、また、研究者と行政や島内社会との窓口として機能することによって、個々の調査研 究や各種活動などが効果的かつ効率的に進められ、さらに、それらが行政施策や地域の産 業活動などに効果的に還元されていくことを目指す。

また、属島への新たな外来種の侵入などのように緊急対応が必要な際に適切かつ早期に 対応できるよう、警告を発信できる情報伝達、早期段階での駆除や自主ルール化などをは じめとした対応の意思決定と取組実施を図ることができる一連の仕組みづくりも検討す る。

連携の中核拠点となる研究機関

研究者 研究機関 研究者 研究機関 研究者 研究機関 研究者 研究機関

自然環境情報の一括した 収集・蓄積

固有種保護や外来種対策 への一貫した取組・監視 情報提供・調査協力の関係

図 4-1  包括的な調査研究の仕組みの模式図 

行政 

地域 

(ガイド他) 

 

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