3.2 知能流システム研究部門
3.2.5 知能流体物性研究分野
(研究目的)
最適自律制御型の高度知能反応性熱流体装置を実現するため、温度場、濃度場、流れ場や圧力場 等の外部環境に応答する化学反応を伴う反応性熱流体の特性解明、さらに電場および磁場を印可し たときの発熱化学反応場の構造の変化、それらの変動に対する応答特性評価を行っている。
また、超高速コンピューティングによる数値流体シミュレーション技術が、研究開発の現場のみ ならず産業界や一般社会生活で広く社会貢献できるようにするため、超低消費電力小型化設計をソ フトウェアアルゴリズムからハードウェア演算回路にいたるまで全ての階層において極限的に推し 進めた“コンパクトな流体運動自己組織化シミュレータ”の構築に関する研究を行っている。
(研究課題)
(1) 反応性熱流体の電磁場制御
(2) 二酸化炭素完全回収型プラントに用いる反応性熱流体の研究 (3) 超低消費電力を追求した流体運動自己組織化シミュレータの研究
(構成員)
客員教授 2 名(佐藤 順一、松岡 浩)
(研究の概要と成果)
(1) 反応性熱流体の電磁場制御
電磁場は発熱化学反応場でのイオンの生成や再結合に影響するばかりでなく、反応性熱流体中の 微粒子およびその反応過程で生じる微粒子の挙動にも影響を及ぼす。また、酸素は磁性流体として の特性を持っているので、酸素を用いた発熱化学反応場は磁場の影響を受ける。発熱化学反応場の 電磁場応答特性を明らかにし、電磁場を用いた反応性熱流体の知能流体としての制御手法を検討し た。
(2) 二酸化炭素完全回収型プラントに用いる反応性熱流体の研究
二酸化炭素を完全回収する発電プラントとして酸素/二酸化炭素混合気を酸化剤として用いるガ スタービンが考えられる。これを実現するため、ガスタービン燃焼器の高圧条件下での酸素/二酸 化炭素/燃料系の基礎研究を行っている。二酸化炭素の多量希釈による反応速度低下と輻射再吸収 による燃焼特性の変化を高圧場において把握すること,およびそれらの変動場に対する応答特性を 明らかにする。
(3) 超低消費電力を追求した流体運動自己組織化シミュレータの研究
超低消費電力シミュレータを実現するため、ソフトウェアアルゴリズムについては、格子ガス法 による自己組織化シミュレーションを採用し、演算回路のトランジスタ電力消費が大きい乗算・除 算を用いずにベクトル処理(ベクトル化率 99.7 %)数値シミュレーションを行った。また、超低消 費電力シミュレータの応用研究として、原子炉設計の支援実験解析や自律型水中ロボットの位置制 御への適用について検討した。
(主要論文リスト)
Imamura, O., Kubo, Y., Osaka, J., Sato, J., Tsue, M. and Kono, M.
A study on single fuel droplets combustion in vertical direct current electric fields, Proceedings of the Combustion Institute 30: (2005), pp.1949 -1956.
Tanabe, M., Kuwahara, T., Satoh, K., Fujimori, T., Sato, J. and Kono, M.
Droplet combustion in standing sound waves,
Proceedings of the Combustion Institute 30: (2005), pp.1957 -1964.
-25-