(1)設置場所
大学の設置場所については、①現在の総合衛生学院と②富山県立大学を 検討したが、主たる実習施設と想定される県立中央病院が隣接していると いう実習面における学生の利便性、総合衛生学院の建物の有効活用による 初期投資の減少など効率性を勘案すると、県立の看護大学は、現在の総合 衛生学院の場所での設置が最も現実的である。
(2)設置形態
県立の看護大学の設置形態としては、県立大学に看護学部を設置する方 法と、県立大学とは別に単科大学として県立看護大学を設置する方法があ るが、県立大学の看護学部とした場合、県立大学との教養教育の連携・施 設の共用、学部間の学生の交流促進、事務部門の効率化など、様々なメリ ットが期待される。
こうしたことから、現在の総合衛生学院を改組し、県立大学の看護学部 として設置するのが適当である。
なお、総合衛生学院については、県内の看護職員養成の中核的機関とし て重要な役割を担ってきたが、養成校としての総合衛生学院の機能は、大 学卒看護職員に対するニーズが増加してきたとの状況変化を踏まえ、これ を県立大学看護学部として改組することで、引き続き、医療機関や在宅医 療、行政など幅広い分野に対して、質の高い看護職員を供給する重要な役 割を果たすものと考えている。
○病院実習面や現校舎の活用など利便性や効率性を勘案すると、現在の 総合衛生学院の場所での設置が現実的である。
○現在の総合衛生学院を改組し、県立大学の看護学部として設置する のが適当である。
○ 設置形態
①県立大学の看護学部として設置
②県立大学とは別の看護大学(単科大学)として設置
○ 看護学部として設置した場合のメリット
経営面、教学面での効率化、活性化や早期開学が期待できる
・教養教育の共同実施(共通科目)
カリキュラム編成の工夫で教養教員の活用や施設の共用が可能
・看護学と工学融合による特色ある教育研究が期待できる
・入学生の確保促進(県立大学の知名度を活用、特に初年度)
・学生交流による大学の活性化
・学長の設置が不要、事務局のスリム化(経理や入試担当等)など
<参考>全国の状況(都道府県立の看護大学)
約8割(=31/39 大学)が看護学部として設置
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2.入学定員
(1)定員枠
県内各市町村の医療機関等への質の高い看護職員の供給の面や、県内高 校生の県外流出防止に加え、県外からの入学生を増やし、学生数を確保し たうえで県内定着を促進するといった地方創生の観点から、入学定員は総 合衛生学院の100名から一定程度増員し、120名とするのが適当である。
なお、現在の総合衛生学院の定員100名のうち養成所志望の70名程度
については、高岡看護専門学校の定員増等により県内養成校において受入 れることとなり、県立の4年制の大学と県内養成校が連携して看護職員の 養成に取り組んでいくことが求められる。
○質の高い看護職員の供給の面や、地方創生の観点から総合衛生学院 の入学定員を一定程度増員した 120 名が適当である。
○ 全国の状況(国公立大学の入学定員)※1大学あたり
○ 近県の看護大学全体の入学定員枠(私立を含む)
○ 県外の看護大学への進学状況
○ 地方創生の面(県内定着) 、施設面、教員・実習面を踏まえた検討
区 分 現状維持 一定程度拡大
入学定員 100 名 入学定員 110 名 入学定員 120 名 地方創生
若 者 の 県内定着
○県外流出の防止
県外進学 40 名(▲5割)
○人材供給は増加
(50 名程度)
○県外流出の防止
県外進学 33 名(▲6割)
○人材供給は増加
(55 名程度)
○県外流出の防止
県外進学 26 名(▲7割)
○人材供給は増加
(60 名程度)
校舎整備
概 算 12,000~14,000 ㎡ 13,000~15,000 ㎡ 14,000~16,000 ㎡ 専任教員 40~50 名程度 40~50 名程度 50~60 名程度 実 習 先 (現状どおり)
1学年あたり 20 グループ
1学年あたり
(現状+2)
1学年あたり
(現状+4)
※入学定員が 130 名以上となると、看護実習が4グループ(1グループ 40 名で編成)での 対応となり教員や実習先の確保が困難
・100 名以上 1割(= 9/90 大学)
・80 名超 100 名未満 1割(=10/90 大学)
・80 名以下 8割(=71/90 大学)
・石川4校 310 名(国立 80、公立 80、私立 80、私立 70)
・福井3校 160 名(国立 60、公立 50、公立 50)
・新潟4校 338 名(国立 80、公立 93、私立 85、私立 80)
・富山1校 80 名(国立 80)
・過去5年(H23.3~H27.3)年平均 70 人 直近の【H27.3】 81 人
(石川 32 人、関東 15 人、愛知7人、長野6人、福井6人など)
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(2)県内生枠
県内生の県外流出防止に加え、県外からの入学生を増やし、学生数を確 保したうえで県内定着を促進し、質の高い看護職員の供給を図る。
■県立総合衛生学院入学生の状況
入学年 入学者数(H27.4) 推薦枠
(県内生枠)
県内生 県内生割合
総合衛生学院 106 101 95.3% 30%(=30/100)
石川県立看護大学 82 60 73.2% 37.5%(=30/80)
福井県立大学看護福祉部 54 21 38.9% 50%(=25/50)
(3)大学院(修士課程)の設置
大学院(修士課程)については、国公立大学のほとんどで設置されてお り、専門看護師等のより高度な専門職業人の育成・供給の観点からも将来 的に設置するのが適当である。
○全国的な流れや専門看護師等のより高度な人材の供給を踏まえ、将来 的に大学院(修士課程)を設置。
■国公立の看護大学における大学院の設置状況
・国立大学 全て設置(=42/42校)
※うち専門看護師教育課程31(富山大はH27.4に設置)
・公立大学 9割超で設置(=46/48校)
※うち専門看護師教育課程31
(石川県立看護大、福井県立大、新潟県立看護大も設置)
○学生の県外流出防止や学生の質保証も勘案し、現在の推薦枠(3割)
を基本に、他県の状況等も踏まえ、県内生枠を設定。
○ 4年制の県立の看護大学と県内養成所が連携し看護職員の養成に取り組む。
現在の総合衛生学院の定員 100 名の受入先については、次のとおりと想定 ① 大 学 志 望:30 名程度 ⇒ 県立大学看護学部で受入れ
② 養 成 所 志 望:70 名程度 ⇒ 富山県高岡看護専門学校(定員 25 名増)や 他の県内看護養成所(欠員分約 45 名)で受入れ ※ H27 年 短大・3年制の専門学校の欠員数 44 名(参考:入学定員 435)
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3.教育課程
看護大学では、従来、保健師と看護師の国家試験受験資格を同時に取得 できる統合カリキュラムによる教育が行われてきた。また、助産師教育に ついては、一部の大学において、選択制で実施されてきた。
しかし、看護師になりたい学生にとっては保健師教育カリキュラムの履 修による負担増や、実習受入先の確保が困難などの弊害もみられ、平成23 年3月の「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会最終報告
(文部科学省)」を踏まえ、現在、全国的には選択制が主流となっている。
○質の高い看護職員を養成するため、全国的な流れを踏まえ、看護師養成 を基本として、保健師、助産師、養護教諭 1 種の養成は選択制とする。
■国公立の看護大学における教育課程
多くは看護師養成を基本とし、保健師、助産師等は選択制または専攻科
・国立大学 6割超(=26/42校)、 公立大学 7割超(=33/48校)
保健師 助産師 国立
(42大学)
公立
(48大学)
必須 選択又は
専攻科 11大学 12大学 選択 選択又は
専攻科 26 大学 33 大学
■「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会最終報告(抜粋)」
(平成 23 年3月文部科学省)
・ 学士課程においては看護師等の基礎となる教育内容が確保されることを前 提として、今後看護師教育のみを教育課程とするか、保健師教育を含めた教 育課程とするか、あるいは希望する学生が保健師教育を選択できる教育課程 とするかは、各大学が自身の教育理念・目標や社会のニーズに基づき、選択 できるものとする。
・ その上で、大学専攻科における教育の実施、あるいは大学院において高度 専門職業人の養成を目指した教育を実施することを等の方策を通じ、社会の ニーズに応え得る保健師教育の充実を図ることが考慮されるべきである。
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4.県内定着の促進
公的病院を中心に大卒看護職員の採用ニーズが高く、看護大学には、各市町 村の医療機関に安定的に質の高い看護職員を供給する役割が期待されている。
学生が県内の複数の病院で実習できれば、各市町村での就職につながる可能 性も高いことから、公的病院間の一層の連携を図り、県立中央病院以外の公的 病院での受入拡大など、これまで以上に、県内各市町村の公的病院等に人材を 供給できるような仕組みづくりを進めることが重要である。
併せて、大学化や入学定員の増加に伴い、県外出身生の割合が高くなること が見込まれるため、県内定着の取組みをさらに強化することも重要となる。
一方、受入側の医療機関においても、学生に選ばれるよう、魅力ある職場づ くりや、修学資金制度の創設などの取組みが期待される。
■県立総合衛生学院卒業生の就職状況 卒業年 卒業者数 就職者数
うち県内 県内
就職率
H27.3卒 97 80 64 80.0%
H26.3卒 95 72 58 80.6%
H25.3卒 104 90 73 81.1%
■総合衛生学院による県内医療機関への人材供給 卒業年 県 内
就職者数
医 療 圏
富 山 高 岡 新 川 砺 波 H27.3 卒 64 人 42 人
(65.7%)
8人 (12.5%)
10 人 (15.6%)
4人 (6.2%) H26.3 卒 58 人 41 人
(70.7%)
9人 (15.5%)
5人 (8.6%)
3人 (5.2%) H25.3 卒 73 人 54 人
(74.0%)
9人 (12.3%)
5人 (6.8%)
5人 (6.8%)
■近隣の国公立看護大学における県内就職の状況
大 学 定員 H27.3 卒 H26.3 卒 H25.3 卒 石川県立看護大学 80 78.2%(=61/78 人) 86.8% 83.1%
福井県立大学看護福祉部 50 39.0%(=23/59 人) 39.5% 25.5%
富山大学医学部看護学科 80 56.2%(=41/73 人) 55.6% 70.8%
○地域性に配慮して、各公的病院(実習機関)と連携等により、各市町 村に人材供給できる体制を整備することが重要である。
<県内定着促進に向けた取組み例>
○県内公的病院等へ人材供給できるような仕組みづくり
・県立看護大学と県立中央病院、県内公的病院等が連携した実習指導体制の構築
・各実習機関における指導者の育成、指導力向上の取組み
○学生への支援
・キャリア教育の推進、キャリアセンターの設置など就職支援体制の充実
・市町村や病院における修学資金制度の創設、拡充