研究代表者
那須 信樹 (NASU NOBUKI) 短期大学部幼児保育学科・准教授
共同研究者
笠井キミ子 (KASAI KIMIKO) 短期大学部幼児保育学科・教授
森 康博 (MORI YASUHIRO) 短期大学部幼児保育学科・教授
小川 和子 (OGAWA KAZUKO) 短期大学部幼児保育学科・准教授
古賀 和博 (KOGA KAZUHIRO) 短期大学部幼児保育学科・准教授
山崎 篤 (YAMASAKI ATSUSHI) 短期大学部幼児保育学科・准教授
圓入 智仁 (ENNYU TOMOHITO) 短期大学部幼児保育学科・講師
小 康子 (KOYANAGI YASUKO) 短期大学部幼児保育学科・講師
竹内 理恵 (TAKEUCHI RIE) 短期大学部幼児保育学科・助手
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研究成果の概要
本研究の成果は、 全受講生に配付した教材 セミナーノート (=幼児保育基礎セミナー Seminar Note Ver. 1)
<本プロジェクト研究会編、 2008年、 図1参照>であり、 この教材を活用した授業である。 幼児保育基礎セミナー において、 従来から実施している建学の精神の理解、 社会性教育、 大学付属幼稚園の見学や、 幼稚園や保育所で働いて いる先輩 (卒業生) の講話などの他に、 保育所の見学、 保育所以外の児童福祉施設で働く先輩 (卒業生) の講話を加え た構成となっている。
教材として作成した セミナーノート は、 学生が授業毎に授業内容を書き込むことを目的としており、 主体的に学 ぶ姿勢の涵養、 文字化することにより自らの学びにより自覚的になる姿勢を育むことを目指した。 1回の授業で使用す るページが見開きになっており、 左に各授業の概要を記し、 右に学生のメモ欄を設けた。 レポート用紙や、 社会性教育 の一環としてのマナーチェック表、 学生による授業評価アンケート用紙も挿入した。 レポートやマナーチェック表は、
教員が点検した後に学生に返却し、 セミナーノート に綴じるよう指導している。 これらの工夫により、 学生はこの セミナーノート 1冊で、 幼児保育基礎セミナー の全てを振り返ることが可能となる。
授業を終了するに当たって、 学生には教員側が用意した 幼児保育基礎セミナー に対するアンケートに回答してもらっ た。 調査の結果、 大学付属幼稚園や付属保育園の見学、 服装や行動などのマナーを学んだ社会性教育、 保育者として勤 務している先輩の話に対する満足度がとても高いことが明らかになった。 保育実践の場での具体的な体験や実際の話しを 聞くことが、 学生の職業意識の向上に大いに役立ったようである。 本学の建学の精神や、 本学科の教育目標への理解も 深いことも確認された。
併せて、 本学科の教員を対象として、 学生による セミナーノート の使用状況に関する調査も行った。 学生が授業 中に、 何をメモとして記録しているのか、 セミナーノート の存在によって初めて把握できたこと、 1つの授業に1 つのノートがあることで授業に統一感があり、 授業の流れを容易に把握できるといった肯定的な意見が認められた。 そ の一方で、 メモを取らない、 あるいはメモの少ない学生の存在の指摘、 FD の観点からは、 教員から学生に対する セ ミナーノート 活用の働きかけの温度差など、 学科教員としての共通認識の程度のバラツキなどへの指摘も認められた。
本プロジェクトでは、 本学科の教員全員が関わる 幼児保育基礎セミナー の授業改善を検討し、 いくつかの新しい 試みを展開してきた。 2年間のプロジェクトは終了したが、 本学科の導入プログラム (初年次教育) の内容や方法は、
今後とも継続して検討し続けなければならない課題であり、 教員間での共通理解を促すティーチングスキルや教材等の さらなる研究開発の基盤として本研究を位置づけていきたい。
研 究 分 野:保育者養成
キーワード:(1)効果的な導入教育、 (2)持続可能なモデルプログラムの開発、 (3)FD の推進、 (4)学生の体系的な学び の支援、 (5)Seminar Note (学習支援ツール) の開発
1. 研究開始当初の背景
中村学園大学短期大学部幼児保育学科 (以下、 本学科) では導入教育を 幼児保育基礎セミナー (1年次前期 開講科目) としてカリキュラムに組み込み、 指導主任制 度を中心に新入学生の大学生活への適応を支援している。
しかし近年、 学外実習および実習関連科目等において、
未熟な社会性や保育者 (本報告書において 「保育者」 と は幼稚園教諭ならびに保育士を指す) としての適性に関 連する不適応が起きており、 保育に携わる者としての適 性を把握する必要性が生じてきたことがきっかけとなっ て、 本研究への取り組みが開始された。
2. 研究目的
本研究においては、 2年間のカリキュラムの流れの中 で初期に機能する導入教育プログラムを研究・開発する ことを主たる目的とした。 具体的には、 幼児保育基礎 セミナー で実施する 「自己実現に向けての自己診断」
や 「自己教育力を高めるための自己啓発プログラム」 な どのコンテンツの開発研究を行うこと、 またそれに伴う ワークブック (学習支援ツール) の開発やその他の教材 開発を行い、 学生の学習意欲を 基礎演習 (1年次後 期開講科目) や実習へと円滑につなげていくことを目標 とした。
3. 研究実施計画・方法
本プロジェクト研究においては、 FD も視野に入れな がら本学科の初年次生に対する効果的な導入教育のあり 方を検討し、 具体的な取組みとして展開してきた。
とりわけ、 ①短大初年次における学生生活に必要な知 識や情報の提供、 ②保育専門職に対する具体的なイメー ジを獲得させるべく様々なリソース (付属幼稚園2園・
付属保育園1園) の活用や本学を卒業した現職の保育者、
社会人教育のプロフェッショナルを招いての講演、 講話 等の機会の設定、 ③指導主任を中心としたグループ別ミー ティングの設定によるきめ細やかな導入期の教育のあり 方について、 一つのモデルプログラムを開発してきた。
さらに、 学生の体系的かつ累積的な学びをサポートする ためにワークブック形式による セミナーノート を新 たに開発。 20年度の授業より導入していくことになった。
20年度入学生に対しては、 本 セミナーノート (Ver.
1) をもとに具体的な授業の展開を図った。 一連の授業 実践や学生へのアンケート調査の結果を踏まえながら、
プログラム運用上の課題や セミナーノート (Ver.2) の開発に向けて、 改善のための方策を探った。
4. 研究成果
今回のプロジェクト研究の最大の成果は、 保育系短期 大学における導入教育 (本学科授業科目:「幼児保育基 礎セミナー」) のための学習支援ツール Seminar Note (図1左側参照) の開発である。 毎回の授業におけるノー ト作成と併せて、 授業後の 「ふりかえり」 を軸とした授 業システムが学生の修学意識の向上に寄与することを明 らかにした。 さらに、 Seminar Note の存在が教育間 における授業改善 (充実) に対するコミュニケーション を活性化させ、 具体的な FD 推進の手がかりを与えてく れるものとなった点は大きな意義を持つものと考えら れる。
研究成果の詳細については、 下記、 研究報告書 中村 学園大学短期大学部幼児保育学科における導入教育プロ グラムの開発的研究 (2009)、 ならびに研究期間中に改 訂を行った Seminar Note (Ver.2) を参照されたい。
なお、 研究成果については、 2010年5月末に開催予定の、
日本保育学会第63回大会にて報告予定である。
5. 主な発表論文等
雑誌論文 (計0件)
学会発表 (計0件)
図書 (計3件)
①中村学園大学短期大学部幼児保育学科導入教育プロジェ クト研究会編 幼児保育基礎セミナー Seminar Note (Ver.1) , 2008.
②中村学園大学短期大学部幼児保育学科導入教育プロジェ クト研究会編 幼児保育基礎セミナー Seminar Note (Ver.2) , 2009.
③中村学園大学短期大学部幼児保育学科導入教育プロジェ プロジェクト研究 研究成果報告書 第1号
図1 左側: 幼児保育基礎セミナー Seminar Note 、 右側:研究報告書 中村学園大学短期大学部幼 児保育学科における導入教育プログラムの開発 的研究
クト研究会編 中村学園大学短期大学部幼児保育学科 における導入教育プログラムの開発的研究 , 2009.
産業財産権
○出願状況 (計0件)
○取得状況 (計0件)
6. 予算配布額
(金額単位:円)
研究経費 機器備品 合 計
平成19年度 430,000 0 430,000 平成20年度 1,000,000 83,000 1,083,000 合 計 1,430,000 83,000 1,513,000
発行日 平成21年12月25日 編集者
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